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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W030529303132
審判 全部申立て  登録を維持 W030529303132
審判 全部申立て  登録を維持 W030529303132
審判 全部申立て  登録を維持 W030529303132
管理番号 1380152 
異議申立番号 異議2021-900198 
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-05-24 
確定日 2021-11-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6357763号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6357763号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6357763号商標(以下「本件商標」という。)は、「GCOOP」の欧文字を別掲1のとおりの態様で表してなり、令和元年10月16日に登録出願、第3類、第5類、第29類ないし第32類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年2月18日に登録査定され、同年3月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4948249号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成17年8月5日
設定登録日 平成18年4月28日
(2)登録第4952102号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第5類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成17年9月7日
設定登録日 平成18年5月12日
(3)登録第5050360号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成18年8月21日
設定登録日 平成19年5月25日
(4)登録第2201369号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第1類、第5類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和62年12月3日
設定登録日 平成元年12月25日
書換登録日 平成23年2月9日
(5)登録第5057273号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第30類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成18年9月5日
設定登録日 平成19年6月22日
(6)登録第2201367号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和62年12月3日
設定登録日 平成元年12月25日
書換登録日 平成23年2月9日
(7)登録第5852486号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務 第30類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成27年3月30日
設定登録日 平成28年5月20日
(8)登録第5057309号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第31類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成18年9月20日
設定登録日 平成19年6月22日
(9)登録第5066624号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第32類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成18年10月5日
設定登録日 平成19年7月27日
(10)登録第4615841号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定役務 第35類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成13年7月13日
設定登録日 平成14年10月25日
(11)登録第5257910号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定役務 第35類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成19年7月2日
設定登録日 平成21年8月14日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標の周知性
ア 申立人について
申立人は、1951年3月に生協法に基づき設立された組織であって、消費者一人ひとりが出資金を出し合い組合員となって協同で運営・利用する独立した法人組織である地域生協、職域生協、大学生協等の全国各地の計316(2019年度末時点)の会員生協が加入するとともに、それら会員生協の幾つかが商品の開発や仕入れ、物流設備やシステム基盤の整備などを協力して行う事業連合(連合会)が加入する、組合員総数約2,960万人に及ぶ日本最大級の組織である(甲3)。
また、申立人は、商品の開発とその商品の会員生協への供給(販売)、会員生協の事業や活動のサポートなどを通して、会員生協の発展を支える役割を果たしている。
イ 引用商標を使用した商品の会員生協への供給について
申立人は、1960年から組合員のふだんのくらしに役立つ商品を目指して商品の開発に取り組んでいる。また、1981年から引用商標「CO・OP」を、ハウスマークとして使用するとともに、上記開発した商品(以下「コープ商品」という)を会員生協に供給しており、2020年3月31日の時点では飲食料品全般及び日用品等について約5,500品目(規格違いを含む。)ものコープ商品を全国各地の会員生協に供給している(甲4)。
なお、申立人のコープ商品事業に関する2019年度の供給高は、約3,100億円となっている(甲5)。
ウ コープ商品の組合員への供給について
申立人より供給されている以下に示すコープ商品は、少なくとも2011年から現在に至るまで、地域生協等の集まりである事業連合(連合会)のコープデリ連合会(組合員数495万人)、コープきんき(同218万人)、コープ九州(同191万人)、ユーコープ(同179万人)、コープ東北サンネット(同180万人)、CSネット(同176万人)、コープこうべ(同172万人)等が主体となって毎週1回発行し希望する組合員に配布している宅配カタログ及び会員生協が運営するインターネットサイトを通じた宅配や、会員生協が運営する全国各地の店舗(少なくとも850店舗)を通じて、組合員に供給されている(甲6)。
(ア)第3類の指定商品についての引用商標の使用
引用商標「CO・OP」が付されたコープ商品として、「高濃度パワー酸素系漂白剤」「液体洗たく糊」「セフターENERGY抗菌・防臭」「ハミガキデンタル」「ささらぎ薬用ホワイトニングデュウ」「フリーリア エッセンスルージュ」「けむりの少ないお線香」などが存在し、これらの商品は、継続的にテレビ、新聞などの各種メディアにおいて取り上げられている(甲7、甲8)。
(イ)第5類の指定商品についての引用商標の使用
引用商標「CO・OP」が付されたコープ商品として、「薬用レディースヘアローション」「ニオイのつかない防虫剤 クローゼット用」「立体使いきりマスク」「しっかり吸水超スリムパッド」「国産米をふっくら炊いた白かゆ」「乳酸菌入り九州産大麦若葉の粉末青汁」などが存在し、これらの商品は新聞などの各種メディアにおいて取り上げられている(甲9、甲10)。
そして、「薬用レディースヘアローション」は、1989年から現在に至るまで発売されており、2018年の出荷金額(供給高)は約2億円に達している(甲9)。
(ウ)第29類の指定商品についての引用商標の使用
引用商標「CO・OP」が付されたコープ商品として、「一番搾りキャノーラ油」「コープ牛乳」「産直のはぐくむたまご」「北海道のそのまま枝豆」「とろっとおいしいかっとマンゴー」「レンジで国産チキンのナゲット」「(和風)若鶏竜田揚げ」「若鶏から揚げ(和風しょうゆ味)」「若鶏から揚げ(まろやか塩麹仕込み)」「骨取りさばのみぞれ煮」「辛さひかえめめんたいこ(切子)」「サクっとプリプリえびフライ(特大)」「プリッとえびフライ」「プリッとしたブラックタイガーえびフライ」「九州のカットほうれん草」などが存在し、これらの商品は新聞などの各種メディアにおいて取り上げられている(甲11、甲12)。
そして、コープきんき事業連合の2019年度の宅配事業における供給高(売上高)は、「サクっとプリプリえびフライ(特大)」は1億7,064万円、「レンジで国産チキンナゲット 400g」は1億2,583万円、「九州のカットほうれん草」は1億2,145万円、「北海道のそのまま枝豆」は1億164万円、「プリッとえびフライ」は9,773万円となっている。また、コープCSネットの同供給高(売上高)は、「(和風)若鶏竜田揚げ 700g」は1億5,779万円、「若鶏から揚げ(和風しょうゆ味)」は8,114万円、「サクっとプリプリえびフライ(特大)」は7,420万円、「プリッとしたブラックタイガーえびフライ2袋」は7,420万円、「北海道のそのまま枝豆」は6,989万円、「若鶏から揚げ(まろやか塩麹仕込み)」は6,007万円となっている。
(エ)第30類の指定商品についての引用商標の使用
引用商標「CO・OP」が付されたコープ商品として、「麦茶(国産6条大麦使用)」「アイスコーヒー無糖」「大山南麓の氷」「具たっぷり豚まん」「生協食パン」「だし入りみそ」「トマトケチャップ」「国産純粋はちみつ」「手ずり風すりごま黒」「味塩こしょう」「長崎風ちゃんぽん」「冷凍讃岐うどん」「コクと旨みの中華そば(しょうゆ味)」「讃岐ふっくら大きなあげのきつねうどん」「新潟コシヒカリ」「強力小麦粉」などが存在し、これらの商品は新聞などの各種メディアにおいて取り上げられている(甲12?甲14)。
そして、コープきんき事業連合の2019年度の宅配事業における供給高(売上高)は、「長崎風ちゃんぽん」は1億5,556万円、「冷凍讃岐うどん200g×5」は1億5,211万円、「讃岐ふっくら大きなあげのきつねうどん」は9,460万円である。また、コープCSネットの同供給高(売上高)は、「具たっぷり豚まん」は7,260万円である。
(オ)第31類の指定商品についての引用商標の使用
引用商標「CO・OP」が付されたコープ商品として、「ドッグフードドライ」が存在する(甲15)。
(カ)第32類の指定商品についての引用商標の使用
引用商標「CO・0P」が付されたコープ商品として、「金麦」「ミックスキャロット」「ただの炭酸水」「カフェオレ」などが存在し、これらの商品はテレビ、新聞などの各種メディアにおいて取り上げられている(甲16、甲17)。
そして、「ミックスキャロット」は、1981年の発売以降、125mlパック換算で累計32億本を売り上げている。また、「CO・OPただの炭酸水」は、年間3,700万本以上の出荷量がある(甲16)。
(キ)その他
国内平均月間利用者数が5,000万人を超えるレシピサイト「cookpad」において、引用商標「CO・OP」が付されたコープ商品を使ったレシピが1,300種類以上掲載され、数多くの利用者に閲覧されている(甲18)。
なお、令和3年6月22日時点において、インターネット検索エンジンGoogleで「コープ商品」と検索した際には、1,070万件がヒットするほど、コープ商品は色々なサイトで取り上げられている(甲18)。
(ク)第35類の小売等役務への引用商標の使用
a 申立人は、衣服やキッチン・生活雑貨等を製造メーカーより一括して買い付けるとともに、それらの商品を会員生協を通じて組合員に供給しており、2005年からはインターネットサイトの全ページの下端部において、引用商標が小売等役務商標として標記された注文サイト「くらしと生協」を開設しており、組合員は注文サイトを通じて商品を注文することが可能となっている。
具体的には、身の回り品である「エアーかおる吸水タオル」、電気機械器具類である「コードレスクリーナー」、被服である「ロングシャツ」、台所用品である「フライパン」などの商品を注文することができる(甲19)。
なお、上記注文サイトは、2020年度の後半の半年間でページビュー数が5,500万以上であり(閲覧人数は200万人以上)、多くの組合員等に利用されている。特に閲覧数が多い商品は、トップス(被服:32.1万)、ボトムス(被服:23.7万)、インナー・ルームウェア(被服:16.7万)などとなっている(甲19)。
b 地域生協の最大の集まりであるコープデリ連合会に属する地域生協が運営する店舗においては、その看板に、申立人が使用する権利を許諾している引用商標と社会通念上同一の商標が、小売等役務商標として使用されている(甲20)。
c また、コープデリ生活協同組合連合会が地域生協の組合員に配布するために毎週1回発行する宅配カタログにも、引用商標と社会通念上同一の商標が小売等役務商標として使用されている(甲6)。さらに、同連合会に属する地域生協が、組合員に供給する商品を宅配する際に使用する約6,500台の配送車にも、引用商標と社会通念上同一の商標が小売等役務商標として使用されている(甲20)。
d なお、上記宅配カタログ及び会員生協が運営するインターネットサイトには、上記コープ商品及びそれ以外の飲食料品や生鮮食料品、日用品、衣服、種子類・苗・草等が掲載されており(甲6)、また、同連合会に属する地域生協が運営する店舗においても同様に上記コープ商品及びそれ以外の飲食料品等を販売しており、組合員はそれらを購入することが可能である(甲20)。
ちなみに、同連合会に加入する7生協の2019年度における商品供給高は、約5,500億円となっている(甲6)。
エ 小括
以上のとおり、本件商標の登録出願前から登録査定時そして本件商標の異議申立時に至るまで、引用商標は、申立人が展開する商品(コープ商品)及び役務について継続的に使用されているだけでなく、テレビ、新聞等の各種メディアにおいて、引用商標が付された商品が継続的に取り上げられている。さらには、申立人及びコープデリ生活協同組合連合会の上記のような供給高の実績もあることから、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の展開する商品及び役務を表示するものとして、取引者及び需要者の間に広く認識されていたということができる。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 引用商標について
引用商標は、欧文字「CO」と「OP」の間に記号「・」を配置して横書きしてなる構成で、構成文字全体に相応して「コープ」の称呼が生じるものであり、観念については、上記のとおり、「CO・OP」が申立人の展開する商品(コープ商品)及び役務の表示として、「コープ」の称呼と共に、取引者及び需要者の間に広く認識されていることから、「申立人の展開する商品及び役務の表示としての『CO・OP』」の観念が生ずるものである。
イ 本件商標について
本件商標は、欧文字で「GCOOP」と横書きしてなる構成で、その各構成文字は同書同大で外観上まとまりよく一体的に表されており、引用商標を構成する文字部分「COOP」の先頭に「G」の文字を結合した構成である。
しかし、これら2つ文字の関連性は薄く、全体が意味を有する語でもない。そして、本件商標の構成中の「G」の欧文字1字は、商品又は役務の形式・規格を表す記号・符号として取引上普通に使用される一類型であり、本件商標に係る指定商品・指定役務の業界に止まらず、各業界で一般的に採択・使用されている。
そのため、本件商標の構成中の「G」の文字部分は、本件商標に係る指定商品又は指定役務に使用しても、商品又は役務の形式等を表す記号として認識されるため、自他商品又は役務の識別力がないか、極めて弱いといえるものである。
一方、本件商標の構成中の「COOP」の文字部分は、「コープ」の称呼が生じ、引用商標「CO・OP」の文字部分4文字とつづりを同一にするものであること、上記のように「CO・OP」が申立人の展開する商品及び役務の表示として、「コープ」の称呼と共に、取引者及び需要者の間に広く認識されていること等を考慮すると、本件商標の構成中の「COOP」の文字部分は、取引者及び需要者に対し、自他商品・役務の識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるということができ、そのため、商取引の実際においては、本件商標に接する取引者・需要者は、商品又は役務の出所識別にあたり、その構成中の「G」の文字部分を捨象し、「COOP」の文字部分をその要部と認識するとともに、「申立人の展開する商品及び役務の表示として広く認識されている『CO・OP』」を想起することも少なくないといえる。
したがって、本件商標は、構成文字全体に相応した「ジイコープ」の称呼を生ずるほか、「COOP」の文字部分のみを捉えた「コープ」の称呼が生じるものいえ、「申立人の展開する商品及び役務の表示としての『CO・OP』」の観念が生じるということができる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
上述のとおり、本件商標及び引用商標からは、いずれも「コープ」の称呼が生じ、「申立人の展開する商品及び役務の表示としての『CO・OP』」の観念が生じることから、両者は称呼及び観念を共通にするものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、全体の外観において差異を有するとしても、本件商標の要部といい得る「COOP」と引用商標「CO・OP」とは文字部分4文字のつづりを同一にするものであり、称呼及び観念においても同一であるから、両者の外観・称呼・観念によって、取引者・需要者に与える印象・記憶・連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標は互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断できる。
エ 本件商標の指定商品・指定役務と引用商標の指定商品・指定役務の類否
両商標の指定商品・指定役務は、同一又は類似の関係にある。
オ 小括
以上に検討したところによれば、本件商標と引用商標とは類似する商標であると認められる。そして、本件商標の指定商品・指定役務と引用商標の指定商品・指定役務は同一又は類似である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度
上記のとおり、引用商標「CO・OP」は、申立人の展開する商品及び役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者及び需要者の間に広く認識されていたということができ、また、本件商標と引用商標は、本件商標の要部といい得る「COOP」と引用商標「CO・OP」は文字部分4文字のつづりを同一にし、称呼及び観念も同一であるから、両商標の類似性の程度は高いというべきである。
イ 商品・役務の関連性及び取引者・需要者の共通性について
本件商標に係る指定商品・指定役務は、申立人の業務に係る商品・役務と同一又は類似する商品・役務といえるから、両商品・両役務の関連性は高く、その取引者・需要者を共通にするものである。
ウ 申立人による多角経営の可能性
申立人は、コープ商品の開発や、飲食料品(生鮮・日配品及び加工食品)、家庭用品及び繊維品に関する幅広い商品を会員生協へ供給する業務を主に行っており、2019年度における飲食料品、家庭用品、繊維品についての供給高は、それぞれ約2,830億円、約640億円、約400億円となっている(甲5)。
また、申立人は、上記業務の他にも、福祉・介護サービス、葬祭サービス、食の取り組み、環境の取り組み(再生可能エネルギー・地球温暖化対策)、地域をつくる取り組み、地球・未来を考える取り組み(ピースアクション・ピースマップ・ユニセフ支援活動)及び産直の取り組みに関する活動、SDGsの目標達成へ向けての政策等、幅広い分野にわたって様々な活動を行っている(甲21)。
そうすると、申立人が今後もあらゆる商品や役務に係る事業活動を拡大していくことは十分考えられるところであり、申立人の組織における多角経営の可能性は高いものであるといえる。
エ 出所の混同を生じるおそれ
以上のとおり、引用商標は我が国において申立人の展開する商品及び役務を表示するものとして、取引者及び需要者の間に広く認識されているといえるものであり、本件商標と引用商標の類似性は相当程度高いものであり、かつ申立人の業務に係る商品・役務と本件商標の指定商品・指定役務は関連性が高く、その取引者・需要者を共通にするものである。
さらに、本件商標の指定商品・指定役務は多岐にわたるものの、申立人の多角経営の可能性もあることなどを併せ考慮すれば、取引者・需要者が必ずしも共通しないとしても、本件商標をその指定商品・指定役務について使用した場合には、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を想起・連想させ、その商品・役務が申立人あるいは申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品・役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
オ 小括
上述のとおりであるから、仮に本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しない場合であっても、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は、1951年に設立された組織であって、地域生協、職域生協、大学生協等計316の会員生協(2019年度末)及びそれら会員生協が商品の開発や仕入れ等を協力して行うための組織である事業連合(連合会)が加入しており、総組合員数は約2,960万人(2019年度末)であること(甲3、甲4)。
(イ)申立人は、1981年頃から別掲2のとおりの商標(以下「別掲2商標」という。)を使用した商品(コープ商品)を会員生協に供給しており、2020年3月には飲食料品及び身の回り品など約5,500品目のコープ商品を供給していること(甲4、甲5)。
(ウ)申立人の供給高は、飲食料品及び身の回り品を中心に、2016年度が約3,717億円、2017年度が約3,785億円、2018年度が約3,821億円、2019年度が3,922億円であること(甲5)。
(エ)申立人は、少なくとも2011年から現在に至るまで、コープデリ連合会、コープきんき、コープ九州、ユーコープなど事業連合(連合会)を通じて、宅配カタログやインターネットで注文を受け、また、会員生協が運営する全国各地の店舗(約850店舗。2019年度末頃)を通じて、コープ商品を含む飲食料品及び身の回り品など多種多様な商品を供給していること(甲6?甲17、甲19、甲20)。
イ 上記アのとおりの申立人による別掲2商標の使用状況、使用実績からすれば、別掲2商標は、本件商標の登録出願日前から、申立人の業務に係る役務(飲食料品・身の回り品などの小売等役務)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であって、その状況は本件商標の登録査定日においても継続しているものと判断するのが相当である。
そうすると、別掲2商標と同一の構成からなり、飲食料品・身の回り品などの小売等役務をその指定役務に含むと認められる引用商標7及び11は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務(飲食料品・身の回り品などの小売等役務)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標と認めることができる。
しかしながら、それ以外の引用商標1ないし6及び8ないし10は、それらの指定商品及び指定役務について使用され、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めるに足りる証左は見いだせないから、そのように認識されている商標と認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
(ア)本件商標は、上記1のとおり「GCOOP」の欧文字を別掲1のとおりの態様で表してなり、その構成文字に相応し「ジークープ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)なお、申立人は、本件商標は引用商標を構成する文字部分「COOP」の先頭に「G」の文字を結合した構成であり、両文字の関連性は薄く「GCOOP」の文字全体が意味を有する語ではなく、「G」の欧文字部分は自他商品・役務の識別力がないか極めて弱いため、「co・op」は申立人の商品・役務表示として取引者、需要者の間に広く認識されているなどとして、本件商標は、その構成中「COOP」の文字部分が取引者及び需要者に対し自他商品・役務の識別標識として強く支配的な印象を与える部分である旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成文字は同書同大等間隔でまとまりよく一体に表され、その称呼「ジークープ」は無理なく一連に称呼し得るものであるから、かかる構成及び称呼からすれば、引用商標7及び11が需要者の間に広く認識されていることを考慮しても、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成文字全体が一体不可分のものとして認識、把握させるものと判断するのが相当である。
したがって、申立人の係る主張は採用できない。
イ 引用商標
引用商標は、いずれも「co・op」の欧文字を別掲2のとおりの態様で表してなり、その構成文字に相応し「コープ」の称呼を生じるものである。
そして、観念については、引用商標7及び11は上記(1)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから「(申立人のブランドとしての)co・op」の観念を生じ、それ以外の引用商標1ないし6及び8ないし10は特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、本件商標の構成文字「GCOOP」と引用商標の構成文字「co・op」の比較において、両者は文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭における「G」の文字の有無及び中間部における「・」の有無という差異を有し、それらの差異が共に5文字という少ない文字構成である両商標の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きく、両者を離隔的に観察しても、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ジークープ」と引用商標から生じる「コープ」の称呼を比較すると、称呼の識別上重要な要素である語頭を含む他の構成音が「ジークー」と「コー」と明らかに異なるから、両者をそれぞれ一連に称呼しても構成音数、語調語感が異なり、相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「(申立人のブランドとしての)co・op」の観念を生じるもの又は特定の観念を生じないものであるから、両者は相紛れるおそれがないか、比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において相紛れるおそれがないか比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(2)のとおり本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、引用商標7及び11が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを考慮してもなお、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が引用商標と出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)



異議決定日 2021-11-16 
出願番号 商願2019-133837(T2019-133837) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W030529303132)
T 1 651・ 26- Y (W030529303132)
T 1 651・ 263- Y (W030529303132)
T 1 651・ 271- Y (W030529303132)
最終処分 維持 
前審関与審査官 川崎 萌未 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 森山 啓
馬場 秀敏
登録日 2021-03-02 
登録番号 商標登録第6357763号(T6357763) 
権利者 株式会社GCOOP JAPAN
商標の称呼 ジイクープ、ジイコープ、クープ、コープ 
代理人 米屋 武志 
代理人 柴田 雅仁 
代理人 米屋 崇 
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