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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3542
管理番号 1381148 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-01-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-05 
確定日 2022-01-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6326449号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6326449号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6326449号商標(以下「本件商標」という。)は、「STREAM AI ARM」の文字を標準文字で表してなり、令和2年6月16日に登録出願、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,事業の能率化に関する診断・指導及び助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,会社のための管理業務の代行,経理事務の代行,輸出入に関する事務の代理又は代行,コンピュータデータベースヘの情報編集,電子計算機を用いて行う情報検索事務の代行,インボイスの作成に関する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング, 電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作」及び第42類「情報技術(IT)に関する助言,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS), クラウドコンピューティング,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS)」を指定役務として、同年11月24日に登録査定され、同年12月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標は、次の8件であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5318225号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ARM」の文字を標準文字で表してなり、平成19年4月27日に登録出願、第42類「集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータハードウェアの部品及び付属品・ゴンピュータソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する設計情報の提供,集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータハードウェアの部品及び付属品・コンピュータソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に係る設計情報に関する助言・維持・管理及びインターネットを含む電子ネットワークを利用した情報の提供,集積回路・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータハードウェアの部品及び付属品・コンピュータソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する設計・コンサルティング,コンピュータソフトウェアに関する保守」を指定役務として、同22年4月23日に設定登録されたものである。
(2)登録第5815180号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ARM」の欧文字を横書きにしてなり、2014年6月17日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条に基づく優先権を主張し、平成26年9月25日に登録出願、第42類「電子データ処理装置・コンピュータハードウェア・コンピュータハードウェアアーキテクチャ・集積回路・半導体デバイス・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータ用及びプリント回路基板用のインターフェース・コンピュータハードウェアの部品及び附属品・無線通信用電子応用機械器具・接続されたネットワークにおいてデータを送受信する電子装置・コンピュータ用サーバー・電子センサー・ポータプルコンビュータ・ラップトップ型コンピュータ・ノートプック型コンピュータ・タブレット型コンピュータ・携帯電話機・地球規模測位システム(GPS)対応のナビゲーション装置・パーソナルメディアプレイヤー・テレビジョン受信機についてのコンピュータソフトウェア・コンピュータソフトウェアアーキテクチャ・アプリケーションソフトウェア・オペレーティングシステムソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する調査・開発・設計・技術コンサルティング・技術支援」を指定役務として、同27年12月25日に設定登録されたものである。
(3)登録第5931828号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成28年7月21日に登録出願、第9類「電子応用機械器具,コンピュータハードウェア,コンピュータハードウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,電気通信機械器具,半導体デバイス,マイクロプロセッサ,コンピュータハードウェアの部品及び附属品,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,ダウンロード可能なコンピュータに関する電子出版物」及び第42類「電子データ処理装置・コンピュータハードウェア・コンピュータハードウェアアーキテクチャ・集積回路・半導体デバイス・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータ用及びプリント回路基板用のインターフェース・コンピュータハードウェアの痙品及び附属品・無線通信用電子応用機械器具・接続されたネットワークにおいてナータを送受信する電子装置・コンピュータ用サーバー・電子センサー・ポータブルコンピュータ・ラップトップ型コンピュータ・ノートブック型コンピュータ・タブレット型コンピュータ・携帯電話機・地球規模測位システム(GPS)対応のナビゲーション装置・パーソナルメディアプレイヤー・テレビジョン受信機についてのコンピュータソフトウェア・コンピュータソフトウェアアーキテクチャ・アプリケーションソフトウェア・オペレーティングシステムソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する調査・開発・設計・技術コンサルティング・技術支援」並びに第16類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年3月17日に設定登録されたものである。
(4)登録第5931829号商標(以下「引用商標4」という。)は、「アーム」の文字を標準文字で表してなり、平成28年7月21日に登録出願、第9類「電子応用機械器具,コンピュータハードウェア,コンピュータハードウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,電気通信機械器具,半導体デバイス,マイクロプロセッサ,コンピュータハードウェアの部品及び附属品,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,ダウンロード可能なコンピュータに関する電子出版物」及び第42類「電子データ処理装置・コンピュータハードウェア・コンピュータハードウェアアーキTクチャ・集積回路・半導体デバイス・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータ用及びプリント回路基板用のインターフェース・コンピュータハードウェアの痙品及び附属品・無線通信用電子応用機械器具・接続されたネットワークにおいてナータを送受信する電子装置・コンピュータ用サーバー・電子センサー・ポータブルコンピュータ・ラップトップ型コンピュータ・ノートブック型コンピュータ・タブレット型コンピュータ・携帯電話機・地球規模測位システム(GPS)対応のナビゲーション装置・パーソナルメディアプレイヤー・テレビジョン受信機についてのコンピュータソフトウェア・コンピュータソフトウェアアーキテクチャ・アプリケーションソフトウェア・オペレーティングシステムソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する調査・開発・設計・技術コンサルティング・技術支援」並びに第16類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年3月17日に設定登録されたものである。
(5)登録第6049275号商標(以下「引用商標5」という。)は、「arm」の欧文字を横書きにしてなり、平成29年7月31日に登録出願、第9類「電子応用機械器具,コンピュータハードウェア,コンピュータハードウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,電気通信機械器具,半導体デバイス,半導体,集積回路,マイクロプロセッサ,コンピュータハードウェアの部品及び附属品,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,ダウンロード可能なコンピュータに関する電子出版物」及び第42類「オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子データ処理装置・コンピュータハードウェア・コンピュータハードウェアアーキテクチャ・集積回路・半導体デバイス・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータ用及びプリント回路基板用のインターフェース・コンピュータハードウェアの部品及び附属品・無線通信用電子応用機械器具.接続されたネットワークにおいてデータを送受信する電子装置・コンピュータ用サーバー・電子センサー・ポータブルコンピュータ・ラップトップ型コンピュータ・ノートブック型コンピュータ・タブレット型コンピュータ・携帯電話機・地球規模測位システム(GPS)対応のナビゲーション装置・パーソナルメディアプレイヤー・テレビジョン受信機についてのコンピュータソフトウェア・コンピュータソフトウェアアーキテクチャ・アプリケーションソフトウェア・オペレーティングシステムソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する調査・開発・設計・技術コンサルティング・技術支援」を指定商品及び指定役務として、同30年6月8日に設定登録されたものである。
(6)登録第6049276号商標(以下「引用商標6」という。)は、「Arm」の文字を標準文字で表してなり、平成29年7月31日に登録出願、第9類「電子応用機械器具,コンピュータハードウェア,コンピュータハードウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,電気通信機械器具,半導体デバイス,半導体,集積回路,マイクロプロセッサ,コンピュータハードウェアの部品及び附属品,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアの設計及び製造のための電子計算機用プログラム,ダウンロード可能なコンピュータに関する電子出版物」及び第42類「オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子データ処理装置・コンピュータハードウェア・コンピュータハードウェアアーキテクチャ・集積回路・半導体デバイス・マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・プリント回路基板・コンピュータ用及びプリント回路基板用のインターフェース・コンピュータハードウェアの部品及び附属品・無線通信用電子応用機械器具.接続されたネットワークにおいてデータを送受信する電子装置・コンピュータ用サーバー・電子センサー・ポータブルコンピュータ・ラップトップ型コンピュータ・ノートブック型コンピュータ・タブレット型コンピュータ・携帯電話機・地球規模測位システム(GPS)対応のナビゲーション装置・パーソナルメディアプレイヤー・テレビジョン受信機についてのコンピュータソフトウェア・コンピュータソフトウェアアーキテクチャ・アプリケーションソフトウェア・オペレーティングシステムソフトウェア・その他の電子応用機械器具及びその部品に関する調査・開発・設計・技術コンサルティング・技術支援」を指定商品及び指定役務として、同30年6月8日に設定登録されたものである。
(7)登録第6428776号商標(以下「引用商標7」という。)は、「Arm」の文字を標準文字で表してなり、令和元年10月10日に登録出願、別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年8月13日に設定登録されたものである。
(8)登録第6411908号商標(以下「引用商標8」という。)は、「arm」の欧文字を横書きにしてなり、令和2年1月29日に登録出願、別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年7月6日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし引用商標8をまとめていう場合は、引用商標という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第8号、同項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項に該当し、商標登録を受けることができないものであるあるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第92号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 具体的理由
(1)申立人及びARM商標について
ア アーム社について
英国に本社を置く、アーム・リミテッド(Arm Limted)(以下「アーム社」という場合がある。)は、1990年に設立されたプロセッサのIP及び関連ソフトウェア、ツール、IoTプラットフォーム及びソリューションテクノロジー等を主な事業内容とする会社であり、現在、ソフトバンクグループ株式会社(以下「ソフトバンクグループ社」という。)の傘下にある。アーム社は、プロセッサや中央処理装置(CPU)の設計及びソフトウェアの開発を行う世界的なリーディングカンパニーであり、アーム社の技術により設計されたプロセッサや中央処理装置(CPU)は、スマートフォン、タブレット端末、自動車及びロボティクス製品等のあらゆる電子機器に使用されている(甲10、甲11)。
そして、アーム社は、ハウスマークとして「arm」、「ARM」、「Arm」及び「アーム」(以下、これらをまとめて「ARM商標」という。)の文字を常に使用している。これらは欧文字及び片仮名の違いがあるが、社会通念上同一の商標である。
ここに半導体の産業構造を説明すると、当該分野では設計だけを行う企業、製造だけを行う企業、製造装置を作る企業、検査装置を作る企業、流通販売だけを行う企業、材料を作り供給する企業、これらの複数を1社で行う企業などが存在している(甲12)。
このような分化は、「1980年代頃までは、開発から製造、販売まで行う一貫生産が一般的であったが、1990年代以降、パソコンや携帯電話といったIT関連製品に半導体が多く使われる時代を迎え、技術革新とともに用途分野や需要拡大が急速に進み、半導体開発や製造における専門技術確保に加え多額の投資が不可欠となり、このことが半導体のバリューチェーンの分化を促進し、結果としてさまざまなビジネスモデルが発生することにつながった。」ことが起因している(甲13)。
このような産業構造の中で、アーム社は、半導体製造の源流ともいえる設計及び開発を行っている。すなわち、アーム社は、半導体、ソフトウェア及びAI技術を設計及び提案している会社として広く知られ、特に、半導体の設計の分野では圧倒的なシェアを有している。
イ 新聞雑誌情報
アーム社は、半導体に関する技術を知的財産として各社に提供することを業としており、その技術を用いて半導体を製造しているのが、例えばアップル社、インテル社やフリースケール社等である(甲14〜甲16)。
このような事業形態から、エンドユーザーヘの宣伝広告等は積極的に行っていないが、半導体の分野では知らない者はおらず、その実力を高く評価したのがソフトバンクグループ社の社長である。買収によってアーム社は、日本人の多くにその存在を知られるところとなり、新聞等のメディアにも多く紹介されている。かかる業界の認知度を示した新聞雑誌記事等を紹介する。
(ア)2016年にソフトバンクグループ社がアーム社を3兆3000億円強(約240億ポンド)で全株式を買収したニュースは日本を驚かせた。当時の新聞記事ではアーム社について「世界のIT (情報技術)業界の巨人たちだ。それらの企業にとって、アームは無視できない存在。スマートフォン(スマホ)に搭載されるCPU(中央演算処理装置)などで9割超のシェアを占めているからだ。」と紹介されている(2016年7月19日日本経済新聞:甲17)。
(イ)「ソフトバンクが3.3兆円で買収を決めた英ARMは、半導体市場で影の主役として君臨する企業だ。スマートフォンに搭載される半導体の約9割にARMの技術が使われるなど、圧倒的な存在感を誇っている。」、「電機産業の成長軸がパソコンからスマートフォンに移行したいま、主役の座に就いたのはARMである。ARMの技術を使った半導体はスマホの実に9割に搭載され『デファクトスタンダード(業界標準)になっている』(大手半導体メーカー幹部)。まさにスマホ版の『ARM入ってる』の状況になっているのだ。」と紹介されている(2016年7月19日 週刊ダイヤモンド:甲18)。
(ウ)スマートフォンやタブレットの半導体MPU(超小型演算処理装置)分野においては、9割以上のシェアをアーム社が押さえており、アーム社が設計に関わった半導体はスマートフォンやタブレット、家電、ゲーム機、自動車など様々な用途向けに、年間約61億個が出荷され、半導体産業の巨頭である米インテル社の出荷数3億2000万個を大きくしのいでいる(2016年7月20日 日経ビジネス電子版:甲19)。
(エ)2016年7月27日付日本経済新聞では、「『今のところ半導体の設計ではアームの対抗軸は見当たらない』。アームの設計仕様を活用する半導体メーカー幹部は口をそろえる。ただ、パソコン時代のインテルの覇権も10年あまりで陰るなど、相次ぐ『ゲームチェンジャー』の登場により、IT産業の主役は入れ替わってきた。」と紹介されている(甲20)。
(オ)2016年7月31日付日本経済新聞では「スマートフォン(スマホ)など携帯端末市場で95%のシェアを持ち、回路基板には『ARM』のロゴが入ったチップが多数埋め込まれています」、「バッテリーを長持ちさせるにはインテルよりARMの技術を使ったほうがよく、アップルや韓国のサムスン電子などはARMベースの半導体を採用しました。『スナップドラゴン』で知られる米クアルコムの半導体もARMがもとになっています。こうして気がつけば『黒子』が世界の情報機器を支配する構図となっていたのです。」、「昨年のアームのチップ出荷数は148億個となり、単価こそ安いですが、『インテルの40倍』(孫社長)」と紹介されている。また、当該記事の図表を見るとそのシェアの大きさが容易に把握できる(甲21)。
(カ)2016年8月1日付ビジネス+IT記事では「省電力設計や高セキュリティ通信を実現する唯一無二の技術力とビジネスモデルにより、ARMは今後も高い成長が期待されています。」、「世界中に影響力を持つイギリス唯一の技術系企業との呼び声もある半導体設計会社ARM」、「ARMの強みは圧倒的な市場シェアにあります。2015年には、ARMの半導体設計を用いたチップ(集積回路)は148億個、さらに、ARMの技術を用いたスマートフォンが14億台も販売されました。モバイル端末での市場シェアは85%にのぼり、膨大なロイヤリティ収入をもたらします。」と紹介されている(甲22)。
(キ)2016年9月13日付日本経済新聞では「アームはどうだろうか。低消費電力が売り物のアーム設計の半導体は既にスマートフォン(スマホ)向けCPU(中央演算処理装置)の市場を寡占し、今後はIoTの神経網の隅々まで入り込む能力がある。」と紹介している(甲23)。
(ク)2017年6月8日付日経コンピュータの記事では「スマートフォン向けプロセッサで95%超のシェアを誇る半導体設計大手の英アームがエンタープライズ分野に再挑戦する。」と紹介し、またアーム社の設計した半導体が大手半導体製造会社に採用されている事実が紹介されている(甲24)。
(ケ)2017年6月21日付日経QUICKニュースでは、ソフトバンクグループ社の孫社長から「英半導体設計のアーム・ホールディングスを買収したことについて『後に、人生の中で一番カギになった買収を1社あげるとすれば、おそらくアームになるのではないか』と述べた。人工知能の発達に伴って『アームの提供するチップの需要が増える』」と述べたことを紹介している(甲25)。
(コ)2017年6月22日付け日経産業新聞では、「半導体の設計図を巡っては、16年にソフトバンクグループが買収した英アーム・ホールディングスが覇権を握り始めた。スマートフォン向け半導体で高いシェアを持つ同社は、車載やロボット向けなどでも存在感を高めている。」、「アームの支配が強まることを恐れた米国防総省の研究開発部門『DARPA(ダーパ)』は巨額資金をつぎ込み半導体設計のプロジェクトを立ち上げた。米IBMやグーグル、マイクロソフトも参画し『RISC−V(リスクファイブ)』と呼ばれるアーム対抗馬を育てて米国主導の半導体設計の復権を狙う。」と紹介されている(甲26)。
(サ)2018年1月30日付インターネット記事マイナビニュースでは「半導体IP市場は現在4000億円規模で、そのうちArmが約5割のシェアを握っている。」、「Armは、もっとも成功したコンピュータアーキテクチャといわれている。」、「孫正義 会長は、2030年ごろまでに1兆個の出荷を目指すとしているが、そのころには、世界中のあらゆるモノにArmベースの半導体チップが組み込まれることになるだろう」と紹介されている(甲27)。
(シ)2018年5月16日付TechFactory記事では「Armといえば組み込みシステムにおける『一強』とも呼べる存在です」と紹介されている(甲28)。
(ス)富士通株式会社が開発しているスーパーコンピュータ「京」の後継機として開発しているもののCPUについて「ポスト『京』は科学技術のみならず様々な社会課題の解決に向け、幅広いアプリケーションの性能を引き出す世界最高水準のスーパーコンピュータを目指しています。その実現に向け、CPUには広く普及しているArmR(Rは○付き文字)命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)を採用し、スーパーコンピュータ向けに新たに策定された拡張命令を実装しました。」と紹介している(2018年6月21日 富士通株式会社 プレスリリース:甲29)。
(セ)アーム社については、IT用語辞典においても「産業機器や家電製品などの一部として組み込まれるコンピュータシステム(組み込みシステム)の心臓部として人気が高い。近年ではスマートフォンやタブレット端末の多くにARM系プロセッサが採用されていることでもよく知られる。」と紹介されている(甲30)。
このように半導体技術の分野において、アーム社は広いシェアをもっており、多くの携帯情報端末にアーム社の技術が用いられた半導体が使用されている事実が、各新聞雑誌によって裏付けられている。
ウ 売上及び実績について
アーム社が投資家への決算説明会で公表している売上高は、2017年度が2,023億4,400万円、2018年度が2,026億9,900万円、2019年度が2,066億5、200万円である。
累計ライセンス契約件数は、2017年度が1,577件、2018年度が1,694件、2019年度が1,767件である。
Armベースチップ出荷数(通期)は、2017年度が213億個、2018年度が229億個、2019年度が228億個である。
累計出荷数は、2017年度が1,200億個、2018年度が1,450億個、2019年度が1、660億個である。
市場シェアは、2017年度が39%、2018年度が33%、2019年度が34%である。
モバイル機器用のアプリケーションプロセッサーの市場シェアは、2017年度ないし2019年度のいずれも90%である。
ARM商標は、アーム社の商号の一部であるハウスマークであり、全ての製品で使用されるので、上記の数字は全てARM商標に関するものとなる。
なお、上記で示す数字は、日本単独に限った売上等ではないが、半導体の設計開発は、世界市場に向けて行われるもので、日本単独の売上や販売実績を収集する必然性が無いことに起因している。
ちなみに、アーム社のライセンシーである日本企業からの売上高は、2018年度に94,263,475.13USD(10,250,210,285円)、2019年度に121,399,103.56USD(13,200,938,521円)、2020年度(上半期)に62,043,925.94USD(6,746,656,506円:いずれも、円、1ドル108円換算)である。
アーム社は、日本企業ライセンシーに対し、アーム社の半導体技術の提供対価として受けるライセンス費用と、アーム社の技術を用いて製造した半導体チップ数に応じて受けるロイヤリティの費用によって収益を上げており、上記の額は、その合計額である。
そして、上記の高い市場シェアから半導体業界に直接間接にかかわっている日本の取引者(需要者)で、ARM商標を知らない人はいない。
加えて、最終需要者においてもソフトバンクグループの買収報道でアーム社の存在が明確に認識されたといえる。
上記は、本件商標の登録出願時から登録までの期間の証拠として示したものであるが、ソフトバンクグループ社が、2016年7月18日に行ったARMとの戦略的提携についての説明会の会見から、買収当時のアーム社の魅力が紹介されている(甲33)。かかる資料からアーム社の技術を用いた製品が多く普及していることが確認できる。
外国への展開として、2018年12月5日に行われた「Arm事業説明会」では、アーム社の事業が好調であることが示され、中国への事業拡大のためのジョイントベンチャー会社の設立、ニュースとしてアマゾン社がアーム社の技術を採用したサーバを大量に採用したことが紹介された(甲34)。
これらの説明資料は、株主及び金融庁への説明となるものであり、情報の正確性が保証されていることはいうまでもない。
エ アーム社のライセンシーについて
アーム社のビジネスモデルはチップの基盤となるプロセッサ等のテクノロジーを開発及び設計し、半導体企業にライセンスを供与し、そのライセンス料及びチップ生産時の使用料を得るという仕組みである。
アーム社は、世界中で530社を超えるライセンシーと1,700件以上の契約を締結しており(甲31の3)、それらライセンシーは、アーム社のテクノロジーを基盤とした多種多様な製品を製造販売している。
アーム社の技術は、アップル社、インテル社、フリースケール社頭、世界的な大手半導体企業の多くに提供されているが、そのうち、日本企業だけでも数多くのライセシーがいる(甲35〜甲73)。
甲第35号証ないし甲第第73号証は、ライセンシーが発表したプレスリリース又はウェブサイトから、各ライセンシーが、アーム社とライセンス契約をし、アーム社の技術に基づく半導体製品を用いた商品開発及び販売を行っていることが確認できる。
また、アルプス電気株式会社、旭化成エレクトロニクス株式会社、アズビル株式会社、富士フイルム株式会社、超低電圧デバイス技術研究組合、ミツミ電機株式会社、ニコン株式会社、株式会社ノヴァエレクトロニクス、スタンレー電気株式会社、株式会社トッパンテクニカルデザインセンター及び株式会社豊田自動織機に対してもライセンス供与を行っている。このように、日本を代表する大手電機企業がライセンシーとなっており、業界でアーム社及びARM商標は広く知られていることがうかがえる。
オ 実際の使用態様
使用態様の一例として、アーム社の顧客(ライセンシー)が製造する半導体チップの写真は別掲4のとおりであり、商品にはARM商標が付されているのが確認できる。
また、甲第35号証ないし甲第73号証から確認できるように、商品に関する広告や報道にARM商標が付されて紹介されることもある。これはアーム社の製品の特性上、一般的に目視できないため、このような表示方法をもって、ライセンシー商品にアーム社の半導体が用いられていることを示している。
カ 日本における展示会イベント、講演会
(ア)展示会イベント
ET&IoT総合技術展は、一般社団法人組込みシステム技術協会が主催する関東及び関西でそれぞれ年に1回行われる組込みシステム技術を紹介する展示会で、IoTのコア技術であるエッジテクノロジーの最先端情報を一望できるアジア最大級のイベントである。これには、NEC、富士通グループをはじめとする多数のIT関連企業が出展している。
2015年度の来場客数は25,077人、2016年度は25,654人、2017年度は25,281人、2018年度は26,607人である(甲74)。
アーム社が出展したJapan IT Week 春(東京ビッグサイトで開催)は、11の専門展から構成されている日本最大のIT展示会(リードエグジビジョンジャパン株式会社主催)であり、京セラ、パナソニックをはじめとする多数のIT関連企業が出展している。
2018年度の来場者数は102,441人、2019年度(前期)は34,285人である(甲75)。
(イ)アーム社開催のイベント
アーム社は、2015年よりArm及びパートナー企業の技術情報を伝えるため「arm Tech Symposia」というイベントを開催している。
2015年度の来場客数は681人、2016年度は761人、2017年度は710人、2018年度は636人、2019年度は663人である(甲76)。
また、アーム社は、「開発者による、開発者のためのイベント」として「Mbed Connect」というプログラムを提供している(甲77)。
(ウ)以上のとおり、アーム社は、我が国における大規模なIT関連見本市にも出展し、また独自のイベントも開催していることから、半導体関連企業や半導体関連企業に従事する需要者の間においては十分に知られているというべきである。
キ 日本における販売代理店
アーム社は、アーム社の日本正規代理店として、アンドールシステムサポート株式会社、株式会社DTSインサイト、丸文株式会社、都築電機株式会社の4社を指定している(甲78〜甲81)。
ク アーム社のウェブサイトからの技術情報の提供
アーム社の技術情報の一部は、アーム社のウェブサイトからも取得可能である。アーム社は、アーム社の技術情報に関する技術サポートサービス及びトレーニングサービスを提供している(甲82〜甲84)。
また、アーム社の商標の使用についてはガイドラインも設定されている(甲85)。
ケ 世界各国に存在するアーム社のオフィス
2021年5月10日現在、申立人は、日本を含め世界19ヶ国に38ヶ所のオフィスを有している(甲86)。
コ まとめ
以上のとおり、アーム社は、半導体及び半導体の設計の分野において広く知られており、当業者においてアーム社の社名「Arm Limited」の略称である「ARM」は、非常に高い名声を獲得している。すなわち、ARM商標は、アーム社の著名商標かつ著名な略称といえる。
事実、登録第6258360号(商願2018−125949号:商標「ArmUI」)の登録出願の審査においてアーム社の著名なARM商標を引用して、商標法第4条第1項第15号に基づく拒絶理由が通知されている(甲87)。
上記のとおり、アーム社は「Arm」の表記の他、「ARM」、「arm」及び「アーム」のように大文字・小文字、片仮名変換の形でARM商標を使用しており、これらの商標は社会通念上同一の商標と認定されるものであるから、「Arm」同様、「ARM」も、アーム社の著名商標と解される。
したがって、ARM商標は、著名商標として認定されるべきである。
(2)本件商標が取り消されるべき理由
ア 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項該当性について
(ア)本件商標の構成
本件商標は、「STREAM AI ARM」の文字を標準文字で表した構成からなり、「STREAM」、「AI」及び「ARM」の3語から成ることは用意に理解できる。
本件商標の称呼は「ストリームエイアイアーム」と長音を含め12音と一気一連に称呼するにはいささか冗長であるところ、中間の「AI」は「artificial intelligence」(人工知能)の略称として我が国においても広く知られている(甲88)。
また、コンピュータ分野においては特にその研究が進められており、コンピュータ関連サービスとの関係においては識別力のない言葉と考えられる。
したがって、本件商標はその構成中「STREAM」及び「ARM」がそれぞれ識別力を発揮しうる部分と解され、中間の「AI」によって、分断され称呼される可能性が高いと考える。
また、本件商標は、アーム社の著名な商標又は著名な略称であるARM商標を含んでおり、その部分が要部となって出所識別機能を担うものと考えられる。
(イ)引用商標の構成
一方、引用商標は、「ARM(Arm、arm)」又は「アーム」の文字(と図形の組み合わせ)からなる。
引用商標は、構成文字である「ARM(Arm、arm)」より、「アーム」と称呼され、「腕」ないしアーム社の観念を生じさせる。
とりわけ、コンピュータの分野においては、「腕」の意味は無関係であり、恣意的な用法であるゆえに識別力は高く、かつその著名性からアーム社を想起させる。
(ウ)本件商標と引用商標の比較
上記のとおり、本件商標の態様からは「ARM」部分が要部として認識される。
本件商標は一連に称呼するには冗長であって、その構成中「AI」はコンピュータ関連サービスとの関係において識別力が認められないことを考慮すると、同部分をもって分離して認識され、称呼され得ると解される。
また、「STREAM AI ARM」は、全体として特定の意味合いを想起させるものではなく各語の観念上のつながりも認められないことから、本件商標からはアームの称呼及び観念が生じる。
上記のとおり「ARM」はアーム社のハウスマークとして著名であり、さらに本件商標においては「ARM」、「STREAM」及び「AI」の観念上の繋がりも認められないことから、「まとまりよく一体に表されている」ともいえず、既成の語の一部ともなっていない。
したがって、本件商標と「ARM」の文字からなる引用商標とは類似商標と解される。
以上より、本件商標は、その構成より「ARM」部分が要部として把握されるものであって、「アーム」の称呼及びアーム社の観念を生じさせ、引用商標と称呼及び観念を共通にする類似の商標である。
商標に著名があるというような明白な実情がある場合、商標の類否判断において、そのことを当然配慮、斟酌されるべきである。
そうすると、著名なARM商標と同一の要素をそのまま含む本件商標は、この点からも、引用商標と混同を生じるおそれの高い類似の商標と解すべきである。
また、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とが抵触することも明白である。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同法第8条第1項に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記のとおり、「ARM」商標は、アーム社の社名として長年にわたって使用され、アーム社を表示するものとして著名な商標であるところ、本件商標は、アーム社の著名商標を構成要素に含んでいる。
本件商標中の「ARM」は、アーム社の著名な商標及び著名な略称であり、申立人を想起させ強い出所表示機能を担うことから、「STREAM AI ARM」の文字からは、「アーム社」と何らかの関連を有する商品をイメージさせ、その出所を混同するおそれが高いと考える。
したがって、本件商標が、その指定役務について使用された場合には、その役務は、アーム社又はアーム社と関連を有する企業の役務と誤認されるおそれがあることは明らかである。
本件商標が使用されると、出所の混同が生じるおそれや、アーム社から公認を受けているとの誤認あるいは、アーム社の著名な引用商標に係る「ARM」商標の希釈化汚染化が生じるおそれがある。
(ア)本件商標と引用商標との類似性の程度
本件商標は、著名なARM商標を独立して認識できる態様で含んでおり、需要者は「ARM」の文字部分に注目する。
特に「AI」(人工知能)は、アーム社が提供する半導体技術が活用される分野であって(甲88の1、甲89〜甲92)、アーム社を想起する可能性が非常に高いといえる。すなわち、本件商標はアーム社を強く想起させる「ARM」及び「AI」をその構成要素に含んでいることから、本件商標は著名商標であるARMと類似する商標である。
(イ)ARM商標の周知度
アーム社のARM商標は著名な商標である。
(ウ)ARM商標が造語よりなるものであるか、又は構成上顕著な特徴を有するものであるか
ARMの語はそれ自体「腕」を意味する語であるが、本願の指定役務との関係では特徴的な語であり、恣意的に採用された言葉であるから、引用商標は、独創性の高い商標といえる。
(エ)ARM商標がハウスマークであるか
「ARM」はアーム社のハウスマークであり、事業の特性上個別の製品名はなじまない。
よって、「ARM」はアーム社にとって極めて重要な知的財産である。
(オ)企業における多角経営の可能性
半導体はあらゆる電子機器及びAI分野で用いられるものであり、その製品自体に多様性がある。
(カ)商品間、役務間又は商品と役務間の関連性
本願の指定役務には、コンピュータ関連役務が含まれており、アーム社の著名商標における分野と関連性があることは明白である。
(キ)商品等の需要者の共通性その他取引の実情
上記のとおり、役務の関連性があることから、需要者層も一致する。
また、本件商標「STREAM AI ARM」は、その構成中にアーム社の著名商標「ARM」の文字を有している。
特に、本件商標は、アーム社の主な事業の一つである「情報技術(IT)に関する助言,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS)」等を含むIT関連役務を多数指定役務に含んでおり、その需要者の範囲や提供目的等も一致する。
したがって、本件商標がその指定役務に使用されると、需要者は、それらの役務がアーム社の業務に係る役務又はアーム社と何等かの関係がある者の業務にかかる役務であると誤認し、出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかであるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、英単語「STREAM」、「AI」及び「ARM」を組み合わせた商標であり、十分にその各単語が認識できる態様であり、本件商標が、これら3つの単語から構成されていることは極めて容易に看取される。
ところで、アーム社の名称は「Arm Limited」であるが、一般には「ARM(アーム)と称呼され、親しまれており、「ARM」がアーム社の著名な略称である。
本件商標が、商標法第4条第1項第8号に該当するか否かは、アーム社の著名な略称である「Arm」が、本件商標から客観的に把握されるか否かに尽きるといえる。
本件商標をみるに、「STREAM」、「AI」及び「ARM」の間にはスペース(空白)があることから、明らかに、「STREAM」、「AI」と「ARM」とを分けて認識でき、「ARM」の部分が客観的に把握されることは、何ら疑いのない事実である。
そして、「ARM」はアーム社の著名な略称であるので、本件商標が、アーム社の著名な略称を含むものであることは明らかである。
すなわち、本件商標は、アーム社の著名な略称「ARM」を含むと解される。
また、商標法第4条第1項第8号の趣旨は人格的利益の保護にあるところアーム社の著名な略称「Arm」が客餓的に把握される本件商標が使用されれば、アーム社の人格的利益が毀損されることも明らかである。
そして、アーム社は、本件商標に関し、商標法第4条第1項第8号かっこ書所定の承諾を与えていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
エ むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項に該当する。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
(1)申立人の主張及び申立人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
ア 英国に本社を置くアーム社は、プロセッサや中央処理装置(CPU)の設計・ソフトウェアの開発を行う世界的なリーディングカンパニーであり、アーム社の技術により設計されたプロセッサや中央処理装置(CPU)は、スマートフォン、タブレット端末、自動車及びロボティクス製品等のあらゆる電子機器に使用されている(甲10、甲11)。
イ アーム社は、半導体に関する技術を知的財産として各社に提供することを業としており、その技術を用いて半導体を製造しているのが、例えばアップル社、インテル社やフリースケール社等である(甲14〜甲16)。
ウ 2016年にソフトバンクグループ社がアーム社を買収した。その事実は、当時の新聞記事等で取り上げられている(甲17〜甲28)。
エ アーム社には、日本企業だけでも数多くのライセンシーが存在している(甲35〜甲73)。
オ アーム社のライセンシーである日本企業からの売り上げは、2018年度は約103億円、2019年度は約132億円及び2020年度上半期は約67億円である(請求人の主張)。
カ アーム社は、我が国における大規模なIT関連見本市にも出展し、また独自のイベントも開催している(甲74〜甲77)。
キ アーム社は、アーム社の技術情報に関する技術サポートサービス及びトレーニングサービスを提供している(甲82〜甲84)。
(2)上記(1)において認定した事実によれば、アーム社は、プロセッサや中央処理装置(CPU)の設計・ソフトウェアの開発を行う英国の企業であり、半導体に関する技術を知的財産として各社に提供することを業としていること、2016年にソフトバンクグループ社が、アーム社を買収したことが新聞記事等で取り上げられ、アーム社には、日本企業だけでも多数のライセンシーが存在し、アーム社の半導体技術の提供対価として受けるライセンス費用(以下「ライセンス料」という。)とアーム社の技術を用いて製造した半導体チップ数に応じて受けるロイヤリティの費用(以下「ロイヤリティ料」という。)の合計額は、2018年度は約103億円、2019年度は約132億円及び2020年度上半期は約67億円の売上げがあること、アーム社は、我が国における大規模なIT関連見本市に出展し、独自のイベントも開催しており、アーム社の技術情報に関する技術サービスやトレーニングサービスを提供していることはうかがえる。
しかしながら、アーム社は、2016年にソフトバンクグループ社に買収され、その買収当時の新聞記事等によって、取り上げられているとしても、その後、本件商標の登録出願時や登録査定時において、多数の新聞や雑誌等の記事において、アーム社が取り上げられたことは、請求人が提出した証拠からは確認することができない。
また、アーム社の事業形態は、半導体の技術をライセンシーに提供するものであり、実際に、アーム社が、半導体を商品として取引している事実は、請求人が提出した証拠からは確認することができない。
さらに、請求人が主張する、アーム社の2018年度から2020年度上半期の日本企業からのライセンス料及びロイヤリティ料の合計額は、これを裏付ける証拠が提出されておらず、また、同業他社のライセンス料及びロイヤリティ料等が把握することができないことからすると、アーム社のライセンス料及びロイヤリティ料の合計額について多寡を確認することができない。
加えて、請求人も主張するとおり、アーム社は、エンドユーザー向けの宣伝広告は行っていない。
そうすると、アーム社の我が国における市場占有率等の量的規模を客観的な使用事実に基づいて、引用商標の使用状況を把握することができず、その周知性の程度を推し量ることができないものといわざるを得ない。
仮に、上記売上高が事実であるとしても、当該実績がその周知性を基礎づける程、多額であると認めるに足りる証拠は見いだせない。
また、アーム社が我が国において、展示会を開催、あるいは、展示会への出展をしたことはうかがえるものの、引用商標が、どの程度、来場者の目に触れる機会があったかは不明であること等から、当該イベントによって、引用商標が、その需要者にどの程度認識されるに至ったかはうかがい知ることはできない。
その他、引用商標が、我が国において、アーム社の取り扱う商品「半導体」及び役務「半導体の設計」を表示するものとして、周知著名性を有していたと判断し得る証拠は見いだせない。
そうすると、請求人が提出した全証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標がアーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「STREAM AI ARM」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表され、また、本件商標の構成文字全体から生ずる「ストリームエーアイアーム」の称呼も、格別冗長なものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、「STREAM AI ARM」の文字は、辞書等に載録されているものではなく、また、当該文字が、構成全体として、特定の意味合いを有する語として認識されると判断される特別な事情は有さないものである。
したがって、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものというのが相当であるから、その構成文字に相応して「ストリームエーアイアーム」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、上記第2の1のとおり、「ARM」の文字を標準文字で表してなり、引用商標2は、上記第2の2のとおり、「ARM」の文字を横書きしてなり、引用商標4は、上記第2の4のとおり、「アーム」の文字を標準文字で表してなり、引用商標5は、上記第2の5のとおり、「arm」の欧文字を横書きしてなり、引用商標6は、上記第2の6のとおり、「Arm」の文字を標準文字で表してなり、引用商標7は、上記第2の7のとおり、「Arm」の文字を標準文字で表してなり、引用商標8は、上記第2の8のとおり、「arm」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これらの構成文字に相応して「アーム」の称呼を生じ、「腕」の観念を生じるものである。
イ 引用商標3は、別掲1のとおり、上部3分の2程度を青色で塗り、その下の3分の1は白地で描かれた長方形図形(以下「図形」という。)内の左下に青色で、「ARM」の文字を横書きにしてなるところ、引用商標3の構成中の図形は、青色と白色からなるとしても、青色で書された「ARM」の文字の背景として認識されるものである。
また、図形が、特定の意味合いを有するものとして、我が国において広く知られている等の事情は見受けられないことから、図形は、特定の称呼及び観念を生じないものである。
そうすると、引用商標3は、その構成中の「ARM」の文字を捉えて、これより生じる称呼及び観念をもって取引されると判断するのが相当である。
したがって、引用商標3は、「ARM」の文字に相応して「アーム」の称呼を生じ、「腕」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標は、上記(1)のとおり、「STREAM AI ARM」の文字からなるのに対し、引用商標は、上記(2)のとおり「ARM」の文字、「アーム」の文字、「Arm」の文字、「arm」の文字及び「ARM」の文字を含むものであり、本件商標と引用商標は、構成文字数等において明らかな差異があるから、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、称呼においては,本件商標から生じる「ストリームエーアイアーム」の称呼と引用商標から生じる「アーム」の称呼とは、本件商標の前半部の称呼である「ストリームエーアイ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、これらを、それぞれに称呼するときは、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
さらに,観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないものであり、引用商標は、「腕」の観念を生じるものであるから、観念上、相紛れるおそれはないものである。
以上によれば,本件商標と引用商標とは、外観において、判然と区別し得るものであり、称呼においても、明瞭に聴別し得るものであり、観念において、相紛れるおそれのないものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察してみれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、互いに類似する役務を含むものである。
(5)小括
したがって、上記(4)のとおり、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務は、互いに類似する役務を含むものであるとしても、上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものであり、また、引用商標6及び引用商標7との関係において、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものではない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
上記1のとおり、引用商標は、アーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について
上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、別異の商標というべきであるから、類似性の程度は低いというべきである。
(3)本件商標の指定役務とアーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」との関連性
本件商標の指定役務とアーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」とは、提供の手段、目的又は場所は、一致するものではなく、提供に関連する物品が一致するとはいえず、需要者の範囲も必ずしもが一致するとはいえず、業種も同じとはいえない。
また、当該役務に関する業務や事業者を規制する法律が同じとはいえず、必ずしも、同一の事業者が提供するものとはいえない。
よって、本件商標の指定役務とアーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」は、関連性を有しているとは認められない。
(4)出所の混同のおそれについて
上記(1)のとおり、引用商標は、アーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきであるから、類似性の程度は低いというべきであり、上記(3)のとおり、本願商標の指定役務とアーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」は、関連性を有しているとは認められないものである。
そうすると、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標を想起、連想して、当該役務をアーム社の取り扱いに係る役務、あるいはアーム社と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の取り扱いに係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
加えて、本件商標が、アーム社と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の取り扱いに係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めるに足る事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第8号について
(1)商標法第4条第1項第8号の趣旨
商標法第4条第1項第8号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護すること、すなわち、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがないという利益を保護することにあると解される(最高裁平成15年(行ヒ)第265号、最高裁平成16年(行ヒ)第343号)。
そして、商標法第4条第1項第8号の趣旨は、人格的利益の保護にあるところ、問題となる商標に他人の略称等が存在すると客観的に把握できず、当該他人を想起、連想できないのであれば、他人の人格的利益が毀損されるおそれはないと考えられる。そうすると、他人の氏名や略称等を「含む」商標に該当するかどうかを判断するに当たっては、単に物理的に「含む」状態をもって足りるとするのではなく、その部分が他人の略称等として客観的に把握され、当該他人を想起・連想させるものであることを要すると解すべきである(知財高裁平成21年(行ケ)第10074号、知財高裁平成23年(行ケ)第10190号)。
(2)「Arm」の文字が、請求人の著名な略称であるか否かについて
上記1のとおり、「ARM」や「Arm」等の文字を書してなる、又は、「ARM」の文字を有してなる引用商標は、アーム社の取り扱いに係る商品「半導体」及び役務「半導体の設計」を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められないものである。
また、「Arm」の文字が、アーム社の略称を表示するものとして著名であると判断し得る証拠は提出されていない。
よって、「Arm」の文字が、アーム社の略称を表示するものとして著名であるとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標「STREAM AI ARM」は、その構成中に「ARM」の文字を有するとしても、「ARM」の文字が請求人の略称を表示するものとして著名であるとは認められないものである。
そうすると、本件商標は、他人の著名な略称を含むものとは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項の規定に違反して登録されたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(引用商標3)(色彩については、原本を参照されたい。)


別掲2(引用商標7の指定商品及び指定役務)
第9類「コンピュータハードウエア,プリント回路基板,マイクロコントローラー,コンピュータハードウェア開発用コンピュータプログラム,コンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用コンピュータソフトウェア,オンプレミス用のコンピュータソフトウェア,電子計算機端末の設定・管理・通信接続・制御・追跡・更新・セキュリティ及び操作用コンピュータソフトウェア,データネットワーク内における電子計算機端末の通信接続を管理するためのコンピュータソフトウェア,電子化されたデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのコンピュータソフトウェア,ビッグデ−タ管理用コンピュータソフトウェア,データ保護及びデータセキュリティ用コンピュータソフトウェア,データへのアクセスを制御するためのコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア用のSIMカード(未記録のもの),コンピュータソフトウェア開発用コンピュータプログラム,コンピュータプログラム開発用コンピュータプログラム,コンピュータオペレーティングシステムソフトウェア,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤に関する取扱説明書・ユーザーマニュアル・技術マニュアル・開発用マニュアル・デ−タシ−ト・パンフレット・論文及び白書の性質を持つ電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),SIMカード(未記録のもの),ダウンロード可能なビデオファイル及びオーディオファイル,電子出版物,電子応用機械器具及びその部品,工業用ロボットに使用するためのコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インフラストラクチャーの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,機械学習用のコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,人工知能の分野のコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インタ−ネットセキュリティ用コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インタ−ネット化(IOT)で接続された装置用コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,コンピュータネットワーク用コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,自動車の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,小売業の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,物流の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,スマートシティの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,スマートホームの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,健康管理の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,コンピュータネットワーク接続ストレージハードウェア及びソフトウェア,ウェアラブル端末の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インフラ設備及びエネルギーの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,モバイルコンピューティングの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア」
第35類「コンピュータソフトウェア・コンピュータハードウェア及びコンピュータ周辺機器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第38類「電気通信,電子データ送信,データネットワーク内におけるコンピュータソフトウェアへアクセスするための接続の提供,電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データ保護及びデータセキュリティのためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データへのアクセスを制御するためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供」
第42類「データ分析用のコンピュータプログラムの提供,技術的なデータの分析,電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,クラウドコンピュ−ティング,データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データ保護及びデータセキュリティのためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データ保護及びデータセキュリティのためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データ保護及びデータセキュリティのためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データへのアクセスを制御するためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データへのアクセスを制御するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データへのアクセスを制御するためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤に関する研究,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤の開発及び設計,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤に関する技術的な助言及び技術的援助,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの提供,顔認証用のコンピュータソフトウェアの提供,生体認証用のハードウェア及びソフトウェアの技術を利用した電子商取引のためのユーザー認証,生体認証用のコンピュータプログラムの提供」

別掲3(引用商標8の指定商品及び指定役務)
第9類「コンピュータハードウエア,プリント回路基板,マイクロコントローラー,コンピュータハードウェア開発用コンピュータプログラム,コンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用コンピュータソフトウェア,オンプレミス用のコンピュータソフトウェア,電子計算機端末の設定・管理・通信接続・制御・追跡・更新・セキュリティ及び操作用コンピュータソフトウェア,データネットワーク内における電子計算機端末の通信接続を管理するためのコンピュータソフトウェア,電子化されたデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのコンピュータソフトウェア,ビッグデ−タ管理用コンピュータソフトウェア,データ保護及びデータセキュリティ用コンピュータソフトウェア,データへのアクセスを制御するためのコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア用のSIMカード(未記録のもの),コンピュータソフトウェア開発用コンピュータプログラム,コンピュータプログラム開発用コンピュータプログラム,コンピュータオペレーティングシステムソフトウェア,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤に関する取扱説明書・ユーザーマニュアル・技術マニュアル・開発用マニュアル・デ−タシ−ト・パンフレット・論文及び白書の性質を持つ電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),SIMカード(未記録のもの),ダウンロード可能なビデオファイル及びオーディオファイル,電子出版物,電子応用機械器具及びその部品,工業用ロボットに使用するためのコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インフラストラクチャーの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,機械学習用のコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,人工知能の分野のコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インタ−ネットセキュリティ用コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インタ−ネット化(IOT)で接続された装置用コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,コンピュータネットワーク用コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,自動車の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,小売業の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,物流の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,スマートシティの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,スマートホームの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,健康管理の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,コンピュータネットワーク接続ストレージハードウェア及びソフトウェア,ウェアラブル端末の分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,インフラ設備及びエネルギーの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,モバイルコンピューティングの分野において使用するコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア」
第35類「コンピュータソフトウェア・コンピュータハードウェア及びコンピュータ周辺機器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第38類「電気通信,電子データ送信,データネットワーク内におけるコンピュータソフトウェアへアクセスするための接続の提供,電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データ保護及びデータセキュリティのためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供,データへのアクセスを制御するためのインターネットを利用した通信基盤への接続の提供」
第42類「データ分析用のコンピュータプログラムの提供,技術的なデータの分析,電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],電子計算機端末の設定・管理・接続・制御・追跡・更新・保護及び操作のためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,クラウドコンピュ−ティング,データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データ・ビッグデータ及び情報を収集・分析・編集・修正・体系化・同期・統合・視覚化・監視・送信・転送・保存及び共有するためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データネットワーク内における電子計算機端末の接続を管理するためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データ保護及びデータセキュリティのためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データ保護及びデータセキュリティのためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データ保護及びデータセキュリティのためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データへのアクセスを制御するためのオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),データへのアクセスを制御するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],データへのアクセスを制御するためのインターネットを利用した通信基盤の提供(IaaS)に関するコンピュータソフトウエアの提供,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤に関する研究,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤の開発及び設計,データ・電子計算機端末及びデータネットワーク内における電子端末の接続を管理するためのコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア・コンピュータアプリケーションソフトウェア・コンピュータソフトウェアプラットフォーム・コンピュータ基盤に関する技術的な助言及び技術的援助,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PaaS],電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの提供,顔認証用のコンピュータソフトウェアの提供,生体認証用のハードウェア及びソフトウェアの技術を利用した電子商取引のためのユーザー認証,生体認証用のコンピュータプログラムの提供」

別掲4(実際の使用態様)



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異議決定日 2021-12-22 
出願番号 2020074549 
審決分類 T 1 651・ 4- Y (W3542)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 豊田 純一
小俣 克巳
登録日 2020-12-08 
登録番号 6326449 
権利者 Miletos株式会社
商標の称呼 ストリームアイアーム、ストリームエイアイアーム、ストリーム、アイアーム、エイアイアーム、アーム、エイアアルエム 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 

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