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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W29
管理番号 1382475 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-07-14 
確定日 2022-03-14 
事件の表示 商願2019−151770拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は,令和元年12月3日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年10月 6日付け:拒絶理由通知書
令和2年11月24日 :意見書,手続補正書の提出
令和3年 4月12日付け:拒絶査定
令和3年 7月14日 :審判請求書,手続補正書の提出

2 本願商標
本願商標は,「VEGE POWER」の文字を標準文字で表してなり,第29類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり,その後,指定商品については上記1の手続補正により,最終的に第29類「調理用野菜ジュース」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4622195号商標(以下「引用商標」という。)は,「ベシパワー」の文字を標準文字で表してなり,平成14年2月27日に登録出願,第30類「アーモンドペースト」を含む第29類及び第30類に属する別掲記載のとおりの商品を指定商品として,同年11月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は,前記2のとおり,「VEGE POWER」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字に相応した「ベジパワー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
これに対し,引用商標は,前記3のとおり,「ベジパワー」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字に相応した「ベジパワー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
そうすると,本願商標と引用商標とは外観において,欧文字と片仮名であって文字種を異にするものの,ともに標準文字で表してなるものであり,文字種の相違が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
また,本願商標と引用商標は,その称呼を共通にし,観念においては比較できないから,それらを総合的に勘案すると類似の商標と認められる。
なお,請求人は,本願商標と引用商標の類否については主張していない。
(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
原査定は,本願商標に係る指定商品である第29類「調理用野菜ジュース」と引用商標に係る指定商品中の第30類「アーモンドペースト」とが類似するものである旨認定,判断して本願を拒絶したものである。
そこで,商品「調理用野菜ジュース」と商品「アーモンドペースト」との類否について検討する。
ア 第29類「調理用野菜ジュース」について
「調理用野菜ジュース」の商品名中「調理用」の文字はその用途が調理であることを示し「野菜」の文字は「生食または調理して,主に副食用とする草本作物の総称」(広辞苑第6版)を,「ジュース」とは「果物・野菜のしぼり汁・・・また,広義にはそれを加工した飲料。」(前掲書)を意味する語であるから,当該商品は,野菜を原材料とするジュース(しぼり汁)であって,もっぱら調理に使用するものであると認められる。
しかしながら,職権における調査において,いわゆる「野菜ジュース」が製造,販売されている事実は認められるものの,調理用及び飲料用等の用途別に製造,販売されているという事実は発見することができなかった。また,当該「野菜ジュース」は,野菜の加工品又は飲料であるジュースを製造販売する者によって製造販売されていることが認められる。
そうすると,「調理用野菜ジュース」がもっぱら調理用のものであるとしても,いわゆる「野菜ジュース」の製造販売業者である野菜の加工品又は飲料であるジュースを製造販売する者によって製造販売されているものとみるのが相当である。
また,その販売場所は,食料品を取り扱っている量販店を含む一般小売店であって,その需要者は調理に従事する者及び調理を行う一般需要者であるといえる。
イ 第30類「アーモンドペースト」について
新編日本食品事典(昭和60年2月15日発行 医歯薬出版株式会社)の「アーモンド」の項には「・・・核内の仁を食用あるいは製油用にする.・・・粉末アーモンドとフォンダンを練り合わせたアーモンドペーストや,アーモンド入りプラランも製菓材料として用いられる.」の記載があり,また,「総合食品事典ハンディ版」(平成10年4月5日発行 株式会社同文書院)の「アーモンド」の項には「・・・軟核種の仁を食用とする.・・・味付けしたものを食用に供するが,・・・アーモンドペースト・・・にして,洋菓子類には非常に広く使用される。」の記載がある。 そうすると「アーモンドペースト」は,原材料がアーモンドの仁(種子)であって,製菓材料として用いられていることから,その製造者は,製菓材料の製造業者によって製造されており,一般小売店の製菓材料コーナーにおいて取り扱われる場合があるものの,主に製菓材料を取り扱っている店舗において販売されるものであり,また,その需要者も,菓子を作る一般需要者が一部含まれるものの,主に製菓に従事する者であるといえる。
ウ 調理用野菜ジュースとアーモンドペーストの類否について
上記ア及びイより,「調理用野菜ジュース」と「アーモンドペースト」とは,「アーモンドペースト」が一般小売店で販売される場合がありまた,その需要者の一部に一般消費者が含まれていることから,販売部門及び需要者の一部において共通する場合があるものの,製造部門(野菜の加工品又は飲料であるジュースを製造販売する者と製菓材料の製造業者。),原材料(野菜とアーモンドの仁(種子)。)及び用途(調理と製菓。)が異なるものであって,完成品とその原材料との関係にあるといえるものでもないから,これらを総合的に勘案すると非類似の商品といえる。
そうすると,「調理用野菜ジュース」と「アーモンドペースト」とに同一又は類似の商標が使用されたとしても,その出所について混同を生じるおそれはない。
(3)まとめ
以上からすれば,本願商標は,引用商標と類似の商標ではあるが,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものではないから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
別掲(引用商標の指定商品)
第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」
第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」

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審決日 2022-02-22 
出願番号 2019151770 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W29)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 大森 友子
小俣 克巳
商標の称呼 ベジパワー、ベジ、パワー 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 

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