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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない W353645
審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効としない W353645
管理番号 1380071 
審判番号 無効2020-890048 
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2020-06-10 
確定日 2021-11-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第6024905号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第6024905号商標(以下「本件商標」という。)は、「BBCG」の欧文字を大きく横書きし、その下に「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の片仮名を小さく横書きした構成よりなり、平成29年4月13日に登録出願、別掲のとおりの役務を指定役務として、同30年2月2日に登録査定、同年3月9日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
本件審判請求人(以下「請求人」という。)が、本件商標の登録の無効の理由において、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第3012099号商標
商標の構成:BCG
指定役務:第35類「経営の診断及び指導」
登録出願日:平成4年9月22日(特例商標)
設定登録日:平成6年12月22日
2 登録第3309921号商標
商標の構成:BCG
指定役務:第35類「財務書類の作成」
登録出願日:平成5年6月17日
設定登録日:平成9年5月23日

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を審判請求書及び回答書において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第46号証(枝番号を含む。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」のように省略して記載する。
1 請求の理由の要点
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、請求人の業務に係る商標として国際的に高い周知著名性を有する引用商標「BCG」と同一又は類似する商標であり、その指定役務は、引用商標が周知著名性を獲得した役務との関連性が高いものであって、需要者の範囲も一致すること等から、本件商標をその指定役務について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、請求人の周知著名な商標「BCG」を想起・連想し、あたかも請求人又はこれと何らかの関係を有する者が取り扱う業務に係る役務であるかのごとく認識して取引にあたると考えられるため、その出所について混同を生ずるおそれが高いものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、請求人の略称として著名な「BCG」を含む商標であって、かつ、請求人の承諾を得て出願・登録されたものではない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。
2 具体的理由
(1)引用商標の周知著名性
ア 請求人の歴史と沿革
請求人は、1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして設立された、アメリカ合衆国に本社を置く事業コンサルティング会社である。請求人は、約21,000名のスタッフを擁し、世界50か国、90拠点以上にオフィスを展開するグローバルな事業コンサルティングファームとして広く知られている。世界的に上位500社の3分の2がクライアントになっているともいわれており、営業収入は85億ドル(約9,300億円)にのぼる(甲4、甲5の9)、世界的なトップコンサルティングファームである。
2019年には米国の経済紙「FORTUNE」誌が主催する「100 Best Companies to Work For」において10位にランキングされ、日本でも、2018年には東京大学や京都大学の就職先人気ランキングで2位になるなど、高い注目と人気を集めている(甲5の1)。
イ 請求人の周知著名性
請求人は、世界屈指の経営コンサルティングファームとして50年以上にわたって世界的に事業活動を展開してきた。特に、日本においては、本拠ボストンに次ぐ第2番目の拠点を置いたことからも明らかなように、古くから活発にコンサルティングファームとして活動し、多数の企業・事業者に対してサービスを提供してきており、これらの事情からすれば、請求人が諸外国のみならず、我が国においても周知著名であることは明らかである。
例えば、「コンサルタント転職支援、実績No.1の人材紹介会社ムービン。業界出身者が転職をサポート!」「Movin’ Strategic Career」とのウェブサイトにおける「コンサルティングファーム業界ランキング」の2020年版ランキングにおいても「ボストンコンサルティンググループ(審判請求書において、請求人を表すものとして「ザ ボストン コンサルティング グループ」「ボストンコンサルティンググループ」「ザ ボストン コンサルティング グループ,インク.」等の表記が混在しているが、以下、単に請求人のことを指すときは「ボストンコンサルティンググループ」と表記する。)が2位にランクされており、「1963年ブルース・ヘンダーソンや、後に初代日本支社代表も務めたジェイムズ・アベグレンらによって設立された、経営戦略コンサルティングファーム。」「経営者、大学教授等に転じた著名人も多く人材輩出ファームとしても有名。」と解説されている(甲5の2)。そして、同ウェブサイトのランキングにおいて「ボストンコンサルティンググループ」が2015年(甲5の3)、2016年(甲5の4)、2017年(甲5の5)、2018年(甲5の6)、2019年(甲5の7)のいずれの年度においても上位3位以内にランキングされていることからすれば、コンサルティング業界において、請求人が世界屈指のコンサルティングファームとして周知著名であり、その周知著名性が本件商標の登録出願時(2017年)及び登録査定時(2018年)においても一貫して認められるものであったことは明らかである。
また、我が国を代表する多数の有力企業において請求人の出身者が活躍している(甲5の11)。このことに照らしてみても、本件商標の指定役務の取引者・需要者において、請求人が世界屈指のコンサルティングファームとして周知著名であることが推察される。
我が国において、ビジネスパーソンのほとんどが購読している「日本経済新聞」や「日経産業新聞」といった新聞紙面においても、請求人の名称は様々な経済指標や市場データの提供者としてほぼ毎日のように言及されている(甲6の1?甲6の39)。
本件商標の指定役務は、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,経営に関するコンサルティング」といったいわゆる経営コンサルティング、第36類「税務相談,税務代理,税務相談・税務代理に関する情報の提供,相続税に関する税務相談又はそれに関する情報の提供,金融資産の相続税等の税金に関する助言及び指導」といった税務・金融・財政に関するコンサルティング、第45類の「社会保険に関するコンサルティング」といった法務・社会保険に関するコンサルティングを指定するものであるが、これらの役務は、まさに引用商標が使用され、周知著名性を確立している分野の取引者・需要者を対象とする役務であって、こうした取引者・需要者の間において、請求人の名称は広く認識されている。
ウ 請求人名称の略称としての「BCG」の著名性
請求人は、「Boston」「Consulting」「Group」のそれぞれの頭文字をとって「BCG」と略称されている。
例えば、甲5の8は「コンサルタント転職支援、実績No.1の人材紹介会社ムービン。業界出身者が転職をサポート!」「Movin’Strategic Career」とのウェブサイトにおける請求人の日本オフィスの求人情報を表示した画面を印刷したものであるが、「ボストン コンサルティング グループ(BCG) 転職・採用情報」のように、請求人の名称が「BCG」の略称とともに表示され、「BCG」の3文字をモチーフとしたロゴマークが大きく表示されている(甲5の8)。
また、同ウェブサイトの「ボストンコンサルティンググループの書籍情報」(甲5の10)には、本件商標の指定役務の取引者・需要者を主たる購読者層とする経営ノウハウ・経営指南に関する書籍が多数掲載されているが、それらの題号を見ると、「BCG」が請求人の略称として使用されている。
これらの書籍の表紙においては、請求人の略称「BCG」が大きく、目立つように表示されている(甲5の10)。
このことは、新聞記事などにおいて「ボストンコンサルティンググループ」の後に必ず「(BCG)」と表示されていることからも明らかであり、2018年に発行された多数の刊行物等においても請求人の名称について「BCG」との略称が用いられている(甲7の1?甲7の35)。
また、学生を対象とする就職活動関連資料においても「BCG」との略称が随所に表示されている(甲8の1?甲8の12)
これらのことからすれば、本件商標の登録出願時はもとより、その登録査定時においても、本件商標の指定役務の取引者・需要者における請求人の世界的な名声と相まって、「BCG」の文字からなる引用商標が広く認識され、周知・著名なものとなっていることは明らかである。また、「BCG」は、請求人が使用する商標として「経営の診断及び指導」のみならず、請求人の名称「ザ ボストン コンサルティング グループ,インク.」の「略称」としても著名なものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標の上段に大きく横書きされた「BBCG」は、周知著名な引用商標「BCG」をそっくりそのまま含むものである。すなわち、本件商標は「BBCG」との文字を顕著に含むものであり、まさに周知著名な商標「BCG」と他の文字「B」とを結合した商標であり、その外観構成がまとまりよく一体に表されているとしても、商標法第4条第1項第15号に該当するといわざるを得ず、ましてや「BBCG」の全体として特定の観念を生じるといったような観念上の繋がりがあるということもできない。本件商標の構成中の「BBCG」の文字部分はいわば、周知著名表示たる「BCG」に、特定の意味を有さず、自他識別力も有しない欧文字の「B」の1文字を付加結合したにすぎない商標であって、かかる表示に接した者は、それが本件商標の指定役務である各種コンサルティング業務の需要者であれば、世界屈指のコンサルティングファームとして周知著名な「BCG」すなわち「ボストンコンサルティンググループ」を想起・連想することは必定である。
ところで、本件商標には「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」との片仮名が、上段の「BBCG」の文字の大きさに対して小さな文字で付記されているが、「コンソーシアム」(consortium)とは本来「(国際)借款団」「(国際)協会、組合」の意味を有し(甲11の1)、日常的にも「同好の士のこと」「目的や好きなことを同じくする仲間」を意味する語として用いられている(甲11の2)。そして、「グループ」(group)の語も「群れ、集団、かたまり、集まり、(主義・趣味などを同じくする人の)集団、同好会」といった意味を有する語である(甲11の3)。
そうすると、両者は、いずれもほぼ同じような意味合いを有する類義の語であって、かかる2語を連続結合して使用するということは通常考えられず、「コンソーシアムグループ」との語の結合には「屋上に屋を重ねる」ような不自然さがある。このような点から考察すると、「BBCG」が「ビジネスブレインコンソーシアムグループ(Business Brain Consortium Group)」の略語であると自然に理解することはできず、これを一体のものとしてみることは妥当とはいえない。
いずれにしても、本件商標の構成上「BBCG」が欧文字4文字からなる簡潔な表示であり、この部分が視覚上大きく顕著に表示されていること、「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」がこれよりも高さにおいて5分の1の大きさの文字を19文字羅列した微細で視認しがたい構成であることからすれば、本件商標において自他識別標識として支配的な部分は「BBCG」の文字部分であり、当該文字部分が周知著名な引用商標「BCG」を含むことは争う余地がないから、商標審査基準に照らすと、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとしない理由を見出すことは困難である。
また、商標審査基準において「他人の著名な商標が既成語の一部となっているもの」は商標法第4条第1項第15号の適用対象から除くとしているが、本件商標の上段に大きく表示された「BBCG」が「既成語」ではないことも明らかである。
してみると、本件商標と引用商標の類似性の程度は、極めて高いというべきである。
イ 引用商標の周知著名性
本件商標の指定役務の取引者・需要者における請求人の世界的な名声とあいまって、「BCG」の文字からなる引用商標は、「経営の診断又は経営に関する助言,経営に関するコンサルティング」をはじめとする本件指定役務の取引者・需要者の間で広く認識されている商標である。
また、商標審査基準においては、「外国において著名な標章が、我が国内の需要者によって広く認識されているときは、その事実を十分考慮して判断する」とされており、引用商標が世界50か国、90拠点以上にオフィスを展開するグローバルな事業コンサルティングファームの商標として、米国をはじめとする諸外国において広く認識されていることも十分に考慮されなければならない。
ウ 引用商標の独創性の程度
引用商標は、アルファベット3文字を結合してなる商標であるが、本件指定役務の質や内容を記述的に表す文字ではなく、その組み合わせは恣意的なものであるといえるから、その独創性の程度は相当程度高いということができ、少なくとも、ありふれたものということはできない。
エ 本件商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との関連性の程度、取引者・需要者の共通性等
引用商標が周知著名性を獲得した役務は「経営の診断及び指導」である。これに対して、本件商標の指定役務はこれと同一の「経営の診断又は経営に関する助言,経営に関するコンサルティング」をはじめとする第35類、第36類及び第45類に属する、まさにコンサルティングサービスであり、いずれも事業者を対象とするビジネスないし会計・税務、金融及び法務の分野におけるサービスである。
したがって、本件商標の指定役務は、引用商標が周知著名性を獲得した役務と重なるものであり、また、事業者を対象とするコンサルティング(相談・助言の提供)であるという点において、性質が類似するものであって、その需要者を共通にする。
オ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標との類似性の程度は高いものがあり、引用商標の世界的な周知著名性、独創性の程度、そして、本件商標の指定役務の内容と引用商標が周知著名性を獲得した役務が重複し、その性質や需要者において共通することを総合的に考察すれば、本件商標に接した取引者・需要者が、請求人が世界的に使用する周知著名な商標である「BCG」を想起・連想し、本件商標を使用した役務が、あたかも請求人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく認識して取引にあたり、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第8号該当性について
最高裁判所は、商標法第4条第1項第8号の立法趣旨は、出所の混同防止を図る他の法条とは異なり、法人を含む人の人格的利益を保護することにあると述べており、かかる立法趣旨に照らせば、ある略称が著名であるか否かを判断するにあたっては、その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきとしている(国際自由学園事件)。
当該判決を踏まえて本件を考察すると、まず、本件商標の指定役務の取引者・需要者における請求人の世界的な名声とあいまって、引用商標は、本件指定役務の取引者・需要者の間で広く認識されている商標である。次に、「BCG」は、請求人の名称「ザ ボストン コンサルティンググループ,インク.」の「略称」として、請求人自らがそのウェブサイトをはじめとする広告宣伝媒体や書籍において使用するのみならず、日本経済新聞をはじめとする新聞や雑誌等においても「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」といったように表記され、報道されていることに照らしてみると、「BCG」との略称は、請求人を指し示すものとして、一般に「ザ ボストン コンサルティング グループ,インク.」の名称と同様に請求人を指し示すものとして受け入れられているといえるから、請求人の名称と同様に、商標法第4条第1項第8号による保護に値する「著名な略称」にあたるものといえる。
これに対して、本件商標は上段に「BBCG」の文字を大きく目立つ欧文字で横書きし、その下段に「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」との片仮名を併記してなる商標であり、請求人の著名な略称「BCG」を含む。
この点、商標法第4条第1項第8号における「含む」とは、「単に物理的に『含む』状態をもって足りるとするのではなく、その部分が他人の略称等として客観的に把握され、当該他人を想起・連想させるものであることを要すると解すべきである」とされる(甲13)。
しかるに、本件商標は、上段に「BBCG」の文字を顕著に表示し、その下段に示された「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」は小さく表示されていることから注意を惹くものとはいえないし、また、「BBCG」が「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」(Business Brain Consortium Group)の略称(頭文字語)として一般的に知られ、通用しているという事情もない。そして、「BBCG」が欧文字4文字を羅列しただけの構成であって、必ずしもこれを一体不可分のものとしてみなければならないとする理由はないことに加えて、上段の「BBCG」からは「ビービーシージー」の称呼以外の称呼が生じる余地がなく、かかる「ビービーシージー」の称呼には、請求人の略称「BCG(ビーシージー)」がそっくり包含されることになる。
そうすると、本件商標が単に請求人の略称「BCG」を物理的に含むとみることは妥当ではなく、本件商標の「BCG」の部分は請求人の略称として客観的に把握され、かつ、請求人を想起・連想させるものというべきである。
過去の裁判所の判断事例に照らして考察するに、本件商標は、「BBCG」(ビービーシージー)が全体として特定の意味を生じるものではなく、その一部から請求人の略称を想起・連想することも十分可能であること、これから生じる唯一の称呼が「ビービーシージー」であり、請求人の略称「BCG」から生じる称呼が包含されること、「BBCG」と「BCG」の相違点は「B」1文字にすぎず、微差であること、加えて、本件商標は、まさに引用商標や請求人の略称が周知著名性を獲得した業務である「コンサルティング業」そのものについて使用されるものであり、本件商標に接することになる需要者や取引者の間においても「BCG」といえば請求人であると容易に想起し、連想されるであろうことを総合的に考慮するならば、本件商標は、請求人の略称「BCG」を物理的に包含するのみならず、当該「BCG」の文字部分が請求人の略称等として客観的に把握され、請求人を想起・連想させるものというべきである。
したがって、本件商標の登録によって、請求人において、「自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない」人格的利益(甲12)が侵害されることになることは明白である。
そして、請求人が本件商標権者に対して本件商標を出願登録することについて承諾を与えたことはない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
3 回答書における主張
(1)本件商標の登録出願前及び登録査定前に「BCG」のみの表記で使用されている証拠について
ボストンコンサルティンググループ東京事務所では、所属する「シニアエキスパート」コンサルタントを紹介するパンフレットを作成し、顧客向けに頒布している。
当該パンフレットの表紙には、大きく「BCG」の文字が表示されており、その裏表紙にも「BCG」の文字が表示されている(甲16?甲27:ただし、甲26と甲27については「BCG」は裏表紙に表示されている)。
また、本件商標の登録出願(2017年4月13日)前及び登録査定(2018年2月9日(審決注:「2日」の誤記と思われる。)前の資料として、合計193点を提出する(甲28の1?甲44の18)。これらの中には、「BCG」の表示とともに、「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」の表示が併用されているものもあるが、以下に述べるとおり、このことは、引用商標であり、請求人の略称でもある「BCG」の周知著名性を否定するものではなく、その周知著名性を正しく認定する資料として参酌されるべきものと考える。
(2)書籍(甲5の10)の書籍の販売部数を客観的に把握できる証拠について
これらの書籍の発行部数について、出版社から得ている情報は非開示情報であるため、証拠として提出することができない。また、公開された情報で書籍の「タイトルごとの発行部数」を調べることができる資料は、国立国会図書館のウェブページ(「リサーチナビ」)においても「今のところ見当たりません」とされている(甲45)。
しかし、例えば、「BCGが読む経営の論点2018」という書籍は、その後2019年版、2020年版が発行され、現在2021年版として「BCGが読む経営の論点2021」が販売されているが、amazon.co.jpのウェブサイトによれば、2021年1月19日現在において、同書は「企業経営一般関連書籍」の売れ筋ランキングにおいて、第9位のベストセラーとなっている。このことからすると、請求人の書籍は、ビジネスマンや経営者の間において、相当程度注目された人気のあるものであることは明らかであり、甲5の10に挙げた書籍についても相当多数にわたる数が発行され、販売されたものである。
(3)引用商標の使用例と周知著名性について
被請求人は、引用商標について、「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」や「ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)」のように表示されているものを「第1使用例」とし、「BCG」とは別に、「必ずどこかに『ボストンコンサルティンググループ』が記載されている」ものを「第2使用例」とした上で、第1使用例に接した者は、「決して『BCG』を商標として認識しているのではなく、その記事等の限りにおいて『ボストンコンサルティンググループ』の略称と定義されていることをまず認識し、そしてその記事等の限りにおいてだけ『BCG』を『ボストンコンサルティンググループ』と認識して記事を読むだけであ」ると主張し、第2使用例についても同様に「その記事等の限りにおいてだけ『BCG』が『ボストンコンサルティンググループ』であると認識して記事を読むだけであ」ると主張し、「その記事等の中でだけ請求人名称の『ボストンコンサルティンググループ』と『BCG』が紐づけられるだけであり」「その記事等から離れてしまえばその紐づけは当然ながら切れてしま」うなどと述べているが、誤りである。
新聞や雑誌等の記事において「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」や「ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)」との記載があるとしても、あるいは、その記事において「BCG」と記載され、その同じ記事のどこかに「ボストンコンサルティンググループ」との記載があったとしても、その記事に接した者は「『BCG』は『ボストンコンサルティンググループ』のことなのだ」という認識を抱くことになる。そして、そのような記事に接した者が抱く「『BCG』は『ボストンコンサルティンググループ』のことなのだ」との認識は、その者の記憶や印象に残ることになる。決して、その記事等の限りにおいて「BCG」=「ボストンコンサルティンググループ」と認識し、その記事を読み終わった後に、そのような認識が「消去」されることにはならない。当該記事等のどこかに「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」や「ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)」あるいは「ボストンコンサルティンググループ」との記載があったとしても、それは「BCG」が「ボストンコンサルティンググループ」の略称であることを注意的に示しているものであり、その他の部分で「BCG」と表示、記載されていれば、そのような記事等に接した者は、「BCG」を「ボストンコンサルティンググループ」の略称として認識し、そのような表示や記載が蓄積されれば蓄積されるほど、「BCG」は「ボストンコンサルティンググループ」を直ちに感得する表示として、あるいは、その略称として定着し、周知著名性を蓄積することになるのである。
(4)本件指定役務の需要者の認識について
被請求人は、インターネットの検索結果や「広辞苑」に依拠して、「『BCG』といえば、圧倒的に『BCGワクチン』の略称としてなじみがある」と主張する。
しかし、「BCG」がどのように認識されるかは、本件商標に接することになる需要者、すなわち本件指定役務の需要者を基準として認定されるべきである。「経営の診断又は経営に関する助言」をはじめとする本件指定役務の分野においては、「BCG」といえば、請求人、すなわち「ボストンコンサルティンググループ」を意味するものと認識されている。このことは、ビジネスコンサルタント、会計士、税理士、社会保険労務士等が、あるいは、これらの者から助言や相談のサービスを受けようとする者が、甲5の10に挙げたような書籍の表紙に「BCG」とあるのを見て「BCGワクチンに関する本かな」と認識することはまずあり得ないことからしても、明らかである。
(5)請求人による「BCG」の使用について
被請求人は、請求人自身が主体的に「BCG」を使用していることを示す証拠は甲8の1、甲8の2、甲8の12だけであると主張し、また、いずれにおいても「BCG」単独の使用はなく、「ボストンコンサルティンググループ」が大きく表示されていると主張する。
しかし、甲16ないし甲25は請求人が顧客向けに頒布している資料であるところ、表紙及び裏表紙に「BCG」と表示されている。甲26及び甲27においても、裏表紙部分に「BCG」と表示されている。
また、雑誌に掲載された記事であっても、例えば、甲29の2には「BCG流」との表示があるが、当該資料は請求人の日本事務所に所属するコンサルタントが執筆した記事であり、請求人の知見を読者に提供するとともに、請求人が提供する業務の広告の性質を有するものでもあって、ここでは、請求人が「BCG」を「ボストンコンサルティンググループ」の商標として、あるいは、その略称として、主体的に使用しているといえる。同様に、請求人日本事務所に所属するメンバーらが執筆した記事の見出し等における「BCG」「BCG流」などの使用は、請求人が主体的に「BCG」を「ボストンコンサルティンググループ」の商標として、あるいはその略称として使用しているものといえる(甲29の3?甲29の5、甲30の1、甲30の2、甲30の4、甲30の5、甲30の8、甲30の9、甲31の1、甲31の4?甲31の6、甲32の1、甲32の3?甲32の5、甲33の1?甲33の7、甲34の1?甲34の3、甲35の1?甲35の3、甲35の6、甲36の1?甲36の3、甲37の1、甲37の5、甲40の2、甲40の6、甲40の7、甲40の12、甲40の14、甲40の16、甲40の18、甲40の23、甲40の25、甲40の26、甲41の1、甲41の3、甲41の5、甲41の11?甲41の15、甲41の20?甲41の24、甲43の1、甲43の3?甲43の13、甲43の38、甲43の40)。
また、甲40の8、甲40の11、甲41の9、甲41の18、甲41の19、甲42の2、甲43の1、甲43の17では、当該記事を執筆したり、当該記事でインタビューを受けた請求人日本事務所に所属するメンバーを引用商標「BCG」を表示した請求人日本事務所で撮影した写真が使用されており、これらも請求人が「BCG」を主体的に使用していることを示す証拠である。
さらに、甲5の10に示した、請求人が著作、編集した書籍の表紙に「BCG」と表示したり、その題号中に「BCG」の文字を使用していることも、請求人が「BCG」を主体的に使用していることを示す証拠である。被請求人は、「BCG」との表示や記載があっても、「ボストンコンサルティンググループ」との請求人名称も表示されているから「『BCG』そのものの周知著名性の証拠といえるものでは」ないとか、「あくまでも周知著名な『ボストンコンサルティンググループ』と一緒に使用された場合にだけ『BCG』は、その時に限り略称として便宜上機能しているだけであ」るなどと述べ、あたかも「ボストンコンサルティンググループ」との表示が併用されている場合には「BCG」の表示は完全に捨象され、そこに存在しないかのように評価すべきであると主張しているようであるが、不当である。「ボストンコンサルティンググループ」や「BOSTON CONSULTING GROUP」の表示が併用されている場合であっても、「BCG」の表示が使用されている以上は、その表示は引用商標の周知著名性の蓄積に貢献し、寄与するのである。
(6)引用商標及び請求人の略称の周知著名性について
被請求人は、請求人が提出した証拠の多くが本件商標の登録出願日よりも後の日付に係るものであり、本件商標の登録出願日における引用商標の周知著名性についてはわからないと主張する。
しかしながら、甲6の2ないし甲6の39は、本件商標の登録出願日よりも前の日付に係る資料であるし、その他の書証についても、たとえ本件商標の登録出願日よりも後の日付に係る資料であっても、甲6の2ないし甲6の39と合わせて検証すれば、引用商標が本件商標の登録出願日である2017年4月13日以降に突如としてこの世に生まれて、使用が開始されたというようなものではなく、これよりも前から継続的に使用されてきたものであることは明らかであるから、本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標ないし請求人略称の周知著名性の認定の資料となるものと考える。
加えて、本件商標の登録出願日よりも先の日付に係る資料として提出する甲28の1ないし甲44の18に徴すれば、引用商標及び請求人略称としての「BCG」が本件商標の登録出願日及び登録査定時において周知著名であったことは明らかである。
(7)商標法第4条第1項第15号該当性について
被請求人は、本件商標は下段の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」と上段の「BBCG」が結合した商標であり、全体として一体不可分であると主張する。
しかしながら、対比される2の商標の類似性の程度については、一方の商標に接した取引者・需要者が時と処を異にして他方の商標に接したときにその記憶や印象に基づいてどのように認識するかを、離隔的に観察するべきであり、そのような観点からすれば、本件商標に接した取引者・需要者の記憶や印象には上段に大きく書かれた「BBCG」の文字が残り、その下に小さく書かれた「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の文字は、音数で数えれば19音という、記憶するには冗長にすぎるものであって、本件商標に接した者の記憶や印象からは容易に捨象されるというべきである。
よって、本件商標は、上段の「BBCG」と下段の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」とが、それらが分離したものとして観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているものではない(最高裁判所第一小法廷判決昭和38年12月5日参照)。
そして、「BBCG」と「BCG」は、4文字中3文字が共通し、外観上極めて類似性が高いというべきである上、冒頭の「B」、あるいは、これから生じる「ビー」の音が付加されているといっても、これらの文字や音自体には何らの意義もなく、観念も生じないことからすれば、外観上の類似性を大きく凌駕するものとまではいえない。
被請求人は他の事案における特許庁の判断例を引用しているが、請求人の商標として、また、その略称として周知著名な「BCG」をそっくりそのまま包含する本件商標の審査において考慮すべき事例ではない。
引用商標及び請求人略称としての「BCG」が本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知著名であったことは明らかである。
また、被請求人は「BCG」は「ボストンコンサルティンググループ」の頭文字をとっただけのものであるから独創性は低いと主張するが、ある商標や表示の独創性が高いか低いかは、それが別の名称等の頭文字語であるかどうかとは関係がない。あくまでもその表示が、一般的に使用されるありふれたものであるかどうかによって評価されるべきである。この点、「BCG」との文字が本件商標の指定役務に関して、普通名称であるとか、役務の質等を表示する語として一般的に使用されているというような事情はないから、独創性は高いというべきである。
被請求人は、本件商標の指定役務は極めて専門性が高いものであり、サービスが提供されるのは対面で行われることが多く、取引者、需要者において払われる注意力の程度は高いと主張するが、そうであるとしても、そのことは、引用商標が周知著名性を獲得した役務と本件商標の指定役務とがいずれも事業者を対象とするビジネスないし会計・税務、金融及び法務の分野におけるサービスとして重複し、事業者を対象とするコンサルティング(相談・助言の提供)であるという点において、性質が共通するものであり、その需要者を共通にするものであることを何ら左右しない。
以上のように、被請求人の主張はいずれも妥当なものとはいえず、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することは明らかである。
(8)商標法第4条第1項第8号該当性について
被請求人は、請求人の略称「BCG」について、「あくまでも『ボストンコンサルティンググループ』と一緒に使用された場合にだけ『BCG』は、その場合に限って略称として便宜上機能しているだけであ」るなどと主張する。
しかし、甲28の1ないし甲44の18に徴すると、古いものでは1990年の新聞記事において「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG、本社ボストン)」と記載されており、すでに30年以上も前から「BCG」が請求人名称の略称として使用されている(甲28の1)。そして、これらの記事の見出しでは「NTTデータとBCG」(甲28の1)、「米大手のBCG」(甲28の2)、「BCG調査レポート」(甲28の3)、「BCGコンサル報酬、株式で」(甲29の1)、「BCGが世界石油市場見通し」(甲30の6)、「BCG、世界大手と比較」(甲31の7)、「BCGのサーキン氏に聞く」(甲40の1)のように、「BCG」が請求人の略称として目立つように使用されている。また、請求人に所属するコンサルタントらが執筆した記事や書籍においても、「BCG」や「BCG流」のように、「BCG」が請求人の略称として使用されている。
このような資料に照らすと、これらの資料において、「BCG」が「ボストンコンサルティンググループ」の略称であることを注意的に示す表示があったとしても、そのことは、被請求人が主張するように「BCG」が請求人の略称であること、これらに接した者が「BCG」=「ボストンコンサルティンググループ」であることを認識すること、その結果として、引用商標や請求人略称が周知著名であることを否定することにはならず、むしろ逆に「BCG」=「ボストンコンサルティンググループ」であるとの認識を広め、強調し、その周知著名性を補強するものというべきである。
被請求人は、「『BCG』が著名な略称と主張するのであれば、請求人自身が主体的に使用する場面において『BCG』のみ使用する」はずであるかのように論難するが、「BCG」が請求人の名称そのものではなく、その略称である以上、かかる略称と合わせて名称を併用することは何ら不合理なことではない。本来の名称を併用することが、すなわち略称の周知著名性を否定することになるかのごとき被請求人の主張に合理性はない。
「BCG」は、請求人の名称の「略称」として、請求人自らが、ウェブサイトや「シニアエキスパートリスト」のような取引書類や、請求人の所属メンバーが執筆・著述する書籍や雑誌等に掲載される解説や評論において使用するのみならず、新聞や雑誌等においても「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」といったように表記され、既に30年もの長期間にわたって使用されているのであるから、「BCG」との略称は、請求人を指し示すものとしてその名称と同様に請求人を指し示すものとして受け入れられているというべきである。
商標法第4条第1項第8号にいう「含む」の意義に関して、被請求人は、本件商標は上段の「BBCG」と下段の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」が一体不可分のものである等と主張し、本件商標の上段部分から請求人の略称「BCG」を客観的に把握し、請求人を想起・連想することはないと主張する。
しかし、本件商標は、「BBCG」(ビービーシージー)が全体として特定の意味を生じるものではなく、その「BCG」の文字部分から請求人を直ちに想起・連想するものであること、これから生じる唯一の称呼が「ビービーシージー」であり、請求人の略称「BCG」から生じる称呼が包含されること、「BBCG」と「BCG」の相違点は語頭部に「B」1文字を重ねたにすぎないこと、加えて、本件商標は、まさに引用商標や請求人の略称が周知著名性を獲得した業務である「コンサルティング業」そのものについて使用されるものであり、本件商標に接することになる需要者や取引者の間においても「BCG」といえば請求人(ボストンコンサルティンググループ)であると容易に想起し、連想されることを総合的に考慮すれば、本件商標の上段の「BBCG」のうち「BCG」の文字部分が請求人の略称等として客観的に把握され、請求人を想起・連想させるものというべきである。
よって、本件商標が商標法第4条第1項第8号に該当することは明らかである。
(9)結語
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、かつ、同項第8号にも該当するものであるから、その登録は無効とされなければならない。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙7を提出した。
1 引用商標の周知著名性について
(1)「BCG」の周知著名性の証拠として、請求人は、甲5の8、甲5の10、甲7の1ないし甲7の35、甲8の1ないし甲8の12を提出しているが、これらの証拠の使用例は、そのほとんどが「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」という使用や「ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)」という使用(以下「第1使用例」という。)であり、又は、必ずどこかに「ボストンコンサルティンググループ」が記載されている使用(以下「第2使用例」という。)である(乙1)。つまり、「BCG」とともに「ボストンコンサルティンググループ」が記載されている使用に関する証拠であり、「BCG」だけが単独で使用されている証拠ではない。
これは、例えば「記者ハンドブック(第13版)(共同通信社)」(乙2)には、「略語、略称はごく一般化したものを除き、初出から単独で使わない。まず略さない日本語名称をフル表記し、丸かっこ内に略語、略称を入れる。2度目からは略語、略称を書く。」とあるように、記事等における書き方の基本に沿って使われているだけである。
このような第1使用例の場合、「ボストンコンサルティンググループ(BCG)」や「ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)」という使用例に接した者は、決して「BCG」を商標として認識しているのではなく、その記事等の限りにおいて「ボストンコンサルティンググループ」の略称と定義されていることをまず認識し、そしてその記事等の限りにおいてだけ「BCG」を「ボストンコンサルティンググループ」と認識して記事を読むだけである。
また、第2使用例においても同様であり、「ボストンコンサルティンググループ」の記載が必ずあるからこそ、その記事等の限りにおいてだけ「BCG」が「ボストンコンサルティンググループ」であると認識して記事を読むだけである。
つまり、その記事等の中でだけ請求人名称の「ボストンコンサルティンググループ」と「BCG」が紐づけられるだけであって、その記事等から離れてしまえば、その紐づけは当然ながら切れてしまい、「BCG」がそもそも請求人の名称の略称としても認識されているわけではない。「BCG」だけになってしまうと、単に3文字の欧文字が並んでいるだけ、あるいは、全く別の意味として認識されてしまう。
特に、我が国においては、「BCG」といえば、圧倒的に「BCGワクチン」の略称として馴染みがあり、例えば、ネットで検索しても「BCG」で検索を行えば、上位でヒットするのは全てこの「BCGワクチン」に関連するものである(乙3)。また、広辞苑においても「BCG」とは「カルメットーゲラン菌。永年人口培養して無害とした牛型結核菌。」というような記載(乙4)があるように、「BCG」といえば「BCGワクチン」のことであると広く知られている。つまり、単独で「BCG」が使用されると、我が国においては「ボストンコンサルティンググループ」の略称として認識されるのではなく、通常は「BCGワクチン」の略称という程度にしか認識されない。
(2)確かに、提出された証拠の中には「BCG」だけしか記載されていないものもあるが、甲7の16、甲7の17、甲7の23は、ネット上の記事であり、「ボストンコンサルティンググループ」の社員であるH氏にはリンクが設定されており、そのリンク先に「ボストンコンサルティンググループ」との記載も当然ながらある(乙5)。つまり、「BCG」が何の略称かを知らなくとも、興味があればリンク先で確認することもできる。
(3)一方で、甲7の35、甲8の9は、確かに「BCG」だけしか記載されていない(なお、甲7の35と甲8の9は、同じ資料である。)。
ところで、請求人は、「BCG」の周知著名性の証拠として多数の証拠を提出しているが、その証拠の中に請求人自身が主体的に「ボストンコンサルティンググループ」を含め「BCG」を使用しているのは、自社のホームページと思われる甲8の1、甲8の2と、広告である甲8の12だけである(なお、いずれにも「BCG」単独の使用はなく、「ボストンコンサルティンググループ」が大きく表示されている)。
その他の証拠については、他社による新聞や雑誌、ネットの配信記事であり、請求人である「ボストンコンサルティンググループ」そのものを紹介する目的の記事ではなく、請求人を一部に登場させている程度のものである。記事の内容は出版社側で編集されるが、出版社は紙面の都合上、制限された文字数や制限された表現を使わざるを得ない。
したがって、請求人が提出した証拠においても、「BCG」と「ボストンコンサルティンググループ」とを請求人側で使い分けているというよりも、その多くが出版社側の編集の都合上、「BCG」と「ボストンコンサルティンググループ」とが出版社側で使い分けられているだけと考えるのが一般的である。
つまり、甲7の35、甲8の9は、確かに「BCG」だけしか記載されていないとは述べたが、この雑誌の他のページにおいては「BCG」ではなく「ボストンコンサルティンググループ」との記載もある(乙6)。
そうすると、請求人が「BCG」の周知著名性の証拠として提出しているいずれの証拠も、「BCG」そのものの周知著名性の証拠といえるものではない。
そして、「BCG」は周知著名なものではない。あくまでも周知著名な「ボストンコンサルティンググループ」と一緒に使用された場合にだけ「BCG」は、その時に限り、略称として便宜上機能しているだけである。
(4)例えば、乙7にあるように、「略称の方が馴染みがある」ような略称であれば、略称単独であっても、正式名称を離れ周知著名な商標として認識することができる。このことから、略称が周知著名といえるには、正式名称(請求人名称)に対して略称の方が少なくとも同等以上に馴染みのあるものでなければならない。
略称の方が正式名称以上に馴染みがあってこそ、略称が単独で使用された場合にも取引者・需要者には商標として認識されるのであり、正式名称に至らない認識の略称であれば、略称が単独で使用されていても、取引者・需要者がそもそも商標として認識できない。
よって、「BCG」そのものは取引者・需要者においても広く認識されているとはいえず、周知著名なものではない。
また、「ボストンコンサルティンググループ」の略称としても、「BCG」は、取引者・需要者においても広く認識されているとはいえず、周知著名なものではない。
(5)商標法第4条第1項第8号及び同項第15号については、本件商標の登録出願日である平成29年(2017年)4月13日の時点において、引用商標が周知著名なものとなっている必要がある。
しかしながら、請求人が「BCG」の周知著名性の証拠として提出した甲5の8、甲5の10、甲7の1ないし甲7の35、甲8の1ないし甲8の12については、一部の資料に日付がわからないものもあるが、そのほとんどが本件商標の登録出願日(平成29年(2017年)4月13日)以降のものである(乙1)。
このような資料を多数提出されたところで、本件商標の登録出願日における引用商標の周知著名性についてはわからない。
2 商標法第4条第1項第15号について
商標審査基準等に照らして考察しても、本件商標に接した取引者・需要者は、周知著名でない「BCG」を想起・連想することはなく、本件商標を使用した役務が、請求人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく認識して取引にあたることはなく、役務の出所について混同を生ずるおそれはない。
(1)本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標は、下段に横書きされた「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の文字部分(以下「本件下段部分」という。)と、上段に横書きされた「BBCG」の文字部分(以下「本件上段部分」という。)が結合した商標である。
この本件下段部分の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の文字は、本件上段部分の「BBCG」よりも横に長く、さらに「BBCG」の両端の文字である「B」と「G」の文字から、若干外側にまでバランスよく達する構成となっている。つまり、本件下段部分の文字が幅広く、本件上段部分がそれに比べ狭くなっている構成であることから、本件下段部分の上に本件上段部分が載っているというようイメージを与え、通常本件下段部分と本件上段部分とが一体性を感じる商標となっている。
また、本件下段部分は、本件上段部分よりも小さな文字ではあるが、はっきりと「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」と認識できる文字となっている。少なくとも、これに接した取引者・需要者は、本件上段部分とともに本件下段部分について容易に認識することができる。
そして、本件上段部分は、特定の意味を有する文字として辞書に掲載されているわけでないから、特定の語義を想起しない造語として認識され、取引者・需要者はその意味を探ろうとするのが普通である。
そうすると、本件下段部分は必ず目に入るので、本件下段部分の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の文字から、本件上段部分を略称として認識し、取引者・需要者は、本件下段部分と本件上段部分とで観念上の関連性を感じることになる。
したがって、本件商標は、本件下段部分と本件上段部分とが全体として不可分一体的に結合した商標といえる。
以上の点から、本件商標と引用商標を比較すると、称呼、外観、及び観念において相紛れるおそれのないことは明らかであり、本件商標と引用商標の類似性はない。
また、本件上段部分の「BBCG」は、4文字の欧文字からなる。
そうすると、本件上段部分に接する者は、日本語に接する場合に比べて、欧文字からなる他の単語が包含されているのかを判断することは非常に困難である。つまり、引用商標である「BCG」は「BBCG」に埋没してしまっており、本件上段部分に接する者は本件上段部分を一体のものとして認識する。
さらに、本件上段部分は、各文字が同一の書体、同一の大きさ、同一の間隔で配置されていることから、あえて「B」と「BCG」を分離して観察すべき理由もない。
したがって、本件上段部分は引用商標と外観において類似しない。
また、本件上段部分からは、「ビービーシージー」という一連の称呼が生じるところ、「ビー」と「ビーシージー」というように途中で区切って称呼しなければならない理由もない。むしろ、本件上段部分が欧文字4文字という短い文字数であれば、「ビービーシージー」という一連の称呼が生じるのが自然である。
したがって、本件上段部分は、引用商標と称呼において類似しない。
また、本件上段部分は、特定の語義を想起しない造語として認識されることから、何らかの観念を生じるものではない。
したがって、本件上段部分は、引用商標と観念において類似しない。
以上の点から、本件上段部分と引用商標を比較すると、称呼、外観、及び観念において相紛れるおそれのないことは明らかであり、本件上段部分と引用商標「BCG」との類似性はない。
(2)引用商標の周知著名性及び独創性について
引用商標「BCG」そのものについては、周知著名性はない。あくまでも「ボストンコンサルティンググループ」と一緒に使用された場合にだけ、「BCG」は、その場合に限って略称として便宜上機能している。
また、単にアルファベット3文字の結合である引用商標に高い独創性があるとはいえないし、請求人の正式名称である「ボストンコンサルティンググループ」の頭文字をとっただけのものである。正式名称の頭文字が異なれば、当然異なるアルファベットの結合からなる商標となるので、引用商標の独創性は低い。
(3)本件商標と指定役務と他人の業務に係る役務との間の関連性の程度並びに役務の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情について
本件商標の指定役務は、事業者を対象とするビジネスないし会計・税務、金融及び法務分野におけるサービスといえるものであるが、このようなサービスは、極めて専門性が高いといえる。当然ながら、取引者・需要者においても、その専門性を求めてサービスの提供を受けることから、サービスの提供者に対して相当な注意力を持って接するのが普通である。これは、サービスの提供者が異なってしまえば、取引者・需要者が期待するサービスの提供を受けられなくなることからも、当然のことである。
また、サービスを実際に提供する場面においても、その性質上、基本的には対面にて行われる。これは昨今急に増えたネット上でのサービスの提供であったとしても、通常は画面を介して対面にて行われる。
このような実情を考えれば、取引者・需要者は本件商標に関して事前に、あるいは、直接にしっかり確認するので、本件商標の指定役務の取引者・需要者において普通に払われる注意力は、相当に高いといえる。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標との類似性の程度、引用商標の周知著名性及び独創性、本件商標の指定役務と他人の業務に係る役務との間の関連性の程度並びに役務の取引者・需要者の共通性その他取引の実情について総合的に考察すれば、本件商標に接した取引者・需要者が、「BCG」を想起・連想することはなく、本件商標を使用した役務が、請求人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく認識して取引にあたることもなく、役務の出所について混同を生ずるおそれはない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第8号について
(1)商標法第4条第1項第8号に関する請求人の主張について
「BCG」そのものに関しては、著名な略称といえるようなものではなく、あくまでも、「ボストンコンサルティンググループ」と一緒に使用された場合にだけ、「BCG」は、その場合に限って略称として便宜上機能しているだけである。
これは、請求人が提出した多数の証拠の中で、請求人自身が主体的に使用している証拠となる甲8の1、甲8の2や甲8の12においても、決して「BCG」単独で使用しているわけではなく、「ボストンコンサルティンググループ」の表示とともに使用していることからも明らかである。
「BCG」が著名な略称と主張するのであれば、請求人自身が主体的に使用する場面において「BCG」のみ使用するものと思うが、請求人自身も「ボストンコンサルティンググループ」と一緒に用いていることから、「BCG」を単独で使用しただけでは「ボストンコンサルティンググループ」が認識されないか認識されないおそれがあることを認識しているからではないかと思われる。
したがって、請求人は、「『BCG』が請求人の名称と同様に、商標法第4条第1項第8号による保護に値する『著名な略称』にあたるものといえる。」と述べているが、「BCG」は請求人の名称と同様の著名性があるわけではない。
よって、「BCG」が請求人である「ボストンコンサルティンググループ」の略称として著名でない以上、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第8号における「含む」について
同号における「含む」とは、「単に物理的に『含む』状態をもって足りるとするのではなく、その部分が他人の略称等として客観的に把握され、当該他人を想起・連想させるものであることを要すると解すべきである」とされている(甲13)。
本件下段部分の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の文字は、本件上段部分の「BBCG」よりも横に長く、本件上段部分の両端の文字である「B」と「G」の文字から、若干外側にまで達する構成となっており、本件上段部分よりも小さな文字ではあるが、はっきりと「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」と認識できる文字となっている。本件上段部分が特定の語義を想起しない造語であることから、取引者・需要者は、むしろその意味を探ろうとし、本件下段部分に注目する。
また、本件上段部分の「BBCG」が一般的に知られていないからこそ、むしろ本件下段部分の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」も注目されることになり、「BBCG」と「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」が一体不可分のものとしてみることの方が自然である。
さらに、本件上段部分の「ビービーシージー」の称呼から「ビーシージー」だけ把握されることはなく、むしろ、本件上段部分がたった4文字の欧文字であることから「ビービーシージー」という一連の称呼が生じるのが自然である。
つまり、本件上段部分は、請求人の略称「BCG」を物理的に含む、というだけのことであり、本件上段部分から請求人の著名でない略称「BCG」を客観的に把握し、請求人を想起・連想するようなことはない。
請求人は、甲14及び甲15の判断事例を示すが、本件にこの判断事例は当てはまらない。
本件上段部分の「BBCG」は、むしろ請求人が甲13として提出した判断事例と同様であり、「BBCG」は、外観上一体として把握されるとみるのが自然であって、「BCG」は文字列の中に埋没して客観的に把握されることなく、請求人を想起・連想させることはない。
このように、仮に請求人の略称「BCG」が著名であるとしても、本件上段部分から請求人の略称「BCG」が客観的に把握されることはなく、請求人を想起・連想させることはない。
また、本件商標に接する者が、本件上段部分から請求人を客観的に把握し、想起・連想することがない以上、本件商標によって請求人の人格的利益が害されるおそれはない。
よって、本件商標は、請求人の略称を「含む」商標には該当せず、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
4 結び
以上述べたように、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第8号に該当するものではなく、商標法第46条第1項第1号に基づき、その登録が無効とされるべきではない。

第5 当審の判断
請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係について争いがないから、本案について判断する。
1 引用商標の周知性及び請求人の略称としての「BCG」の著名性について
(1)請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
ア 請求人は、1963年に設立された、アメリカ合衆国ボストンに本社を置く事業コンサルティング会社であり、世界50か国、90拠点以上にオフィスを展開し、営業収入は85億ドル(約9,300億円)にのぼるとされる(甲4、甲5の9)。
イ 我が国には、本拠ボストンに次ぐ第2番目の拠点を置いており、「Movin’ Strategic Career」のウェブサイトにおける「コンサルティングファームランキング」の2020年版ランキング(出典:valut.com)においては、「ボストンコンサルティンググループ」が2位にランクされており、「1963年ブルース・ヘンダーソンや、後に初代日本支社代表も務めたジェイムズ・アベグレンらによって設立された、経営戦略コンサルティングファーム。経営者、大学教授等に転じた著名人も多く人材輩出ファームとしても有名。」と解説されている(甲5の2)。そして、同ウェブサイトのランキングにおいて「ボストンコンサルティンググループ」が2015年(甲5の3)、2016年(甲5の4)、2017年(甲5の5)、2018年(甲5の6)、2019年(甲5の7)のいずれの年度においても上位3位以内にランキングされている。
ウ 「日本経済新聞」「日経産業新聞」等の新聞、雑誌、インターネット記事等において、「BCG」の語とともに請求人に関する記事が掲載されている(甲6(甲6の3及び甲6の8を除く。)、甲28?甲44)が、これらの新聞、雑誌、インターネット記事等における「BCG」に係る表記方法は、その多くが第1使用例又は第2使用例である。
エ 請求人は、「ボストンコンサルティンググループ」について、「Boston」「Consulting」「Group」のそれぞれの頭文字をとって「BCG」と略称されており、インターネットのウェブサイトにおいて、請求人の名称が「BCG」の略称とともに表示されていると主張し、また、請求人の事務所を写したと思われる写真には、壁面に「BCG」の文字が表示されている(甲40の8、甲40の11、甲41の9、甲41の18、甲41の19、甲42の2、甲43の1、甲43の17)。
オ 請求人が発行する書籍の題号には、例えば、「BCG流 非連続思考法」「BCG流 成長へのイノベーション戦略」「BCG 未来をつくる戦略思考」のように、「BCG」の文字が使用されている(甲5の10)。なお、請求人は、「BCGが読む経営の論点2021」と題する請求人の発行する書籍が、amazon.co.jpのウェブサイトによれば、2021年1月19日現在、「企業経営一般関連書籍」の売れ筋ランキングにおいて、第9位のベストセラーとなっているから、請求人の書籍はビジネスマンや経営者の間において、相当程度注目された人気のあるものである旨主張しているが、甲5の10に挙げられた書籍の発行部数は明らかではない。
カ 請求人は、自己の東京事務所が作成し、顧客向けに頒布しているパンフレットの表紙や裏表紙に「BCG」の文字が表示されている(甲16?甲27)と主張している。しかしながら、当該パンフレットの作成・頒布部数は明らかでなく、作成・頒布事実を裏付ける証拠も提出されていない。
(2)上記(1)よりすれば、請求人は、1963年に設立された、アメリカ合衆国ボストンに本社を置く事業コンサルティング会社であり、50年以上にわたって、事業を展開し、我が国においても、2番目の拠点を置いており、コンサルティング業務の分野においては、広く知られた事業者であるということができる。
そして、請求人は、本件商標の登録出願日以前から、「経営の診断及び指導」等のコンサルティング業務に引用商標を使用しており、また、自己の略称として「BCG」の文字を用いていたといい得るものである。
しかしながら、新聞、雑誌、インターネット記事等において「BCG」の文字が表示されているものの、その多くは、第1使用例又は第2使用例のように、「BCG」の文字のみで使用されているとはいえないものであり、また、請求人が発行する書籍の題号や顧客向けのパンフレットに「BCG」の文字が使用されているとしても、書籍の発行部数、パンフレットの発行・頒布部数や発行・頒布事実を裏付ける証拠も提出されていない。
その他、請求人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標の周知著名性及び請求人の略称としての「BCG」の著名性を認めるに足りる事実は見いだせない。
したがって、請求人提出の甲各号証によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人の業務に係る役務であることを表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできず、また、「BCG」が請求人の著名な略称であったと認めることもできない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知著名性について
引用商標は、上記1(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、請求人の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものとは認められないものである。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について
本件商標は、「BBCG」の欧文字及び「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の片仮名を二段に併記してなるものである。
そして、「BBCG」の欧文字が「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の片仮名に比して大きく顕著に表されていることから、「BBCG」の欧文字部分が看者の注意をひくといえる。
当該「BBCG」の欧文字部分には「BCG」の文字列が含まれてはいるが、当該部分は、下段の「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の略称を表したものとみるのが自然であって、「BBCG」の欧文字部分から「BCG」の欧文字のみを分離抽出すべき事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ビービーシージー」及び「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の称呼を生じ、「BBCG」及び「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」のいずれも、辞書等に載録された成語ではないことから、直ちに特定の観念を生じないものである。
一方、引用商標は、「BCG」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「ビーシージー」の称呼を生じるものである。
また、「BCG」からワクチンの名称の意味合いが生じるとしても、引用商標の指定役務との関係においては、むしろ直ちに特定の観念を生じないというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標の外観を比較すると、その全体の構成においては、明らかに異なるものであり、本件商標の「BBCG」の欧文字部分と引用商標の外観についてみても、語頭の「B」の欧文字の有無という明らかな差異を有することから、判然と区別し得るものである。
そして、本件商標から生じる「ビービーシージー」及び「ビジネスブレインコンソーシアムグループ」の称呼と引用商標から生じる「ビーシージー」の称呼とは、構成音数、音構成において異なるものであるから、明瞭に聴別できるものであり、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼、観念のいずれの点からみても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、類似性の程度は高いとはいえない。
(3)本件商標の指定役務と請求人の業務に係る役務の関連性、需要者の共通性について
本件商標の指定役務には、請求人が引用商標の周知著名性を主張する「経営の診断及び指導」等のコンサルティングに係る役務が含まれているから、役務の関連性を有し、その需要者を共通するものといえる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)のとおり、本件商標の指定役務は、請求人の業務に係る役務と関連性を有し、その需要者の範囲を共通にする場合があるとしても、引用商標は、請求人の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとはいえないものであり、本件商標と引用商標の類似性の程度は高いとはいえないものである。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者・需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(請求人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第8号該当性について
上記1(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「BCG」が請求人の著名な略称であったと認めることはできないものである。
したがって、本件商標は、他人の著名な略称を含むとはいえないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第8号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
【別掲】
本件商標の指定役務
第35類
「経営の診断又は経営に関する助言,経営に関するコンサルティング,税務書類の作成,税務書類の作成に関する指導・助言・相談及びこれらに関する情報の提供,財務書類の作成,財務書類の作成に関する指導・助言・相談及びこれらに関する情報の提供,財務書類の監査若しくは証明に関する情報の提供,会計帳簿の記帳の代行,経理事務の代行,経理事務に関する指導及び情報の提供,給与体系・人事考課・企業組織の作り方及び従業員の勤労意欲の向上仕方に関する指導・診断・助言及び情報の提供,事業計画の作成,就業規則に関する診断・助言,企業の人事又は労務管理に関する指導及び助言,各種の助成金・奨励金等の支給申請の事務の代行,従業員の採用・給与・賞与・退職金・社会保険・福利厚生の管理に関する事務処理の代行,賃金の統計に関する情報の提供」
第36類
「税務相談,税務代理,税務相談・税務代理に関する情報の提供,相続税に関する税務相談又はそれに関する情報の提供,金融資産の相続税等の税金に関する助言及び指導,贈与に関する税務相談又はそれに関する情報の提供,企業の信用に関する調査,企業の信用調査に関する情報の提供,企業の信用についての財務評価,企業の信用についての財務評価に関する情報の提供」
第45類
「社会保険に関する手続の代理,社会保険に関するコンサルティング,労働保険に関する手続の代理,労働保険に関するコンサルティング,社会保険に関する指導・助言又は相談,労働保険に関する指導・助言又は相談,公的年金に関する手続の代理,労働基準法上の就業規則の作成の代理,裁判外紛争解決,官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成,官公署に提出する書類を官公署に提出する手続についての代理,契約書その他の権利義務又は事実証明に関する書類の作成及びこれらに関する助言・指導,行政手続の助言及び代理,法律相談,法律情報・判例情報の提供,遺言その他の相続に関する書類の作成,遺言の執行,遺言書の保管,成年後見手続の代理,著作権の利用に関する契約の代理」



審理終結日 2021-05-31 
結審通知日 2021-06-07 
審決日 2021-06-30 
出願番号 商願2017-60159(T2017-60159) 
審決分類 T 1 11・ 271- Y (W353645)
T 1 11・ 23- Y (W353645)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 馬場 秀敏
冨澤 美加
登録日 2018-03-09 
登録番号 商標登録第6024905号(T6024905) 
商標の称呼 ビイビイシイジイビジネスブレインコンソーシアムグループ、ビイビイシイジイ、ビジネスブレインコンソーシアムグループ、ビジネスブレーンコンソーシアムグループ、ビジネスブレーンコンソーシアム 
代理人 廣中 健 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 池田 万美 
代理人 中西 康裕 
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