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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W43 |
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管理番号 | 1389538 |
総通号数 | 10 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-11-15 |
確定日 | 2022-10-18 |
事件の表示 | 商願2019−136865拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和元年10月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年11月 9日付け:拒絶理由通知書 令和2年12月25日 :意見書の提出 令和3年 8月11日付け:拒絶査定 令和3年11月15日 :審判請求書及び手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年10月25日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、当審における上記1の手続補正書により、第43類「天ぷら料理を主とする飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」と補正された。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原審において、「本願商標は、「てんぷら」及び「近藤」の文字を、それぞれ筆文字風に縦書きしてなる。そして、この程度の書体、変体仮名、くずし字、また、これらを組み合わせた方法は、本願に係る指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、普通に行われているものであるから、本願商標の構成態様は、同業界において、普通に用いられる方法の域を出ないものとみるのが相当である。また、「近藤」の文字は、「姓氏の一つ。」(株式会社岩波書店「広辞苑第7版」)であり、例えば、名字の検索サイトとして知られる「名字由来.net」(https://myoji-yurai.net)によれば、全国順位36位、全国人数およそ368,000人のありふれた氏として知られるものであり、他方、「てんぷら」の文字は、「魚介類や野菜などに小麦粉を水でといたころもを着けて油で揚げた料理。」の意味を有する語(前出「広辞苑」)である。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ありふれた氏である近藤氏の取り扱いに係る天ぷら粉,ありふれた氏である近藤氏の取り扱いに係る天ぷらに関する役務」であることを認識するにとどまり、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができないものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。また、出願人は、本願商標が、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるに至っているものである旨主張しているが、提出された資料等によっては、本願商標が使用された結果として、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を獲得しているということはできない。」旨、認定判断し、拒絶したものである。 4 当審の判断 本願商標は、別掲のとおり、上部右寄りに、「てんぷら」の平仮名をややくずした書体で縦書きしてなり、下部中央には、くずし書きと思しき書体で表された漢字2文字(以下「漢字部分」という。)を縦書きで書した構成よりなるものである。そこで、下部の漢字部分についてみるに、大きさは上部の「てんぷら」の文字に比して大きく書してなるところ、漢字部分の上段の文字は、部首の「しんにょう」及び右側のつくりの特徴から「近」の文字を表したものと認識し得るものである。しかしながら、下段の文字は、くずしの程度が著しく、また、字書(西東書房「五体字類」、株式会社二玄社「大書源」、株式会社近藤出版社「くずし字解読辞典」)を子細にみれば、「藤」の文字のくずし字の類型に近いものがあるとしても、にわかにはいかなる文字を表したものか特定し難く、直ちに「藤」の文字を表したものと認識することは困難というべきである。 そうすると、漢字部分は、なんらかの漢字のくずし文字をモチーフにした図形の一種とみるのが相当であり、ありふれた氏の一である「近藤」の文字を表したものと、みることはできない。 してみると、本願商標の漢字部分からは、特定の称呼及び観念は生じないというべきである。 そして、上部の「てんぷら」の文字部分は、本願の指定役務との関係においては、料理の「天ぷら」を表したものと理解され、これは、提供される料理名、役務の質(内容)を表すものであり、自他役務の識別標識としての機能を有する文字とはいえない。 したがって、本願商標全体からは、役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものの、漢字部分は、図形としての識別機能を有するものであるから、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものとはいえない。 以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-09-29 |
出願番号 | 2019136865 |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WY
(W43)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 飯田 亜紀 |
商標の称呼 | テンプラコンドー、コンドー |
代理人 | 水野 勝文 |
代理人 | 和田 光子 |
代理人 | 鈴木 亜美 |
代理人 | 保崎 明弘 |
代理人 | 竹山 尚治 |