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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X35
管理番号 1381726 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-02-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-12-18 
確定日 2022-01-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第5458965号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5458965号商標(以下「本件商標」という。)は,「ふふふ」の文字を横書きしてなり,平成23年6月14日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同年12月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録は,令和2年1月9日である。
以下,本件審判の請求の登録前3年以内の期間(平成29年1月9日ないし令和2年1月8日)を「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定役務中,第35類「ビール風味の麦芽発泡酒,黒ビール,合成ビール,スタウトビール,ラガービール,エールビール,ピルスナービール,その他のビール,ビール風味の清涼飲料,ビール酵母を含有してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という場合がある。)についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,上記指定役務について,継続して3年以上日本国内において,使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は,「笑顔になれるラテ」と題する商品をもって「清涼飲料」に当たるとするが,これは清涼飲料ではない。
ア 商標法施行規則第6条別表は,第三二類の「二 清涼飲料」として,「アイソトニック飲料 ガラナ飲料 コーヒーシロップ コーラ飲料 サイダー シャーベット水 シロップ ジンジャーエール 清涼飲料のもと 炭酸水 ミネラルウォーター ラムネ レモン水 レモンスカッシュ」を掲げる。他方同別表は,第三十類の「三 茶」として「ウーロン茶 紅茶 昆布茶 麦茶 緑茶」を掲げる。このことからすると,「ウーロン茶 紅茶 昆布茶 麦茶 緑茶」等の茶については,「アイソトニック飲料 ガラナ飲料 コーヒーシロップ コーラ飲料 サイダー シャーベット水 シロップ ジンジャーエール」等の「清涼飲料」の例に含まれておらず,第30類に明示的に例示されている以上,これらは「清涼飲料」に含まれないというべきである。また,第三十二類の清涼飲料の中に,牛乳や練乳等の乳製品を含めておらず,第二十九類の「十 乳製品」として「牛乳 クリーム チーズ 乳酸飲料 乳酸菌飲料 バター 発酵乳 粉乳(乳幼児用のものを除く。) やぎ乳 羊乳 練乳」を掲げている。このことからすると,牛乳等の乳製品は,飲用に供されるものであっても,第32類の清涼飲料には含まれないというべきである。
そうすると,抹茶ラテやほうじ茶ラテを,「茶」の一種と捉えたとしても「乳製品」の一種と捉えたとしても,第32類の清涼飲料には当たらないということになる。そうである以上お湯や水を注ぐことによって飲料としての茶ないし乳製品が生成される商品は上記第32類に含まれる「清涼飲料のもと」にも当たらないというべきである。実際,「ティーバッグ入りの緑茶・紅茶・ハーブティー・中国茶その他の茶及びコーヒー」は第30類に属するものとして商標登録されている(甲2〜甲6)。
ところで,被請求人が「清涼飲料」であると主張する商品は,乙第4号証の1を見る限り,ハート型の最中の中に粉末の抹茶またはほうじ茶の粉末及び粉乳等を混入させただけであり,これにお湯等を注いでできるものは,抹茶ラテまたはほうじ茶ラテであって,清涼飲料ではない。したがって,上記「株式会社ふふふ」の商品は,「清涼飲料のもと」ともなり得ないものである。その他,被請求人が小売等をしている商品の中に清涼飲料に該当するものは含まれていない。
したがって,上記「株式会社ふふふ」は,「ビール風味の麦芽発泡酒,黒ビール,合成ビール,スタウトビール,ラガービール,エールビール,ピルスナービール,その他のビール,ビール風味の清涼飲料,ビール酵母を含有してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」の小売又は卸売業務をしていないから,上記商品の小売又は卸売の業務において顧客に対する便益の提供を行うということもあり得ない。
イ 商品及び役務の区分と食品衛生法における定義
「食品衛生法の一部を改正する法律等の施行について」と題する発衛第413号の2各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省公衆衛生局長通達第三の一の(二)によれば,「清涼飲料水及び保存飲料水を一本化して,清涼飲料水としたこと。その定義は,乳酸菌飲料,乳及び乳製品を除く酒精分一容量パーセント未満を含有する飲料をいうものであること。従つて,酸味を有しない飲料水,主として児童を対象として製造されコルク等で簡単に栓を施した飲料水(例えばニツケ水,ハツカ水等),トマトジユース,摂取時に希釈,融解等により飲み物として摂取することを目的としたもの(例えば,濃厚ジユース,凍結ジユース等)(ただし,粉末ジユースを除く。)もすべて含まれるものであること。」とあり,本来の「清涼飲料水」ではないものも食品衛生法上の「清涼飲料水」に含めていることが明らかとされている。同通逹第五の二の(六)においても,「清涼飲料水製造業の号の改正は,従来の保存飲料水をも含めて新たに清涼飲料水の概念を統一した(第三標示に関する事項一の(ナホ)二参照)ことに伴う改正であること。したがつて,従前の清涼飲料水又は保存飲料水の概念には該当しないものであつても,今後は,この概念には該当するものである限り,許可営業の対象とする。」との記載があり,食品衛生法においては,本来清涼飲料水に当たらないものについても「清涼飲料水」に含めることとしたことが示されている。したがって,食品衛生法上の「清涼飲料水」を全て「商品及び役務の区分」としての「清涼飲料」に含めることは不適切である。
ウ 食品衛生法上の清涼飲料
食品衛生法では「清涼飲料水」という言葉が用いられているが,定義規定は置かれていない。
エ 食品表示法上の清涼飲料
食品表示法においても,「清涼飲料」ないし「清涼飲料水」の定義規定は置かれていない。食品表示法第4条に基づき定められた食品表示基準においては,別表第一の第25項において,飲料等の例として「飲料水,清涼飲料,酒類,氷,その他の飲料」が掲げられているが,清涼飲料の定義規定は置かれていない(乙8)。被請求人は,「清涼飲料」が食品表示基準において「飲料等」に分類されていることを指摘するが,そのことは,飲料等が原則として「清涼飲料」に含まれることを意味していない。
オ 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令上の乳飲料
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第2条第42項によれば,「乳飲料」とは,「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料であって,第二項から第十二項まで及び第十四項から前項までに掲げるもの以外のものをいう。」とされる。
乙第12号証によれば,被請求人商品のうち「笑顔になれる泡立つラテ【ほうじ茶】」については,原材料として,「ほうじ茶」,「全粉乳」,「加糖脱脂練乳」,「脱脂粉乳」等が用いられているとのことである。乙第13号証によれば,被請求人商品のうち「笑顔になれる泡立つラテ【抹茶】」については,原材料として,「抹茶」,「全粉乳」,「加糖脱脂練乳」,「脱脂粉乳」等が用いられているとのことである。
このうち,「全粉乳」とは,「生乳,牛乳,特別牛乳又は生水牛乳からほとんど全ての水分を除去し,粉末状にしたもの」をいう(同省令第2条第31項)。「加糖脱脂練乳」とは,「生乳,牛乳,特別牛乳又は生水牛乳の乳脂肪分を除去したものにしょ糖を加えて濃縮したもの」をいう(同省令第2条第30項)。「脱脂粉乳」とは,「生乳,牛乳,特別牛乳又は生水牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんど全ての水分を除去し,粉末状にしたもの」をいう(同省令第2条第32項)。これらはいずれも,「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳・・・を原料として製造した食品」である。
「笑顔になれる泡立つラテ【ほうじ茶】」を水又はお湯に溶かした飲料は,「全粉乳」,「加糖脱脂練乳」,「脱脂粉乳」等の「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳・・・を原料として製造した食品」を主要原料としつつ,これにほうじ茶の粉末等を加えた飲料である(被請求人は,被請求人商品は「生乳等を主原料とするものではないから,『乳製品』に該当しない」とするが,「牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳・・・を原料として製造した食品」を主要原料とする飲料は「乳飲料」に該当する以上,それは誤りである。)。それは,同省令第2条第2項から第12項まで及び第14項から第41項までに掲げるいずれにも当たらないものであり,同条第42項の「乳飲料」に当たる。
「笑顔になれる泡立つラテ【抹茶】」を水又はお湯に溶かした飲料は,「全粉乳」,「加糖脱脂練乳」,「脱脂粉乳」等の「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳・・・を原料として製造した食品」を主要原料としつつ,これに抹茶の粉末等を加えた飲料である。それは,同省令第2条第2項から第12項まで及び第14項から第41項までに掲げるいずれにも当たらないものであり,同条第42項の「乳飲料」に当たる。
乳飲料が清涼飲料水に含まれない以上,乳飲料の元である「笑顔になれる泡立つラテ【ほうじ茶】」及び「笑顔になれる泡立つラテ【抹茶】」は「清涼飲料水の元」となることはない。
カ 茶飲料と食品表示法
茶飲料を清涼飲料水に含める規定は,食品衛生法,食品表示法並びに食品表示基準には置かれていない。
食品表示基準別表第一の第6項は,「茶,コーヒー及びココアの調整品」を清涼飲料水を含む「飲料等」とは別のカテゴリーに置いている。抹茶やインスタントコーヒー,ココアの粉末等をお湯に溶かせば,飲料としてのお茶やコーヒー,ココアが生産されることは公知の事実であるところ,これが「飲料等」とは別カテゴリーに置かれているということは,お茶の粉末は「清涼飲料水」に含まない趣旨と読むのが適切である。
キ 以上によれば,被請求人の製品である「笑顔になれる泡立つラテ【ほうじ茶】」及び「笑顔になれる泡立つラテ【抹茶】」が,食品衛生法や食品表示法等の観点から見ても,清涼飲料水に当たらないことは明らかである。
したがって,「株式会社ふふふ」が「ビール風味の麦芽発泡洒,黒ビール,合成ビール,スタウトビール,ラガービール,エールビール,ピルスナービール,その他のビール,ビール風味の清涼飲料,ビール酵母を含有してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務について本件商標を本件請求の日から過去3年間のうちに使用していたことについて,被請求人は立証責任を果たしていない。
よって,被請求人と「株式会社ふふふ」との間に通常使用権設定契約が締結されていたか否かにかかわらず,要証期間内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人は証明していないというべきである。
したがって,本件商標は,上記指定役務について,取り消されるべきである(商標法第50条第1項)。
(2)通常使用権設定に関する証拠の欠缺
被請求人は,「株式会社ふふふ」を本件商標についての通常使用権者であるとする。
しかし,「株式会社ふふふ」の通常使用権については登録がなされていないから,「株式会社ふふふ」による使用をもって自己の使用と主張するのであれば,「株式会社ふふふ」に通常使用権を設定したことを立証するべきなのに,そのような立証はなされていない。
被請求人は,乙第1号証をもって,被請求人が「株式会社ふふふ」の代表取締役であることを示しているが,そのことは,被請求人が株式会社ふふふに対して本件商標の通常使用権を設定したことを示す間接事実たり得ない。
乙第1号証によれば,「株式社ふふふ」は,その取締役が被請求人一人であるから取締役会非設置会社であり,取締役が自己のために会社と取引を行うにあたっては,株主総会において,当該取引につき重要な事実を開示し,その承認を受けなければならない(会社法第356条第1項)ところ,被請求人と「株式会社ふふふ」との通常使用権設定契約の締結は,まさに,被請求人が,「株式会社ふふふ」の代表取締役として,自己のために会社と取引を行うものであるから,株主総会において,当該取引につき重要な事実を開示し,その承認を受けなければならない類のものである。したがって,真実被請求人が「株式会社ふふふ」に対し本件商標について通常使用権を設定していたのであれば,当該設定契約を締結することを承認する旨の記載のある「株式会社ふふふ」の株主総会議事録が存在するはずであり,当該議事録が証拠として提出されているはずである。
しかるに,本件においてそのような証拠が提出されていないのは,被請求人と「株式会社ふふふ」との間に本件商標に関する通常使用権設定契約等が存しないからであると考えるのが相当である。
したがって,仮に「株式会社ふふふ」がその「ビール風味の麦芽発泡酒,黒ビール,合成ビール,スタウトビール,ラガービール,エールビール,ピルスナービール,その他のビール,ビール風味の清涼飲料,ビール酵母を含有してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料の小売又は卸売の業務において顧客に対する便益の提供」について本件商標を使用していたとしても,当該商標が使用されていた期間中,被請求人が「株式会社ふふふ」に対し通常使用権を設定していたとは認められない以上,上記使用は,本件商標の通常使用権者による使用に当たらないということとなる。
そして,被請求人が自ら上記商品の小売又は卸売の業務を行っているとの主張はなされておらず,したがって,被請求人が自ら上記商品の小売又は卸売の業務において行う顧客に対する便益の提供について本件商標を使用していたということはあり得ない。また,本件商標について,過去3年間に専用使用権者がいたとの主張もない。
よって,「株式会社ふふふ」による本件商標の使用が上記指定役務についてのものか否かにかかわらず,要証期間内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを請被求人は証明していないというべきである。
したがって,本件商標は,上記指定役務について,取り消されるべきである(商標法第50条第1項)。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第27号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 被請求人による商標使用実態
(1)被請求人は,自身が代表取締役を務める「株式会社ふふふ」(乙1)を通常使用権者として,本件審判の請求登録日(令和2年1月9日)前3年以前から現在に至るまで,日本国内において,継続して下記複数の使用商標を本件指定役務の内,「ビール風味の麦芽発泡酒,黒ビール,合成ビール,スタウトビール,ラガービール,エールビール,ピルスナービール,その他のビール,ビール風味の清涼飲料,ビール酵母を含有してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について並行して使用している(乙2〜乙5)。

使用商標1:ふふふ
使用商標2:別掲
使用商標3:(株)ふふふ
使用商標4:株式会社ふふふ
使用商標5:FUFUFU INC.
(2)具体的には,本件通常使用権者は飲食料品の小売業務を行っており(乙1),カタログ(乙2)に使用商標2をメインとして,使用商標4,使用商標5を併記して使用しているとともに,細部において使用商標1を使用している。そして,カタログ(乙2)に掲載されている「粉末ほうじ茶ラテ」は「ほうじ茶・牛乳を加味してなる粉末清涼飲料」であり,同じく掲載されている「粉末抹茶ラテ」は「抹茶・牛乳を加味してなる粉末清涼飲料」である。
(3)乙第3号証のウェブサイトについて
ア 乙第3号証(乙3の1,2)は,本件通常使用権者「株式会社ふふふ」による通販用サイトであり,使用商標2を使用する他,使用商標1を使用して,上記「清涼飲料」の小売等役務を提供している。1頁には右上に「お買い物カゴを見る」とのリンクボタンがあり,2頁には左側に「お買い物ガイド」「送料・お支払いのご案内」「特定商取引法に基づく表記」等のリンクボタンがあり,最終頁には「送料について」「返品・交換について」「お支払方法について」等の説明があり,これらによって小売を行っている事実があることは明らかであり,同時に当該小売のために顧客に対する便益の提供を図っていることは明白である。
当該ウェブサイトヘの商品写真の掲載や商品説明の掲載は,「商品の品揃え」や「商品の陳列」であって小売等役務を構成するサービス活動であり,商品説明の掲載は「接客サービス」の一環であり,やはり小売等役務を構成するサービス活動である。
イ また,乙第20号証ないし乙第22号証は,乙第3号証のサイト内における「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」の詳細ページ(令和元年7月3日当時)である。
ウ 乙第22号証に示す商品の型番「2P−623M」であり,乙第26号証に示す商品の型番「2P−623H」とは末尾のアルファベット文字が異なることが判明したため,スクリーンショットして提出した乙第20号証ないし乙第22号証に関するサイトページ全体を乙第27号証として提出する。
なお,乙第27号証は,冒頭ページ最上段に示されているURLが乙第20号証ないし乙第22号証のURLと一致しており,ウェブアーカイブにより保存されていた,令和元年(2019年)7月3日の本件通常使用権者の通販サイトの状態を示すものである。
エ 乙第3号証のサイトから直接注文が入ると,注文確認メール(乙23,乙24:取引書類)を注文者に送付し,納品書(乙25,乙26:取引書類)と共に納品することとなる。なお,乙第23号証の注文確認メールと乙第25号証の納品書は,乙第20号証,乙第21号証に示す「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」の単品に関する取引を示すものであり,乙第24号証の注文確認メールと乙第26号証の納品書は,乙第22号証に示す「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」のギフトセットに関する取引を示すものである。
オ 上記のとおり,本件通常使用権者が要証期間に乙第3号証に示すサイトにおいて本件商標(使用商標1,使用商標2)を使用する行為は,正に「電磁的方法により行う映像面を介した小売等役務の提供に当たりその映像面に標章を表示する行為」であり,商標法第2条第3項第7号の規定に該当する行為である。
また,取引書類(注文確認メール(乙23,乙24),納品書(乙25,乙26))に本件商標(使用商標1)を使用する行為は,「小売等役務に関する取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」であり,商標法第2条第3項第8号の規定に該当する行為である。
(4)本件通常使用権者が運営する宣伝広告用電子媒体について
ア 本件通常使用権者「株式会社ふふふ」は,上述した通販サイト(乙3:https://www.fufufunoippinkan.com/)へリンクする宣伝広告用の電子媒体を当該通販サイト(乙3)の開設当初より運営している。たとえば,SNSサイト「ハートの最中味噌汁・ハートパスタの株式会社ふふふ」(乙4:https://www.facebook.com/fufufusoup/)を運営している。
イ この電子媒体(乙4)は,通販サイト(乙3)における「商品選択の便宜」を図るサービス活動であって,通販用の広告ツールであり,この電子媒体(乙4)による本件商標(使用商標1,使用商標3)の使用は,商標法第2条第3項第8号の規定に該当する行為である。
(5)さらに,本件通常使用権者は,展示会やフェア等において,使用商標1又は使用商標3を使用して,上記「清涼飲料」の小売等役務を行っている(乙5)。
(6)上記のとおり,被請求人が本件通常使用権者「株式会社ふふふ」を通じて,本件審判の請求登録日前3年よりも前から現在に至るまで,日本国内において,継続して上記複数の使用商標を本件指定役務の内,「清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について並行して使用している。
2 各使用商標について
本件通常使用権者が使用している各使用商標は本件商標と同一又は社会通念上同一の商標である。
(1)使用商標1は,本件商標と同一の商標である。
(2)使用商標2は,平仮名「ふふふ」を特殊な書体にてロゴ化しているものの,平仮名「ふふふ」を表したものと十分認識することができるから,本件商標「ふふふ」と社会通念上同一の商標である。
(3)使用商標3ないし使用商標5は,いずれも,本件通常使用権者の商号であると同時に,本件通常使用権者の役務を表示する自他役務識別標識として取引者,需要者に認識されるものであるから,商標でもある。
よって,使用商標3ないし使用商標5は,いずれも,自他役務識別標識機能を発揮するものであり,会社形態を表す「株式会社」,「(株)」又は「INC.」は付記的部分にすぎないから,本件商標と社会通念上同一である。
(4)上記のとおり,被請求人が使用する使用商標1は本件商標と同一の商標であるとともに,使用商標2ないし使用商標5は,いずれも本件商標と社会通念上同一の商標(商標法第50条第1項括弧書き)であり,被請求人の使用商標1ないし使用商標5の使用は商標法第50条第1項規定の通常使用権者による登録商標の使用に当たることは明らかである。
3 「ほうじ茶ラテ」及び「抹茶ラテ」が「清涼飲料」であることについて
(1)我が国において,需要者に表示する飲食料品名称は,「ブリタニカ国際大百科事典」(乙6)でも説明されている「食品衛生法」や,この食品衛生法を含む食品表示関連規定を整理・統合した「食品表示法」に定義されており,これらの法律に基づいて,販売業者も飲食料品名称を決めて需要者に表示している。よって,次に説明するように,これらの法律を拠り所に被請求人商品が「清涼飲料」であるか否かを判断すべきであり,これらの法律に基づけば,被請求人商品は「清涼飲料」である。
(2)すなわち,「清涼飲料」は,「食品表示法」における「食品表示基準 別表第一」(乙8)において「加工食品」の中の「25 飲料等」に分類されている。
他方,請求人及び合議体が指摘する「茶飲料」は,「食品表示基準 別表第一」(乙8)において「加工食品」の中の「6 茶,コーヒー及びココアの調製品」に分類されている。さらに「食品表示基準 別表第十五」(乙9)において「緑茶飲料」(「緑茶」には「ほうじ茶」及び「抹茶」が含まれる)は「荒茶の原材料の割合が五十パーセント以上であるもの」と定義されている。
また,請求人及び合議体が指摘する「乳飲料」は「食品表示基準 別表第一」(乙8)において「加工食品」の中の「15 酪農製品」に分類されている。そして,加工食品の名称は一般的な名称を表示することを原則とするが,「乳製品」については例外であることが「食品表示基準 第3条」(乙10)に定められ,別途,「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令 第2条」(乙11)において,「乳製品」に「乳飲料」が含まれること(同省令第2条第十三項),「乳飲料」とは「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料」(同省令第2条第四十二項)であることが定義されている。
(3)してみると,被請求人商品は「ほうじ茶」や「抹茶」を含むとしても,その荒茶の原料の割合は50パーセントに満たない(乙9)から「茶飲料」に該当せず,「ラテ」の響きから「乳製品」との疑義があるとしても,生乳等を主原料とするものではない(乙11)から「乳製品」に該当せず,結局,「清涼飲料」(乙8)以外に被請求人商品に該当する飲料はない。
(4)以上のとおり,被請求人商品たる「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」(以下「本件使用商品」という。)は,「清涼飲料」であり,具体的には「粉末清涼飲料」である。この点は,本件通常使用権者が被請求人商品を名称「粉末清涼飲料」として販売している事実(乙12,乙13)や,他の飲食料品販売業者も被請求人商品と同様の商品を「粉末清涼飲料」として販売している事実(乙14〜乙17)からも明らかである。
また,審査においては,「抹茶」や「牛乳」を含む飲料を「清涼飲料」として認めているし(乙18),「粉末清涼飲料」も認めている(乙19)。
4 結論
以上の事実からすれば,日本国内において要証期間内に,本件通常使用権者が本件商標を本件指定役務の内,「ビール風味の麦芽発泡酒,黒ビール,合成ビール,スタウトビール,ラガービール,エールビール,ピルスナービール,その他のビール,ビール風味の清涼飲料,ビール酵母を含有してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用していたものというべきである。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば,以下のとおりである。
(1)株式会社ふふふに係る履歴事項全部証明書(乙1)には,会社成立の年月日の欄に「平成23年7月6日」,目的の欄に「1.食品の製造,卸売,販売及び輸出入」,役員に関する事項の欄に,住所を新潟県3条市北新保二丁目2番9号とする「取締役 韮澤拓」及び「代表取締役 韮澤拓」との各記載がある。
(2)本件使用商品について
ア 「ブリタニカ国際大百科事典」の「清涼飲料」の項に「食品衛生法に基づく『清涼飲料水』は,酒精飲料,乳性飲料を除き,茶類なども含むもっと広範囲のものをいう。」,「広辞苑第七版」の「清涼飲料水」の説明に「乳製品類を除く非アルコール性飲料の総称。清涼飲料。」との記載がある(乙6,乙7)。
イ 食品表示基準別表第一の第6項には,「茶,コーヒー及びココアの調整品」として「茶,コーヒー製品,ココア製品」が分類され,第15項には,「酪農製品」として,「牛乳,加工乳,乳飲料等」が分類され,第25項には,「飲料等」として,「飲料水,清涼飲料,酒類,氷,その他の飲料」が分類されている。そして,同基準別表第十五において「緑茶及び緑茶飲料にあっては荒茶の原材料の当該割合が五十パーセント以上であるもの」とされている(乙8,乙9)。
ウ 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第2条第42項には,「乳飲料」とは,「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料であって,第二項から第十二項まで及び第十四項から前項までに掲げるもの以外のものをいう。」とされている(乙11)。
エ 株式会社ふふふの取扱いに係る「紅 笑顔になれる泡立つラテ【ほうじ茶】」の表示ラベル(乙12)には,「●名称:粉末清涼飲料(ほうじ茶ラテ)」「●原材料名 ほうじ茶ラテ・・・全粉乳・・・ほうじ茶(国産)・・・」,また,「白 笑顔になれる泡立つラテ【抹茶】」の表示ラベル(乙13)には,「●名称:粉末清涼飲料(抹茶ラテ)」「●原材料名 抹茶ラテ・・・全粉乳・・・抹茶(国産)・・・」が記載されているが,いずれの商品にも荒茶の原材料の重量割合が50%以上との記載は認められない。そして,いずれの商品にも「■お召し上がり方:器にスティックの粉末を入れます。器に約130ccのお湯を注ぎ,スプーンなどでよくかき混ぜます。」と記載され,ほうじ茶又は抹茶と粉乳等を加味した粉末にお湯を注いで飲むものである。
さらに,ネスレ日本株式会社が販売する「ほうじ茶ラテ」,「抹茶ラテ」の包装(乙14,乙15)には,「●名称:粉末清涼飲料」が記載され,片岡物産株式会社が販売する「ほうじ茶ミルク」,「抹茶ミルク」の包装(乙16,乙17)には,「●名称:粉末清涼飲料」と記載され,いずれの商品もほうじ茶又は抹茶と脱脂粉乳等を加味した粉末にお湯を注いで飲むものである。
(3)株式会社ふふふのSNSサイト(平成30年5月30日投稿,乙4の1)には,「【2018年6月1日 新商品のお知らせ】国産もち米100%のハート型の最中と粉末の泡立つお茶のLatte(ラテ)を1つにした『笑顔になれるラテ』2種類です。【抹茶ラテ】特有の苦みと香りに加え甘みが特徴。【ほうじ茶ラテ】香ばしい香りと甘みが特徴。」の記載とともに,「笑顔になれるほうじ茶ラテ」「笑顔になれる抹茶ラテ」の文字が表面に刻印されたハート型の商品の写真が掲載されている。
(4)株式会社ふふふのSNSサイト(平成30年6月16日投稿,乙4の2)には,「【弊社ホームページで販売開始致しました。】新発売いたしました『笑顔になれるラテ【ほうじ茶】』『笑顔になれるラテ【抹茶】』を弊社ホームページで販売開始致しました。」の記載がある。
(5)2018年(平成30年)8月27日にウェイバックマシンにより保存された株式会社ふふふに係るウェブサイト(乙3)において,味噌汁,パスタ,ほうじ茶ラテ,抹茶ラテを紹介する記事と当該商品の写真が掲載されており,「笑顔になれるラテほうじ茶・抹茶」の写真は,上記(3)と同一のハート型の商品と認められる。
(6)2019年(令和元年)7月3日にウェイバックマシンにより保存された株式会社ふふふに係るウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。乙20,乙21,乙27)には,「ふふふ(以下「本件使用商標」という。)の笑顔になれるラテ【ほうじ茶】ハート紅クリアケース入り 1個378円(税込み)」,「ふふふ(本件使用商標)の笑顔になれるラテ【抹茶】ハート白クリアケース入り 1個378円(税込み)」の見出しの下に,上記(3)と同一のハート型のほうじ茶ラテ及び抹茶ラテの写真が掲載されている。そして,乙第27号証の1葉目には,「かわいくておしゃれな『笑顔になれるラテ』【抹茶】【ほうじ茶】プチギフト」「泡立つラテ。【抹茶】【ほうじ茶】の2種類をラインナップ」の見出しの下,作り方として「器にスティックの粉末を入れます。器に約130ccのお湯を注ぎ,スプーンなどでよくかき混ぜます。」とあり,上記(2)エの表示ラベルに記載された内容と同一であるから,当該ウェブサイトに掲載された各商品には,上記(2)エの表示ラベルが貼付されていたといえる。
(7)埼玉県さいたま市在の顧客は,平成30年7月9日に,ふふふの逸品館(運営会社 株式会社ふふふ)に対し,商品名「笑顔になれるラテ【ほうじ茶】ハート紅クリアケース入り」(単価378円)を13個(4914円),「笑顔になれるラテ【抹茶】ハート白クリアケース入り」(単価378円)を14個(5292円),合計1万206円をメールで注文した(乙23)。そして,株式会社ふふふは,同月14日に上記顧客に対し,品名「クリアケース入 笑顔になれるラテほうじ茶」(単価378円)を13個(4914円),「クリアケース入 笑顔になれるラテ抹茶」(単価378円)を14個(5292円)納品したと推認し得る(乙25)。そして,当該品名及び単価は,本件ウェブサイト(乙20,乙21,乙27)に掲載された「ふふふ(本件使用商標)の笑顔になれるラテ【ほうじ茶】」「ふふふ(本件使用商標)の笑顔になれるラテ【抹茶】」の品名及び単価と一致するものである。
(8)2019年(令和元年)7月3日にウェイバックマシンにより保存された本件ウェブサイト(乙27)の8葉目には,「ふふふ(本件使用商標)【桐箱入り】笑顔になれるラテ紅白ギフトセット(掛け紙:ハート)1350円(税込み)」の見出しの下に,上記(3)と同一のハート型のほうじ茶ラテ及び抹茶ラテの写真が掲載され,「【桐箱入り】笑顔になれるラテ2個入り 掛け紙:ハート」,「■セット内容」には,「笑顔になれるラテ【ほうじ茶】ハート紅×1」「笑顔になれるラテ【抹茶】ハート白×1」の記載がある。
(9)東京都中野区在の顧客は,令和元年7月26日に,ふふふの逸品館(運営会社 株式会社ふふふ)に対し,商品名「【桐箱入り】笑顔になれるラテ紅白ギフトセット(掛け紙:ハート)」(単価1350円)1個をメールで注文した(乙24)。そして,株式会社ふふふは,同日に上記顧客に対し,品名「桐箱入り笑顔になれるラテ紅白ギフトセット」(単価1350円)を1個納品したと推認し得る(乙26)。そして,当該品名及び単価は,本件ウェブサイト(乙27)に掲載された「ふふふ(本件使用商標)【桐箱入り】笑顔になれるラテ紅白ギフトセット(掛け紙:ハート)の品名及び単価と一致するものである。
(10)そうすると,株式会社ふふふは,自身のSNSサイトにおいて,平成30年6月1日から「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」を取り扱うことを告知し,「ふふふ」(本件使用商標)を付した自己のウェブサイトで販売されている様々な商品の品揃えについて広告しており,令和元年7月3日には,「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」を小売等役務における取扱商品としている旨の広告を行っていたということができる。
2 判断
(1)使用者について
上記1(1)によれば,本件商標権者と株式会社ふふふの代表取締役は同一人であるから,使用許諾を示す契約書等の提出はないとしても,本件商標権者は,株式会社ふふふに対して,本件商標の使用について,黙示の許諾を与えていたものと認められる。
したがって,株式会社ふふふは,本件商標の通常使用権者であると認めることができる。
(2)使用時期について
本件通常使用権者が自己の商品販売サイトに「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」を掲載した令和元年7月3日は,要証期間内である。
(3)使用役務について
上記1(2)によれば,本件通常使用権者が取扱う商品の「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」は,「ほうじ茶又は抹茶と粉乳等を加味したお湯で注ぐタイプの粉末状の清涼飲料」であり,清涼飲料水として飲用に供することを目的とした「粉末清涼飲料」と認められ,これは商標法施行規則別表記載の第32類「二 清涼飲料」に含まれる「清涼飲料のもと」の範ちゅうの商品と認められる。そして,使用役務である「ほうじ茶と粉乳を加味した清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,「抹茶と粉乳を加味した清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれるものである。
(4)本件商標と本件使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は,「ふふふ」の文字を横書きしてなるものであり,本件使用商標は,上記1(6)及び(8)のとおり「ふふふ」の文字を書してなるから,本件使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば,本件通常使用権者は,要証期間に含まれる令和元年7月3日に,日本国内において本件審判の請求に係る指定役務中に含まれる「ほうじ茶と粉乳を加味した清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,「抹茶と粉乳を加味した清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の広告を内容とする情報に,本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したと認められる。
本件通常使用権者による上記行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は,「笑顔になれる泡立つラテ【ほうじ茶】【抹茶】」を水又はお湯に溶かした飲料は,「全粉乳」,「加糖脱脂練乳」,「脱脂粉乳」等の「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳…を原料として製造した食品」を主要原料としつつ,これにほうじ茶又は抹茶の粉末等を加えた飲料であるから,「乳飲料」に当たり,お茶の粉末は「清涼飲料水」に含まないから,清涼飲料水に当たらない旨主張する。
しかしながら,本件通常使用権者が取扱う商品の「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」は,ほうじ茶又は抹茶と粉乳等を加味した粉末にお湯を注いで飲むものである。
そうすると,当該商品は,「生乳,牛乳,特別牛乳若しくは生水牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料」とはいえないから「乳飲料」には当たらず,「荒茶の原材料の割合が50パーセント以上」であるともいえないから「茶飲料」にも当たらないことからすると,「ほうじ茶又は抹茶と粉乳等を加味したお湯で注ぐタイプの粉末状の清涼飲料」というべきである。
したがって,請求人の主張は,採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,通常使用権者が,本件審判の請求に係る指定役務に含まれる「ほうじ茶と粉乳を加味した清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,「抹茶と粉乳を加味した清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により取り消すことができない。
別掲
別掲 使用商標2


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは,この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,この審決に係る相手方当事者を被告として,提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2021-11-17 
結審通知日 2021-11-19 
審決日 2021-11-30 
出願番号 2011044723 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X35)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 平澤 芳行
半田 正人
登録日 2011-12-22 
登録番号 5458965 
商標の称呼 フフフ 
指定代理人 樋口 智久 
指定代理人 杉田 聡 
代理人 橋本 勇 
代理人 小倉 秀夫 
指定代理人 伴 義人 
指定代理人 大川内 康郎 
代理人 三田 大智 

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