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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W33 審判 一部申立て 登録を維持 W33 |
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管理番号 | 1378069 |
異議申立番号 | 異議2021-900062 |
総通号数 | 262 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-10-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-02-20 |
確定日 | 2021-09-27 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6331452号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6331452号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6331452号商標(以下「本件商標」という。)は、「連理」の漢字を標準文字で表してなり、令和元年8月1日に登録出願、第33類「清酒,焼酎,合成清酒,白酒」を含む、第3類、第5類、第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年11月10日に登録査定、同年12月18日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は、以下のとおりである。 (1)登録第1881812号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:連理(縦書き) 登録出願日:昭和59年4月27日 設定登録日:昭和61年8月28日 存続期間満了日:平成28年8月28日 指定商品:第32類「ビール」、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」 (2)商願2020-35076(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:連理(標準文字) 登録出願日:令和2年3月31日 指定商品:第33類「日本酒,泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん」 (3)申立人の使用に係る商標(以下「使用商標」という。) 商標の構成:連理 使用に係る商品:清酒 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品中、第33類「清酒,焼酎,合成清酒,白酒」(以下「申立てに係る商品」という。)について商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 (1)証拠について ア 引用商標1は、漢字の明朝体で縦書きされた「連理」であり、これより生じる称呼は「レンリ」、観念は「1本の木の幹や枝が他の木の幹や枝とつらなって木理が通じていること。夫婦または男女の深い契りのたとえ(広辞苑第七版)」であり、商標登録された後に2回の更新登録を経て、存続期間満了日(平成28年8月28日)に消滅している。引用商標1については、2回目の更新登録申請を行うと共に書換登録申請も行っており、3回目の更新登録を予定していたが、失念し消滅したことを知らず、清酒に使用し続けていた(甲2)。 イ 引用商標2は、出願中であって、本件商標を引用され、拒絶理由通知を受け取っている(甲3)。 ウ 甲第4号証は、申立人の所属する久留米南部商工会の会長が出願中の商標「連理」が福岡県その他近県において周知の商標であることを証明するものである。 エ 甲第5号証は、福岡県酒造組合のホームページにおける「銘柄大百科」のページの大吟醸の項目で検索した結果表示される大吟醸「連理」に関するページであり、申立人の商品として商標「連理」が明示されている。 オ 甲第6号証は、日本酒造組合中央会のホームページの「酒蔵ツーリズム」の申立人のページであり、清酒の代表銘柄として申立人の商品として商標「連理」が明示されている。 カ 以上のとおり、福岡県酒造組合及び日本酒造組合中央会のホームページには、各酒蔵メーカを代表する銘柄が明示されており、「連理」は両方のホームページに表示されている。 (2)むすび 本件商標は、申立人の使用中の周知商標「連理」の外観、称呼、観念を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反するものである。 また、本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反するものである。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)令和3年1月25日付けの久留米南部商工会会長の証明書には、出願中の「連理」商標について、申立人が昭和59年4月27日に出願し、登録され、2回の更新登録を経て、存続期間満了日に消滅したものを再度出願したものであり、申立人が現在も使用中の商標であり、福岡県その他近県において周知の商標であることを証明する旨記載されている(甲4)。 (イ)福岡県酒造組合のホームページにおける「銘柄大百科」のページ(2020年3月30日出力)には、大吟醸「連理」が申立人の商品として表示されている(甲5)。 (ウ)日本酒造組合中央会のホームページ(2020年3月30日出力)の「酒蔵ツーリズム」には、申立人に関するページがあり、清酒の銘柄として「連理」が表示されている(甲6)。 イ 上記アからすれば、「連理」の表示が、申立人の業務に係る清酒に使用されていることが認められるものの、当該商品についての売上高、市場シェア、広告の規模等について確認できない。 そうすると、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標が、他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について 引用商標は、上記(1)のとおり、他人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであるから、本件商標と引用商標とがいずれも「連理」の文字からなる同一又は類似する商標であるとしても、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標の周知性について 「連理」の表示(使用商標)は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る清酒に使用されていることが認められるものの、提出された証拠によっては、引用商標が他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。 イ 本件商標と引用商標の類似性の程度について 上記のとおり、本件商標と引用商標は、いずれも「連理」の文字からなるものであり、外観、称呼及び観念において共通するから、両者は同一又は類似性の程度が高いものといえる。 ウ 独創性について 本件商標及び引用商標を構成する「連理」の文字は、辞書に掲載が認められる成語であるから、独創性があるとはいえない。 エ 申立人の業務に係る商品との関連性について 申立人の業務に係る商品「清酒」と申立てに係る商品は、同一商品を含み関連性がある。 オ 出所の混同のおそれについて 申立人の業務に係る商品と申立てに係る商品とは関連性があり、本件商標と引用商標が同一又は類似する商標であるとしても、上記のとおり、引用商標が需要者の間に広く認識されていたと認められるものではなく、独創性があるとはいえないものであるから、本件商標を申立てに係る商品について使用をしても、これに接する需要者が、引用商標を連想、想起して、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように認識することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、申立てに係る商品について商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2021-09-16 |
出願番号 | 商願2019-110586(T2019-110586) |
審決分類 |
T
1
652・
255-
Y
(W33)
T 1 652・ 271- Y (W33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小林 郁、浦崎 直之 |
特許庁審判長 |
森山 啓 |
特許庁審判官 |
板谷 玲子 小田 昌子 |
登録日 | 2020-12-18 |
登録番号 | 商標登録第6331452号(T6331452) |
権利者 | 株式会社ハマヤ商会 |
商標の称呼 | レンリ |
代理人 | 高橋 浩三 |