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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服202015618 審決 商標
不服20213657 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項14号 種苗法による登録名称と同一又は類似 取り消して登録 W0103070911121617181922232425273640
管理番号 1378871 
審判番号 不服2020-17480 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-22 
確定日 2021-10-13 
事件の表示 商願2018-125761拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、平成30年10月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和元年11月22日付け:拒絶理由通知書
令和2年4月6日:意見書、手続補正書の提出
令和2年9月10日付け:拒絶査定
令和2年12月22日:審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第1類、第3類、第7類、第9類、第11類、第12類、第16類、第17類、第18類、第19類、第22類、第23類、第24類、第25類、第27類、第36類及び第40類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、別掲2のとおり補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『Green』及び『innovation』の欧文字を二段に書してなるところ、当該文字の片仮名表記と認められる『グリーンイノベーション』の語は、『低炭素社会の実現を目指す技術的試み。および、低酸素産業を中心とした社会の在り方を変革し、発展・成長を遂げる戦略。』と理解されており、我が国において、新成長戦略として、グリーン・イノベーションの促進等が、2010年6月に閣議決定されている。そうすると、本願商標は、我が国が目指す新成長戦略である『グリーンイノベーション』の語と類似する商標であるから、国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であって営利を目的としないもの又は公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似する。したがって、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、これは、「Green」及び「innovation」の文字を、上下二段に、ややデザイン化して表したと理解させるものである。
ところで、当審における職権調査によれば、別掲3のとおり、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略 ?『元気な日本』復活のシナリオ?」において、「第3章 7つの戦略分野の基本方針と目標とする成果」「強みを活かす成長分野」として「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」が挙げられているものの、「グリーンイノベーション」の文字自体は、「環境問題に関係する技術革新」ほどの意味合いをもって広く一般に使用されている事実がうかがえるものである。
そして、本願商標と同一のつづりからなる「Green innovation」及びその片仮名表記である「グリーンイノベーション(グリーン・イノベーション)」の文字が、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示するものとして、我が国において著名の程度に至っていると認められる事実を、見いだすことはできなかった。
そうすると、本願商標は、商標法第4条第1項第6号にいう「国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であって営利を目的としないもの又は公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標」ということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1 本願商標、色彩については原本参照



別掲2 本願指定商品及び指定役務
第1類「カーボンナノチューブ,化学品,原料プラスチック,セラミックスからなる化学品,セラミックス製基礎製品,化粧品原料用粉末状セラミックス,肥料,工業用のり及び接着剤,未加工合成樹脂・人工樹脂」
第3類「半導体用研磨材料」
第7類「印刷版,リチウムイオン電池製造用セパレーター製造用口金,炭素繊維の加工用機械器具,燃料電池の製造装置,フレキシブルプリント基板用プラスチックフィルム製造装置,太陽電池バックシート用プラスチックフィルム製造装置,食品包装用プラスチックフィルム製造装置,モーター部品用絶縁フィルム製造装置,コンデンサー用プラスチックフィルム製造装置,バッテリーセパレータ用プラスチックフィルム製造装置,ディスプレイ用プラスチックフィルム製造装置,フラットパネルディスプレイ製造装置,電池製造装置,塗装機械器具,塗工装置,金属加工用研磨機用ブラシ」
第9類「酸素濃度計」
第11類「下水処理プラントおよび下水処理装置」
第12類「航空機並びにその部品及び附属品,船舶並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」
第16類「プラスチック製の家庭用食品包装用フィルム」
第17類「プラスチック基礎製品,化学繊維(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),化学繊維粉末,ゴム,炭素繊維強化プラスチック基礎製品,フレキシブルプリント基板用プラスチックフィルム・樹脂フィルム,太陽電池バックシート用プラスチックフィルム・樹脂フィルム,プラスチック製パイプ,炭素繊維(織物用のものを除く。),炭素繊維糸(織物用のものを除く。),半加工合成樹脂・人工樹脂」
第18類「人工皮革」
第19類「セラミック製建築専用材料,セラミック製床材,炭素繊維製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,プラスチック製の建築用断熱材,繊維製の落下石防止網,人工魚礁(金属製のものを除く。)」
第22類「原料繊維」
第23類「糸」
第24類「織物,メリヤス生地,不織布」
第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,和服,ナイトキャップ,帽子,水上スポーツ用特殊衣服」
第27類「敷物,人工芝」
第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,不動産業務」
第40類「布地・被服・衣類又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。)」

別掲3 グリーンイノベーションの使用事例(合議体注:下線は当審の合議体が付したものである。以下、引用箇所において同じ。)
(1)「『新成長戦略』について」「平成22年6月18日」「閣議決定」の「新成長戦略 ?『元気な日本』復活のシナリオ?」「第3章 7つの戦略分野の基本方針と目標とする成果」において、「強みを活かす成長分野」として「(1)グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」「(2)ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」、「フロンティアの開拓による成長」として「(3)アジア経済戦略」「(4)観光立国・地域活性化戦略」、「成長を支えるプラットフォーム」として「(5)科学・技術・情報通信立国戦略」「(6)雇用・人材戦略」「(7)金融戦略」との記載がある。
https://www.kantei.go.jp/jp/sinseichousenryaku/sinseichou01.pdf
(2)「iFinance」のウェブサイトにおいて、「グリーンイノベーションとは」の見出しの下、「グリーンイノベーションは、特に固定的な定義はありませんが、世界的な課題である環境問題に対して、社会の持続的な発展のために多様な科学技術や社会的な思考の変革を基に展開する多様な取り組みと言えます。これは、広範囲な分野を対象とするもので、具体的には、環境・資源・エネルギー分野の革新的な技術等の研究開発と成果の実用化のためのシステム転換の一体的推進、新たな発想(考え)を活用することによるライフスタイルやビジネススタイル等の転換、地域における農林業の再生や街づくり(緑のダム、コンパクトシティ等)などが挙げられます。」との記載がある。
https://www.ifinance.ne.jp/glossary/global/glo090.html
(3)「芝浦工業大学」のウェブサイトにおいて、「グリーンイノベーション研究センター」の見出しの下、「研究センターでは、学内外の材料、デバイス、回路、システムの研究者の持つ基盤技術をグリーンイノベーションにつなげるため、 国内外における学会や論文発表の助成、海外との交流(派遣、招聘)、研究会やシンポジウムの開催、博士の助成等の事業を行います。」との記載とともに、「グリーンイノベーション概念図」と以下の図が使用されている。
https://www.shibaura-it.ac.jp/research/srl/green_innovation.html

(4)「電気新聞」(2014年08月14日)において、「関西電力が大阪府立大の環境人材育成プログラムに協力 社員が講義」の見出しの下、「関西電力は、大阪府立大学大学院が取り組む環境人材育成教育プログラムに協力している。」「同大学院の工学研究科教授は『環境人材育成教育プログラムでは関電をはじめとする企業、国際協力機構(JICA)など多くの学外関係者の協力を得ているのが特色。今後も各方面の協力を得て、グリーンイノベーションを担う環境人材の輩出に取り組みたい』と強調する。」の記載がある。


審決日 2021-09-27 
出願番号 商願2018-125761(T2018-125761) 
審決分類 T 1 8・ 21- WY (W0103070911121617181922232425273640)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和田 恵美真鍋 伸行 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 黒磯 裕子
杉本 克治
商標の称呼 グリーンイノベーション、イノベーション 
代理人 橘 哲男 

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