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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0521
管理番号 1389544 
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-11-29 
確定日 2022-10-06 
事件の表示 商願2020− 44357拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,令和2年4月8日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月4日付け :拒絶理由通知書
令和3年5月13日 :意見書の提出
令和3年8月30日付け:拒絶査定
令和3年11月29日 :審判請求書の提出

第2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第5類「衛生マスク付属品」及び第21類「パフ,化粧用マスク型パックシート(美容液含浸なし)」を指定商品として,登録出願されたものである。

第3 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下に掲げるとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5231657号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定役務 「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成20年9月11日
設定登録日 平成21年5月15日
2 登録第5238117号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「アコレ」の片仮名と「A・Colle」の欧文字及び記号を二段に横書きしてなるもの
指定役務 「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成20年8月22日
設定登録日 平成21年6月12日
以下,引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。

第4 当審の判断
1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,欧文字「a」をモチーフとしたとおぼしき図形(以下「本願図形部分」という。)の下部に,「acore」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を横書きしてなるところ,本願図形部分と本願文字部分とは視覚上分離して看取されるものであるばかりでなく,これらを常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならないとする特段の事情も見いだし得ないものである。
そうすると,本願文字部分と本願図形部分とは,それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして,本願図形部分は,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないものであるから,欧文字「a」とおぼしきものを表したものと想起される以上に特定の称呼及び観念は生じないものである。
また,「acore」の文字についてみると,当該文字は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語であると認識されるものである。そして,特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において親しまれている英語風又はローマ字読みの発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,本願文字部分は「アコレ」又は「アコア」の称呼を生じるとみるのが相当である。
したがって,本願商標は,その構成文字に相応して,「アコレ」又は「アコア」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
2 引用商標
(1)引用商標1
引用商標1は,別掲2のとおり,オレンジ色の正方形の内部に,8つの長方形を白抜きで表した図形からなるところ,当該図形は全体として,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないものである。
したがって,引用商標1は,特定の称呼及び観念を生じないものである。
(2)引用商標2
引用商標2は,上記第3の2のとおり,「アコレ」の片仮名(以下「引用2上段部分」という。)と「A・Colle」の欧文字及び記号(以下「引用2下段部分」という。)を二段に横書きしてなるところ,引用2上段部分は,引用2下段部分の読みを表したものと容易に認識できるものである。
そして,引用2下段部分の構成中「Colle」の文字は,フランス語で「のり,接着剤」等の意味を有する語(「ディコ仏和辞典」株式会社白水社)であるものの,我が国において親しまれている語とはいえないものであり,また,これと「A」の文字とを「・」の記号で結合してなる引用2下段部分全体としても,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを理解させることのない一種の造語であると認識されるものである。
そうすると,引用商標2は,その構成文字に相応して,「アコレ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
3 本願商標と引用商標の類否
(1)本願商標と引用商標1
本願商標と引用商標1は,それぞれ上記1又は2(1)のとおりの構成よりなるところ,両者は,全体構成において,また,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る本願商標の各部分との比較においても,明らかな差異を有するものであるから,外観において相紛れるおそれはない。
次に,称呼については,本願商標が「アコレ」又は「アコア」の称呼を生じるのに対し,引用商標1は特定の称呼を生じないから,両商標は,称呼において相紛れるおそれはない。
そして,観念については,本願商標と引用商標1は,ともに特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。
以上からすると,本願商標と引用商標1とは,観念において比較することができないとしても,称呼及び外観において相紛れるおそれのないものであるから,外観,称呼及び観念によって,取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,商品又は役務の出所について誤認,混同を生ずるおそれのないものであって,非類似の商標と判断するのが相当である。
(2)本願商標と引用商標2
本願商標と引用商標2は,それぞれ上記1又は2(2)のとおりの構成よりなるところ,本願商標の要部の一つである本願文字部分と引用商標2とを比較すると,外観においては,「アコレ」の片仮名文字の有無という明らかな差異があるから,両者は外観において相紛れるおそれはない。また,本願商標の構成全体及び本願図形部分と引用商標2とを比較しても,上記の差異に加え,本願図形部分の有無という明らかな差異があるから,両者は,外観において相紛れるおそれはない。
次に,称呼については,本願商標と引用商標2は共に,「アコレ」の称呼を生じるものの,引用商標2は,「A」の文字と「Colle」の文字の間に,「・」の記号が配されていることにより,引用商標2を発音する際は,「ア」の音を称呼した後に一呼吸置いて「コレ」の音を明瞭に称呼することもあるといえるから,一連のものとして一気に称呼する本願商標とは,語調,語感が異なって聴取される場合もあるといえる。また,本願商標から生じる「アコア」の称呼と,引用商標2から生じる「アコレ」の称呼を比較すると,上記の差異に加え,語尾における母音「ア」の音と,これとは母音を異にする「レ」の音において差異も有するところ,3音という短い音構成において,当該差異音が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを一連に称呼するときは,語調,語感が相違する。
そうすると,両商標の称呼を比較すると,互いに「アコレ」の称呼を共通にする場合と,語調や語感の相違により容易に聴別できる場合があるといえる。
そして,観念については,共に特定の観念を生じないものであるから,本願商標と引用商標2は,観念上比較することはできない。
以上によれば,本願商標と引用商標2は,本願商標から生じる称呼のうち1つを共通にする場合があり,観念において比較することができないとしても,外観において明確に区別することができることから,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,商品又は役務の出所について誤認,混同を生ずるおそれのないものであって,非類似の商標と判断するのが相当である。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,両商標の指定商品及び指定役務の類否について判断するまでもなく,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標


別掲2 引用商標1(色彩は原本参照。)





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審決日 2022-09-26 
出願番号 2020044357 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W0521)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 豊瀬 京太郎
特許庁審判官 板谷 玲子
須田 亮一
商標の称呼 アコレ、アコア、エイ 
代理人 吉田 信彦 

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