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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W4144
管理番号 1391175 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-03-23 
確定日 2022-11-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6514017号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6514017号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6514017号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和3年4月28日に登録出願、第41類及び第44類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、同4年2月2日に登録査定、同月16日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議の申立てにおいて引用する登録第5320201号商標(以下「引用商標」という。)は、「美腸セラピー」の文字を標準文字で表してなり、平成21年10月9日に登録出願、第44類「美容,腸もみマッサージによる治療に関する健康相談,腸もみマッサージ,医療情報の提供,健康診断に関する情報の提供,栄養の指導」を指定役務として、同22年4月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本件商標と引用商標の類否
本件商標「美腸セラピスト」は、その呼称の中に、引用商標の「美腸セラピー」を含めており、両者は意味合いからも次のとおり類似する。
本件商標は、その構成から「美腸療法士」という意味合いを認識する。
他方、引用商標は、その構成から「美腸療法」という意味合いを認識する。
そして、両者の呼称で異なる点である「士」は、「特別の資格、技術を身につけた人」を意味し、その「特別な資格、技術」は前文の「美腸療法」にあたるから、本件商標は、引用商標である「美腸セラピー」という特別な技術を身につけた人ということになる。
2 むすび
したがって、本件商標は、引用商標と類似し役務の混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1頂第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、小さい円の下に楕円を交差させた十字様図形の左右に円弧を配した水色の図形(以下「水色図形部分」という。)の横に「美腸セラピスト」の文字を表してなる、図形と文字との結合商標である。
そして、本件商標を構成する水色図形部分と文字部分は、視覚上分離して看取されるものであって、観念的に密接な関連性を有しているとも認められないから、水色図形部分と文字部分は、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
よって、本件商標からは、水色図形部分と文字部分とをそれぞれ要部として抽出することが許されるところ、構成中の「美腸セラピスト」の文字部分は、外観上まとまりよく一体に表されており、当該文字部分より生じる「ビチョウセラピスト」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、文字部分を構成する「セラピスト」の文字は、「物理療法や心理療法の治療士。」(広辞苑第7版)を意味する語であるものの、「美腸」の文字は、一般的な辞書に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有するものでもないから、これらを一連に表した「美腸セラピスト」からは、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「美腸セラピー」の文字を標準文字で表してなるから、構成文字に相応して「ビチョウセラピー」の称呼が生じ、構成中の「セラピー」の文字は、「治療。療法。」(同掲書)等を意味する語であるものの、「美腸」の文字は、上記(1)と同様に、特定の意味合いを有するものではないから、これらを一連に表した「美腸セラピー」からは、特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標の文字部分と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、構成文字の相違から、判然と区別でき、加えて、本件商標の全体と引用商標を比較しても、図形の有無の相違等から、外観上、相紛れるおそれはない。
イ 称呼について
本件商標と引用商標の称呼は、全体の文字数及び両者の後半の「セラピスト」と「セラピー」の音において明らかに相違するから、両者をそれぞれ一連に称呼しても、称呼上十分に聴別することができるものである。
ウ 観念について
本件商標及び引用商標は、ともに特定の観念が生じないから、比較することができない。
エ そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標というのが相当である。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由も見いだせない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定役務が類似するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標から「美腸療法士」という意味合いを認識し、引用商標からは、「美腸療法」という意味合いを認識する。そうすると、本件商標は、「美腸療法」(美腸セラピー)を身につけた人ということになるから、本件商標と引用商標は類似する旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本件商標は特定の観念を生じないものであるから、本件商標が「美腸療法(美腸セラピー)を身につけた人」であることを前提に本件商標と引用商標が類似する旨の申立人の主張は採用できない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲

別掲1 本件商標(色彩は原本参照。)


別掲2 本件商標の指定役務
第41類
技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,検定試験の企画・運営・実施,資格の認定・付与,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),運動施設の提供,運動用具の貸与,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供
第44類
美容,エステティック美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,医療情報の提供,美容に関する情報の提供,エステティック美容・美容及び理容に関する相談,健康診断,医療従事者の受託による医療看護,栄養の指導,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与



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異議決定日 2022-10-27 
出願番号 2021052864 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W4144)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 大森 友子
清川 恵子
登録日 2022-02-16 
登録番号 6514017 
権利者 株式会社ピー・エス・インターナショナル
商標の称呼 ビチョーセラピスト、ミチョーセラピスト 
代理人 青木 宏義 
代理人 潮崎 宗 
代理人 大菅 義之 
代理人 天田 昌行 

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