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審決分類 審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 取り消して登録 W354142
管理番号 1392223 
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-01-25 
確定日 2022-11-28 
事件の表示 商願2020−135191拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「松尾研発スタートアップ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年10月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年4月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月30日付けで意見書が提出されたが、同年10月21日付けで拒絶査定がされた。
これに対して令和4年1月25日に拒絶査定不服審判の請求がされたものであり、指定商品及び指定役務については、同日付け手続補正書により、別掲のとおりに補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、他人の氏名と認められる「松尾研」の文字を含んでなるところ、例えば、インターネット情報によれば「松尾研」と称する他人が複数存在する事実が認められる。そして、これらの者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「松尾研発スタートアップ」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、商標法第法4条第1項第8号においては、「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」は、商標登録を受けることができないと規定されているところ、同号の「含む」は、単に物理的に「包含する」状態をもって足りるとするのは適切でなく、問題とされる商標において、その部分が他人の略称等として客観的に把握され、当該他人を想起、連想させるものであることを必要とすると解するべきである(知的財産高等裁判所 平成21年(行ケ)第10074号)。
そこで、本願商標の構成のうち、「松尾研」の文字部分が他人の氏名として客観的に把握され、当該他人を想起、連想させるものであるか否かを検討する。
まず、当審における職権調査によれば、「発」の文字が「出立すること」(出典:広辞苑第七版)の意味を有すること、また、研究室等の研究機関から、スタートアップやベンチャーが出立することも一般的であり、それらが「○○研発スタートアップ」、「○○研発ベンチャー」と称されている実情が認められる(東京大学大学院加藤研究室発のスタートアップであることを「東大加藤研発スタートアップ」と称する例、https://twitter.com/shinpeikato/status/1400348852071276546、https://synesthesias.jp/about、高西・石井研究室発のスタートアップであることを「高西・石井研発スタートアップ」と称する例、https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/004/4004968/、https://www.upto4.com/media/1182、慶應義塾大学先端声明研究所発のスタートアップであることを「慶大先端生命研発スタートアップ」と称する例、https://metagen.co.jp/news/2019/06/00728.html、樋口研究室発のベンチャーであることを「樋口研発ベンチャー」と称する例、https://www.ksp.co.jp/case/interview-3.html)。
次に、「氏+研究室」の構成からなる文字を、「氏+研」のように略すことが慣例的に行われていることが認められる(「鈴木研」https://www.suzlab.mae.nagoya-u.ac.jp/、「田中研」https://planetb.sci.isas.jaxa.jp/luna/info.html)。
そうすると、「松尾研発スタートアップ」と表した場合、「松尾研究室から出立したスタートアップ」を理解させるというのが自然であるから、「松尾研」の文字部分は、「松尾研究室」の略と認識されるというのが相当であり、他人の氏名として客観的に把握され、当該他人を想起、連想させるものであるとはいえない。
以上のとおり、本願商標は、他人の氏名を含む商標ということはできないから、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
なお、令和4年10月17日付けで審理再開申立書が提出されたが、審理に影響しない内容であるから、本件審判事件に係る審理の再開は行わないこととした。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲 本願の指定役務
第35類「広告業,インターネットによる広告,雑誌による広告,新聞による広告,テレビジョンによる広告,ラジオによる広告,交通広告,広告宣伝物の企画及び制作,広告の企画,広告のための商品展示会・商品見本市の企画又は運営,広告文の作成,企業の広告及び広報活動の企画・代行,クリック報酬型広告,広告,広告の代理,広告のためのコミュニケーション戦略に関する助言,広告物のレイアウト,広告用コンセプトの開発,広報活動のためのコミュニケーション戦略に関する助言,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告,商業又は広告のための展示会の企画・運営,通信販売を利用した広告,メディアへの広報活動の企画・代行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,一時的な事業の管理,ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供,会社のための管理業務の代行,価格比較の調査,企業の人事管理のための適性検査,競合企業に関する情報収集,経済予測,原価分析,事業に関する指導及び助言,事業に関する情報の提供,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,事業の管理に関する指導及び助言,事業の管理に関する助言,事業の契約に関する交渉の代行(他人のためのこと),事業の調査,事業の能率化に関する診断・指導及び助言,事業の評価,資金を必要とする起業家と潜在的な個人投資家とのマッチングに関する事業の仲介,市場調査,市場に関する情報収集,市場分析,商取引の受注管理,商取引の媒介・取次ぎ又は代理,商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供,スポンサー探し,第三者のための商取引の交渉及び締結の代理及び代行,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配,他人の商品及びサービスのライセンスに関する事業の管理,統計の編集,取引相手先の商業及び事業に関する情報の提供,職業のあっせん,科学技術者のあっせん,人材募集,コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,コンピュータデータベースへの情報構築,商業用又は広告用情報の索引の編集,電子計算機を用いて行う情報検索事務の代行,文書情報及びデータの構築,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,求人情報の提供,コンピュータソフトウェア制作のマーケティング,ターゲット・マーケティング,テレマーケティング,販売促進のための企画及び実行の代理,マーケティング,ウェブサイトの検索結果の最適化,商業又は広告用ウェブのインデックスの作成,商業用又は広告用のユーザーによる評価情報の提供,商業用又は広告用のユーザーによるランキング情報の提供,商業用又は広告用のユーザーによるレビュー情報の提供,販売促進のための検索エンジンの検索結果の最適化,販売を目的とした、各種通信媒体による商品の紹介,入札に対する応札の管理支援」
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,大学における教授,学校による教育の提供,教育上の試験の実施,教育の分野における情報の提供,コーチング(訓練),個人に対する知識の教授,実地教育,シミュレーターを使った訓練,知識の教授,知識又は技芸の教授,通信教育による知識の教授,ノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催,会議の手配及び運営,教育フォーラムの手配及び運営,研修会の手配及び管理,シンポジウムの手配及び運営,セミナーの手配及び運営,電子出版物の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),書籍の制作,オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,コンピュータを利用して行う書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),放送番組の制作,テレビジョン放送用娯楽番組の制作・配給,ビデオオンデマンドによるダウンロード不可能なテレビジョン番組の配給,ラジオ及びテレビジョンの番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),文章の執筆,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),会員制による教育・娯楽の提供,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営,出版物のレイアウト(広告物を除く。),娯楽分野における情報の提供,オンラインによるゲームの提供」
第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,コンピュータハードウェアの設計及び開発に関する助言,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,ウェブサイトの作成又は保守,インターネットセキュリティに関する指導及び助言,ウェブサイトの設計に関する助言,遠隔操作によるデータのバックアップ,検索エンジンの提供,コンピュータープラットフォームの開発,コンピュータシステムの遠隔監視,コンピュータシステムの設計,コンピュータセキュリティに関する指導及び助言,コンピュータソフトウェアの設計,コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する助言,コンピュータソフトウェアの保守,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),受託によるウェブサイトにおける情報インデックスの作成及び設計(情報技術の提供),ソフトウェア制作におけるコンピュータソフトウェアの開発,データセキュリティに関する助言,データ又は文書の物理媒体から電子媒体への変換,電子商取引のための技術を利用したユーザー認証,不正アクセス又はデータ漏洩を検出するためのコンピュータシステムの遠隔監視,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電気に関する試験又は研究,電気通信技術の分野に関する研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサーバーの貸与,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),コンピュータソフトウェアの貸与,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),コンピュータの貸与,サーバーのホスティング,電子データの保存用記憶領域の貸与,ウェブサイト経由によるコンピュータ技術及びコンピュータプログラミングに関する情報の提供,コンピュータ技術に関する助言,情報技術(IT)に関する助言,コンピュータシステムの分析,科学技術に関する研究,科学に関する研究,科学に関する実験及び研究,技術的課題の研究,受託による新製品の研究開発」

(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審決日 2022-11-09 
出願番号 2020135191 
審決分類 T 1 8・ 23- WY (W354142)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 綾 郁奈子
清川 恵子
商標の称呼 マツオケンハツスタートアップ、マツオケンハツ、マツオケン、スタートアップ 
代理人 特許業務法人Smarca 

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