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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1378065 
異議申立番号 異議2021-900118 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-25 
確定日 2021-09-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第6337345号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6337345号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6337345号商標(以下「本件商標」という。)は、「かぜやわらか」の平仮名と「風和」の漢字を上下二段に表してなり、平成31年4月4日に登録出願、第33類「日本酒,清酒,泡盛,合成清酒,焼酎,白酒」を指定商品として、令和2年12月21日に登録査定され、同3年1月6日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第6243684号商標(以下「引用商標」という。)は、「風和」の漢字を表してなり、平成31年4月1日に登録出願、第32類「飲料水,ミネラルウォーター,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール」及び第33類「清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、令和2年4月8日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第7号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 称呼類似
(ア)本件商標は、「かぜやわらか」の平仮名と「風和」の漢字を二段書きで書したものである(甲1)。
本件商標は、平仮名部分が漢字部分の称呼を特定したものと把握、認識されるとはいえず、「カゼヤワラカ」の称呼以外にも、「風和」の漢字部分に相応して音読みで簡潔に「フウワ」の称呼も生じる。
他方、引用商標は、「風和」の漢字よりなり、音読みで簡潔に「フウワ」の称呼が生じる(甲3)。
したがって、本件商標と引用商標とは、「フウワ」の称呼において相紛らわしく、称呼上類似する。
(イ)上記を詳述すると、まず、本件商標の構成中、「かぜやわらか」の文字が「風和」の文字の振り仮名であるか否かは、にわかには判断し難いものであり、また、振り仮名であるとしても、漢字2文字の「風和」の読み方としては冗長で違和感がある。
漢和辞典の「風」の項目(甲4)を参照しても、熟語の項目には「風和」の語がないように、「風和」の語は一般的に使用される語ではなく、辞書、辞典類には全く掲載されておらず、造語に近い語である。
このような漢字2文字の造語である場合、「風和」の語であれば「フウワ」と音読みで簡潔に称呼されるのが自然である。
また、漢和辞典の「和」の項目(甲4)には、「やわらか」の語が掲載されているものの字義として掲載されているにすぎず、訓読みでは「ヤワ」や「ナゴ」が読みであり、それに送り仮名が添えられる。本件商標の「風和」の文字部分には送り仮名が添えられていないことからすると、「かぜやわらか」の文字部分は、漢文風の「風和」の語の読み下し文か、意味の説明書きであって、称呼を特定しているものと認識、把握されるとはいえない。
したがって、本件商標は、「かぜやわらか」の文字部分は振り仮名とは認識され難く、振り仮名であるとしても漢字2文字の「風和」の読み方としては冗長で違和感のある振り仮名であるから、「かぜやわらか」の文字部分が「風和」の文字部分の称呼を特定したものとはいい難く、本件商標から「カゼヤワラカ」の称呼のみが生じるとはいえない。
(ウ)過去の判定例や審決例(甲5、甲6)によれば、漢字2字の造語にあっては、振り仮名が振られているとしても、自然な称呼が別にある場合には必ずしも振り仮名が称呼を特定するとは限らない場合がある。
(エ)さらに、「風和」の語は一般的に使用される語ではなく、辞書、辞典類には全く掲載されていないものの、元号「令和」の由来として新元号発表時に話題となった。
しかしながら、「風和」の語の出典の万葉集は、万葉仮名で記載されており、「風和」の文字部分の読み下し方は新元号発表時では「かぜやわらぎ」と紹介されている(甲7)。このように、本件商標の構成中「かぜやわらか」の文字部分が「風和」の文字部分の称呼を特定する振り仮名とする根拠を、新元号発表時に話題となった「風和」の語に求めることもできない。
イ 外観類似
本件商標は、「かぜやわらか」の文字部分と「風和」の文字部分とが常に一体として認識されるものではなく、引用商標とは「風和」の文字部分において外観上相紛れる。
本件商標は、平仮名部分と漢字部分とで上下二段書きされた商標であり、その構成から「かぜやわらか」の文字部分と「風和」の文字部分とに視覚上分離して看取される。
また、「かぜやわらか」の文字部分は「風和」の文字部分の説明書きに近く、振り仮名であるとしても冗長で違和感があるから、両文字部分は一体性を欠くもので、「風和」の語に従属するように添えられる振り仮名とは認識され難い。
そうすると、本件商標は、「かぜやわらか」の文字部分と「風和」の文字部分とが常に一体として認識されるものではなく、外観上相紛れる。
ウ 観念類似
本件商標の「かぜやわらか」の文字部分は、「風和」の語の意味の説明書きであり観念を特定している。そうすると、本件商標は、主に「風がやわらかい」の特定の観念が生じる。
他方、引用商標は、表意文字である漢字2文字で「風和」からなり、その字義に相応して、「風がやわらかい」や「風がなごむ」などの観念が生じる。
したがって、本件商標と引用商標は、観念上相紛れる。
エ 指定商品の同一又は類似
本件商標の指定商品、第33類「日本酒,清酒,泡盛,合成清酒,焼酎,白酒」は、引用商標の指定商品中、第33類「清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん」と同一又は類似の商品である。
オ 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、称呼、外観及び観念において相紛れるもので、その指定商品も同一又は類似である。
カ 商取引の場において、本件商標が付された瓶入りの日本酒が店舗販売されたり飲食店で提供された場合、需要者が引用商標が付された日本酒と区別するのは実際上困難である。
少なくとも称呼上及び外観上、それぞれ独立して出所機能のある「かぜやわらか」の文字部分及び「風和」の文字部分の2以上の構成要素中の一が引用商標と同一だから、出所の混同が生じる。
そのため、仕入れ段階の商取引の場では、簡潔に「フウワ」の称呼で取引がされるだろうし、最終消費者においても店の棚に置かれた瓶のラベル中に「風和」の文字が付されている日本酒を見て、本件商標に係る日本酒なのか、引用商標に係る日本酒なのかを識別することはできない。
キ 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標について
本件商標は、「かぜやわらか」の平仮名と「風和」の漢字を上下二段に表してなるところ、それぞれの文字部分は、同じ大きさ及び書体で、横一列にまとまりのよい一連一体の構成よりなるもので、上下段の各文字部分も、中心を揃えて近接して配置され、まとまりのよい一体的な構成よりなるものである。
そして、本件商標の構成中「風」の文字は、「かぜ。空気の動くもの。」の意味を、「和」の文字は「やわらぐ。やわらげる。」の意味を有する(甲4)ものの、両文字を結合した構成文字全体(風和)をして具体的な意味を有する成語となるものではないから、特定の観念は生じない。
また、本件商標の構成中「かぜやわらか」の文字部分は、「風和」の漢字と近接した一体的な構成においては、当該漢字と称呼上の関連性がある(「風和(らか)」は「かぜやわらか」に相当する。)ことも相まって、互いに独立した文字部分ではなく、その読み仮名(称呼)を表してなるものと認識、理解されるというのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「カゼヤワラカ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標について
引用商標は、「風和」の漢字を表してなるところ、その構成中「風」(フウ)の文字は「かぜ。空気の動くもの。」の意味を、「和」(ワ)の文字は「やわらぐ。やわらげる。」の意味を有する(甲4)ものの、両文字を結合した構成文字全体をして具体的な意味を有する成語となるものではないから、特定の観念は生じないが、各文字の表音に相応して「フウワ」の称呼が生じる。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「フウワ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると、外観については、構成文字に「風和」の漢字を含む点において共通するが、「かぜやわらか」の平仮名の有無の差異があるから、全体としては異なる語を表してなると認識、理解できるもので、外観における印象は相違する。
また、称呼については、構成音及びその音数が明らかに相違(「カゼヤワラカ」と「フウワ」)するから、互いに聴別は容易である。
さらに、観念については、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
そうすると、本件商標は、引用商標とは、外観及び称呼において相紛れるおそれはなく、観念において比較できないとしても、出所の誤認混同を生じるおそれはないから、類似する商標とはいえない。
イ 申立人の主張
申立人は、本件商標は、その構成中「かぜやわらか」の文字が「風和」の振り仮名とはにわかに判断し難く、漢字2字の読み方としては冗長で違和感があるから、「カゼヤワラカ」の称呼以外にも「フウワ」の称呼も生じること、両文字部分は視覚上分離して看取され常に一体として認識されないこと、構成文字の字義から「風がやわらかい」の観念が生じるから、引用商標「風和」(「フウワ」の称呼、「風がやわらかい」、「風がなごむ」の観念)とは類似する旨を主張する。
しかしながら、本件商標は、上記ア(ア)のとおり、「かぜやわらか」の平仮名と「風和」の漢字が、まとまりよく一体的な構成で表されているもので、両文字は称呼上の関連性もあることも鑑みると、それぞれの文字部分を分離して観察することは取引上不自然であるほど不可分的に結合してなるから、その構成部分の一部を抽出し、その部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないというべきである。
そして、本件商標の構成中「かぜやわらか」の平仮名は、「風和」の漢字とは上下に近接して配置され、両文字は称呼上の関連性もある(「風和(らか)」は「かぜやわらか」に相当する。)から、互いに異なる語を表してなる独立した文字部分というよりは、その読み仮名(称呼)を表してなると認識、理解されるというのが自然であるから、本件商標は、「カゼヤワラカ」の称呼が生じるもので、具体的な意味を有する成語を表したものではないから、特定の観念は生じない。
したがって、本件商標は、上記ア(ウ)のとおり、引用商標とは、外観、称呼及び観念を総合して考察しても、互いに類似する商標とはいえず、申立人の主張は採択できない。
ウ 小括
以上を踏まえると、本件商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
異議決定日 2021-09-07 
出願番号 商願2019-53812(T2019-53812) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W33)
T 1 651・ 263- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 椎名 実 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 鈴木 雅也
阿曾 裕樹
登録日 2021-01-06 
登録番号 商標登録第6337345号(T6337345) 
権利者 有限会社加藤酒造店
商標の称呼 カゼヤワラカ、フーワ 
代理人 玉田 修三 
代理人 松浦 康次 
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