• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0916182021283041
管理番号 1384527 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-10-21 
確定日 2022-04-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第6426339号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6426339号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6426339号商標(以下「本件商標」という。)は、「PUIPUIモルカー」の文字を標準文字で表してなり、令和3年2月3日に登録出願、第6類、第8類、第9類、第16類、第18類、第20類、第21類、第26類、第28類、第30類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年7月28日に登録査定、同年8月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する登録第6501378号商標(商願2021−10998)(以下「引用商標」という。)は、「モルカー」の文字と「MOLCAR」の文字を上下二段に横書きしてなり、令和3年2月1日に登録出願、第3類、第5類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第28類ないし第30類、第32類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同4年1月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」、第16類「卓上文書スタンド,ポストカード,塗り絵本,事務用品(家具を除く。),文房具類,印刷物,紙類,書画,写真,写真立て,印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。),荷札,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製のぼり,紙製旗,型紙,裁縫用チャコ,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,家庭用食品包装フィルム,プラスチック製包装用袋,紙製包装用容器,装飾塗工用ブラシ,マーキング用孔開型板,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙貼り付け機,事務用電動式ステープラ,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,封ろう,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,ペット用被服類,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革製包装用容器,皮革,レザークロス,かばん金具,がま口口金,蹄鉄」、第20類「つい立て,びょうぶ,家具,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),うちわ,扇子,犬小屋,小鳥用巣箱,ペット用ベッド,買物かご,風鈴,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板」、第21類「全指定商品」、第28類「全指定商品」、第30類「全指定商品」、第41類「全指定役務」について、商標法第8条第1項に違反して登録されたものであって、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 商標の類似判断基準
商標審査基準の第4条第1項第11号の判断基準に照らして、本件商標と引用商標の類否を検討する。
2 本件商標について
(1)外観
本件商標は、「PUIPUIモルカー」の文字を標準文字にて出願されたものであって、「PUIPUI」部分は英文字の大文字、「モルカー」部分は片仮名である。
(2)称呼
本件商標の「PUIPUI」部分からは「ピーユーアイピーユーアイ」又は「プイプイ」の称呼が生じ、「モルカー」部分からは「モルカー」の称呼が生じ、全体としては、「ピーユーアイピーユーアイモルカー」又は「プイプイモルカー」の称呼が生じる。また、「PUIPUIモルカー」のうち、「PUIPUI」部分と「モルカー」部分の文字の種類が異なること、及び観念上のつながりもないため、「PUIPUI」部分と「モルカー」部分は分離して観察できる。そのため、本件商標からは「ピーユーアイピーユーアイ」又は「プイプイ」と「モルカー」という称呼も生じる。
(3)観念
「PUIPUIモルカー」は、「PUIPUI」部分も「モルカー」部分も造語であると考えられ、「PUIPUI」部分、「モルカー」部分とも指定商品及び指定役務について特定の意味合いを有さない語である。このため「PUIPUI」部分と「モルカー」部分に観念上のつながりはない。なお、「PUIPUIモルカー」も、特定の意味合いを有さない語であるから、具体的な観念は生じない。
3 引用商標について
(1)外観
引用商標は、ゴシック体の片仮名で「モルカー」と横書きにし、その下段に英文字で「MOLCAR」と横書きされた上下二段書きの構成からなる。
(2)称呼
引用商標からは、「モルカー」の称呼が生じる。
(3)観念
「モルカー」及び「MOLCAR」は特定の意味合いを有さない造語であって、特定の観念は生じない。
4 本件商標と引用商標の類否
本件商標は、「PUIPUI」部分と「モルカー」部分の文字種が異なり、観念上のつながりもないことから、分離して看取することが可能な商標である。実際に、出願人の使用態様は、「PUIPUI」部分を小さく表示し、「モルカー」部分を大きく強調した表示態様であり、インターネット上では、「モルカー」部分が、本件商標を略称するような態様で使用されている(甲3)。
そうすると、本件商標のうち、「モルカー」部分が分離して観察されることは、取引者及び需要者にとってごく自然なことである。
したがって、本件商標から「モルカー」部分が分離観察可能であることから、本件商標と引用商標は、称呼、外観において類似する商標であり、両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合には、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある。よって両商標は類似するというべきである。
5 本件商標と引用商標の指定商品、指定役務の比較
両商標の第9類、第16類、第18類、第20類、第21類、第28類、第30類における指定商品、及び第41類の指定役務は、同一又は類似の商品と役務が指定されている。
6 小括
以上のとおりであるから、本件商標は商標法第8条第1項に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第8条第1項について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「PUIPUIモルカー」の文字を標準文字で表してなるところ、文字種の相違により「PUIPUI」と「モルカー」からなると看取されるものではあるが、各文字が同書、同大、等間隔でまとまりよく表されており、いずれかの文字のみが外観上強い印象を与えるものではなく、本件商標の構成全体に相応して生じる「プイプイモルカー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成中「モルカー」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって一連一体の造語として認識、把握されるものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標からは、「プイプイモルカー」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「モルカー」の片仮名及び「MOLCAR」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解できるものであるから、該構成文字に相応して「モルカー」の称呼を生じるものである。
そして、上記構成文字が特定の意味合いを認識させる語とはいい難いことから、これより特定の観念は生じない。
したがって、引用商標からは、「モルカー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観について
本件商標と引用商標は、「PUIPUI」又は「MOLCAR」の文字の有無という明確な差異を有するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。
イ 称呼について
本件商標より生ずる「プイプイモルカー」の称呼と引用商標より生ずる「モルカー」の称呼とは、「プイプイ」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、称呼上、容易に聴別し得るものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標の観念は、それぞれ前記したとおりであるから、観念上、比較することができない。
エ 小括
本件商標と引用商標とは、観念上比較することができないとしても、外観及び称呼において互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務の類否について判断するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものといえない。
(4)申立人の提出に係る上申書について
なお、申立人は、令和4年3月16日付け上申書を提出しているが、前記判断を覆すものではない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録異議の申立て係る指定商品及び指定役務についての登録は、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-04-07 
出願番号 2021012424 
審決分類 T 1 652・ 4- Y (W0916182021283041)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 馬場 秀敏
板谷 玲子
登録日 2021-08-06 
登録番号 6426339 
権利者 シンエイ動画株式会社
商標の称呼 プイプイモルカー、プイプイ、モルカー 
代理人 黒瀧 眞輔 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ