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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1378064 
異議申立番号 異議2021-900052 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-02-12 
確定日 2021-09-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第6321137号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6321137号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6321137号商標(以下「本件商標」という。)は、「Dr.Dermal」の欧文字を標準文字で表してなり、令和元年9月3日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同2年10月15日に登録査定、同年11月26日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
(1)国際登録第1218300号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
指定商品 第3類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張日 2014年(平成26年)1月13日(Republic of Korea)
国際商標登録出願日 2014年(平成26年)5月9日
設定登録日 平成27年12月11日
(2)国際登録第1107523号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品 第3類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2012年(平成24年)1月2日
設定登録日 平成24年11月2日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第7号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、標準文字の「Dr.Dermal」よりなる。「Dr.」部分は敬称であって識別力を有しないか、若しくはあっても強い識別力を有するものではないから、本件商標の主要部は「Dermal」である。このことは、商標権者の名称「ダーマルジャパン株式会社」からも自明である。
そして、本件商標は、その主要部は、他人の先願に係る引用商標と類似であって、その商標登録に係る指定商品と類似の商品について使用するものである。
引用商標は、いずれも主要部が「DERMAL」(決定注:申立書中において「DEARMAL」と記載されたところは、いずれも「DERMAL」の誤記と認める。)であることは明らかである。引用商標の商標権者は「DERMAL KOREA CO.,Ltd」(以下「DERMAL KOREA社」という。)である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第7号について
ア 申立人は、韓国に本社を置く化粧品の製造メーカーであるDERMAL KOREA社の我が国における正規輸入代理店として、引用商標の付された化粧品の輸入販売を行っており、専用使用権の申請を行い(甲4)、登録がなされれば専用使用権者の地位を有する会社である。
しかるに、本件商標は、韓国の化粧品メーカーであるDERMAL KOREA社の商標「DERMAL」のひょう窃的な出願であって、国際商道徳・国際信義に反するものである。
イ 本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、「DERMAL」商標を付したDERMAL KOREA社の商品(以下「DERMAL KOREA社商品」という。)の日本国内の販売代理人であった。その後、DERMAL KOREA社は2020年2月10日に代理店契約の解除及び商品取引の停止の旨を本件商標権者に通知し、当該商品の出荷を停止した(甲5)。
ウ そうすると、本件商標は、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでなされたひょう窃的な出願であって、国際商道徳・国際信義に反するものである。
本件商標権者による本件商標に係る登録出願は、代理店契約の解除及び商品取引の停止された者が、不正の利益を得る目的をもって、他人であるDERMAL KOREA社及び専用使用権者である申立人に損害を与える目的でなされたものであって、商標制度の趣旨に反し、社会正義に照らし、排除されるべき商標登録である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(3)「DERMAL」商標について
ア さきに述べたように、本件商標権者は、DERMAL KOREA社商品の日本国内の販売代理人であった。その後、DERMAL KOREA社は、2020年2月10日に代理店契約の解除及び商品取引の停止の旨を本件商標権者に通知し、当該商品の出荷を停止した(甲5)。
イ ところが、本件商標権者は、その商品販売のホームページ(甲6?甲8)において、両社間において取引が継続していた当時の在庫がなくなった後、商品の入れ替えが行われて以降も、「ダーマル(DERMAL)シートマスク」の名称で商品の販売を継続し、また、商品の名称には「ダーマルNEWパック」「Dermal」と表示し、需要者にDERMAL KOREA社の商品との混同を生ぜしめる商標の使用を継続している。
ウ 加えて、いわゆる当該商品のレビュー(甲9)には、DERMAL KOREA社商品の取扱い当時のレビューを引き続き引用するとともに、実際に販売されている商品とは異なるDERMAL KOREA社商品(「DERMALエッセンスシートマスク」)の写真の掲載をも継続して、商品の混同をさらに助長するような表示を継続して行っている。
エ さらに、楽天市場内における本件商標権者HP(甲10)において、ランキング2位に表示されたDERMAL KOREA社商品(「DERMALエッセンスシートマスク」)の写真から本件商標権者の商品ページ(甲6)へとリンクされており、需要者を故意に欺く使用が継続して行われている。
オ そして、需要者の商品レビューにはDERMAL KOREA社商品(「DERMALコラーゲンエッセンスマスク」)と実際に誤認して本件商標が付された商品を購入し、DERMAL KOREA社商品の質が低下したかのような評価が確認される(甲11)。
カ これらの事実からも明らかなとおり、本件商標権者が本件商標を指定商品に使用することにより、DERMAL KOREA社の商標に化体した信用、名声、顧客吸引力を毀損させているとともに、売り上げの減少も現実に生じている。
キ 以上述べたとおり、本件商標権者による本件商標に係る登録出願は、代理店契約の解除及び商品取引の停止後に不正の利益を得る目的をもって使用をするためになされたものであることは明らかであるから、社会正義に照らし排除されるべき商標登録である。
(4)付言
ア 本件商標登録は、上述するとおり、故意に本件商標と類似する「DERMAL」及び「ダーマル」を指定商品に使用してDERMAL KOREA社の商品と誤認混同を生ずるものであるから(甲6、甲7)、商標法第51条第1項の規定による商標権者による不正使用による取消審判の請求対象となりうるべき商標登録である。
イ さらには、韓国において商標権を有するDERMAL KOREA社に係る商標「DERMAL」(国際登録第1218300号ほか。)に類似する商標である本件商標は、商標「DERMAL」の指定商品に類似する商品を指定商品とするものであり、正当な理由がないのに、DERMAL KOREA社の承諾を得ないでその代理人であったものによって登録出願されたものである(甲5)から、商標法第53条の2の規定による代理人等による不当登録による取消審判の請求対象となりうるべき商標登録である。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「Dr.Dermal」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Dermal」の文字は、「皮膚の」等の意味を有する英語(ジーニアス英和大辞典 株式会社大修館書店)であるものの、我が国において一般に馴染みのある語とはいえないことから、当該文字に接する取引者、需要者が、直ちに特定の意味合いを理解するとはいい難い。
そうすると、「Dermal」の文字は、特定の観念を認識させない一種の造語として理解されるというのが相当である。
そして、「Dr.」の文字は、「医師、博士」の略語を意味する平易な英語であるところ、「Dr.」の語の後ろには、名前など、指称する対象を示す語が続いて、「Dr.○○」のように表記されることが一般的であるから、本件商標は、全体として「ダーマル医師(博士)」程の意味合いを認識させる、一体不可分のものというのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ドクターダーマル」の称呼を生じ、「ダーマル医師(博士)」の観念を生じるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1
引用商標1は、別掲1のとおり、星型図形の下側にリボン状のものを2つ付した図形を左側に配置し、右側に「DERMAL」の欧文字をややデザイン化して横書きした構成よりなる、図形と文字との結合商標であるところ、図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置されているから、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。また、引用商標1の、図形部分と文字部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものであるから、当該文字部分が独立して自他商品の出所識別標識として機能し得るものである。
そうすると、引用商標1は、構成中の「DERMAL」の文字部分に相応して、「ダーマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2
引用商標2は、別掲2のとおり、その構成中に「DERMAL」の文字が顕著に表されているものであり、かかる構成においては、当該文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たすものであるといえる。
そうすると、引用商標2は、構成中の「DERMAL」の文字部分に相応して、「ダーマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおりの構成よりなるところ、全体の外観においては、その構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標「Dr.Dermal」の文字と引用商標の構成中「DERMAL」の文字との比較においても、両者は、文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭において「Dr.」の文字の有無という明らかな差異を有し、この差異が両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ドクターダーマル」の称呼と引用商標から生じる「ダーマル」の称呼とを比較すると、いずれの称呼も冗長でなく、一気に称呼できるものであり、また、両者は称呼の識別上重要な要素である語頭において、「ドクター」の音の有無という差異を有し、この差異が両称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、構成音数、語調語感が異なり、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標が「ダーマル医師(博士)」の観念を生じるのに対し、引用商標は特定の観念を生じないものであるから、両者は相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 申立人の主張について
申立人は、本件商標の構成中「Dr.」の文字部分は敬称であり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであるとして、本件商標の主要部は「Dermal」である旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成中の「Dr.」の文字部分が、単独では自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであるとしても、本件商標「Dr.Dermal」は同書同大等間隔でまとまりよく一体に表され、その称呼「ドクターダーマル」は無理なく一連に称呼し得るものであって、かつ、その構成文字全体から「ダーマル医師(博士)」の観念を生じるものであるから、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成文字全体を一体不可分のものとして認識、把握させるものと判断するのが相当である。
さらに、本件商標は、その構成中「Dermal」の文字部分のみを分離抽出し、他の商標と比較検討すべきとする特段の事情は見いだせない。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
ア 申立人は、申請中の引用商標に係る専用使用権設定登録がなされれば専用使用権者の地位を有するとして、本件商標はDERMAL KOREA社の商標「DERMAL」のひょう窃的な登録出願であり、国際商道徳・国際信義に反するものである旨、また、本件商標権者はDERMAL KOREA社商品の在庫がなくなった後も、自己の商品販売ホームページなどで、DERMAL KOREA社商品と混同を生じさせる表示を継続している、さらに、DERMAL KOREA社商品と誤認して本件商標が付された商品を購入しDERMAL KOREA社商品の質が低下したかのような評価がされていることなどから、本件商標権者が本件商標を使用することにより、DERMAL KOREA社の商標に化体した信用等を毀損させているとともに、売り上げの減少も現実に生じさせているとして、本件商標に係る登録出願は、代理店契約の解除及び商品取引の停止後に不正の利益を得る目的をもって使用をするためになされたものである旨主張している。
イ しかしながら、申立人は現在において引用商標の専用使用権者と認められる(職権調査)ものの、申立人提出の証拠のうち、本件商標権者がDERMAL KOREA社に代理店契約の解除及び商品取引を停止されたことを示す証拠(甲5)には、引用商標の記載がなく、また、それが本件商標権者に送付されたことも確認できない。
さらに、本件商標権者がDERMAL KOREA社商品の在庫がなくなった後もDERMAL KOREA社商品と混同を生じさせる表示を継続していることを示す証拠(甲6?甲9)、及びDERMAL KOREA社商品と誤認して本件商標が付された商品を購入しDERMAL KOREA社商品の質が低下したかのような評価がされていることなどを示す証拠(甲10、甲11)に掲載されている商品、例えば「ダーマルシートマスク」が、DERMAL KOREA社又は申立人の取扱いに係る商品であることも確認できない。
その他、申立人提出の証拠及び職権による調査によっても、本件商標がひょう窃的な登録出願であり、国際商道徳・国際信義に反するもの、不正の利益を得る目的をもって使用をするものであるというべき事情は見いだせない。
また、本件商標が、その登録出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものであるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものといえない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第11号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同項の規定に違反してされたとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)


別掲2(引用商標2)



異議決定日 2021-09-06 
出願番号 商願2019-117093(T2019-117093) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 22- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦崎 直之齋藤 寛斗 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 黒磯 裕子
馬場 秀敏
登録日 2020-11-26 
登録番号 商標登録第6321137号(T6321137) 
権利者 ダーマルジャパン株式会社
商標の称呼 ドクターダーマル、ダーマル 
代理人 加藤 大輝 
代理人 後藤 憲秋 
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