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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0330
管理番号 1389963 
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-12-23 
確定日 2022-09-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第6458232号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6458232号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6458232号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワイルドミント」の文字を標準文字で表してなり、令和2年3月24日に登録出願、第3類及び第30類に属する別掲のとおりの商品を指定商品として、同3年9月13日に登録査定され、同年10月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号
ア 本件商標について
本件商標は、「ワイルドミント」の片仮名を普通に用いられる方法で横書きしてなり、別掲のとおりの商品を指定商品として登録されたものである。
イ 甲第1号証ないし甲第8号証と本件商標の対比
(ア)甲第1号証ないし甲第7号証に示されるとおり、「wild mint」はミントの品種の一種である「Mentha longifolia」を意味することが世界的に知られている。
(イ)甲第1号証ないし甲第7号証の「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」は、以下のとおり、類似すると考えられる。
称呼においては、両者は英語及び日本語としての発音上の差異はあるものの、いずれも発音上の表記としては「ワイルドミント」と認識され、両者にほとんど差異はないと認められる。よって両者は称呼において類似する。
観念においては、「wild mint」がある特定の植物の一種を指す以上、「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」とは同一であると認められる。
なお、本件商標を「ワイルド」と「ミント」に切り離して観察した場合、「ワイルド」の部分からは「野生の」「野育ち」などの観念を生じ得るが、本件商標は「ワイルド」と「ミント」が一連一体となって「ワイルドミント」としてはじめて機能する商標であるから、あくまで、全体として認識される観念について比較すべきである。そうすると「ワイルド」の部分単独から生じる観念は意味をなさない。そして、前記のとおり「wild mint」がある特定の一種の植物を指す以上、「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」とは観念上同一であるといわざるを得ない。
さらにまた、「wild mint」は「wild」と「mint」とを切り離して観察すべきではないが、構成要素についてみてみると「wild」及び「mint」はいずれも、日本においても日常で極めて多く目にする英文字、英単語である。そして、それぞれの意味やニュアンスにおいても英語と日本語においてほとんど差がない。そうすると「ワイルドミント」を見た需要者は、頭の中で即時に「wild mint」に変換することが可能(「wild mint」を見て「ワイルドミント」に変換することも同様に可能。)であるといえる。したがって、この点からも「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」とは観念上同一又は極めて類似しているといえる。
外観においては「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」とは、前者はアルファベットであり、後者は片仮名であり、外観上の相異点はあるものの、称呼及び外観において類似し、外観がもたらす差異は、称呼・観念からもたらされる同一・類似性と比べて比重が極めて小さいといえる。
以上のとおり、外観、称呼、観念全体を総合的に判断すると、甲第1号証ないし甲第7号証に記された「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」とは類似する。
(ウ)ミントの香りが各種の商品(香料、チューインガム、冷菓、菓子、飲料、シャンプー、石鹸、芳香剤など)に付与されていることは広く知られており、かつ、日常的に目にすることである。また、それらの商品に「ミント」、又は「○○ミント」などといった標章が付されて販売されていることもよく目にすることである。
ミントの香りが様々な商品群に付されることを示すため、甲第8号証により、ミントの香りが付される商品を具体的に例示する。
すなわち、香りが特徴となり得る商品であれば、ミントの香りが付され、その商品にミントの名称が付されて販売等されることがあると認識できる。
(エ)本件商標の指定商品のうち、特に「口中清涼剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,入れ歯洗浄剤,歯磨き,化粧品,薫料,香料、食品香料(精油のものを除く。),口中清涼効果を有する菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),口臭を消すための菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。)」は、通常、香りを特徴とする商品と認識でき、これらの商品には、ミントの名称が付されて販売等されることのある商品であると認識できる。
そうすると、これらの商品に商標「ワイルドミント」が付されていても、これに接する取引者、需要者は、これらの商品にワイルドミントのアロマや精油が含まれているか、ワイルドミントの香りがする、といった程度の認識をするにとどまる。すなわちその商品の品質、原材料などの特徴を示す態様であると認識するにとどまる。
(オ)取引者・需要者としては、本件商標の指定商品を考慮した場合「一般消費者」の他に「販売者」「流通業者」「生産者」などが想定できる。例えば香料(第3類)、食品香料(精油のものを除く。)(第30類)などでは、「B to B」といった、いわゆる事業者(香料製造販売業者)から事業者(香料を原材料として使用する製造販売業者)に対して販売され、「一般消費者」の目には触れない取引が行われる場合も多い。このような取引者の間では、日常的な業務で、甲第1号証ないし甲第7号証のような学術文献を目にすることは通常のことである。そうすると、このような取引者・需要者の間では、商品に商標「ワイルドミント」が付されていても、これに接する取引者、需要者は、これらの商品に「wild mint」のアロマや精油が含まれているか、「wild mint」の香りがする、といった程度の認識をするにとどまる。すなわち、その商品の品質、原材料などの特徴を示す態様であると認識するにとどまる、といえる。
ウ 本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同項第6号該当性
本件商標を、その指定商品中「口中清涼剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,入れ歯洗浄剤,歯磨き,化粧品,薫料,香料、食品香料(精油のものを除く。),口中清涼効果を有する菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),口臭を消すための菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の「品質」又は「原材料」を表示した語と認識するにとどまるから、該文字は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである(第3条第1項第3号)。
また、仮にそうでなかった場合であっても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である(第3条第1項第6号)。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性
本件商標を、ワイルドミントの香気又は風味が付与された商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある(第4条第1項第16号)。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号該当性
ア 本件商標は、上記1のとおり、「ワイルドミント」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中「ワイルド」の文字は「野生。荒々しく粗野なこと。」の意味を、「ミント」の文字は「薄荷。」の意味を有する語(「広辞苑 第七版」岩波書店)であるものの、両語を結合して特定の意味を有する成語となるものではなく、各語義を結合した意味合いも漠然としており、具体的な商品の品質を表示するものとはいえない。
イ 申立人は、(ア)「wild mint」はミントの品種の一種である「Mentha longifolia」を意味することが世界的に知られている、(イ)「wild mint」と本件商標「ワイルドミント」は類似する、(ウ)ミントの香りが様々な商品に付され、それらには「ミント」「○○ミント」などの標章が付され販売されており、香りが特徴となり得る商品であれば、ミントの香りが付され、その商品にミントの名称が付されて販売等されることがあると認識できる、(エ)本件商標の指定商品中、香りを特徴とする商品に商標「ワイルドミント」が付されていても、これに接する取引者、需要者は、これら商品にワイルドミントのアロマや精油が含まれているか、ワイルドミントの香りがするといった程度の認識、すなわちその商品の品質、原材料などの特徴を示すものであると認識するにとどまる、また、(オ)「香料」「食品香料(精油のものを除く。)」などの「B to B」における取引者、需要者は日常的な業務で学術文献を目にするなどとして、当該取引者、需要者は、商品に商標「ワイルドミント」が付されていても、その商品に「「wild mint」のアロマや精油が含まれている」又は「「wild mint」の香りがする」といった程度の認識、すなわちその商品の品質、原材料などの特徴を示すものと認識するにとどまるから、該文字は自他商品識別標識としての機能を果たし得ない旨主張している。
ウ しかしながら、申立人提出の甲第1号証ないし甲第7号証によれば、「wild mint」の文字(語)と「Mentha longifolia」の文字(語)が同義であることはうかがえるものの、それら証左は、英文による学術文献であって、「wild mint」がいかなるものであるのか具体的に不明であるばかりか、本件商標の指定商品に係る一般的な取引者、需要者が通常目にするものともいい難く、これらのみをもって本件商標に対する取引者、需要者の認識を推し量ることは困難である。
また、甲第8号証によれば、ミントが口腔用品、飲食品、香粧品などの多種の商品に用いられることは認め得るとしても、「ワイルドミント」の文字が何らかの商品に用いられていることはもとより、該文字を確認することもできない。
さらに、申立人提出の証拠及び同人の主張を総合してみても、「ワイルドミント」及び「wild mint」の文字が、本件商標の指定商品について用いられている事実並びに同指定商品の品質、原材料などの特徴を表示するもの及び自他商品識別標識としての機能を有しないものと認識されるというべき事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その登録査定時において、これをその指定商品に使用しても、商品の品質、原材料などの特徴を表示するものといえないものであって、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号のいずれにも該当するものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性
本件商標は、上記(1)のとおり本件商標の指定商品の具体的な品質を表示するものではないから、これをその指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲 本件商標の指定商品
第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口中清涼剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,入れ歯洗浄剤,歯磨き,化粧品,薫料,香料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」
第30類「食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,口中清涼効果を有する菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),口臭を消すための菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),その他の菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,香辛料,即席菓子のもと,調味料,食用プロポリス,食用ローヤルゼリー」

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異議決定日 2022-09-22 
出願番号 2020031972 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W0330)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 小林 裕子
鈴木 雅也
登録日 2021-10-19 
登録番号 6458232 
権利者 小林製薬株式会社
商標の称呼 ワイルドミント、ワイルド 
代理人 杉村 光嗣 
代理人 杉村 憲司 
代理人 藤本 一 
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