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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1385418 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-09-06 
確定日 2022-06-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第6401781号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6401781号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6401781号商標(以下「本件商標」という。)は、「PUREFITNESS」の文字を標準文字で表してなり、令和2年3月17日に登録出願、第41類「レジャーセンター、ヘルスセンター、フィットネスセンター及び体育館の提供並びにこれに関連する情報及び助言の提供,体育館の使用、ウエイトトレーニング、ボディービル、エアロビクス、身体運動、フィジカルリハビリテーション、食生活、栄養及び健康と美容に関する訓練及び教育の提供並びにこれに関連する情報及び助言の提供,体操、ウエイトトレーニング、ボディービル、エアロビクス、室内自転車競技、身体運動、フィジカルリハビリテーション、食生活、栄養、健康と美容及びパーソナルトレーニングサービスに関する教育の提供並びにこれに関連する情報及び助言の提供」を指定役務として、同3年5月28日に登録査定され、同年6月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり、同人が「ヨガスタジオ、フィットネススタジオ関連業務」などについて使用し、アジア地域及び我が国における需要者の間に広く認識されているとするものである。
(1)別掲1のとおりの態様からなる商標(以下「引用商標1」という。)
(2)別掲2のとおりの態様からなる商標(以下「引用商標2」という。)
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。
なお、引用商標は、いずれも香港においてシリーズ商標として登録されている。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第19号及び同項第7号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第57号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、標準文字「PUREFITNESS」で構成され、2つの既成語「PURE」及び「FITNESS」からなる。そこで、指定役務との関係を考慮すると「FITNESS」部分そのものは識別力を有さないことから、本件商標の要部は「PURE」と認定されるべきものである。
なお、「PURE」と「FITNESS」の間にスペースがないことから、一連一体の結合語と判断され得る可能性があるが、後述の不正の目的を理由とした登録出願でありその判断は妥当ではない。
(2)引用商標について
ア 引用商標
引用商標は、本件商標の2つの構成要素「PURE」と「FITNESS」からなる商標である。申立人は、これらの商標登録を第41類においてオーストラリア、中国、欧州連合、香港及びインドなどで商標登録を有している(甲4)。
また、申立人らは、引用商標に加えて「PURE YOGA」、「PURE NUTRITION」、「PURE APPAREL」及び「PURE CAST」等のブランドを展開し、申立人らの商号の要部である「PURE」を要部とするファミリー商標を使用し、申立人の出所を表示するものとしている(甲5)。
イ 引用商標の周知性について
(ア)申立人は、2002年に香港に設立されて以来、アジアとニューヨークを中心にヨガスタジオ、フィットネススタジオ、アパレル、バー及びレストランを含む幅広いビジネスを扱う「ピュアグループ」(Pure Group)の関連会社である。
ピュアグループは、その継続的な事業を通じて、ライフスタイル全般の様々な分野までサービスを広げており、健康的で活動的な生活を促進することにより広い地域で貢献してきている。同グループは、着実にビジネスを拡大し、2020年にはヨガスタジオ及びフィットネススタジオは世界で計40か所に達している(甲6、甲7)。
また、ピュアグループは、各種業界紙において「Best Gym」としての賞を受賞している(甲8〜甲11)。
(イ)香港にはフィットネス施設を12か所(甲12)及びヨガ施設を12か所(甲13)も運営し、その会員にサービスを提供している。また、香港のフラッグ・キャリア「CATHAY PACIFIC」と提携しており、申立人らの会員だけでなく、同航空会社の利用客にも利用できることを「CATHAY PACIFIC」が積極的に案内している(甲14)。
つまり、申立人らの会員に加えて、「CATHAY PACIFIC」の利用者にも申立人の事業は通知されており、また、一定のステイタスを有する者には同社の航空機を利用して香港へ到着した場合、その当日又は翌日にピュア・フィットネス(PURE FITNESS)センター又はピュア・ヨガ(PURE YOGA)スタジオの利用を楽しめるようになっている(甲14)。
なお、香港は日本人の外国訪問先の第6位であり、統計によれば毎年80万人以上の人が訪れている。「CATHAY PACIFIC」の利用者の内、相当数が香港における「PURE FITNESS」の紹介を目にする機会があることは容易に想像できる。
日本政府観光局(JNTO)「各国・地域別日本人訪問者数(日本から各国・地域への到着者数)(2013年〜2019年)」によると、2018年は香港にシンガポールを加えると約170万人もの日本人が訪問していることがわかる。つまり、これだけの多くの日本人が毎年香港又はシンガポール等において申立人らの店舗又は広告等を目にしている可能性がある。
(ウ)申立人は、設立当初より自ら非常に積極的に宣伝広告を継続してきている(甲15〜甲54)。直近では、日本円換算で2018年は約8,100万円、2019年は約7,600万円、2020年は1,700万円の費用を販売促進費として費やしている。
また、上述の広告媒体による販売促進に加えて、スポーツなどの各種イベントヘの協賛・開催等を継続して行っている(甲11、甲16、甲17、甲24、甲47〜甲49、甲55〜甲57)。
(エ)以上の事情に鑑み、引用商標の日本市場における周知度を確認すべく、本件商標の登録出願日以前に制限して、「ピュアフィットネス」又は「PURE FITNESS」をGoogleサイトで検索すると、日本語でこれらが紹介されているブログ、記事等が多数ヒットし、引用商標が需要者に知られていることは明らかである。
(3)本件商標権者の不正の目的について
ア 申立人は、2002年に香港で創業し、シンガポール、上海及びニューヨークヘ出店している。特に前述のとおり香港では積極的に宣伝広告等を行いつつ事業展開していた。一方で、本件商標の商標権者は、イギリスで設立され、アメリカ企業を買収し、欧米を中心に事業展開をしている。
以上のとおり、本件商標の商標権者は、申立人と同業種の後発企業であること、また、申立人の商標とその役務は、遅くとも本件商標の登録出願時以前から、我が国の需要者間に広く知られており、特に海外では、日本よりも先に知られていたことから、次第に日本国内においても申立人の役務が知られ、利用されるようになるであろうことを本件商標の商標権者は知っていたというべきである。特に、申立人らの事業と本件商標の商標権者の事業が一致し、需要者及び取引者も共通している。
イ また、提出する証拠からも明らかなとおり、ヨガを愛好する需要者達の多くがインターネットを通じで情報を提供・交換していることから、国内外に居住するインターネットを利用するヨガ愛好者を介して、初めは海外の一部の地域・国でのみ知られていたものであっても、これが瞬く間に日本国内を含む他の地域に広がり知られていくタイプのサービスであることは疑いようがない事実である。
すなわち、この分野の需要者の年齢層と生活・活動パターンや情報収集手段の特徴、申立人らがサービスを提供している地域と日本の距離、それらの地域を訪れる(あるいは、滞在する)日本人の多さ、日本国内におけるヨガブームの時期等に鑑みれば、申立人らがヨガスタジオを開設してサービス提供を開始した後、本件商標が登録出願されるまでの間に、申立人らのサービスとその商標が日本人の需要者の中に浸透し、広く知られていたと考えることはきわめて自然である。
ウ このような状況で、本件商標の商標権者が、自国で使用しているメインブランド「PUREGYM」を出願することなく、申立人がアジアで積極的に使用している「PURE」と「FITNESS」を組み合わせた商標を敢えて日本において使用していないにも関わらず出願したことは、申立人が今までアジア市場において構築してきた信用や顧客吸引力を毀損するおそれがあり、不正の目的をもって登録出願したものと解釈するのが自然と思われる。
(4)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標と引用商標は、文字を構成する語が同一でおり、互いに類似する商標である。
また、本件商標は、我が国において少なくとも「フィットネス関連」について一定の周知度・著名度を取得しており、この役務は、本件商標の指定役務について商標法第4条第1項第10号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標は、文字の構成が同一であり、互いに類似する商標である。
また、引用商標は、アジア地域及び日本において一定の周知度を取得している。特に本件商標の商標権者が、申立人の後発であり、同業者であることを考慮すると、本件商標の商標権者がアジア地区へ進出するに当たり、引用商標の存在を知らない可能性は極めて低いものと思われる。
さらに、本件商標の商標権者が主要ブランドである「PUREGYM」を登録出願することなく、引用商標と類似する商標の登録を図るべく「PURE」と「FITNESS」の結合商標を登録出願する行為は、不正の目的そのものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(6)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第19号に該当しないとした場合であっても、引用商標には使用による信用が化体されており、商標法上、保護すべき商標であるので、本件商標の登録は、社会的相当性を欠くものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)使用商標について
申立人は、別掲1及び別掲2のとおりの商標を引用商標としているところ、申立人の主張及び提出された証拠によっては、引用商標の使用を確認することは困難なところがある。
しかしながら、当審は、申立人の主張の全趣旨及び提出された甲各号証から、同人は別掲3のとおりの商標(色彩の異なるものを含む。以下「使用商標」という。)を使用しているものと認め、以下検討することとする。
(2)使用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人はオーストラリア、中国及び欧州連合などにおいて、第41類の役務について「PURE」及び「FITNESS」の文字を構成中に含む商標など多数の商標登録を保有していること(甲4)、申立人は、フィットネススタジオを香港に12か所、上海に4か所及びシンガポールに4か所有すること(甲7)、同人のフィットネススタジオにおいて、2004年から現在(2021年12月頃)まで使用商標を使用していること(甲7、甲15〜甲56)及びキャセイパシフィック航空は、同社のホームページにおいて利用客が申立人のフィットネススタジオを利用できる旨告知していること(甲14)がうかがえる。
しかしながら、申立人のフィットネススタジオの利用者数、売上高など役務の提供実績を示す主張はなく、その証左は見いだせない。
イ 上記アからすれば、申立人が香港を中心に使用商標を使用してフィットネススタジオの提供などを行っていることをうかがい知ることができるものの、当該フィットネススタジオにおける役務の提供実績を示す証左は見いだせないから、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして香港における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、他に、使用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されていると認め得る証左は見いだせない。
なお、申立人は、積極的に宣伝広告を継続しているとして、2018年は約8,100万円、2019年は約7,600万円、2020年は1,700万円を販売促進費として費やしている旨主張しているが、仮にその額が事実であるとしても、上記判断を左右するほどの金額とは認められない。
したがって、使用商標は申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 本件商標と使用商標の類否について
(ア)本件商標は、上記1のとおり「PUREFITNESS」の文字を標準文字で表してなり、該文字に相応し「ピュアフィットネス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)使用商標は、別掲3のとおりの構成からなり、その構成中「PURE」及び「FITNESS」の文字に相応し「ピュアフィットネス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(ウ)本件商標と使用商標の類否を検討すると、両者は、外観において、本件商標の構成文字「PUREFITNESS」と使用商標の構成中の文字「PURE」及び「FITNESS」はそのつづりを共通にするものであるから、両者は、近似した印象を与えるものである。
また、称呼において、両者は、「ピュアフィットネス」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念において、両者は、ともに特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。
そうすると、本件商標と使用商標は、観念において比較できないものであるとしても、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼において「ピュアフィットネス」の称呼を共通にすることからすれば、両者の取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と使用商標は相紛れるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。
イ 商標法第4条第1項第10号該当性について
上記アのとおり本件商標と使用商標は類似する商標であり、本件商標の指定役務と使用商標が使用される役務(フィットネススタジオの提供など)が同一又は類似する役務であるとしても、上記(2)のとおり使用商標は申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
不正の目的
申立人は、本件商標の商標権者は申立人と同業種の後発企業である、申立人の商標とその役務は我が国の需要者間に広く知られているなどとして、申立人が使用している「PURE」と「FITNESS」を組み合わせた本件商標を商標権者が登録出願したことは、申立人が構築してきた信用や顧客吸引力を毀損するおそれがあり、不正の目的をもって登録出願したものである旨主張している。
しかしながら、本件商標の商標権者が申立人の後発企業であることを示す証左は見いだせず、何より、上記(2)のとおり使用商標は申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、使用商標の周知性を根拠として、本件商標が不正の目的をもって登録出願されたという申立人の主張は採用することはできない。
また、商標権者による本件商標の登録出願が申立人の構築してきた信用や顧客吸引力を毀損するおそれがあり、不正の目的をもって登録出願したものというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものといえない。
イ 商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(3)のとおり本件商標と使用商標は類似する商標であるが、上記(2)のとおり、使用商標は申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記アのとおり、本件商標は不正の目的をもって使用するものといえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものといえない。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、使用商標には使用による信用が化体されており、商標法上保護すべき商標であるので、本件商標の登録は社会的相当性を欠くものであるとして、本件商標は本号に該当する旨主張している。
しかしながら、上記(2)のとおり使用商標は申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、他に、商標権者が本件商標をその指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する、又は本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないなど、本件商標が公序良俗を害するおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものといえない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、また、他に、申立人が使用する使用商標以外の他の商標との関係を含め、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1 (引用商標1(甲2)、色彩は原本を参照。)


別掲2(引用商標2(甲3)、色彩は原本を参照。)


別掲3(使用商標(甲15等)、色彩は原本を参照。)


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-05-24 
出願番号 2020029008 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W41)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 大森 友子
小俣 克巳
登録日 2021-06-14 
登録番号 6401781 
権利者 ピュア ジム リミテッド
商標の称呼 ピュアフィットネス、ピュア 
代理人 幡 茂良 
代理人 小出 俊實 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 橋本 良樹 
代理人 魯 佳瑛 
代理人 村井 康司 
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