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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0928
管理番号 1388492 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-12-01 
確定日 2022-09-05 
事件の表示 商願2020−63455拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「スキー用ゴーグル,スノーボード用ゴーグル,サングラス,普通眼鏡,防じん眼鏡,眼鏡の部品及び附属品,スイミングゴーグル,スキー用ヘルメット,スノーボード用ヘルメット,自転車用ヘルメット,オートバイ用ヘルメット」及び第28類「スノーボード,スキー,スノーボード専用バッグ,スキー専用バッグ,スノーボード用締め具,スキー用締め具,スキーストック」を指定商品として、令和2年5月8日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年5月10日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月10日に意見書が提出されたが、同年9月15日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和3年12月1日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6335739号商標(以下「引用商標」という。)は、「AVM」の文字を標準文字で表してなり、令和2年1月22日に登録出願、「ジャージー製運動用衣服及びジャージー製運動用特殊衣服,サイクリング競技用衣服,ブーツ及び運動用特殊ブーツ」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、構成中の上段には、右上から左下に伸びた細い斜線と、左上から右下に伸びた太い斜線とを、それぞれ4つずつ組み合わせて、縦の長さを統一して表された一種の幾何学図形(当該図形において、細い斜線と太い斜線とを、頂点が上になるように「八」の字状に交差させた組合せは3つあり、残り1つは、かかる「八」の字状に交差させた組合せを逆さにして、頂点が下になるように組み合わせてなるものである。)を配し、下段には、「Anti Vibration Mesh」の欧文字を横書きしてなるものであって、図形と文字との結合商標である(以下、上段の図形部分を「図形部分」といい、下段の文字部分を「文字部分」という。)。
そして、本願商標の図形部分は、上記構成よりすれば、その図案化の程度は高いものとみるのが相当であって、これより直ちに特定の文字や事物を表したものとはいい難いから、当該部分から特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、「Anti Vibration Mesh」の文字は、「Anti」が「反対の」の意味を有し、「Vibration」の文字が「振動」の意味を有し、「mesh」の文字が「網(の目)」の意味を有する語(いずれも「ジーニアス英和辞典 第五版」(大修館書店))であるとしても、これらを組み合わせた「Anti Vibration Mesh」の文字は、その構成文字全体として、辞書等に載録がなく、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせないから、一種の造語として看取されるものである。
したがって、本願商標は、その構成中の「Anti Vibration Mesh」の文字部分に相応して、「アンチバイブレーションメッシュ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
なお、本願商標の図形部分と文字部分とは、間隔を少し空けて配置されており、それぞれの構成態様及び大きさの相違から、視覚上、分離して看取、把握され得るものであることに加え、図形部分と文字部分との間に直ちに意味上のつながりを見いだすこともできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、それぞれが独立して自他商品の出所識別標識として機能し得るものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「AVM」の文字を標準文字で表してなるところ、「AVM」の文字は、「自動車輌監視システム(automatic vehicle monitoring(system)」の意味や、「動静脈形成異常(奇形)(arteriovenous malformation)」の意味(いずれも「略語大辞典 第二版」(丸善))等を有する語として、辞書に掲載されているものの、我が国においてそれらの意味のいずれも、広く一般に知られている語とは認められず、また、本願商標の指定商品の分野において、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせないから、具体的な意味を理解させない一種の造語として認識されるというのが相当である。
そうすると、引用商標は、「エーブイエム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否を検討すると、両商標は上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、両商標は、図形の有無の差異及び構成文字の差異等より明らかに区別できるものである。
また、本願商標の構成中、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る図形部分と引用商標との比較においては、図形と文字とで外観の印象が全く異なるものであって互いに判然と区別することができ、同じく「Anti Vibration Mesh」の文字部分と引用商標「AVM」との比較においても、それぞれの文字構成、文字数が明らかに相違するものであるから、いずれの場合も外観上、両商標が相紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「アンチバイブレーションメッシュ」の称呼と引用商標から生じる「エーブイエム」の称呼は、それぞれの音構成や音数が明らかに異なることから、両商標は、称呼上、聞き誤るおそれはないものである。
さらに、観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において明らかに相違し、称呼において、聞き誤るおそれがないものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲


別掲 本願商標



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審決日 2022-08-24 
出願番号 2020063455 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W0928)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 青野 紀子
鈴木 雅也
商標の称呼 エイブイエム、アンチバイブレーションメッシュ、アンチバイブレーション 
代理人 辻本 希世士 

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