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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W37
管理番号 1386351 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-02-01 
確定日 2022-06-29 
事件の表示 商願2020−93685拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和2年7月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年12月4日付け :拒絶理由通知
令和3年1月25日 :意見書の提出
令和3年10月27日付け:拒絶査定
令和4年2月1日 :審判請求書の提出

第2 本願商標
本願商標は、「SMART CONSTRUCTOR」の文字を標準文字で表してなり、第37類「建設工事,建設工事に関する助言」を指定役務として、登録出願されたものである。

第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5534730号商標(以下「引用商標」という。)は、「スマートコントラクター」の文字を標準文字で表してなり、平成24年4月26日に登録出願、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月9日に設定登録されたものである。

第4 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、「SMART CONSTRUCTOR」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「SMART」と「CONSTRUCTOR」の間にスペースを有するものの、同じ大きさ、同じ書体で一体的に表されており、これより生じる「スマートコンストラクター」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、本願商標の構成中の「SMART」の文字は、「機敏な、賢い、上流社会の、洗練された、電子制御装置(コンピュータ)が組み込まれた」(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館発行)等の複数の意味を有する英語であり、「CONSTRUCTOR」の文字は、「建設(建造)者、建設機械、建設会社」(前掲書)の意味を有する英語であるところ、別掲の事実を総合すれば、指定役務と関係の深い建築・建設業界において、「特定分野の専門工事をする建築業者(建設業者)」を意味する語として、理解されているものと認められる。
そうすると、本願商標は、「スマートコンストラクター」の称呼を生じ、「スマートな専門工事をする建築業者(建設業者)」の観念を生じるものである。
2 引用商標について
引用商標は、「スマートコントラクター」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ大きさ、同じ書体、等しい間隔で一体的に表されており、これより生じる「スマートコントラクター」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、引用商標の構成中の「スマート」の文字は、「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。身なりや動作などが洗練されているさま。装置・機器などが情報処理機能を具えること。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)等の複数の意味を有する語であり、「コントラクター」の文字は、「契約者、契約人、請負業者」(「イミダス2007年版」株式会社集英社、「コンサイスカタカナ語辞典」株式会社三省堂)の意味を有する語であるところ、別掲の事実を総合すれば、指定役務と関係の深い建築・建設業界において、「建築一式工事(総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事)を請け負う総合建設請負業者(ゼネコン)」を意味する語として理解されているものと認められる。
そうすると、引用商標は、「スマートコントラクター」の称呼を生じ、「スマートな総合建設請負業者(ゼネコン)」の観念を生じるものである。
3 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、上記1及び上記2のとおりの構成からなるところ、別掲の事実を総合すれば、本願の指定役務と引用商標の指定役務に関係の深い建築・建設業界においては、本願商標の構成中の「CONSTRUCTOR」の文字と引用商標の構成中の「コントラクター」の文字とは、異なる観念を生じる別異の語として理解、認識されている一般的、恒常的な実情があるものと認められる。
以上を前提として、本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観において、本願商標と引用商標とは、文字種が異なるものであり、また、本願商標の構成中の「SMART」と引用商標の構成中の「スマート」とが欧文字とその片仮名表記と理解されるもので文字種が異なるにすぎない関係であるものの、ほかに、取引者、需要者の目を引くような共通点はないから、両者は、外観上、判然と区別し得るものである。
称呼においては、本願商標から生じる「スマートコンストラクター」と引用商標から生じる「スマートコントラクター」とは、相違点が本願商標の中間に位置する「ス」の音の有無のみであるものの、上記のとおり、本願の指定役務と引用商標の指定役務に関係の深い建築・建設業界において、「CONSTRUCTOR」の文字と「コントラクター」の文字とが別異の語として理解、認識されている一般的、恒常的な実情があるとの前提でこれを検討すれば、両者における「ス」の音の有無の差異は、両者が別異の語からなる商標であると理解させる手がかりとなるものであるから、両称呼に与える影響は小さいものとはいえないというべきであり、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれのないものというのが相当である。
観念においては、本願商標から生じる「スマートな専門工事をする建築業者(建設業者)」と引用商標から生じる「スマートな総合建設請負業者(ゼネコン)」とは、本願の指定役務と引用商標の指定役務に関係の深い建築・建設業界の取引者、需要者においては、明確に区別し得るものである。
以上によれば、本願商標と引用商標とは、外観において判然と区別し得るものであり、称呼において聞き誤るおそれのないものであり、観念においても明確に区別し得るものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標は、引用商標と役務の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について判断するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲 本願の指定役務と引用商標の指定役務に関係の深い建築・建設業界における、「constructor(コンストラクター)」及び「コントラクター(contractor)」の文字の使用状況に関する事実について
(1)2005年7月7日付け「日刊建設工業新聞」において、「回転窓/略語「ゼネコン」の思い出」の見出しの下、「現在ほど一般化していなかったけれど、すでに昭和40年代初めに「ゼネコン」と言う呼称が使われていた。でも「コントラクター」と「コンストラクター」の二つの解釈があった。そこでゼネコン10社に確認したところ、5対5で解釈が二分した思い出がある▼今は「コントラクター」で一致している。」の記載がある。
(2)「株式会社ツカサホーム」のウェブサイトにおいて、「ゼネコンとは」の見出しの下、「総合工事業者、又は総合建設請負業者を意味するゼネラル・コントラクター(general contractor)の略で、建築一式を請け負う業者のこと。特定分野の専門工事をする建築業者=コンストラクター(constructor)とは違い、土木、道路舗装、建築など、あらゆる建設工事をカバーする売上高上位数社がスーパーゼネコン。住宅関連では、大小のマンションや大規模開発を手がけ、売主を兼ねることもある。」の記載がある。
(http://tsukasahome.co.jp/629)
(3)「TAC建築士講師室ブログ/TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。」のウェブサイトにおいて、「2015年10月28日/井澤式 建築士試験 比較暗記法 No.232 (コントラクター)」の見出しの下、「前回予告しました、「コントラクター」についてです。前回学習したECI方式は、「アーリー(早期)」に「コントラクター(請負者・施工者)」が「インボルブメント(関与)」する発注方式でした。設計段階から施工者が技術協力する発注方式でしたね。正しくは「コントラクター(請負者という意味)」であって、「コンストラクター(建設者という意味)」ではありませんでした。/■問題「ゼネコン」は何の略ですか?■解答「ゼネラル コントラクター(general contractor)」の略。(日本建築学会編 建築学用語辞典)「ゼネラル コンストラクター(建設者)」ではないのです!!!・・・ゼネコンは、日本語で言えば「総合工事業」です。「総合請負者」と言ってもよいでしょう。建築一式工事、土木一式工事のように全般的な工事を主として請け負う業者のことです。・・・「建築一式工事」は、・・・昭和47年建設省告示350号に次のように書かれています。「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」/「建築一式工事」に対して、それ以外の「大工工事」「左官工事」「鉄筋工事」「防水工事」などの工事を「専門工事」といいます。「建築一式工事」は、一式工事を請け負い、本来は、自らは施工せず、総合的な企画、指導、調整のもとに、専門工事業者に施工させ、まとめることなのです。このような意味で、ゼネコンは「コンストラクター(建設者)」ではなく、「コントラクター(請負者)」なのです。」の記載がある。
(http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/45800600.html)
(4)「アールアイ」のウェブサイトにおいて、「建設・クレーン工事現場などの用語集」の見出しの下、「コンストラクター/constructor/建設(業)者、建造者。」の記載がある。
(https://r-i.jp/glossary/kana_ka/ko/001206.html)
(5)「東建コーポレーション」のウェブサイトにおいて、「建築用語集」の見出しの下、「「コントラクター」とは、英語でContractorと書き、一般的にはGeneral Contractorと呼び、日本語ではゼネコン、つまり総合建設業者のことだ。土木関係や建設関係の契約を請け負って、工事を行なう会社や個人のことで、請負業者とも言う。・・・建設業法では、大工工事や電気工事など工事を29に分類しているが、ゼネコンではこのうちの土木一式工事または建築一式工事を請け負うものである。」の記載がある。
(https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=00120&wdid=01)


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審決日 2022-06-15 
出願番号 2020093685 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W37)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 渡邉 あおい
鈴木 雅也
商標の称呼 スマートコンストラクター 
代理人 川角 栄二 
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