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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W3940
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W3940
審判 査定不服 観念類似 登録しない W3940
審判 査定不服 外観類似 登録しない W3940
管理番号 1378928 
審判番号 不服2021-3615 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-03-19 
確定日 2021-09-27 
事件の表示 商願2016-92139拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年8月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年12月27日付け:拒絶理由通知書
平成29年1月23日受付:意見書
平成30年8月3日受付:意見書
令和2年5月8日受付:意見書
令和2年12月11日付け:拒絶査定
令和3年3月19日受付:審判請求書

第2 本願商標
本願商標は、「断捨離」の文字を横書きしてなり、第39類「車両による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,寄託を受けた物品の倉庫における保管,倉庫の提供」及び第40類「除染,布地・被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,食料品の加工,製本,廃棄物の再生,一般廃棄物の収集・分別及び処分,産業廃棄物の収集・分別及び処分」を指定役務として登録出願されたものである。

第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5606900号商標(以下「引用商標」という。)は、「断捨離 だんしゃり」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月15日に登録出願、第39類「車両による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,寄託を受けた物品の倉庫における保管,倉庫の提供」及び第40類「廃棄物の再生,一般廃棄物の収集・分別及び処分,産業廃棄物の収集・分別及び処分」を指定役務として、同年8月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第4 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、「断捨離」の文字を横書きしてなるところ、当該文字(語)は、国語辞典に採録されるような既成の語とはいえないものの、別掲によれば、「入ってくる不要な物を断ち(断)、ガラクタを捨て(捨)、物への執着から離れ(離)、生活や内面を磨いて運気も向上させるというもの」を意味する語として2010年(平成22年)頃に流行したことが認められる。
そうすると、本願商標は、その構成文字に照応して、「ダンシャリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないか又は「断捨離(入ってくる不要な物を断ち(断)、ガラクタを捨て(捨)、物への執着から離れ(離)、生活や内面を磨いて運気も向上させるというもの)」の観念を生じる場合もあるというのが相当である。
2 引用商標について
引用商標は、「断捨離 だんしゃり」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、引用商標の構成中「断捨離」の文字部分は、無理なく「だんしゃり」と読むことができるものであり、また、当該文字(語)は、上記1のとおり、2010年(平成22年)頃に流行した語である。
そうすると、引用商標の構成中「だんしゃり」の文字部分は、その前に記載されている「断捨離」の文字の読みを記載したものと認識されるとみるのが相当である。
してみると、引用商標は、「断捨離」の文字及びその読みを1文字分の空白を空けて横一連に記載されたものと認識されるものといえる。
したがって、引用商標は、その構成文字全体から「ダンシャリダンシャリ」の称呼を生じるほかに、「断捨離」の文字及びその読みという構成に照応して「ダンシャリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないか又は「断捨離(入ってくる不要な物を断ち(断)、ガラクタを捨て(捨)、物への執着から離れ(離)、生活や内面を磨いて運気も向上させるというもの)」の観念を生じる場合もあるというのが相当である。
3 本願商標と引用商標との類否
外観については、本願商標と引用商標とは、全体としては相違するものの、「断捨離」の漢字を共通にすることに加え、いずれも一般的な書体で横書きに表されているから、両者は外観上、一定程度近似した印象を与えるものといえる。
次に、称呼については、両者は「ダンシャリ」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、両者から特定の観念を生じない場合は比較することはできないが、「断捨離」の観念を生じる場合には、両者は観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において一定程度近似した印象を与えるものであり、称呼を共通にし、観念においては共通する場合と比較できない場合とがあるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
4 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否
本願の指定役務中、第39類「車両による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,寄託を受けた物品の倉庫における保管,倉庫の提供」及び第40類「廃棄物の再生,一般廃棄物の収集・分別及び処分,産業廃棄物の収集・分別及び処分」と、引用商標の指定役務は、同一の役務と認められる。
5 小括
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一の役務を含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
(1)請求人は、引用商標が、同一の文字の大きさで横並びに構成されていることから、「断捨離 だんしゃり」の全体として評価されるべきものであって、「ダンシャリダンシャリ」の一連の称呼のみが生じ、特定の観念が生じるものではなく、本願商標と引用商標は類似しない旨を主張する。
しかしながら、上記1及び2のとおり、「断捨離」の文字は、無理なく「だんしゃり」と読むことができるものであり、また、当該文字(語)は、2010年(平成22年)頃に流行した語である。
そうすると、引用商標は、「断捨離」の文字及びその読みを1文字分の空白を空けて横一連に記載されたものと認識されるものであり、そのため、引用商標は、その構成文字全体から「ダンシャリダンシャリ」の称呼を生じるほかに、「断捨離」の文字及びその読みという構成に照応して「ダンシャリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないか又は「断捨離」の観念を生じる場合もあるというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(2)請求人は、他の審決例及び異議決定例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨を主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの審決例及び異議決定例は、商標の具体的構成等において本件とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標については、上記3においてした判断のとおりであるから、それらの審決例及び異議決定例をもってその判断が左右されることはない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務を含むものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲
1 株式会社自由国民社発行「現代用語の基礎知識 2015年版」において、「断捨離」の項に「入ってくる不要な物を断ち(断)、ガラクタを捨て(捨)、物への執着から離れ(離)、生活や内面を磨いて運気も向上させるというもの」との記載がある。

2 「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」のウェブサイトにおいて、「第27回2010年授賞語」の見出しの下、「第27回2010年ノミネート語」の項に「断捨離」の文字の記載がある。
(https://www.jiyu.co.jp/singo/index.php?eid=00027)


審理終結日 2021-07-21 
結審通知日 2021-07-27 
審決日 2021-08-12 
出願番号 商願2016-92139(T2016-92139) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W3940)
T 1 8・ 264- Z (W3940)
T 1 8・ 263- Z (W3940)
T 1 8・ 261- Z (W3940)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杉本 克治 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 山田 啓之
山根 まり子
商標の称呼 ダンシャリ 
代理人 永田 貴久 

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