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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09 |
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管理番号 | 1393231 |
総通号数 | 13 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-03-11 |
確定日 | 2022-12-16 |
事件の表示 | 商願2020−148716拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類「消火ホース,消防用ホース」を指定商品として、令和2年12月2日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年5月11日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月25日に意見書が提出されたが、同年12月6日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して、令和4年3月11日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)引用商標1 登録第5869571号商標は別掲2のとおりの構成よりなり、平成27年11月20日に登録出願、第9類「救命用具,消火器,消火栓,消火ホース,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,保安用ヘルメット,潜水用機械器具,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,眼鏡,運動用保護ヘルメット」を指定商品として、同28年7月29日に設定登録されたものである。 (2)引用商標2 登録第5962016号商標は別掲2のとおりの構成よりなり、平成28年12月19日に登録出願、第9類「消火器,消火栓,消火ホース,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置」を含む第5類、第8類ないし第10類、第12類ないし第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第25類、第27類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年7月7日に設定登録されたものである。 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。 第3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、本願商標の要部及び引用商標は、「サプリーム」又は「シュープリーム」の称呼及び「最高の」等の観念を共通にし、また、外観上、同一の文字列を表してなるものと容易に理解し得るものであるから、外観において近似した印象を与えるものといえることから、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、左側に「H」の欧文字をモチーフとしたような図形(以下「図形部分」という。)と、図形部分の右側に、「SuPREmE」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を横書きしてなるところ、図形部分と本願文字部分とは、重なり合うことなく間隔を空けて配置されていることから、本願商標は、視覚上、図形部分と本願文字部分とに、分離して看取されるものである。 そして、図形部分は、特定の意味合いを表すものとして認識されるものではないことから、特定の称呼及び観念を生じないものであり、本願文字部分は、「最高(位)の、最高の、至高の、最大(限)の、絶大な、第一人者の、究極の、最後の」等(「プログレッシブ英和中辞典」小学館)の意味を有するところ、図形部分と本願文字部分とは、意味上のつながりがあるとはいえないものであり、また、いずれかが本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき特別な事情も認められないものである。 そうすると、本願商標は、図形部分と本願文字部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであり、両者は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部となり得るものである。 してみれば、本願商標は、構成中の本願文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 したがって、本願商標は、本願文字部分の構成に相応して「スプリーム」の称呼を生じ、「最高の」等の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、赤色の横長長方形内に、白抜きで「Supreme」の欧文字を横書きしてなるところ、当該赤色の横長長方形は、構成中の「Supreme」の文字を装飾する背景として認識されるものであるから、引用商標においては、白抜きで大きく顕著に表された「Supreme」の文字部分が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきである。 そうすると、引用商標は、構成中の「Supreme」の文字を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというのが相当である。 したがって、引用商標は、その構成中、「Supreme」の文字に相応して「スプリーム」の称呼を生じ、該文字は上記(1)と同様に、「最高の」等の意味を有する語であるから、「最高の」等の観念が生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標の類否について、まず外観については、本願商標と引用商標とは、図形部分や文字の書体、色彩及び大文字と小文字の相違等があるものの、本願商標の要部である本願文字部分と引用商標の要部である「Supreme」の文字を比較すると、その全ての構成文字のつづりを同じくすることからすれば、取引者、需要者は、文字の書体や色彩の相違等にかかわらず、いずれも「supreme」の欧文字であるものと容易に認識するとみるのが相当であるから、両者は、外観において類似するものである。 また、称呼については、本願商標と引用商標とは、いずれも「スプリーム」の称呼を生じることから、称呼を共通にするものであり、観念については、両者はいずれも「最高の」等の観念を生じるものであるから、観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては図形部分や文字の書体、色彩の相違等があるものの、本願商標の要部と引用商標の要部との対比においては類似するものであり、また、両者は称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本願の指定商品である「消火ホース,消防用ホース」は、引用商標1及び引用商標2の指定商品中の第9類「消火器,消火栓,消火ホース,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置」と同一又は類似の商品である。 (5)小括 上記(1)ないし(4)によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について 請求人は、本願商標の文字部分及び引用商標の文字部分である「supreme」は、そのつづりによる英語の意味が「<品質など>至高の,最高の,最優秀の」と記載されており(甲1)、格別に難解又は高度な英単語ではなく一般的なものであるから、その語意どおりに「品質が最高」程度の観念を生じさせるものであって、自他商品又は自他役務の識別力あるいは出所表示機能を欠くものである旨主張する。 しかしながら、「supreme」の文字が、辞書等に「品質が最高」の旨の記載があること及び当該語が一般的なものであることをもって、直ちに本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないということはできず、また、本願の指定商品及びこれに類似する商品を取り扱う業界において、「supreme」の文字が、その商品の品質を表すものとして一般に使用されている実情は見受けられないことからすれば、当該業界における取引者、需要者は、商品の品質を表示するものとして認識するものとはいい難いものである。 さらに、「supreme」の文字は、上記1(1)のとおり、「最高(位)の、最高の、至高の、最大(限)の、絶大な、第一人者の、究極の、最後の」等、複数の意味を有する英単語であって、常に「品質が最高」程度の観念を生じるものとする事情は見いだせないものであり、かつ、それを証する具体的な証拠の提出はない。 したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。 3 結論 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 別掲2 引用商標1及び引用商標2(色彩については、原本を参照。) (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2022-10-12 |
結審通知日 | 2022-10-19 |
審決日 | 2022-11-04 |
出願番号 | 2020148716 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W09)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
森山 啓 |
特許庁審判官 |
小林 裕子 荻野 瑞樹 |
商標の称呼 | シュプリーム、シュープリーム、サプリーム、スプリーム、エイチ、エッチ |
代理人 | 市川 恒彦 |