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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3541
管理番号 1392390 
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-04-27 
確定日 2022-12-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6516983号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6516983号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6516983号商標(以下「本件商標」という。)は、「クラシゴトラボ」の文字を標準文字で表してなり、令和3年5月31日に登録出願、第35類「広告,ウェブサイト上の広告スペースの貸与,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告の代理,インターネットによる広告の代理,コンピュター・携帯電話その他の情報端末で閲覧可能な広告の代理,雑誌による広告の代理,新聞による広告の代理,テレビジョンによる広告の代理,ラジオによる広告の代理,車両の内外による広告の代理,アドバルーンによる広告の代理,看板による広告の代理,はり紙による広告の代理,街頭及び店頭における広告物の配布,商品・サービスの実演による広告,郵便による広告物の配布,広告文の作成,ショーウィンドーの装飾,広告宣伝物の制作,広告の企画・立案及び制作,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,インターネットを利用した商品の販売に関する情報の提供,サービスの提供促進に関する情報の提供,職業あっせん,求人情報の提供」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,セミナーに関する情報の提供,電子出版物の提供,書籍の制作,電子出版物の提供に関する情報の提供,書籍の制作に関する情報の提供,映画・演芸・演劇・又は音楽の演奏会の興行の企画又は運営」を指定役務として、同4年1月4日に登録査定、同年2月22に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する登録第5947365号商標(以下「引用商標」という。)は、「くらしごと」の文字を標準文字で表してなり、平成28年9月29日登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品、第35類「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した企業情報の提供,印刷物又は電子書籍による企業情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した国・地方自治体の行政経営・行政事業に関する情報の提供,印刷物又は電子書籍による国・地方自治体の行政経営・行政事業に関する情報の提供,求人活動・採用活動に関する助言・指導及び情報の提供,職業の適性に関する指導・助言・コンサルティング及び情報の提供,職業適性検査及び診断,企業の求人・採用活動・人事・労務管理に関する指導及び助言,経営の診断又は経営に関する助言,企業の人材の採用状況に関する市場調査,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したマーケティングによる市場調査及び経営に関する情報の提供,市場調査又は分析及びこれらに関するコンサルティング,商品の販売の促進又は役務の提供促進のための懸賞・プレゼントの実施に関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した商品の販売に関する情報の提供,商品の価格・販売店舗に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,企業の採用活動又は人材教育を支援するための広告及びこれに関する情報の提供,通信ネットワークを利用した広告及びこれに関する情報の提供,印刷物又は電子書籍による広告及びこれに関する情報の提供,動画による広告・ブログを利用した広告・ソーシャルネットワーキングサービスを利用した広告及びこれらに関する情報の提供,その他の広告及びこれに関する情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のための企画及び実行の代理,印刷物やインターネット等の各種媒体による各種店舗の割引情報を伴った広告,試供品の配布及びこれに関する情報の提供,広告業,インターネットにおけるウエブサイト上の広告スペースの提供,インターネットにおけるウエブサイト上の広告スペースの貸与,広告場所の貸与,広告用具の貸与,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのクーポン若しくはポイントの発行・管理・清算及びこれらに関する情報の提供,トレーディングスタンプ・クーポン券・ポイント蓄積式カード・割引付特典カードの発行・清算,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した求人情報の提供,印刷物又は電子書籍による求人情報の提供,その他の求人情報の提供,就職・転職の相談,求職者に関する情報の提供,求人情報の提供の代理,就職希望者に対する指導・助言・コンサルティング及び情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した職業のあっせん又は人材の紹介,その他の職業のあっせん及びこれに関する情報の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第41類「学校に関する情報の提供,スクールに関する情報の提供,資格試験に関する助言及び情報の提供,職業に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,暮らし方・生き方・働き方に関するセミナーの企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,就職セミナーの企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,就職・転職に関する企業説明会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,その他のセミナーの企画・運営又は開催,印刷物・書籍・雑誌(広告物を除く。)の制作,オンラインで提供される電子書籍の制作,電子出版物の制作,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作,人・企業又は地域間の交流会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定商品及び指定役務として、同29年5月19日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第72号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
(ア)外観
本件商標は、「クラシゴトラボ」の片仮名7文字から構成された外観を有し、片仮名の「クラシゴト」と「ラボ」を結合させて表示したものである。
(イ)称呼
本件商標の構成中、「ラボ」の文字部分は、「ラボラトリーの略」であり(甲3)、「ラボラトリー」は「研究所」の意味を有する英語である「laboratory」の読みを片仮名で表したものであること(甲4)、実際の取引において、「ラボはラボラトリー(研究所)のラボを意味」の意味で使用(甲71)されており、取引の実情において「ラボ」の文字は「研究所」を意味するものとして把握されていること、「クラシゴト」の文字部分が広辞苑に掲載されていない語であり、特段の意味を有しない造語であることからすると、本件商標は、「クラシゴト」と「ラボ」とを結合した結合商標と理解することができるものである。
また、「ラボ」の文字は、本件商標の指定役務の業界においては、多数使用されていることから自他役務識別力の弱い用語といえる。
他方で、「クラシゴト」は、申立人が以前から使用するように、「暮らし」と「仕事」の用語を掛け合わせて創られた造語であり、本件商標の指定役務との関係で「ラボ」よりも識別力が高く、取引者・需要者に対して強く支配的な印象を与えるというべきである。
そうすると、本件商標の「クラシゴト」の文字部分と「ラボ」の文字部分とが、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められず、本件商標から「クラシゴト」の文字部分を要部として観察することは許されるというべきである。
したがって、本件商標において、要部は「クラシゴト」の文字部分であり、「ラボ」の文字部分は捨象ないし極めて影響が小さいものであるため、本件商標からは「クラシゴトラボ」の他にも「クラシゴト」との称呼が生じるといえる。
(ウ)観念
本件商標は、「暮らし」と「仕事」の用語に由来する造語である「クラシゴト」に、「研究所」を意味する「ラボ」を結合させた語であり、「暮らしと仕事に関する研究所」ほどの意味合いを生じ得る。
イ 引用商標
引用商標は、「くらしごと」との平仮名5文字から構成された外観を有し、「クラシゴト」の称呼が生じ、また、「暮らし」と「仕事」に由来する造語である「くらしごと」からなるから、「暮らしと仕事」のような意味合いを生じ得る。
ウ 本件商標と引用商標の比較
(ア)外観について
本件商標と引用商標は、片仮名と平仮名の違いがあるため同ーとはいえないが、一般的に片仮名と平仮名は称呼や観念を共通するものとして使われることが多く(例えば「ふりがな」「フリガナ」など)、需要者にとっては共通する印象を与えるといえる。この点、本件では「クラシゴト」と「くらしごと」が片仮名と平仮名のみの違いとして共通しており、これに「ラボ」が結合された「クラシゴトラボ」と「くらしごと」とは外観上、共通する印象を与え、需要者にとって相紛らわしく類似するといえる。
(イ)称呼について
本件商標の要部は「クラシゴト」の文字部分であり、「ラボ」の文字部分は捨象ないし極めて影響が小さく評価されるため、本件商標からは「クラシゴトラボ」の他、「クラシゴト」との称呼が生じる。一方で、引用商標からは「クラシゴト」の称呼が生じる。
したがって、本件商標と引用商標の称呼は「クラシゴト」において同一であり、また、本件商標の称呼が「クラシゴトラボ」の場合には、7文字中5文字の「クラシゴト」が同一であるため、称呼が極めて相紛らわしく類似するといえる。
(ウ)観念について
本件商標からは、「暮らしと仕事に関する研究所」ほどの意味合いが生じるのに対し、引用商標からは「暮らしと仕事」ほどの意味合いが生じるため、「暮らしと仕事」の点において共通し、需要者にとっては相紛らわしく、観念が類似するといえる。
(エ)類否判断についてのまとめ
以上より、本件商標と引用商標とは、本件商標から「クラシゴト」との称呼が生じると認定できる場合には、両者は同一の称呼であり、また、本件商標から「クラシゴトラボ」の称呼が生じる場合には、引用商標の「クラシゴト」とは称呼が類似するといえる。よって、両商標が称呼され、聴覚されるときには需要者に与える称呼の全体的印象が互いに紛らわしいため、両商標は類似する。
また、外観及び親念においても、「ラボ」のみの有無の違いと片仮名と平仮名の違いしかないため、需要者に対して共通する印象を与え、相紛らわしい関係にあるといえる。
よって、両商標を全体的に観察しても、両商標は類似するといえる。
エ 本件商標の指定役務と引用商標の指定役務との比較
本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は同一又は類似するものである。
オ 取引の実情
引用商標は、後述のとおり、申立人等が提供する商品・役務の商標として広く使用された結果、本件商標の登録出願時には既に取引者・需要者の間に広く認識されて周知・著名な商標となっており、それは本件商標の登録査定時及びそれ以降も、継続していたものと認められるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、現実の取引において、商品・役務の出所の誤認、混同を生ずるおそれがあり、取引者・需要者において両商標が誤認混同するとして苦情、トラブルが生じる可能性がある。
カ 結論
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知著名性の程度について
(ア)「くらしごと」について
「くらしごと」は、申立人及び当該申立人のグループ会社である株式会社北海道アルバイト情報社(以下「アルバイト情報社」という。)(甲72)が申立人の許諾を得て使用している商標である。「くらしごと」は、北海道で活動する地場おこしの団体や個人を取材し、その想いや実情などを情報発信するための場として開設されたウェブサイトの名称として、2016年9月30日から使用され始めた(甲7)。
「くらしごと」は、ウェブサイト(甲8)、Twitter(甲9)、Facebook(甲10)、LINE(甲11)、オンラインショップの「くらしごと商店」ウェブサイト(甲12)、Youtube(甲13)等の様々なネット媒体において継続して使用されている。
また、「くらしごと 林業女子部」とのLINEグループの展開(甲25)、2019年の北海道千歳市の成人式における「くらしごと」ウェブサイトのQRコードを印刷した「しおり」の配布(甲26)、「<らしごと」ファンクラブの開設及び「くらしごと」メールマガジンの配信(甲27)等を通じて、「くらしごと」の取り組みを積極的に発信し、更に周知性を拡大させている。
このような取組が認められた結果、「くらしごと」は、「日本地域情報コンテンツ大賞」の「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2021年」「WEB部門」において優秀賞を受賞した(甲57)。
以上のように、「くらしごと」は、本件商標の登録出願前から、多種多様なウェブサイトやSNSを介して日本全国に向けて広く発信されている事実が認められる。
(イ)印刷物による宣伝活動について
申立人及びアルバイト情報社は、本件商標の登録出願前から、多数の印刷物において引用商標を使用している(甲14〜甲24)
(ウ)イベントの企画・運営を通じた引用商標の周知について
申立人及びアルバイト情報社は、札幌、東京、名古屋、大阪、更にはオンラインにより全国各地をつないで各種イベントの企画・運営を行い、イベントの会場、開催案内ウェブサイト、配布資料、プレゼンテーション画面等において引用商標を使用している(甲28〜甲50)。
(エ)紹介記事を通じた引用商標の周知について
引用商標は、紹介記事を通して多くの需要者・取引者に知られる機会を提供しており、これらの紹介記事は引用商標の周知性獲得に寄与している(甲51〜甲56)。
また、「くらしごと」は各種ウェブサイトでも多数取り上げられており(甲58〜甲61、甲63、甲64)、一般社団法人北海道機械工業会のメールマガジンでも紹介された(甲62)。
(オ)移住生活費シミュレーションのソフトウェアについて
申立人及びアルバイト情報社は、北海道への移住後の生活費を計算するためのソフトウェア「移住生活費シミュレーション@北海道」を独自に開発し、複数の地方公共団体に提供している(甲66、甲67)。
イ まとめ
本件商標と引用商標との類似性の程度、指定役務と使用に係る役務との類似性の程度に、引用商標の周知著名性を取得する使用事実等を総合考慮すると、本件商標の指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、本件商標を指定役務に使用したときに、当該役務が申立人又は申立人と一定の緊密な営業上の関係若しくは組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(ア)申立人のグループ企業であるアルバイト情報社(甲72)は、2016年(平成28年)9月30日に、北海道内全域のエリアで活動する地場興しの団体や個人に取材し、その思いや実情などを情報発信するための、「北海道の人、暮らし、仕事。くらしごと」と称するウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)を開設した(甲7)。
(イ)本件ウェブサイトには、小さな文字で表された「北海道の人、暮らし、仕事。」の文字と大きな文字で顕著に表された「くらしごと」の文字とを上下2段に表された商標(以下「使用商標」という。)、及び北海道内で活動する個人や団体への取材記事が掲載されている(甲8)。
(ウ)Twitter、Facebook、LINE、「くらしごと商店」と称するウェブサイト、YouTubeにおいても、「北海道の人、暮らし、仕事。くらしごと」又は「くらしごと」の表題の下、北海道内で活動する個人や団体に関する情報が発信されている(甲9〜甲13、甲25)。
(エ)本件ウェブサイトは、「日本地域情報コンテンツ大賞」の「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2021年」「WEB部門」において優秀賞を受賞した(甲57)。
(オ)アルバイト情報社は、2017年(平成29年)6月21日から2021年(令和3年)4月19日までの間に、使用商標を表題とする、又は「くらしごと」の文字を含んだ表題のリーフレット又は冊子を8回発行しており、当該リーフレット又は冊子の発行部数は、多いときで3,006部、少ないときで300部である(甲14〜甲21)。
(カ)一般社団法人北海道造林協会十勝支部が2021年(令和3年)3月19日に1,108部作成した「Forestry of Hokkaido」と称する紙ファイルには、その末尾に小さく「くらしごと」の文字と本件ウェブサイトのURLが記載されている(甲22)。
(キ)アルバイト情報社が2021年(令和3年)1月18日に1,018部作成した「林業への取り組み」と題するリーフレットには、使用商標が小さく表示されている(甲23)。
(ク)アルバイト情報社が2020年(令和2年)11月16日に536部、2021年(令和3年)1月28日に600部作成した卓上カレンダーには、「くらしごと」の文字が表示されている(甲24)。
(ケ)2017年(平成29年)10月14日から2021年(令和3年)11月14日までの間に、札幌、旭川、東京、名古屋、大阪又はオンラインで開催された20件の各種のイベントにおいて、イベント会場、配布資料、プレゼンテーション画面、開催案内ウェブサイト等に使用商標又は「くらしごと」の文字が表示されている(甲28〜甲41、甲43〜甲49)。これらのイベントは、イベント会場風景の写真からして、いずれも小規模なイベントであったり、又は多数のブースのうちの一つのブースにおいて使用商標又は「くらしごと」の文字が表示されているものである(甲28〜甲31、甲34、甲35、甲38〜甲40、甲46、甲49)。
(コ)2020年(令和2年)1月18日発行の北海道新聞に、本件ウェブサイトに関する記事が掲載されている(甲54)。また、2019年(令和元年)10月発行の北海道新聞に、アルバイト情報社が開催する「くらしごとアワード2019」に関する記事が掲載されている(甲55)。
(サ)宝島社発行の「田舎暮らしの本 2018年3月号」に、本件ウェブサイトに関する記事が掲載されている(甲56)。
(シ)数件のウェブサイトにおいて、本件ウェブサイト又は「くらしごと」に関する記事が掲載されている(甲58〜甲61、甲63、甲64)。
(ス)アルバイト情報社が開発したソフトウェア「移住生活費シミュレーション@北海道」には、その入力画面に使用商標が表示されており、当該ソフトウェアは、北海道、乙部町、上士幌町のウェブサイトに実装されている(甲66〜甲70)。
イ 判断
前記アによれば、アルバイト情報社は、平成28年9月30日に、本件ウェブサイトを開設し、当該ウェブサイトには、使用商標及び北海道内で活動する個人や団体への取材記事が掲載されている。
そして、本件ウェブサイトは、「日本地域情報コンテンツ大賞」の「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2021年」「WEB部門」において優秀賞を受賞しており、また、北海道新聞、書籍及びウェブサイトにおいて、当該ウェブサイトの記事が掲載されている。
さらに、各種SNS、リーフレット、冊子、紙ファイル、卓上カレンダー、ソフトウェアの入力画面等に、使用商標又は「北海道の人、暮らし、仕事。くらしごと」若しくは「くらしごと」の文字が表示されたり、各種のイベントにおいて、イベント会場、配布資料、プレゼンテーション画面、開催案内ウェブサイト等に使用商標又は「くらしごと」の文字が表示されたりしている。
しかしながら、リーフレット、冊子、紙ファイル及び卓上カレンダーの発行又は作成部数は、さほど多いとはいえず、各種イベントについても、いずれも小規模なイベントであったり、又は多数のブースのうちの一つのブースにおいて使用商標等が表示されているにすぎず、北海道新聞及び書籍への記事の掲載回数も僅かである。
そうすると、「くらしごと」の文字からなる引用商標は、アルバイト情報社の業務に係る、北海道内で活動する個人や団体への取材記事の情報発信といった役務を表示するものとして、需要者の間にある程度は認識されているとしても、広く認識されているとまでは認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「クラシゴトラボ」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字は、同書、同大、等間隔でまとまりよく一体に表されており、構成全体から生じる「クラシゴトラボ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ「ラボ」の文字(語)が「ラボラトリー」の略であって、「研究所」を意味する語であるとしても、本件商標に係る構成及び称呼においては、その構成全体をもって一体のものとして把握されるとみるのが相当である。
また、前記(1)イのとおり、引用商標が需要者の間に広く認識されていると認めることはできないことからして、本件商標の構成中「クラシゴト」の文字部分が取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべき事情は見いだせず、さらに、それ以外の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないというべき事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成全体が不可分一体のものといわなければならない。
そして、「クラシゴトラボ」の文字(語)は、辞書に載録されている語ではなく、また、特定の意味を有する語として一般に親しまれているものでもない。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して「クラシゴトラボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「くらしごと」の文字を標準文字で表してなるものであり、該文字(語)は辞書に載録されている語ではなく、また、特定の意味を有する語として一般に親しまれているものでもない。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「クラシゴト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、本件商標は「クラシゴトラボ」の文字からなるのに対し、引用商標は「くらしごと」の文字からなるものであるから、その構成文字は明らかに相違し、相紛れるおそれはないものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「クラシゴトラボ」の称呼と引用商標から生じる「クラシゴト」の称呼とは、前半における「クラシゴト」の音を共通にするものの、後半における「ラボ」の音の有無において明らかな差異を有するものであるから、相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、たとえ観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない両商標は、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定役務に引用商標の指定役務と同一又は類似の役務が含まれているとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、前記(1)イのとおり、需要者の間に広く認識されているものではない。
また、前記(2)ウのとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務に使用をしても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(アルバイト情報社)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同項に違反してされたものとはいえない。
他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
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異議決定日 2022-11-29 
出願番号 2021072970 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W3541)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 豊田 純一
特許庁審判官 山田 啓之
小田 昌子
登録日 2022-02-22 
登録番号 6516983 
権利者 おけいこドットコム合同会社
商標の称呼 クラシゴトラボ 
代理人 佐川 慎悟 
代理人 太田 清子 
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