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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W09 |
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管理番号 | 1387685 |
総通号数 | 8 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2022-08-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-12-24 |
確定日 | 2022-08-04 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6455131号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6455131号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6455131号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和3年4月28日に登録出願、第9類「運動用保護ヘルメット,保安用ヘルメット,電気式錠,電気式南京錠,バッテリーチャージャー,蓄電池槽,乾電池,蓄電池,湿電池」を指定商品として、同年10月1日に登録査定され、同月12日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、次の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第5413458号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成21年10月27日に登録出願、第9類「バッテリー,その他の電池,バッテリーチャージャー」を指定商品として、同23年5月20日に設定登録されたものである。 2 登録第6414733号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、2018年10月24日にジャマイカにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成31年4月10日に登録出願、第9類「蓄電池,電池,バッテリーチャージャー」及び第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年7月12日に設定登録されたものである。 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 1 具体的理由 本件商標は図形と文字との組み合わせからなるものであり、図形部分と文字部分は分離観察が不自然であるほどに不可分的に結合していると認められるような態様ではなく、当該図形部分は看者の注意を強く引く部分であるといえる。当該図形は「電池」と思われる図形に手足や顔が描かれたものであり、図形分類は「4.5.2.1 擬人化した物」「15.9.1 電気器具」「15.9.2 電池、蓄電池」が付与されるものである。 他方、引用商標1及び2についても本件商標に係る図形と同様に、「電池」と思われる図形に手足や顔が描かれた構成となっており、図形分類は「4.5.2.1 擬人化した物」「15.9.1 電気器具」「15.9.2 電池、蓄電池」が付与されている。 そうすると、本件商標と引用商標は同じ構成からなるものであるといえる。 付与されている図形分類の「4.5.2.1 擬人化した物」からは、人でないものを人に擬して表現することが手法として行われていることがうかがえるが、「4.5.2.1 擬人化した物」と「15.9.2 電池、蓄電池」を含む商標は、区分を限定せずに検索しても35件しか発見されず(甲4)、その形状から「蓄電池」であるものも多数含まれることから、「電池の擬人化」がさらに少ないものであることが把握できる。つまり、当該モチーフが、かわいらしい動物等の擬人化がよく行われるような対象ではないこと、加えて、電池本体からのぞく「ズボン」は本件商標と引用商標以外の登録商標には見られない特徴であることから、本件商標と引用商標の図形分類の一致は時と場所を異にして観察された場合には出所混同のおそれがあるといえる。 2 むすび 上述のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、左側に図形を表し、その右側に漢字と欧文字を二段に横書きしてなるところ、これらの図形部分及び文字部分は、視覚上分離して把握されるものである。 そして、構成中の図形部分は、腕組みをして直立している様子を描いたキャラクターの図形を表したものであるところ、当該キャラクターの図形は、灰色の濃淡をもって平面的に表されており、頭部と胴体は約1対1の割合で、胴体は下方にむかってすぼまっており、頭部や胴体、腕に比べて足は極端に短く、目は黒目がちに表されているものであって、乾電池を擬人化したものと看取される場合はあるといえるものの、これが特定の事物を表すものとして認識されているような事情は見いだせないことからすると、これより特定の観念を生じるものとはいえない。 一方、構成中の文字部分は、上段に「●小二」(決定注:「●」は「かねへんに里」の簡体字表記。)の漢字を表し、下段にややデザイン化された「LIXIAOER」の欧文字を表したものであるところ、これらの文字は、いずれも辞書類に載録されていないものであって、特定の意味合いをもって親しまれているというような事情も見いだせない。 そうすると、本件商標は、構成中の図形部分と文字部分とが外観上分離して看取され、両者に観念上のつながりも見いだせないから、本件商標に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分のそれぞれを、出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当である。 したがって、本件商標は、構成中の文字部分からは、その構成文字に相応して「リショーニリキシアオエル」、「リショーニ」、又は「リキシアオエル」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものであり、また、図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。 (2)引用商標1について 引用商標1は、別掲2のとおり、前方に走ってくる様子を描いたキャラクターの図形を表し、その胴体部分に、「Energizer」の文字を、下から上に向かって縦方向に表してなるものである。 構成中のキャラクターの図形は、乾電池を擬人化して表したとおぼしきものであるが、全体的に黒色と白色ではっきりと色分けし、影を再現するなどして立体的に表されており、頭部と胴体は約1対2の割合で、手足を含めバランスの取れた体型であり、目は白目がちに表されているものであって、これが特定の事物を表すものとして認識されているような事情は見いだせないことからすると、これより特定の観念を生じるものとはいえない。 そして、当該キャラクターの胴体部分に表された「Energizer」の文字は、キャラクターの中央部分に目立つように配置されたものであって、図形部分とは視覚上分離して看取し得るものである。また、図形部分は特定の観念を生じるものではなく、「Energizer」の文字部分は「元気づける人」等の意味を有する語(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第2版)であるところ、図形部分と文字部分に観念上のつながりは見いだせない。 そうすると、引用商標1に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当である。 したがって、引用商標1は、構成中の文字部分からは、構成文字に相応して「エナジャイザー」の称呼が生じ、「元気づける人」の観念を生じるものであり、また、図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。 (3)引用商標2について 引用商標2は、別掲3のとおり、右手を挙げながら右方向に走る様子を描いたキャラクターの図形を表し、その胴体部分に、「Energizer」の文字を、下から上に向かって縦方向に表してなるものである。 構成中のキャラクターの図形は、乾電池を擬人化して表したとおぼしきものであるが、全体的に黒色と白色ではっきりと色分けし、影を再現するなどして立体的に表されており、頭部と胴体は約1対2の割合で、手足を含めバランスの取れた体型であり、目は白目がちに表されているものであって、これが特定の事物を表すものとして認識されているような事情は見いだせないことからすると、これより特定の観念を生じるものとはいえない。 そして、当該キャラクターの胴体部分に表された「Energizer」の文字は、キャラクターの中央部分に目立つように配置されたものであって、図形部分とは視覚上分離して看取し得るものである。また、図形部分は特定の観念を生じるものではなく、「Energizer」の文字部分は「元気づける人」等の意味を有する語であるところ、これらに観念上のつながりも見いだせない。 そうすると、引用商標2に接する取引者、需要者は、図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当である。 したがって、引用商標2は、構成中の文字部分からは、構成文字に相応して「エナジャイザー」の称呼が生じ、「元気づける人」の観念を生じるものであり、また、図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。 (4)本件商標と引用商標との類否について ア 外観 本件商標と引用商標を比較するに、本件商標は、左側に図形を表し、その右側に漢字及び欧文字を二段に横書きしてなるのに対し、引用商標は、いずれも図形の内部に欧文字を縦方向に表した構成よりなることから、両者は、全体の構成において明らかに相違するものである。 次に、本件商標の文字部分と引用商標の文字部分とを比較すると、両者は構成文字数及び文字構成において明確に異なり、両者は外観上判然と区別し得る。 そして、本件商標の図形部分と、引用商標それぞれの図形部分を比較すると、両者は、いずれも乾電池を擬人化したキャラクターとおぼしき図形を表したものではあるものの、本件商標の図形部分のキャラクターは、単調な灰色の濃淡の色彩をもって、平面的に表されているのに対し、引用商標の図形部分のキャラクターは、いずれも黒色と白色にはっきりと色分けして表され、影を再現するなどして立体的に表されている。また、キャラクターの頭部と胴体の割合が、本件商標は約1対1であるのに対し、引用商標は約1対2である。加えて、本件商標の図形部分のキャラクターの胴体は下方にむかってすぼまっており、足も短いのに対し、引用商標の図形部分のキャラクターは、寸胴で、足の長さも全体においてバランスが取れている。さらに、顔部分についても、本件商標のキャラクターは黒目がちなのに対し、引用商標のキャラクターは白目がちに表されている。 そうすると、両者の図形部分は、それぞれのキャラクターの表現手法や色彩、体のバランス、目の印象等において明らかに相違し、両者の与える印象は顕著に異なるというのが相当であるから、両者を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、相紛れることのない、別異のものとして認識し、把握されるというべきである。 してみれば、本件商標と引用商標は、その構成全体、その文字部分又はその図形部分のいずれを比較しても、それらを対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、十分に区別し得るものであり、互いに紛れるおそれはないというのが相当である。 イ 称呼 本件商標は、構成中の文字部分から「リショーニリキシアオエル」、「リショーニ」、又は「リキシアオエル」の称呼が生じ、引用商標は、いずれも構成中の文字部分から「エナジャイザー」の称呼が生じるところ、両者は構成音数及び音構成において明らかに相違し、明確に聴別できるものである。 ウ 観念 本件商標は、その構成全体、図形部分及び文字部分のいずれからも特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は、いずれも文字部分から「元気づける人」の観念を生じるものであるから、両者は観念において相紛れるおそれのないものである。 エ 小括 以上から、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合的に考察すれば、両者は、非類似の商標というのが相当である。 その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標1) 別掲3(引用商標2) (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
異議決定日 | 2022-07-27 |
出願番号 | 2021052886 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W09)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
冨澤 美加 |
特許庁審判官 |
森山 啓 小林 裕子 |
登録日 | 2021-10-12 |
登録番号 | 6455131 |
権利者 | 広東曇電威動力能源有限公司 |
商標の称呼 | リショーニ、リキシアオエル、リクシアオエル、リシアオウオル |
代理人 | 坪内 康治 |
代理人 | 弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所 |