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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W1425 |
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管理番号 | 1385427 |
総通号数 | 6 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2022-06-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-11-29 |
確定日 | 2022-05-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6439747号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6439747号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6439747号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年12月8日に登録出願、第14類「貴金属及びその合金,宝玉の原石,宝玉及びその模造品,キーホルダー,宝石箱,身飾品(カフスボタンを除く),宝飾品,宝飾品用チャーム,カフスボタン,カフリンクス,貴金属製靴飾り,時計」及び第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,ティーシャツ,和服,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,バンダナ,マフラー,帽子,ナイトキャップ,履物」を指定商品として、同3年8月18日に登録査定、同年9月7日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議の申立てにおいて引用する登録第3337709号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成5年5月18日に登録出願、第25類「履物,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年8月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」及び第25類「履物」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 1 商品の抵触について 本件商標及び引用商標の指定商品は、上記第1及び第2のとおりであるところ、本件商標の指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」及び第25類「履物」は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。 2 商標の類似について 本件商標と引用商標の称呼を対比すると、本件商標からは「ペチュラ」、引用商標からは「ベチュラ」の称呼が生ずる。本件商標と引用商標の音数は共に3音であり、語頭の一音「ペ」と「ベ」が異なるにすぎない。当該差異音「ペ」と「ベ」については、母音(e)が共通であり、「ペ」は両唇を合わせて破裂させる無声子音であり、「ベ」は両唇を合わせて破裂させる有声子音の違いにすぎず、両者は調音位置、方法が極めて近い関係にある。 すなわち、本件商標と引用商標の語頭の差異音「ペ」と「ベ」が称呼全体に及ぼす影響は極めて小さく、両商標を一音一音区切って発音するときは格別として、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調語感が近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれがあるものといわなければならず、両商標は、称呼上相紛らわしい類似の商標である。 次に、本件商標と引用商標の外観を対比すると、本件商標は、欧文字「PETULA」を大文字にて大きく記載し、その上に読みを示すために片仮名の「ペチュラ」を小さく書してなるものである。一方、引用商標は、欧文字「Betula」と書してなるものであるが、両商標とも外観において特段強い印象を与えるものではない。 また、本件商標から特段の観念は生じない。一方、引用商標は、植物のカバノキ属を表す言葉であるとしても、一般的に親しまれているものとは認め難く、特段の観念を生ずるものではない。 なお、過去の異議申立や拒絶査定不服審判においても「ペ」と「ベ」の1音違いの商標が互いに類似するものと判断された例がある(甲3〜甲5)。 3 むすび 以上から明らかなように、本件商標と引用商標は、称呼上類似する商標であり、また、両商標における外観及び観念は、称呼における類似性をしのぐものではない。 したがって、両商標は全体的に観察して類似する商標であるというべきであり、本件商標を指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」及び第25類「履物」について使用した場合、引用商標と出所混同のおそれがある。 すなわち、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するにもかかわらず商標登録されたものであるから、その登録は、申し立てに係る指定商品につき、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるベきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、「PETULA」の欧文字を大きく横書きし、その上段に「ペチュラ」の片仮名を振り仮名のように小さく表してなるところ、「PETULA」及び「ペチュラ」の文字は、辞書等に載録されておらず、特定の意味合いをもって認識されているような事情も見いだせないものであるから、特定の意味合いを有しない造語として理解されるというのが自然である。 そうすると、本件商標は、「ペチュラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、「Betula」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は「カバノキ属」を表す語ではあるものの、これが一般に知られているとはいい難く、「Betula」の文字から直ちに特定の観念を生じるとはいえないものである。 そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「ベチュラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観について 本件商標と引用商標の外観を比較すると、両者の構成態様は、それぞれ別掲1及び2のとおりであるところ、構成全体の比較においては、明らかに異なるものであることに加え、本件商標中の「PETULA」の欧文字部分と引用商標との比較においても、語頭の「P」の文字と「B」の文字が明らかに異なるものであるから、十分に区別し得るものである。 イ 称呼について 本件商標から生じる「ペチュラ」の称呼と引用商標から生じる「ベチュラ」の称呼とは、称呼における識別上、極めて重要な語頭において、「ペ」と「ベ」という差異を有するものであり、共に3音という短い音構成であることを併せ考慮すれば、両商標は、十分に聴別し得るものというのが相当である。 ウ 観念について 本件商標と引用商標とは、上記(1)及び(2)のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 エ 以上よりすれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することはできないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。 (4)小括 本件商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」及び第25類「履物」と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」及び第25類「履物」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別掲1】 本件商標 ![]() 【別掲2】 引用商標 ![]() (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
異議決定日 | 2022-05-20 |
出願番号 | 2020151422 |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W1425)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
森山 啓 |
特許庁審判官 |
小松 里美 冨澤 美加 |
登録日 | 2021-09-07 |
登録番号 | 6439747 |
権利者 | 株式会社ペチュラAK |
商標の称呼 | ペチュラ、ペトゥラ |
代理人 | 森田 拓 |
代理人 | 山崎 和香子 |
代理人 | 前川 砂織 |
代理人 | 佐々 健太郎 |
代理人 | 佐々 百合子 |
代理人 | 前川 純一 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 松永 章吾 |