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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1385423 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-10-21 
確定日 2022-05-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6425173号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6425173号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6425173号商標(以下「本件商標」という。)は、「なんでもござれ」の文字を標準文字で表してなり、令和2年5月18日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,調味料,香辛料,パスタソース,米,食用グルテン,食用粉類,チップス(穀物製品),穀物の加工品,食用ローヤルゼリー,即席菓子のもと,コーヒー,ココア,茶,コーヒー豆,食品香料(精油のものを除く。)」を指定商品として、令和3年5月31日に登録査定され、同年8月5日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第5851986号商標(以下「引用商標」という。)は、「なんでもごたれ」の文字を標準文字により表してなり、平成27年5月13日に登録出願、第30類「調味料」を指定商品として、同28年5月20日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品中の第30類「調味料」について、商標法第4条第1項第10号、同法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号(他人の周知商標)
申立人は、平成27年より商品「調味料」について、商標「なんでもごたれ」を使用し、平成27年から令和2年の6年間で売上金額を10倍に伸ばしている(甲3)。
また、申立人は、種々の媒体を用いた広告、宣伝、種々の方法による商品の販売、インターネット上でのレシピの公開、等を行っており(甲4〜甲14)、広告、宣伝においては、自社ホームページ(甲4)を開設して商品を紹介しているほか、長年にわたりCO−OPのチラシに継続して商品が掲載され(甲5)、2021年においては、各紙に新聞広告を出している(甲6)。
さらに、申立人は、自社ダイレクトメールも継続的に発行し(甲7)、商品の販売方法では、自社ホームページ上にオンラインショップを開設している(甲4)ほか、CO−OP、オンラインショップのAmazon(甲8)や楽天市場(甲9)、YAHOO!JAPANショッピング(甲10)からも商品を購入できるようになっている。
加えて、兵庫県美方郡香美町のふるさと納税の返戻品にもなっている(甲11)。
このほかにも、申立人は、クックパッドヘのレシピ投稿や(甲12)、Facebook(甲13)、Instagram(甲14)でも引用商標の商品を利用したレシピを公開するなど、販売促進を行っており、引用商標を付した商品は、顧客アンケート(甲15)にあるとおり需要者から好評を得ている。
以上のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標の指定商品の分野の需要者に、申立人の商品を表示する商標として広く認識されている。
また、本件商標と引用商標とは、類似の商標でもある。
したがって、本件商標の指定商品中の「調味料」の分野の需要者は、本件商標が本件商標の指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品である、と出所混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
2 商標法第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)
(1)本件商標の構成
ア 外観
本件商標は、標準文字の平仮名7文字にて同書同大にまとまりよく「なんでもござれ」と書されてなるものである。
イ 観念
本件商標は、「どういう物も・事も・手段でも。」を意味する副詞「何でも」と、「『居る』の尊敬語」、「『ある』の丁寧語」を意味する動詞「御座る」の命令形「御座れ」とで構成された言葉「なんでもござれ」であり、「何でも来い」、「何でも受け入れる」、「何でもできる」、「どれも得意である」といった意味で使用される。
これを商品「調味料」に使用した場合、この商標に触れた需要者、取引者には、「どんなものにも使える調味料」、「どんな用途にも使える調味料」というような観念を想起させる。
ウ 称呼
本件商標からは、「ナンデモゴザレ」の称呼のみを生じさせる。
(2)引用商標の構成
ア 外観
引用商標は、標準文字の平仮名7文字にて同書同大にまとまりよく「なんでもごたれ」と書されてなるものである。
イ 観念
指定商品を第30類「調味料」とする引用商標が、「何でも御座れ」という既存の言葉を基にし、「ざれ」の部分を「たれ」に置き換えた造語であることは、この商標に触れた需要者・取引者に容易に想像させるため、引用商標を、その指定商品「調味料」に使用する際には、「どんなものにも使えるたれ(調味料)」、「どんな用途にも使えるたれ(調味料)」という観念を想起させる。
ウ 称呼
引用商標からは、「ナンデモゴタレ」の称呼のみを生じさせる。
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 外観
本件商標と引用商標は、共に標準文字の平仮名で同書同大にまとまりよく表されており、7文字中6文字を同一の文字で構成されているため、その外観は類似する。
イ 観念
本件商標と引用商標とは、本件商標の指定商品中の「調味料」に使用する場合には、どちらも「どんなものにも使える調味料」、「どんな用途にも使える調味料」という同一の観念を生じさせる。
ウ 称呼
本件商標が生じさせる称呼「ナンデモゴザレ」と引用商標が生じさせる称呼「ナンデモゴタレ」を比較すると、その差は、母音を同一にする、6音目の「ザ」と「タ」の1音のみの相違である。
両商標とも称呼全体の音数が7音に対し、語尾に近い6音目に差があること、「何でも」と「御座れ」で構成された言葉であるため、発音する際には、各単語の1音目である「ナ」と「ゴ」を強調して発音されやすいことを踏まえると、語尾に近く、強く発音される音の直後にある「ザ」と「タ」の相違は聴別し難く、称呼においても類似する。
3 商標法第4条第1項第15号(商品又は役務の出所の混同)
上記1で述べたとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標の指定商品の分野の需要者に広く認識されている商標である。
万一、商標法第4条第1項第10号に該当しない場合でも、本件商標が本件商標の指定商品に使用された場合は、申立人の業務に係る商品と出所混同を生ずるおそれがある。

第4 当審の判断
1 引用商標及び使用商標の周知性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
申立人は、遅くとも2016年(平成28年)8月頃より「なんでもごたれ」と称する商品「調味料」(以下「申立人商品」という場合がある。)を、チラシ、オンラインショップ等で継続して販売したこと、また、ダイレクトメール、新聞の広告欄に掲載するなどの方法で広告したこと、さらに、申立人は申立人商品の包装に、別掲の商標(以下「使用商標」という。)を付し、また、引用商標を表示して販売していたことが認められる(甲5〜甲10)。
また、申立人は、申立人商品が平成27年からの6年間で売上が10倍に伸びたと主張し、その証左として売上推移表(甲3)を提出しているが、当該売上推移表は、その作成者、作成日等が明らかでなく、かつ、その売上金額が申立人商品であることを裏付ける具体的な証左は見いだせない。
(2)上記(1)によれば、申立人は、遅くとも2016年(平成28年)8月頃より申立人商品を販売し、その後現在まで継続して引用商標及び使用商標を申立人商品について使用していることは認められるとしても、申立人の提出した証拠によっては、これらの商標が、一般需要者にどの程度認識されるかに至ったかはうかがい知ることはできない。
そして、我が国における引用商標及び使用商標を使用した申立人商品の販売数量、市場シェアなどの販売実績並びに広告宣伝の費用、方法、回数及び期間などを客観的に把握することができる証拠は提出されていない。
そうすると、引用商標及び使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品「調味料」を表示する商標として、我が国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「なんでもござれ」の平仮名からなるところ、これよりは、全体として「何でも来い」の意味合いを生じるものであり、その意味内容において、親しまれた一連一体の語として把握されるものである。
したがって、本件商標は、「ナンデモゴザレ」の称呼を生じ、「何でも来い」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「なんでもごたれ」の平仮名からなるところ、その構成文字は辞書等に掲載が見受けられず、特定の意味を有しない造語と認識されるものである。
したがって、引用商標は、「ナンデモゴタレ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観
本件商標と引用商標の外観について比較すると、両者は、共に7文字という比較的短い文字構成にあって、前半の「なんでも」の文字を共通にするが、後半の「ござれ」と「ごたれ」の文字部分における「ざ」と「た」の文字において、明確な差異を有するものであるから、両商標は、外観上、相紛れるおそれはないものである。
イ 称呼
本件商標より生じる「ナンデモゴザレ」の称呼と引用商標より生ずる「ナンデモゴタレ」の称呼とを比較すると、両称呼は、7音という比較的短い音構成からなり、前半における「ナンデモ」の音を共通にし、後半の「ゴザレ」と「ゴタレ」の文字部分における「ザ」と「タ」の文字において相違するものであるが、その差異は、濁音対清音ということからすると、たとえこれらが母音を共通にするとしても、比較的短い音節からなる両称呼全体に与える影響は大きいものといえるから、それぞれを一連に称呼しても音調、音感が異なり、互いに聴別し得るものであって、両商標は、称呼上、相紛れるおそれはないものである。
ウ 観念
本件商標からは、「何でも来い」の観念が生じるのに対し、引用商標からは、特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはないものである。
エ そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから、非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
そして、本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
なお、申立人商品には使用商標も使用されていたところ、使用商標は、別掲のとおり、「なんでもごたれ」の文字を多少レタリングを施した態様で表してなるものであって、これは引用商標と同じ文字構成であるから、上記判断と同様に、使用商標についても本件商標とは非類似のものであるし、上記1のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとはいえないものである。
したがって、本件商標は、引用商標及び使用商標とのいずれの関係においても、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について
本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、非類似の商標であるから、類似性の程度は高いとはいえない。
(3)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との関連性、需要者の共通性について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであって、いずれも食品関連の商品であるから、需要者を共通する場合があり、商品の関連性はあるものといえる。
(4)上記(1)ないし(3)のとおり、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と関連性を有し、その需要者の範囲を共通にする場合があるとしても、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者の間に広く認識されているとはいえず、本件商標と引用商標の類似性の程度も高いとはいえない。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
なお、使用商標についても、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとはいえないものであるし、また、使用商標と本件商標とは、上記3のとおり、非類似のものであるから、本件商標は、使用商標との関係においても、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中第30類「調味料」について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものでなく、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲
使用商標(色彩は原本参照)





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異議決定日 2022-05-10 
出願番号 2020067675 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (W30)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 小林 裕子
小松 里美
登録日 2021-08-05 
登録番号 6425173 
権利者 株式会社Mr.カンカン
商標の称呼 ナンデモゴザレ 
代理人 清水 義仁 
代理人 高田 健市 
代理人 清水 久義 
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