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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1392372 
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-01-13 
確定日 2022-11-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6471165号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6471165号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6471165号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和3年1月6日に登録出願、第30類「即席麺,即席カップ麺,即席米飯,ビスケット,シリアルを主原料としたスナック菓子,シリアルからなるチップス菓子,シリアルバー,インスタントコーヒー,コーヒー飲料,茶,コーヒー,ココア,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」を指定商品として、同年10月20日に登録査定、同年11月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録6408734号商標(以下「引用商標」という。)は、「PREDATOR」の文字を標準文字で表してなり、第32類「炭酸飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含有しない飲料,炭酸飲料・エナジードリンク・その他の飲料を製造するためのシロップ・濃縮物・粉末・その他の飲料製造用調製品,ビール,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、令和2年5月11日に登録出願し、同3年6月29日に設定登録され、現に有効に存続している。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第38号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標の構成文字は、幾分デザイン化されているが「PREDATOR」の文字として容易に認識理解されるから、引用商標の構成文字と実質的に同一である。
「PREDATOR」の文字は、英語で「(動物)捕食者;他の生物を補って食べることによって生存する生物」、「奪い取る人(物)、略奪者」を意味する「predator」(甲3)に照応するものである。
したがって、本件商標と引用商標からは、それぞれの構成文字に基づいて、「プレデター」の称呼及び「捕食者、略奪者」の観念が生じる。
このように、本件商標と引用商標は、外観が実質的に同一で、称呼及び観念を共通にするものであるから、互いに類似のものである。
イ 本件商標の指定商品中「インスタントコーヒー,コーヒー飲料,茶,コーヒー,ココア」は、アルコール分を含まない飲料として把握される商品であって、引用商標の指定商品中「炭酸飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含有しない飲料」もまたアルコール分を含まない飲料として把握される商品であり、上記の本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一の製造業者によって製造販売されることが一般的に行われている飲料製品である(甲4〜甲9)。
つまり、日本を代表する大手飲料メーカー5社が、本件商標の指定商品「インスタントコーヒー,コーヒー飲料,茶,コーヒー,ココア」と同一又は類似の商品(コーヒー,茶,ココア)、並びに、引用商標の指定商品中の「炭酸飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含有しない飲料」と同一又は類似の商品(清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料)の双方を製造販売していることが明らかであり、よって、上記の本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、製造・販売部門が一致することが明白である。
さらに、双方の商品は、一般に、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート、ドラッグストアなどの食料品売り場、自動販売機(甲10〜甲12)、駅売店などで販売されるものであるから、販売場所も共通する。
また、上記指定商品は、共にアルコール分を含有しない飲料であって、ティータイム、休憩時のリラックス、水分補給、食事中や食後の飲み物として購入、摂取される飲料であるから、原材料が重複することが多く、その用途も共通する。また、双方の商品の最終的な需要者は一般消費者であるから、需要者の範囲も一致する。
以上の観点に照らせば、本件商標の指定商品「インスタントコーヒー,コーヒー飲料,茶,コーヒー,ココア」と引用商標の指定商品「炭酸飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含有しない飲料」は、製造部門、販売部門、原材料、用途、需要者の範囲を共通にする類似のものであることが明らかである。
ウ 小括
引用商標は、本件商標よりも先に登録出願されたものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立人は、エナジードリンクのブランド名として引用商標の構成文字「PREDATOR」を採用し、2018年12月に最初に南アフリカで「PREDATOR」ブランドのエナジードリンクの販売を開始した。これ以降、現在に至るまで申立人は、「PREDATOR」エナジードリンクの販売を継続しており、2021年3月11日時点において世界13か国で販売された。
2020年9月30日時点において、申立人が2018年以降世界各地の「PREDATOR」エナジードリンクのマーケティング及び販売促進活動のために投じた費用は約300万米ドルである。また、2021年3月11日時点において、提携先のボトリング会社に対する販売額は約1200万米ドル、小売販売価格で約1億2900万米ドルに達しており、全世界で約1億1700万缶を売り上げた(甲13:なお、当該証拠方法は、申立人会社の会長兼最高経営責任者のロドニー・C・サックスが「PREDATOR」ブランドのエナジードリンクの使用実績について2021年3月11日に作成した米国公証人認証付の宣誓供述書及び同証拠物件1及び2であり、台湾国における被申立人の商標「PREDATOR」に対して申立人が台湾国商標庁に提出した原本の写しである。)。
申立人は、「PREDATOR」エナジードリンクの販売地域を更に拡大する計画であって、全世界で「PREDATOR」関連商標を登録及び出願中であり、その総数は現時点で少なくとも553件に達し(甲14、甲31〜甲36)、これらのうち、エナジードリンク(申立人商品)等のアルコール分を含まない飲料が属する国際分類第32類における登録及び出願は、411件に及ぶ。
さらに、外国における申立人の「PREDATOR」商標の登録及びエナジードリンクに関する使用実績に関連して、ドイツ及びポーランドにおいては、本件商標権者による商標「PREDATOR」の使用に対して、申立人の差止等請求に基づきそれぞれ2021年8月及び同年10月に当該国裁判所により予備的差止命令等が発令された(甲37、甲38)。
以上の事実より、本件商標の登録出願時及び査定時には、「PREDATOR」は、申立人の製造販売に係るエナジードリンクを表示するものとして外国の需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。
イ 本件商標は、申立人の商標「PREDATOR」と実質的に同一のものである。
ウ 先に詳述したとおり、本件商標の指定商品中の「インスタントコーヒー,コーヒー飲料,茶,コーヒー,ココア」は、アルコール分を含まない飲料であり、申立人商品と製造部門、販売部門、原材料、用途、需要者の範囲を共通にする類似のものである。
また、その他の本件商標の指定商品は、一般に、軽食、昼食、おやつ、ティータイム、食後のデザート等として日常で消費されるスナック類、菓子・デザート類、弁当などの加工食品である。これらは、アルコール分を含まない飲料と同時に消費されることが多いものであり、また、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート、ドラッグストアなどの食料品売り場、パン・菓子店、駅売店、自動販売機などで一般消費者向けに販売されているものであるから、申立人商品と販売場所、用途、需要者の範囲を共通にする、極めて関連性が強い商品といえるものである。
エ 本件商標は、外国における需要者の間で申立人商品を表示するものとして広く認識されていた「PREDATOR」が日本において第30類の商品について未登録であることを奇貨として、これと実質的に同一の商標を申立人商品と製造部門、販売場所、原材料、用途、需要者の範囲を共通にする極めて関連性が強い第30類の飲料及び加工食品を指定商品として登録し、申立人商品の出所識別標識「PREDATOR」の海外における名声、信用力、顧客吸引力にフリーライドする不正な目的で登録出願したものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標の使用は、申立人が外国の需要者の間で獲得した「PREDATOR」ブランドの信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ず、申立人に経済的および精神的損害を与える。
したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるものといわざるを得ないから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性
申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、エナジードリンクに引用商標を採用し、2018年12月に南アフリカで販売を開始、2021年3月時点において13か国で販売している(申立人の主張)。そして、申立人の会長兼最高経営責任者の宣誓供述書(甲13)によれば、当該エナジードリンクの販売促進活動費用は約300万米ドルであって、2021年3月11日時点において、提携先のボトリング会社に対する販売額は約1200万米ドル、小売販売価格は約1億2900万米ドルであり、全世界で約1億1700万缶を販売したとされる。
しかしながら、上記宣誓供述書は、上記エナジードリンクの販売国数、販売促進活動費用、販売額及び販売数量等が記載されているのみであって、それらを裏付ける証拠の提出がなく、各国別の市場シェア、販売額については不明である。
イ ドイツ及びポーランドにおける本件商標権者の「PREDATOR」商標の使用に対して、申立人の差止等請求に基づき2021年8月及び同年10月に当該国裁判所により予備的差止命令等が発令され(甲37、甲38)、申立人が全世界で「PREDATOR」関連商標を出願・登録している(甲14〜甲36)としても、これらをもって、外国の需要者の間で引用商標が広く認識されているとは認めることはできない。
ウ そうすると、申立人の提出に係る証拠及び同人の主張からは、引用商標が、申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲のとおり、ややデザイン化されているものの、「PREDATOR」の欧文字をデザイン化して表したものと容易に認識されるというべきである。
そうすると、その構成文字に相応して「プレデター」の称呼を生じ、「略奪者」の観念を生じる。
他方、引用商標は、「PREDATOR」の文字を標準文字で表してなり、当該欧文字に相応して「プレデター」の称呼を生じ、「略奪者」の観念を生じる。
そうすると、本件商標と引用商標は、構成文字の表し方に差異を有しているとしても、構成文字のつづりを同一にし、称呼及び観念を共通にするのであるから、類似の商標というべきである。
イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品は、「インスタントコーヒー,コーヒー飲料,茶,コーヒー,ココア」を含み、引用商標の指定商品は「炭酸飲料・エナジードリンク・その他のアルコール分を含有しない飲料」を含むものであって、ともにアルコール分を含まない飲料といえる。
そして、アルコールを含有しない飲料は、その主たる需要者は、一般の消費者であって、最終的には同一の自動販売機や販売コーナー等で販売され、商品の用途、需要者を同じくする場合があるといえるが、それらの商品は、一般に生産者、原材料、流通経路を異にする場合が多く、類似する商品とはいえないというべきである。
また、本件商標の指定商品中、上記以外の「即席麺,即席カップ麺,即席米飯,ビスケット,シリアルを主原料としたスナック菓子,シリアルからなるチップス菓子,シリアルバー,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」と引用商標の指定商品とは、生産部門、販売部門、原材料、用途等を異にする非類似の商品というべきである。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商標を使用した場合に、その出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商品である。
ウ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は類似の商標であるとしても、両商標の指定商品が同一又は類似するとはいえないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、外国の需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていたとは認められないものである。
また、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないこと明らかであり、さらに、社会の一般的道徳観念に反するなど、公序良俗に反するものというべき証左も見あたらない。
さらに、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標権者が引用商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が引用商標の名声を毀損させることを認識し、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲 本件商標


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異議決定日 2022-11-07 
出願番号 2021000945 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W30)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 石塚 利恵
小俣 克巳
登録日 2021-11-15 
登録番号 6471165 
権利者 エイサー インコーポレイテッド
商標の称呼 プレデター 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 太田 雅苗子 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 田中 克郎 

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