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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W3940
管理番号 1392381 
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-03-09 
確定日 2022-12-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第6491504号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6491504号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6491504号商標(以下「本件商標」という。)は、「Natur Energy」の欧文字を横書きした構成からなり、令和3年4月9日に登録出願、第39類「電気の供給,熱の供給,電気・ガス・水・熱の供給に関する情報の提供,顧客の事業所等における電力・ガスの使用状況などに基づく省エネルギーのための電気・ガスその他のエネルギーの供給に関する助言・指導・情報の提供」及び第40類「電力の生産,発電所における電力の生産」を指定役務として、同年11月11日に登録査定され、同年12月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1460879号商標(以下「引用商標」という)は、別掲のとおりの構成からなり、2018年(平成30年)7月18日にSpainにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年12月10日に国際商標登録出願、第39類「Transport services; packaging and storage of goods; travel reservation agency services; merchandise delivery services, electrical energy and gas distribution services.」及び第40類「Refuse, trash and waste material recycling services; recycling of valuable and plastic materials; recycling of waste and trash; working of concrete, namely casting of concrete; cutting of fabric; burnishing by abrasion; metal coating services; dyeing services; ceramic processing; food processing; processing of oil; processing of plastics; processing of rubber; timber processing; waste treatment (transformation); electrical energy and gas generation and production services.」並びに第4類、第9類、第11類、第35類、第37類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年2月26日に日本国において設定登録されたものであり、現在、有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定役務中、第39類「電気の供給,電気・ガス・水・熱の供給に関する情報の提供,顧客の事業所等における電力・ガスの使用状況などに基づく省エネルギーのための電気・ガスその他のエネルギーの供給に関する助言・指導・情報の提供」及び第40類の「全指定役務」について、商標法第4条1項第11号及び同項第15号に該当するものであり、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、「Natur(ナチュール)」と「Energy(エナジー)」の二つの語を、間にスペースを1つ設けて結合させたものであり、本件商標の前半の「Natur(ナチュール)」は、ウェールズ語・スウェーデン語等で「自然」を意味し(甲3)、英語の「Natural(ナチュラル)」の語も容易に想起させるものである。
よって、本件商標全体からは、「自然のエネルギー」といった観念が生じる。
(2)引用商標について
引用商標は、紺色で書された英文字「Naturgy」と、その右上に描かれたオレンジ色の蝶のようなシルエットからなるものであり、その構成文字全体からは「ナチュールジー」との称呼が生じる。引用商標の文字部分「Naturgy」の「Natur」は、ウェールズ語・スウェーデン語等で「自然」を意味し、英語の「Natural(ナチュラル)」の語も容易に想起させるものである。また語末の「gy」は、特にエネルギーの分野においては、広く親しまれた英単語である「Energy(エナジー)」を想起させる。
よって、引用商標全体からも、「自然のエネルギー」といった観念が生じる。
(3)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標からは「ナチュールエナジー」との称呼が生じるのに対し、引用商標からは「ナチュールジー」との称呼が生じる。両称呼は、前半の「ナチュール」と語末の「ジー」の音が共通しており、真ん中の「エナ」の2音が異なるのみであるため、称呼が非常に似かよっている。
また、本件商標は、引用商標の文字部分と、前半の「Natur」と語末の「gy」において共通し、外観上も相紛らわしいものである。
さらに、本件商標と引用商標からは、共に「自然のエネルギー」との共通の観念が生じる。
以上より、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念において、類似の商標である。
(4)本件商標と引用商標の指定役務の類似性について
本件商標と引用商標は、共に電気及びガスの供給・生産等に関する役務を指定するものである。具体的には、本件商標の指定役務中、第39類「電気の供給,電気・ガス・水・熱の供給に関する情報の提供,顧客の事業所等における電力・ガスの使用状況などに基づく省エネルギーのための電気・ガスその他のエネルギーの供給に関する助言・指導・情報の提供」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第39類「electrical energy and gas distribution services」と類似する。また、本件商標の指定役務中、第40類「電力の生産,発電所における電力の生産」は、引用商標の指定商品及指定役務中、第40類「electrical energy and gas generation and production services」と類似する。
(5)小括
よって、本件商標は引用商標と類似し、本件商標の指定役務も引用商標の指定役務と類似するものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標の文字部分である「Naturgy」をハウスマークとし、世界20か国において、主として電気とガスの供給・生産等の事業を行っている会社である(甲4)。本件商標の構成中、「Energy」の語は、その指定役務中、第39類「電気の供給,電気・ガス・水・熱の供給に関する情報の提供,顧客の事業所等における電力・ガスの使用状況などに基づく省エネルギーのための電気・ガスその他のエネルギーの供給に関する助言・指導・情報の提供」及び第40類「電力の生産,発電所における電力の生産」との関係においては、役務の出所表示及び自他役務識別標識としての機能(識別力)が弱く、本件商標の要部は「Natur」の語にある。かかる「Natur」の語は、申立人のハウスマークである「Naturgy」の語頭の「Natur」の部分と称呼及び外観が一致するところ、本件商標が上記第39類及び第40類の役務に使用された場合には、当該役務の需要者が、それを申立人又は申立人のグループ会社等、申立人と経済的もしくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であると誤認し、役務の出所について混同するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 結論
以上より、本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものであるので、その登録は取り消されるべきものである。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
(1)申立人提出の証拠及び申立人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、引用商標の文字部分である「Naturgy」をハウスマークとし、世界20か国において、主として電気とガスの供給・生産等の事業を行っている会社である(甲4、申立人の主張)。
しかしながら、引用商標の使用開始時期は確認できず、また、申立人は、引用商標に係る役務の提供額や提供地域、広告、宣伝の程度など、引用商標の日本国内における周知性を客観的に判断するための具体的な証拠を何ら提出していない。
したがって、提出された証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、日本国内において、申立人の業務に係る電気及びガスの供給・生産等の役務を表すものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「Natur Energy」の欧文字を横書きした構成からなるところ、「Natur」と「Energy」の欧文字との間に1文字分の空白があるとしても、両者は、同じ大きさ、同じ書体でまとまり良く表されており、その構成全体文字から生じる「ナチュールエナジー」及び「ナチュールエネルギー」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中の「Energy」の欧文字が「エネルギー」等の意味を表す英語であるとしても、かかる構成及び称呼からすれば、本件商標はその構成全体で一体的に認識され把握されるものとみるのが相当である。
また、「Natur Energy」の欧文字の構成中「Natur」の文字は、一般の辞書等に載録のない語であるから、構成文字全体としても、特定の意味合い有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応した「ナチュールエナジー」及び「ナチュールエネルギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、青色で書された「Naturgy」の欧文字とその右横上部にオレンジ色の蝶と思しき図形を配した構成からなるところ、これらは視覚上、分離して看取されるものである。
また、「Naturgy」の欧文字は、一般の辞書等に載録のない語であって、一般に親しまれた語でもないから、当該欧文字部分と図形部分とが一体となって特別な観念を有することや一連一体の称呼が生じるなど、何らかの関連性を有しているともいえないものである。
そうすると、引用商標の図形部分と文字部分とが、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできないから、図形部分と文字部分は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部であると認められる。
以上から、引用商標は、その構成中の「Naturgy」の文字部分に相応して、「ナチュルジー」及び「ナチュルギー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
上記(1)及び(2)を踏まえて本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標と引用商標の全体の外観を比較したときには、その構成態様において明らかな差異を有するものである。
また、本件商標と引用商標の文字部分との類否についてみても、両者の外観は、その構成文字数及び文字構成において、明確に異なるものであるから、判然と区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「ナチュールエナジー」及び「ナチュールエネルギー」の称呼と引用商標から生じる「ナチュルジー」及び「ナチュルギー」の称呼を比較すると、両者は、4音目の長音と、「エナ」又は「エネル」の音の有無という差異を有し、それらの差異が、全体の音調、音感に及ぼす影響は小さいものとはいえないから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が異なり、互いに聴き誤るおそれはないものである。
そして、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきものである。
(4)小括
以上によれば、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知著名性について
引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は申立人の業務に係る「電気及びガスの供給・生産」等の役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとはいえないものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標と引用商標は、上記2(3)のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であるから、その類似性の程度は低い。
(3)小括
上記(1)及び(2)より、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「電気及びガスの供給・生産」等の役務又は商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、本件商標と引用商標の類似性の程度も低いものである。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、これに接する取引者・需要者が、申立人又は引用商標を連想又は想起するものとはいい難く、その役務が他人(申立人)あるいは当該他人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録異議の申立に係る指定役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲
引用商標(色彩は原本参照)


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-11-16 
出願番号 2021049981 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W3940)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 大森 友子
清川 恵子
登録日 2021-12-24 
登録番号 6491504 
権利者 アークエルテクノロジーズ株式会社
商標の称呼 ナチュールエナジー、ナチュールエネルギー、ナチュール、ナチュア、ナトゥール 
代理人 瀧澤 文 
代理人 岡田 貴子 
代理人 小林 浩 
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