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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1380143 
異議申立番号 異議2021-900098 
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-18 
確定日 2021-11-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第6333963号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6333963号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6333963号商標(以下「本件商標」という。)は、「wacco」の欧文字と「おやこの水着」の文字を上下二段に横書きしてなり、令和元年11月27日に登録出願、第25類「水泳着,水泳帽,サンダルげた」を指定商品として、同2年8月13日に登録査定され、同年12月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第933858号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)5月25日に国際商標登録出願、「shirts, underwear, T-shirts」を含む第25類、第18類、第24類及び第26類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年7月4日に設定登録されたものである。
(2)登録第5585203号商標(以下「引用商標2」という。)は、「WAKO」の欧文字を標準文字により表してなり、平成24年11月22日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として、同25年5月24日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号に基づき取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「wacco」の英字と「おやこの水着」とを横書きで二段書きしてなるものであり、「wacco」は、「ワッコ」との称呼が生じる。
他方、引用商標1は、図形及び「VAKKO」の英字からなり、「VAKKO」から「ヴァッコ」の称呼が生ずるものである。
してみれば、本件商標の称呼「ワッコ」と引用商標1の称呼「ヴァッコ」は、1音のみ相違し、この相違する1音の母音が共通することから、両者の称呼は類似する。
また、「w」は「ウ」と称呼するほか、文頭において「ヴ」と称呼する場合があることは日本でもよく知られており、本件商標は「ヴァッコ」の称呼も生ずることは明らかであるから、本件商標と引用商標1は、共に「ヴァッコ」の称呼を生ずるものである。
そして、本件商標の指定商品「水泳着,水泳帽」と引用商標1の指定商品「shirts, underwear, T-shirts」は、類似のものである。
また、引用商標2は、「WAKO」の標準文字商標であり、「ワコ」の称呼が生ずるものであって、本件商標の称呼「ワッコ」と引用商標2の称呼「ワコ」は、促音「ッ」が相違するのみであることから、両者の称呼は類似する。
そして、本件商標の指定商品「サンダルげた」と引用商標2の指定商品「履物」は、類似のものである。
(2)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「wacco」の欧文字と「おやこの水着」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、各文字部分は、異なる種類の文字で、上下二段に間隔を設けて配置されている上、上段の欧文字部分が下段の文字部分に比較して太字でやや大きく表されていることを考え併せると、視覚上分離して看取され得るものである。
また、上段下段の各文字部分は、観念上のつながりがある等、各文字部分が常に一体不可分のものとして把握されるというべき特段の事情も見いだすことができないものであるから、それぞれが独立して自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、本件商標の構成中「wacco」の欧文字部分は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念を生じないものである。
また、当該文字部分のように特定の語義を有しない欧文字を称呼するときは、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるのが一般的といえるから、当該文字部分からは、「ワッコ」の称呼を生じるものである。
したがって、本件商標は、要部の一つである「wacco」の欧文字部分から「ワッコ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
なお、申立人は、「w」は「ヴ」と称呼する場合があることは日本でもよく知られていることから、本件商標から「ヴァッコ」の称呼も生ずる旨主張しているが、上記主張を裏づける証拠の提出はなく、また、職権により調査するも、そのような実情を発見することもできなかった。
よって、申立人のかかる主張を採用することはできない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、別掲のとおり、四角形内に直線と渦巻き状の曲線とを組み合わせた図形及びその下に「VAKKO」の欧文字を横書きしてなるところ、当該図形部分と文字部分とは視覚上分離して看取されるものであり、また、図形部分と文字部分とが常に一体不可分のものとして把握されるというべき特段の事情も見いだすことができないものであるから、それぞれが独立して自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、引用商標1の構成中「VAKKO」の欧文字部分は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念を生じないものである。
また、当該文字部分のように特定の語義を有しない欧文字を称呼するときは、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるのが一般的といえるから、当該文字部分からは、「バッコ」の称呼を生じるものである。
したがって、引用商標1は、要部の一つである「VAKKO」の欧文字部分から「バッコ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(イ)引用商標2は、「WAKO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、特定の意味合いを表すものとして認識され、親しまれた語でもないから、特定の観念を生じないものである。
そして、引用商標2のように特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国において広く親しまれているローマ字又は英語読みに倣って称呼されるのが一般的といえるから、引用商標2は、「ワコ」又は「ワコー」の称呼を生じるものである。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して「ワコ」又は「ワコー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)本件商標と引用商標1の類否について
本件商標及び引用商標1は、上記ア及びイ(ア)のとおりの構成からなるところ、全体の外観を比較したときには、その構成態様において明らかな差異を有するものである。
また、本件商標の要部の一つである「wacco」の文字部分と引用商標1の要部の一つである「VAKKO」の文字部分との類否についてみると、外観においては、構成文字全体として小文字と大文字の差異を有し、1文字目の「w」と「V」並びに3文字目及び4文字目の「cc」と「KK」の文字の差異を有するところ、その差異が、比較的短い5文字構成からなる両者の外観の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえないから、両者は判然と区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「ワッコ」の称呼と引用商標1から生じる「バッコ」の称呼を比較すると、両者は、称呼の聴別上重要な要素を占める語頭において「ワ」と「バ」の音の差異を有するところ、この差異が、促音を含めても3音という短い音構成よりなる両称呼において、全体の音調、音感に及ぼす影響は小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が異なり、互いに聴き誤るおそれはないものである。
そして、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、観念において比較することができないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきものである。
(イ)本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2は、上記ア及びイ(イ)のとおりの構成からなるところ、全体の外観を比較したときには、その構成態様において明らかな差異を有するものである。
また、本件商標の要部の一つである「wacco」の文字部分と引用商標2との類否についてみると、外観においては、構成全体として小文字と大文字の差異を有し、本件商標が5文字から構成されているのに対し、引用商標2は4文字から構成されているものであるから、本件商標と引用商標2とは、その構成文字数を異にするものであり、また、その中間において「cc」の文字と「K」の文字に外観上明確な差異を有するものである。
そして、その差異が、5文字及び4文字という比較的短い文字構成からなる両者の外観の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえないから、両者は判然と区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「ワッコ」の称呼と引用商標2から生じる「ワコ」及び「ワコー」の称呼を比較すると、本件商標と引用商標2から生じる「ワコ」の称呼との比較では、1音目において促音を伴うか否かの差異、本件商標と引用商標2から生じる「ワコー」の称呼との比較では、1音目において促音を伴うか否かの差異及び語尾音において長音の有無の差異を有するところ、それらの差異が、短い音構成よりなる両称呼において、全体の音調、音感に及ぼす影響は小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が異なり、互いに聴き誤るおそれはないものである。
そして、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標2とは、観念において比較することができないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきものである。
エ 小括
以上によれば、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲(引用商標1)




異議決定日 2021-10-28 
出願番号 商願2019-155001(T2019-155001) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 白鳥 幹周上山 達也 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 小田 昌子
杉本 克治
登録日 2020-12-24 
登録番号 商標登録第6333963号(T6333963) 
権利者 山本 あゆみ
商標の称呼 ワッコオヤコノミズギ、ワッコ、オヤコノミズギ、オヤコノ 
代理人 粕川 敏夫 
代理人 狩生 咲 

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