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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W28 |
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管理番号 | 1389871 |
総通号数 | 10 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-04-25 |
確定日 | 2022-09-26 |
事件の表示 | 商願2020−39447拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第14類、第16類、第25類及び第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年4月8日に登録出願されたものである。 原審では、令和3年1月4日付けで拒絶理由の通知、同月25日受付で意見書の提出、同4年2月24日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年4月25日に本件拒絶査定不服審判が請求され、同日受付で手続補正書が提出されている。 本願商標の指定商品は、当審における上記の手続補正書により、第28類「釣り具」と補正された。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「Masakado」の文字を若干斜めに横書きし、その上に、馬に乗って弓を引く武将とおぼしきもののシルエット図形を配してなる。 そして、本願商標の構成中「Masakado」の文字は、平安中期の武将として一般に広く知られている人物である「平将門」の略称として知られる「将門」を認識させるから、本願商標全体としては、その図形と相まって、「平将門」を表したものと認識する。 また、平将門のゆかりの地において、同人を祀る神社等が観光地として知られており、同人を題材にした企画展等が開催されている実情がある。 そうすると、平将門を表した本願商標を、同人との関係が認められない出願人が、自己の商標として、その指定商品について独占的に使用することは、その著名な故人の氏名を使用した観光振興や地域おこしなどの公益的な施策の遂行を阻害することとなり、社会公共の利益に反する。 以上の理由から、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第7号該当性 ア 本願商標は、別掲のとおり、馬上から弓を引く武将風の人物及び馬のシルエットを描いてなる図形(赤色)の下に、「Masakado」の欧文字を筆書き状の書体で横書きしたものである。 そして、本願商標の構成中、欧文字部分は、「マサカド」と称呼できる語をローマ字表記してなるものだが、それに併記された武将風の人物及び馬の図形を併せ鑑みると、本願商標は構成全体として、「平安中期の武将」である「平将門」(たいらのまさかど)に通じる文字及び図形を表してなることを連想させる。 イ 他方、当審による職権調査によっても、「平将門」は、その伝承に由来する史跡や祭りなどが存在するとしても、それらと関連する事業において、本願商標と同一又は類似の標章を表示した、その指定商品(釣り具)と同一又は類似する商品(名産品、土産物)が広く販売されている事実は発見できず、また、それら事業の遂行が、請求人により妨害又は阻害されていることを具体的に示す事実関係は見いだせない。 なお、請求人の主張によれば、請求人は、釣り具のルアーの企画、製造、販売を行っている会社であるところ、「矢の名手でもある平将門公が矢を射るがごとく狙ったポイントに刺さるようなルアーを作りたい」との思いから本願商標を採択したとされる。 ウ 以上を踏まえて検討すると、本願商標は、商標登録によって、同一又は類似の商標及びその指定商品と同一又は類似の商品及び役務に係る使用について禁止権が生じるとしても、その商標の構成態様及び補正された指定商品(釣り具)の範囲を鑑みれば、「平将門」と関連する公益事業の遂行に与える影響は、少なくとも現時点においては具体性を欠くもので、極めて限定的である。 また、本願商標の登録出願の目的に、公益事業の遂行を阻害する目的など、何らかの不正の目的があるものと認めるに足りる証拠はなく、さらに、その出願経緯が社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くことを示す具体的な証拠もない。 そうすると、本願商標の使用や登録が、社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するとまではいえないから、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ではない。 エ したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (2)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しないから、本願商標が同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標。色彩は原本を参照。) (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-09-13 |
出願番号 | 2020039447 |
審決分類 |
T
1
8・
22-
WY
(W28)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
佐藤 淳 |
特許庁審判官 |
杉本 克治 阿曾 裕樹 |
商標の称呼 | マサカド |
代理人 | 川井 雅登 |