ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 判定 その他 属さない(申立て成立) W30 |
---|---|
管理番号 | 1378072 |
判定請求番号 | 判定2021-600009 |
総通号数 | 262 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標判定公報 |
発行日 | 2021-10-29 |
種別 | 判定 |
2021-03-17 | |
確定日 | 2021-09-03 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5951822号商標の判定請求事件について,次のとおり判定する。 |
結論 | 商品「はりみつ入りの紅茶」に使用するイ号標章は,登録第5951822号商標の商標権の効力の範囲に属しない。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5951822号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成28年4月19日に登録出願,第30類「はちみつ入りの紅茶」を指定商品として,同29年6月2日に設定登録されたものである。 2 イ号標章 請求人が商品「はちみつ入りの紅茶」(以下「使用商品」という。)について使用する標章(以下「イ号標章」という。)は,別掲2のとおりの構成からなるものである。 3 請求人の主張 請求人は,結論同旨の判定を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。 (1)判定請求の必要性 請求人は,令和3年2月5日よりイ号標章を使用して,インターネット及び全国の小売店を通じて使用商品の販売を開始したところ,被請求人により,本件商標の商標権を侵害するものである旨の書簡を受け取った(甲1)。 そこで,請求人は,イ号標章の使用態様が,本件商標及びこれに類似する商標の商標権の効力の範囲に属するかどうかの判断について,判定を求める次第である。 (2)イ号標章の説明 イ号標章は,紅茶のパッケージデザイン(別掲3)に含まれるものである。 (3)イ号標章が本件商標の商標権の効力の範囲に属しないとの説明 イ号標章と本件商標とを対比すると,前者は「濃厚はちみつ紅茶」,後者は「極上はちみつ紅茶」と表記される文字部分において,「はちみつ紅茶」の文字部分が共通する。 しかしながら,「はちみつ紅茶」は,「はちみつ入りの紅茶」を意味する記述的表示にすぎず,識別力がないことは明らかである。 また,被請求人(本件商標権者)も,本件商標の出願後に拒絶理由通知を受けた結果,指定商品を「紅茶」から「はちみつ入りの紅茶」と補正している。そのことは,同人が,「はちみつ紅茶」の文字部分の語頭に,品質が極めて高いことを意味する「極上」の文字を組み合わせてなる「極上はちみつ紅茶」には識別力がないことを自認したと解される。 よって,本件商標の要部には,「極上はちみつ紅茶」の文字は含まれず,これを除く他の部分,すなわち花の図形と「Lakshimi」の文字からなる図形部分が要部であることは明らかである。 そうすると,イ号標章と本件商標を混同することはない。 (4)むすび よって,イ号標章は,本件商標と非類似であり,本件商標の商標権の効力の範囲に属さない。 4 被請求人の答弁 被請求人は,上記3の請求人の主張に対して,何ら答弁するところがない。 5 当審の判断 (1)本件商標について ア 本件商標は,別掲1のとおり,左側にオレンジ色で表された花の図形(以下「本件図形」という。)並びに本件図形の下方にオレンジ色で筆記体風に表された「Lakshimi」及び当該「himi」の下に小さく表された「KOBE JAPAN」の欧文字を2段に配し,右側に黒色でゴシック体で表された「極上はちみつ紅茶」の文字を配した構成よりなるものであるところ,構成中の「極上はちみつ紅茶」の文字部分についてみるに,「極上」の文字部分は,「きわめて上等なこと。最もすぐれていること。また、その物。」(広辞苑第6版)の意味を有する語であり,「はちみつ紅茶」の文字は,本件商標の指定商品である「はちみつ入りの紅茶」を表示する文字であると認められる。 イ そうすると,本件商標の構成中の「極上はちみつ紅茶」の文字部分は,「きわめて上等なはちみつ紅茶」であることを容易に理解させるものあり,本件商標の指定商品「はちみつ入りの紅茶」の品質を普通に用いられる方法で表示するものであるから,自他商品の識別標識としての機能は認められない。 (2)イ号標章について ア イ号標章は,別掲2のとおり,クリーム色の背景に,上から,焦げ茶色で表された「・THE TEA・」の欧文字及び記号,黄土色で表された,デザイン化された2重楕円の枠内に「T」及び「Z」の文字からなるモノグラムを配した図形(以下「イ号図形」という。),「1830」の数字及び「RICH HONEY TEA」の欧文字並びに焦げ茶色で表された「濃厚はちみつ紅茶」の文字を5段に表したものである。 イ そして,構成中の「THE TEA」の欧文字は,本件商標の指定商品の原材料及び品質である「紅茶」を意味する文字である。 また,「RICH HONEY TEA」の欧文字中「RICH」の文字は,「(味が)こってりした,濃い」の意味を有する一般に知られた英語であり,「HONEY TEA」の文字は,本件商標の指定商品である「はちみつ入りの紅茶」を意味する英語であるから,「RICH HONEY TEA」の欧文字全体からは「濃いはちみつ入りの紅茶」ほどの意味を容易に理解させ,本件商標の指定商品の品質を表したものと解される。 さらに,「濃厚はちみつ紅茶」の文字についてみるに,「濃厚」の文字は,「色や味などが濃いこと。こってりとしていること。」(広辞苑第6版)の意味を有する語であり,「はちみつ紅茶」の文字は本件商標の指定商品である「はちみつ入りの紅茶」を表示する文字であると認められる。そうすると,「濃厚はちみつ紅茶」の文字は「色や味などが濃いはちみつ入りの紅茶」であることを容易に理解させるから,本件商標の指定商品の品質を表したものと解される。 したがって,イ号標章の構成中「THE TEA」及び「RICH HONEY TEA」の欧文字並びに「濃厚はちみつ紅茶」の文字は,本件商標の指定商品の原材料及び品質を普通に用いられる方法で表示するものであるから,商標法第26条第1項第2号に該当し,本件商標の商標権の効力が及ばない部分であると認められる。 ウ また,イ号標章の構成中「THE TEA」の欧文字の左右に配された「・」の記号及び「1830」の数字は,極めて簡単な記号及び数字を普通に用いられる域を脱しない方法で表示するものであり,これらの記号及び数字は需用者が何人かの業務に係る商品であることを認識できる態様により使用されていると認められないものであるから,商標法第26条第1項第6号に該当し,本件商標の商標権の効力が及ばない部分であると認められる。 (3)本件商標とイ号標章について ア 上記(1)のとおり,本件商標の構成中「極上はちみつ紅茶」の文字部分は,自他商品の識別標識としての機能は認められないものであり,また,上記(2)イのとおり,イ号標章の構成中「濃厚はちみつ紅茶」の文字部分は本件商標の商標権の効力が及ばないものである。 そうすると,本件商標の構成中の「極上はちみつ紅茶」の文字部分とイ号標章の構成中の「濃厚はちみつ紅茶」の文字部分とを抽出し,両商標を比較することは許されないというべきである。 イ そして,本件商標の構成中,自他商品の識別標識としての機能が認められない部分ではない本件図形並びに「Lakshimi」及び「KOBE JAPAN」の欧文字部分と,イ号標章の構成中,商標権の効力の及ばない部分ではないイ号図形とを比較すると,両図形は明らかに異なるものであり,また,欧文字の有無による差異もあるから,両者は非類似の商標というべきである。 (4)まとめ したがって,本件商標の指定商品とイ号標章の使用商品が同一又は類似であるとしても,イ号標章は,本件商標と非類似の商標であり,本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。 よって,結論のとおり判定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標(色彩は原本参照。) ![]() 別掲2 イ号標章(色彩は原本参照。) ![]() 別掲3 イ号標章が含まれるパッケージの展開図(色彩は原本参照。) ![]() 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
判定日 | 2021-08-23 |
出願番号 | 商願2016-44461(T2016-44461) |
審決分類 |
T
1
2・
9-
ZA
(W30)
|
最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
鈴木 雅也 大森 友子 |
登録日 | 2017-06-02 |
登録番号 | 商標登録第5951822号(T5951822) |
商標の称呼 | ラクシュミー、ラクシミ、ゴクジョーハチミツコーチャ、ゴクジョーハチミツ、ゴクジョー、コーベハチミツコーチャ、コーベハチミツ、コーベコーチャ |
代理人 | 特許業務法人IPRコンサルタント |
代理人 | 特許業務法人森脇特許事務所 |