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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y41
管理番号 1390851 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-11-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2021-11-02 
確定日 2022-06-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第4735005号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4735005号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標及び手続の経緯
本件登録第4735005号商標(以下「本件商標」という。)は、「小牧バレエ団」の文字を標準文字で表してなり、平成15年2月7日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年12月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和3年11月18日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年11月18日から令和3年11月17日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品(審決注:「指定役務」の誤記と認める。)中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」(以下「請求に係る指定役務」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(審決注:乙第1号証の項番は、重複しているため、令和4年4月8日差出に係る回答書の証拠番号乙第1号証ないし乙第4号証を、それぞれ乙第2号証ないし乙第5号証と読み替える。)を提出した。
1 答弁の要旨
本件商標の名称使用等について調停中であり、場合によっては裁判になる状況である。
「小牧バレエ団」は1946年創設され、日本でほとんどのバレエ作品を初演し、国際交流も行った歴史あるバレエ団である。
請求人は本件商標の取消を申請し新たに取得を試みている。
2 令和4年3月9日付け審尋に対する回答書の要旨
本件商標は、小牧バレエ団創立者の小牧正英が平成15年に登録し、被請求人が相続したものである。「小牧バレエ団」はほとんどのバレエ作品を日本で初演した、日本のバレエ界の歴史に残るバレエ団で、1980年代に活動を終了している。
本件商標について過去3年以内の使用がないのは、その使用についての民事上の紛争対応をしていたためである。

第4 被請求人に対する審尋
審判長は、被請求人に対し、令和4年3月9日付けで、被請求人による主張の審理猶予に応じられないことを示し、さらに不使用取消審判においては、被請求人が商標法第50条第2項に規定により、被請求人等が要証期間中に請求に係る指定役務について、本件商標を使用したこと等を示す証左を提出するように求めた。

第5 当審の判断
不使用取消審判について
不使用取消審判に関する法律は、商標法第50条に定める。同条では、「商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標権者、または、使用していないことについて正当な理由があることを、被請求人が明らかにしない限り、その登録の取消を免れない。」旨を定めている。
2 挙証責任を有する者について
上記1によれば、不使用取消審判においては、その請求に係る指定役務について、当該商標を使用していることを証明し、また、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにする挙証責任は被請求人が負うと定められていることから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しなければ、商標権者は、その指定役務に係る商標登録の取消を免れないから、本件についての挙証責任は被請求人にある。
3 本件商標を使用していないことについて正当な理由を有するか否かについて
被請求人は、上記第3において、請求人との間で法律上の紛争を有していることを、本件商標を使用していないことの理由として主張している。
「特許庁編 工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第21版〕」1700頁では、商標法第50条第2項における、不使用についての正当な理由に関して、「「正当な理由」としては、例えば、その商標の使用をする予定の商品の生産準備中に天災地変等によって工場等が損壊した結果その使用ができなかったような場合、時限立法によって一定期間(3年以上)その商標の使用が禁止されていたような場合」等とあり、被請求人の責によらない不可抗力の理由に限定している。
しかしながら、被請求人の主張は、本件商標についての正当な使用者であるか否かの争いを理由にするものとみられることから、商標権者である被請求人自身、あるいは、商標権者、その他の専用使用権者又は通常使用権者を定め、本件商標を使用すること自体を何ら妨げるものではないから、係る事情をもって、本件商標を使用していないことについて正当な理由と認めることはできない。
4 要証期間における、請求に係る指定役務についての本件商標の使用の証明について
上記1及び2のとおり、被請求人は、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標の使用をしていることを証明しなければ本件商標の取消は免れないところ、被請求人はこれを証明していない。
また、上記3のとおり、被請求人の主張によっては、本件商標を使用していないことについて正当な理由と認めることができないところ、その他、これを認めるべき立証も見いだせないから、被請求人による立証はなされていないといわざるを得ない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標の使用をしていることを証明したとものということはできず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたものともいえない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-04-28 
結審通知日 2022-05-06 
審決日 2022-05-19 
出願番号 2003009312 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Y41)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩崎 安子
登録日 2003-12-19 
登録番号 4735005 
商標の称呼 コマキバレエダン 
代理人 窪田 英一郎 

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