• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W091641
管理番号 1386287 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-30 
確定日 2022-06-15 
事件の表示 商願2020−16054拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ECC国際外語専門学校」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類及び第41類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年2月14日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月15日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月29日に意見書が提出されたが、同年6月24日付けで拒絶査定がされた。
これに対して令和3年9月30日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「ECC国際外語専門学校」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「専門学校」の文字は、学校教育法(昭和22年法律第26号)により、専門課程を置く専修学校を表す語として使用できるものとされており、また、同法では、専門課程を置く専修学校以外は「専門学校」の名称を用いることができない旨が規定されている。そうすると、本願商標は、学校教育法に基づく専門学校であるかのように看取されるというのが自然であり、また、出願人は、同法に基づき本願商標の名称からなる専門学校を設置した者とは認められないから、出願人が本願商標を自己の商標として使用することは、あたかも学校教育法に基づき設置された専門学校であるかのように誤認させ、学校教育制度についての社会的信頼を害することになるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「ECC国際外語専門学校」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「専門学校」の文字に関しては、学校教育法において、「専門課程を置く専修学校は、専門学校と称することができる。」(第126条第2項)、「・・・専門課程を置く専修学校以外の教育施設は専門学校の名称を・・・用いてはならない。」(第135条第2項)と定められているものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
商標法第4条第1項第7号は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は、商標登録を受けることができないと規定する。ここでいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、<1>その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、<2>当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、<3>他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、<4>特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、<5>当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号)。
(3)本願商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ECC国際外語専門学校」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないこと(前記<1>)、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものではないこと(前記<4>)は明らかである。
また、原審において提出された甲第1号証によれば、大阪府のウェブサイトの「大阪府所管の私立専修学校及び各種学校一覧」に「学校教育法に基づき大阪府が認可(所管)している私立の専修学校及び各種学校の一覧です。」として、「ECC国際外語専門学校」の掲載があり、専門課程を置く専修学校として認可されていることが確認できる。
そうすると、「ECC国際外語専門学校」は、専門課程を置く専修学校であって、学校教育法第135条第2項における「専門課程を置く専修学校以外の教育施設」ではなく、同法第126条第2項に則って「専門学校と称することができる」ものであるから、他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合(前記<3>)に該当するということはできない。
さらに、「大阪府所管の私立専修学校及び各種学校一覧」(甲1)では、「設立者名」に「学校法人山口学園」の記載があるところ、これは請求人とは別法人であるが、請求人自身が設置認可を受け、学校教育法に基づき本願商標の名称からなる専門学校を設置した者ではないとしても、同法の趣旨に反するものではないことは上記のとおりであり、加えて、同甲第2号証によれば、当該設立者は請求人の提携法人であることが確認できるのであるから、本願商標をその指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合(前記<2>)や、本願商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合(前記<5>)に該当するということもできない。
その他、本願商標が商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に当たるといえる具体的な事情を見いだすこともできない。
(4)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲 本願の指定商品及び指定役務
第9類「電子出版物,アプリケーションソフトウェア,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,ダウンロード可能な音楽・音声・画像・映像・文字情報,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオテープ・磁気テープ・コンパクトディスク・CD−ROM・ビデオディスク・DVD・DVD−ROM・光ディスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体,ダウンロード可能なコンピュータプログラム,録画済みのDVD・磁気カード・磁気ディスク・光ディスク,メトロノーム,雑誌・書籍・新聞・地図・写真及び図面の画像・文字情報を記録させた磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・CD−ROM・DVD−ROM及び磁気テープ,理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具」
第16類「語学学習用教材(器具に当たるものを除く。),教材(器具に当たるものを除く。),教本,印刷物,文房具類,紙類,書画,写真,写真立て,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ」
第41類「専門学校における教育,語学の教授,国家資格取得講座における教授,職業訓練,技芸・スポーツ又は知識の教授,教育及び訓練プログラムの運営,通訳・翻訳・語学に関するセミナー・講演会の企画・運営・開催,セミナーの企画・運営又は開催,文化および教育のための展示会・セミナーの企画・運営または開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオ・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),通訳,翻訳,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),会員制による教育・娯楽の提供,娯楽の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」

(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審決日 2022-06-02 
出願番号 2020016054 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W091641)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 綾 郁奈子
馬場 秀敏
商標の称呼 イイシイシイコクサイガイゴセンモンガッコー、イイシイシイ、コクサイガイゴセンモンガッコー、イイシイシイコクサイガイゴ 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ