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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1386416 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-02-18 
確定日 2022-07-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6481648号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6481648号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6481648号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和3年9月27日に登録出願、第33類「清酒,日本酒,焼酎,泡盛,合成清酒,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒,米を原料とする酒」を指定商品として、同年11月19日に登録査定、同年12月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議の申立てにおいて引用する登録第5696094号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成26年3月27日に登録出願、第33類「清酒,その他の日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年8月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 本件商標
本件商標は、手書き風の書体を用いて左側から右斜め上方に向けて次第に小さくなるように、「趣和」の漢字2文字と、繰り返し符号「ゝ」を2字連続して左横書きしてなり、前記漢字「和」の下側に「しゅわ」と「しゅわ」の平仮名を、やや小さく、斜め上下二段に併記してなる商標である。
本件商標中、「趣和」の漢字部分は、これに続いて繰り返し符号「ゝ」が2字連続して表記されていることに徴すると、「和」の漢字の下側に表示された「しゅわ/しゅわ」の平仮名に対応して生ずる称呼「シュワシュワ」の当て字として表記されていることは容易に想到できるから、本件商標からは、「趣和ゝゝ」の文字部分からも、「しゅわ/しゅわ」の文字部分からも、ともに「シュワシュワ」の称呼が生じる。
一方、「趣和ゝゝ」についてはいうまでもなく、「趣和」の漢字についても一般的な辞書類には掲載されていない文字綴りであるから、これらは一種の造語であろうと理解されるが、これら文字綴りから生ずる称呼に相応していることが明らかな「しゅわ/しゅわ」の平仮名部分は、いわゆるオノマトペ「細かい気泡が次々に発生するさま。また、そのかすかな音」を容易に連想し得るので、当該擬音語に対応した観念が生じるといえる。
2 引用商標
引用商標は、手書き風の書体を用いて各々縦書きした「しゅわ」と「しゅわ」の平仮名を少し右側にずらして配してなり、上側に表記された「しゅわ」の文字列に対しては主に右側部分に、下側に表記された「しゅわ」の文字列に対しては主に左側部分に、それぞれ複数個の、大きさの異なる、丸い小さな黒点を不規則に配してなる商標である。
引用商標中、「しゅわ」と「しゅわ」の平仮名は、同じ書体、同じ大きさで、ともに縦書きされており、かつ、これらの間隔も近接していることから、引用商標全体としては、「シュワシュワ」の称呼が生じるとともに、いわゆるオノマトペ「細かい気泡が次々に発生するさま。また、そのかすかな音」を容易に連想し得るので、当該擬音語に対応した観念が生じるといえる。
3 本件商標と引用商標との対比
やや大きく横書きされた「趣和ゝゝ」の文字部分が目を引く本件商標と、「しゅわ」及び「しゅわ」の平仮名が縦書きれて、その左右に複数個の大きさの異なる丸い小さな黒点が不規則に配された引用商標とを比較すると、両商標は、一見したところでは、それらの外観において顕著な相違があることは明らかである。
しかしながら、両商標は、ともに「シュワシュワ」の称呼を生ずる点において共通しており、また「細かい気泡が次々に発生するさま。また、そのかすかな音」という擬音語に対応した観念において共通している。
特に、本件商標は、その商標権者「月桂冠株式会社」が製造販売する清酒について現実に使用されているところ、引用商標もまた、その商標権者(申立人)「嘉美心酒造株式会社」の製造販売する清酒について現実に使用されているのであって、清酒を取り扱う小売店舗の店頭においては同じ商品陳列棚に並べられることになるし、事実、コンビニエンス・ストア「セブンイレブン」の店頭においては、POSシステムの都合なのか、各商品表示札には、いずれも「しゅわしゅわ」の平仮名が表示されて、各商品が左右に並べられている(甲3)。
ここで、「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする」と判示されているところ(最高裁昭和43年2月27日判決、昭和39年(行ツ)第110号、甲4)、前記「その商品の取引の実情」に関しては、「商標の類否の判断基準としての商品の出所混同のおそれの有無は、一応既登録の商標と出願商標とが同一または類似の商品に使用されたとすれば一般取引における経験則上商品の出所の混同をきたすおそれが考えられるかどうかによって決することになろう。」とされつつも、「しかし、商標がその指定商品についてすでに現実に使用された実績をもつ場合やその指定商品の取引分野、取引方法に特殊なものがある場合等において、その実情のもとで商標が取引者、需要者にどのように認識され商品の出所の混同を生ずるおそれが存するかどうかの事実状態は、それが判明するかぎり、その判断の資料とされてよいわけであり、そのような具体的事実に基づく判断は、前記一般取引上の経験則による判断に優先することになろう。商標の使用による商品の出所混同のおそれは、一般に商標がその外観、観念、称呼のいずれかで類似する場合に生ずるものと解されてはいるが、これらの点の類否も、その商標の使用さるべき商品取引の実情が判明するかぎり、その具体的事実に基づく商品の出所の混同のおそれのいかんによって判断せらるべきである。」と考えられている(「最高裁判所判例解説民事編昭和43年度」(上)矢野邦雄解説、甲5)。
我が国において長い歴史を有する清酒は、日本人の文化や行事に欠かせないものとして親しまれてきたのであり、酒類小売業者において清酒を取り扱わない者は皆無であるし、清酒は全国津々浦々に流通するものであるから、前述のようにコンビニエンス・ストア店頭で並べて陳列されることは全国至る所で生じ得ることは容易に想像できる。小売店頭において「しゅわしゅわ」の表記が共通してしまうことにより、少なくとも需要者間に混乱が生じるおそれがあることは極めて明白であるから、こうした取引の実情を考慮すれば、本件商標と引用商標における「シュワシュワ」の称呼とその擬音語に対応した観念における共通性は、もはや両商標の外観における相違を凌駕していると考えるのが妥当である。
したがって、本件商標は、引用商標と同一又は類似の商品に使用された場合に商品の出所の混同を生じるおそれがあるから、相互に類似するものである。
そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものであり、その指定商品も同一又は類似のものであって、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「趣和」の漢字と、踊り字「ゝ」を二つ連続して手書き風に表し、「和」の文字の下に小さく「しゅわ」の文字を二つ、少しずらして斜め上下二段に併記してなるものである。
そして、「趣和ゝゝ」及び「趣和」の文字は、辞書等に載録されておらず、特定の意味合いをもって認識されているような事情も見いだせないものであるから、本件商標の「趣和ゝゝ」の部分は、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものであり、また、「しゅわしゅわ」の平仮名部分は、「趣和ゝゝ」の読みを表したものとして無理なく認識されるというのが自然である。
そうすると、本件商標は、「シュワシュワ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、複数個の、大きさの異なる、丸い黒点を不規則に配した中に、「しゅわしゅわ」の平仮名をやや右にずらして縦書きしてなるところ、その構成からして、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、その構成中の「しゅわしゅわ」の文字は、「細かい気泡が次々に発生するさま。また、そのかすかな音。」(デジタル大辞泉)の意味を有する語であるところ、引用商標の指定商品には、発泡性の商品が存在し、当該商品の特質を表したものと無理なく認識されるものである。
そうすると、引用商標構成中の「しゅわしゅわ」の文字は、その指定商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというべきである。
してみれば、引用商標は、その構成全体をもって認識し、把握されるというのが相当であって、引用商標から「しゅわしゅわ」の文字部分を抽出し、この部分だけを本件商標と比較して商標の類否の判断をすることは許されないというべきである。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
上記(2)のとおり、引用商標から「しゅわしゅわ」の文字部分を抽出し、この部分だけを本件商標と比較して商標の類否の判断をすることは許されないというべきであるから、引用商標の構成中「しゅわしゅわ」の文字部分を分離抽出し、これを前提に、本件商標と引用商標とが類似するとして、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという申立人の主張を採用することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
申立人は、本件商標及び引用商標を使用した清酒が、コンビニエンス・ストア「セブンイレブン」の店頭において、「しゅわしゅわ」の平仮名が表示された商品表示札とともに、並べて陳列されている(甲3)ことから、需要者間に混乱が生じるおそれがあると主張している。
しかしながら、商品表示札には、「しゅわしゅわ」の文字のみが表示されているのではなく、それぞれ「月桂冠 趣和ゝゝ (しゅわしゅわ)」、「嘉美心酒造 しゅわしゅわ」のように表示されている上、実際には、本件商標と引用商標がそれぞれ付されたラベルが貼付された商品が並べて陳列されているのであるから、かかる状況において、商品の出所の混同が生じるとは想定され難い。
したがって、申立人の主張を採用することはできない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
【別掲1】
本件商標


【別掲2】
引用商標


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-06-30 
出願番号 2021119046 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W33)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 小松 里美
冨澤 美加
登録日 2021-12-06 
登録番号 6481648 
権利者 月桂冠株式会社
商標の称呼 シュワシュワ、シュワ、シュワシュワシュワ 
代理人 徳永 弥生 
代理人 服部 京子 
代理人 齊藤 整 
代理人 清水 三沙 
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