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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W01
管理番号 1392265 
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-04-27 
確定日 2022-12-05 
事件の表示 商願2021−6095拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年1月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月13日付け:拒絶理由通知
令和3年11月11日 :意見書の提出
令和4年 2月 7日付け:拒絶査定
令和3年 4月27日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第1類「化学品,天然鉱石を用いた水質改良剤,水質改良剤,天然鉱石を用いた水質改善剤,浴槽用水質調整用化学剤,水質改良用天然非金属鉱石,水質改善用天然非金属鉱石,天然活性ミネラル鉱石,浴槽の水質改善用天然非金属鉱石」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、二重の楕円部分は、ありふれた輪郭図形であり、文字部分も普通に用いられる態様で横書きされているから、本願商標全体として、普通に用いられる方法の域を出ない態様で表されたものである。
そして、本願商標の構成中、文字部分は「岡山県阿部鉱山にて採掘される天然鉱石で、厚生労働省が医薬部外品として認可している天然鉱石入浴剤」程の意味を表す語として一般的に使用され、当該鉱石を用いた入浴施設の提供が広く行われている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する「天然活性ミネラル鉱石」、「天然鉱石を用いた水質改良材」、「水質改良用天然非金属鉱石」等の商品に使用したときは、これに接する取引者・需要者はそれが「光明石又は光明石を用いた商品」であることを認識するにとどまるから、本願商標は商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示するものである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、ややデザイン化された「光明石」の文字を二重の楕円輪郭で囲ってなるところ、同じ書体、同じ大きさで、等間隔に配された構成文字を囲むように二重の楕円輪郭が配置されていることから、視覚的にまとまりよく一体的に表された印象を与えるものである。
そして、本願商標を構成する「光明石」の文字は、辞書類に掲載されている既成の語ではないことから、一種の造語を表したものといえる。
(2)当審において請求人が提出する証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 昭和31年に、岡山県の阿部鉱山で偶然発見された鉱石に、十数種類の水溶性ミネラルが含まれることを突き止めた個人事業者S氏は、当該鉱石を、多くの病人の治療を助けたとされる光明皇后(奈良時代)にちなんで「光明石」と命名し、昭和43年5月、当時の厚生省に医薬部外品としての承認申請を行い、同年11月に承認された。厚生省に提出された医薬部外品製造承認申請書の「販売名」記載欄には、「光明石」の表示があり、「効能」記載欄には、「神経痛、リウマチ、肩のこり、腰痛、痔、冷え性、産前産後の冷え性、疲労回復」の記載がある(甲2〜甲4、甲11)。
イ 「光明石」は、学術的には「黒雲母花崗岩」で「緑歴石」といわれる石にあたり(甲11、甲16)、現在、我が国において医薬部外品として承認されている唯一の鉱石である(甲4、甲12、ほか)。
ウ 当初、S氏が保持していた医薬部外品製造承認は、平成9年に請求人が承継し、現在、請求人は、「光明石」を、商社等を通じて、全国の保養施設、病院、レジャー施設等に販売している。これらの「光明石」の納入施設では、当該鉱石を使用し、上記8つの効能を掲げ「光明石温泉」や「光明神神温泉」の名称で、温泉施設を提供している。なお、「光明石」の文字からなる商標登録第3010072号(指定商品 第5類「薬剤」)等を保有する長原産業株式会社は、請求人に係る「光明石」の販売代理店である(甲5〜甲11、甲21、甲22、甲25、甲26、職権調査)。
(3)当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の者が「光明石」の文字を使用して、鉱石を採掘し、商品として製造、販売している事実や、「光明石」の文字が、商品の品質を直接的、かつ、具体的に表示するものとして、取引上一般に使用されているといった事実を発見することはできなかったことに加え、本願の指定商品の取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
(4)上記(2)及び(3)の実情を踏まえると、本願商標を構成する「光明石」の文字は、岡山県の阿部鉱山で採掘される黒雲母花崗岩・緑歴石について、S氏が命名したものであり、その後、医薬部外品として商品化され、現在、本願の指定商品を取り扱う業界において流通している同名の鉱石(原審で指摘した用例も含む。)は、請求人の製造販売に係る「光明石」であるといえることから、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成全体をもって、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として、あるいは、請求人の取り扱いに係る商品を表すものとして認識、把握されるとみるのが相当であって、その指定商品との関係において、商品の品質を表示するものとして認識されることはないというべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲 本願商標



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審決日 2022-11-21 
出願番号 2021006095 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W01)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 小俣 克巳
石塚 利恵
商標の称呼 コーメーセキ、コーミョーセキ、コーメー、コーミョー 
代理人 古岩 信嗣 
代理人 古岩 信幸 

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