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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z07 |
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管理番号 | 1378869 |
審判番号 | 取消2020-300268 |
総通号数 | 263 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-11-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2020-04-16 |
確定日 | 2021-09-17 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4439067号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4439067号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「HSD」の欧文字を横書きしてなり、平成11年(1999年)10月7日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同12年(2000年)12月8日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年(2020年)5月1日であり、以下、当該登録前3年(平成29年(2017年)5月1日ないし令和2年(2020年)4月30日)以内を「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、登録第4439067号商標の指定商品中、第7類「鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く)を除く),交流発電機,直流発電機,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電機ブラシ,電気ミキサー,電気式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く)」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対して弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。 なお、書証番号について「乙第1号証」、「乙第2号証」、「乙第3号証」とあるものを、それぞれ、「乙第1号証の1」、「乙第2号証の1」、「乙第3号証の1」と振り替えた。 1 本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、本件商標を、その指定商品について現に使用している。 2 使用商標 本件商標は、木材、金属、ガラス、プラスチック、石材及びアルミニウム等の素材を加工するために用いられる電動スピンドルのほか、上記の素材を加工するために用いられる多様な機械器具を取り扱う法人である本件商標権者の名称から、法人格を省いた略称として、本件商標権者によって永年にわたり使用されており、また、本件商標権者が製造及び販売する商品に用いられる商標として、使用されている。 3 商標使用者 本件商標の使用者は、本件商標権者である。 4 使用証拠 (1)乙第1号証の1は、本件商標権者が製造及び販売する製材用・木工又は合板用の機械器具並びに軸継ぎ手等の機械部品の総合カタログ及びマニュアルの抜粋であり、ここから、当該マニュアル及び商品に商標「HSD」が用いられていることが確認できる。 乙第1号証の2は、本件商標権者による製品の輸出入を取り扱う輸入代理業者の一つであるモステックジャパン株式会社のウェブサイトの写しである。ここから、本件商標権者による木工、プラスチック、石材及びガラスの加工用途で用いられる電動スピンドルのモーターが、我が国に輸入されていることが確認できる。本件商標権者による本件商標が付された商品は、輸入代理店を通じて、あるいは本件商標権者より直接、日本の需要者に販売されている。 (2)乙第2号証の1は、静岡県浜松市所在の日本企業「株式会社平安コーポレーション(HEIAN CORPORATION)」が発行した、マニュアル(乙1の1)に記載の製品番号「H6314H0376」に該当する木工用の機械器具に用いられる「機械用軸継ぎ手」等の発注書(令和元年(2019年)5月9日付発行)であり、乙第2号証の2は、本件商標権者が発行した同発注書に対する請求書である(令和元年(2019年)6月13日発行)。これらの発注書及び請求書から、本件商標が付された「機械用軸継ぎ手」が、日本に向けて輸入販売されている事実が確認できる。「機械用軸継ぎ手」は、本件商標の指定商品中、「機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」の範ちゅうに含まれる商品である。 さらに、乙第2号証の2として提出する請求書には、左上に商標「HSD」が使用されている。また、同請求書には「A Use and Maintenance Manual written in Italian and English is supplied with the product(except in case of Spare Parts)」と記載されているとおり、マニュアル(乙1の1)が、製品に付随して提供されることが確認できる。 (3)乙第3号証の1は、静岡県浜松市所在の日本企業「SHODA株式会社(THE SHODA COMPANY)」(以下「SHODA社」という。)が購入した製品番号「H6161H0284A」等の製品「電動スピンドル(ELECTROSPINDLE)」に関する請求書である(平成30年(2018年)1月17日発行)。 乙第3号証の2は、製品番号「H6161H0284A(ES915)」に該当する製品に関する情報を記載した本件商標権者のウェブサイトの写しであり、乙第3号証の3は、該当する商品(ES915)の写真である。 乙第3号証の2に「Wood line」と記載されているとおり、この製品は木材の加工用途で用いられる電動スピンドルであって、当該商品は、本件商標の指定商品中、「製材用・木工用又は合板用の機械器具」の範ちゅうに属するものである。 また、乙第3号証の1から確認できるとおり、「電動スピンドル」に関する請求書には、商標「HSD」が使用されており、さらに、乙第3号証の3から確認できるとおり、当該商品には、本件商標と同一の「HSD」の商標が付されている。 (4)以上のとおり、本件商標権者は、要証期間に、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を、我が国に輸入される「製材・木工又は合板用の機械器具」及び「機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」等の商品に付して使用するとともに、これらの商品に関する請求書、パンフレット及びマニュアル等の取引書類に使用している。 かかる使用行為は、商標法第2条第3項第2号及び同項第8号に定義される商標の使用行為に該当するものである。 5 まとめ 以上より、本件商標が本件審判の取消請求に係る指定商品について予告登録前3年以内に、本件商標権者によって使用されていたことが客観的に証明された。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び同人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第3号証の1は、本件商標権者が、静岡県浜松市所在のSHODA社宛てに平成30年(2018年)1月17日付けで発行した請求書であり、本号証の左上に、青色で大きく書した「HSD」の文字とその下にごく小さく書した「MECHATRONICS」の文字(以下、当該各文字の組合せを「使用商標」(別掲2参照。)という場合がある。)が表示されている。取引の対象となった商品は、商品コードが「H6161H0284A」の「ELECTROSPINDLE ES915」(電動スピンドルES915)であり、数量・単価・合計金額が記載されている。 (2)乙第3号証の2は、本件商標権者のウェブサイトの製品に関するページであり、本号証の1葉目及び2葉目には、その左上に、黒地の長方形内に白抜きで、大きく書した「HSD」の文字とその下にごく小さく書した「MECHATRONIC/DIVISION」の文字が表示されている。また、1葉目には「PRODUCTS」(製品)の記載の下に、「WOOD LINE」(木材用ライン)の記載とともに機器が木材を加工する様子と認められる画像があり、さらに、2葉目には「Wood line」(木材用ライン)「Electrospindles」(電動スピンドル)の表題の下、「ES915-H6161H0284A」の記載及び「TECHNICAL SPECIFICATIONS」(技術情報)の記載とともに、「ES915」が表示された機器の画像がある。 2 上記1によれば、当審の判断は、以下のとおりである。 (1)使用商標及び使用商品について 本件商標権者のウェブサイトの製品に関するページ(乙3の2)には、木材を加工する機器の製品として、「電動スピンドル」に関する情報が、その画像及び「ES915-H6161H0284A」の文字とともに掲載されている。また、平成30年(2018年)1月17日に本件商標権者が発行したものと認められる我が国の顧客宛ての請求書(乙3の1)において、取引の対象となった商品については、商品コードが「H6161H0284A」の「電動スピンドルES915」であることが記載されている。 そうすると、上記ウェブサイト(乙3の2)に掲載された商品及び上記請求書(乙3の1)において取引された商品は、商品コード「H6161H0284A」や「ES915」の表示が一致する同一の商品であると認められるから、上記請求書(乙3の1)において取引された商品は、本件商標権者のウェブサイトに掲載された「木材加工用の電動スピンドル」であり、これは、請求に係る指定商品中、「製材用・木工用又は合板用の機械器具」の範ちゅうに属する商品であると認められる。 そして、上記請求書(乙3の1)に表示された使用商標は、その構成中の「HSD」の文字部分が、太いゴシック体に属する書体で大きく顕著に表されており、他の文字部分に比して明らかに強く支配的な印象を与えるものといえるから、使用商標に接した取引者、需要者は、当該「HSD」の文字部分をその要部として認識するものというのが相当である。 そうすると、太めのゴシック体に属する書体をもって黒色で「HSD」の文字を横書きしてなる本件商標と使用商標とは、その要部において、色彩が黒と青とで異なることのほかには、外観、称呼及び観念に異なるところはなく、両者は、社会通念上同一と認められる商標といえる。 (2)使用時期について 本件商標権者による我が国の顧客宛ての請求書(乙3の1)は、平成30年(2018年)1月17日に発行され、頒布されたものと推認できるものであるから、当該請求書の発行日及び頒布時期は要証期間である。 (3)使用者について 上記請求書(乙3の1)は、本件商権者によって作成されたものであるから、本件商標権者が使用商標の使用者と認められる。 (4)小括 以上からすれば、本件商標権者は、要証期間に商品「木材加工用の電動スピンドル」に関する取引書類に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用して、我が国の顧客に対して頒布したと認めることができる。 そして、本件商標権者による上記行為は、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中、「製材用・木工用又は合板用の機械器具」の範ちゅうに属する商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 別掲2 使用商標(乙3の1より抜粋。色彩については、原本を参照。) |
審理終結日 | 2021-04-22 |
結審通知日 | 2021-04-26 |
審決日 | 2021-05-10 |
出願番号 | 商願平11-90479 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Z07)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
小松 里美 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 渡邉 あおい |
登録日 | 2000-12-08 |
登録番号 | 商標登録第4439067号(T4439067) |
商標の称呼 | エイチエスデイ、エッチエスデイ、エイチエスディー、エッチエスディー |
代理人 | 外川 奈美 |
代理人 | 遠山 良樹 |
代理人 | 特許業務法人R&C |
代理人 | 青木 篤 |