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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W28
管理番号 1377987 
審判番号 取消2020-300749 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-10-21 
確定日 2021-09-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第5591100号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5591100号商標(以下「本件商標」という。)は、「AMBUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成25年1月17日に登録出願、第28類「スキーワックス,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具」を指定商品として、同年5月28日に登録査定、同年6月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、令和2年11月12日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年11月12日から令和2年11月11日までの期間である(以下「要証期間」という。)。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
2 請求の理由
請求人は、本件商標はその指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
3 請求人の弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「乙第○号証」を「乙○」のように省略して記載する。
1 本件審判事件は、本件商標に関し、その指定商品すべてについての不使用による登録取消審判に係るものである。
2 本件商標は、被請求人及び黙示の使用許諾を得ている通常使用権者が、登録取消に係る指定商品に、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用している。
(1)乙1は、被請求人が発行した2019年版の釣り糸のカタログ「UNITIKA FISHING LINE CATALOG 2019」(表紙、商品の掲載ページ、裏表紙の抜粋)である。
乙1の第11頁の上段左側に、「バス専用超耐摩耗ナイロンライン」「シルバースレッド(円形内にRの表示:以下「マルR」という。)アンブッシュ」の表記があり、中央部に大きく「AMBUSH」の文字を表示した製品(釣り糸)の写真が掲載されている。
また、裏表紙には、被請求人の産業資材グループの所在地と、「商品に関するお問い合わせ」として「総発売元/日紅商事株式会社」と、その住所、電話番号及びFAX番号が記載されている。
(2)乙2は、被請求人のウェブサイト(以下「被請求人ウェブサイト」という。)における2020年1月14日付の新着情報「ユニチカフィッシングライン販売総代理店変更のご案内」のページ(写)である。
当該ページにて「当社ユニチカフィッシングライン製品の販売総代理店である日紅商事株式会社が、2020年3月末をもって販売代理店業務を神戸漁具株式会社に移管することとなりました。これに伴い、2020年4月1日より、ユニチカフィッシングライン製品の販売総代理店を、神戸漁具株式会社に変更いたします。」との発表を行った。
(3)乙3は、指定商品「釣り具」に包含される商品「超耐摩耗ナイロンライン」(釣り糸)について撮影された写真である。
ア 乙3の1は、包装箱に入った状態の商品を表面から撮影した写真であり、乙3の2は、同商品を裏面から撮影した写真である。
イ 乙3の1(商品表面)には、上部右側に「Silver Thread(マルR)」の文字及び中央部に大きく「AMBUSH」の文字が表示され、その下にはバーコードと商品コード「4961704810554」が表示されている。
ウ 乙3の2(商品裏面)には、上部左側に「Silver Thread(マルR)」及び「AMBUSH」の文字が、上部右側に「シルバースレッド(マルR)」及び「アンブッシュ」の文字が表示されている。
なお、乙3の写真は、本件商標の使用実態を明示するために本件審判事件の副本送達の日以後に撮影したものであり、商品の使用時期を証明するものではない。
(4)乙4は、被請求人の販売総代理店である神戸漁具株式会社が発行した売上伝票の控えである。各売上伝票の右上部に、販売総代理店である「神戸漁具株式会社」及びその住所、電話番号、FAX番号が表示されている。
これらの表示は、乙2において「2020年4月1日以降のお問い合わせ先」として掲載されている神戸漁具株式会社の住所、電話番号と一致する。
ア 乙4の1は、2020年4月3日に松浦テグス株式会社宛に発行されたもので、品名「シルバースレッド アンブッシュ」の5種類の号数の商品が、それぞれ6個ずつ取引されたことが示されている。このうち、No.27の商品コードは、乙3における商品コード「4961704810554」と一致する。
イ 乙4の2は、2020年6月3日に浜田商会宛に発行されたもので、品名「シルバースレッド アンブッシュ」の4種類の号数の商品が、それぞれ6個ずつ取引されたことが示されている。このうち、No.1の商品コードは、乙3における商品コード「4961704810554」と一致する。
ウ 乙4の3は、2020年7月7日に株式会社魚矢宛に発行されたもので、品名「シルバースレッド アンブッシュ」の2種類の号数の商品が、それぞれ2個ずつ取引されたことが示されている。このうち、No.3の商品コードは、乙3における商品コード「4961704810554」と一致する。
(5)以上により、要証期間に本件商標を付した商品「釣り糸」が神戸漁具株式会社によって販売(譲渡)されたことが明白である。
そして、神戸漁具株式会社は、乙2のとおり、被請求人の販売総代理店であるので、本件商標を使用することについて、被請求人から黙示の使用許諾を得ており、本件商標の通常使用権者である。
また、使用されている「AMBUSH」の文字(以下「使用商標」という。)と本件商標とを比較すると、使用商標は、ややデザイン化されているが、本件商標と同じつづり字からなり、同一の称呼及び観念を生じることから、社会通念上同一であると認められる態様である。
3 上記のとおり、本件商標が、その請求の趣旨に記載された指定商品中「釣り具」に包含される「超耐摩耗ナイロンライン」(釣り糸)ついて、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人及び通常使用権者である神戸漁具株式会社によって使用されていたことは、明らかである(乙1?乙4)。

第4 当審の判断
1 認定事実
(1)被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
ア 乙1の1葉目には、中央に大きく「GREAT」の文字が表示され、その下に、やや小さく「fishing」の文字が表示されている。さらに、その下には、より小さく「UNITIKA FISHING LINE CATALOG」の文字が表示されるとともに「2019」の数字がこれに比して大きく表示されている。また、下部には、「UNITIKA」の文字が表示されている。
2葉目には、右下にページ番号と思われる「11」の表示があり、また、上段左側には、「バス専用超耐摩耗ナイロンライン」、「シルバースレッド(マルR)アンブッシュ」の表示があり、その下には、商品の写真と思われる画像が表示されている。当該商品には、中央に「AMBUSH」の文字が大きく表示されるとともに、「20」「lb(10kg)」「150m」「¥1,500」「UNITIKA」の数字、記号及び文字が表示され、バーコードが表示されている。また、当該商品画像の右側には、「超耐摩耗性で攻撃力を向上させたバス専用ナイロンライン。」との説明文があり、価格表と思われる表が表示されている。当該表中には、「TEST lb[kg]参考号数」に応じて、9種類の商品の詳細が表示されており、「TEST lb[kg]」欄が「12[6]」とされる商品の150mの価格は「¥1,400」、「TEST lb[kg]」欄が「20[10]」とされる商品の150mの価格は「¥1,500」である旨の記載がある。
3葉目の左上部には、「UNITIKA LTD.」の文字が表示され、その下に「ユニチカ株式会社 産業資材グループ」及びその所在地住所等が表示されており、「[商品に関するお問い合わせ]」として、住所、電話番号及びFAX番号とともに、「総発売元/日紅商事株式会社」の表示がある。
イ 乙2は、被請求人が被請求人ウェブサイト内の情報と主張するものであるところ、左上部に、「UNITIKA」の文字が表示され「Topics」と題するページに、「2020年1月14日」の日付で、「ユニチカフィッシングライン販売総代理店変更のご案内」の見出しの下、「当社ユニチカフィッシングライン製品の販売総代理店である日紅商事株式会社が、2020年3月末をもって販売代理店業務を神戸漁具株式会社に移管することとなりました。これに伴い、2020年4月1日より、ユニチカフィッシングライン製品の販売総代理店を、神戸漁具株式会社に変更いたします。」との記載があり、その下の「[2020年4月1日以降のお問い合わせ先]」の項には、「新 販売総代理店」として「社名:神戸漁具株式会社」の記載と、その所在地の住所として「兵庫県神戸市西区見津が丘2-4-10」の記載及び電話番号として「078-995-7202」の記載がある。
ウ 乙3は、被請求人が、指定商品「釣り具」に包含される商品と主張する商品「超耐摩耗ナイロンライン」(以下「使用商品」という。)の包装された状態と思われる写真であり、乙3の1は、包装された使用商品を表面から撮影したもの、乙3の2は、同商品を裏面から撮影したものである。
(ア)乙3の1における商品の上部右側には、「Silver」及び「Thread(マルR)」の文字が上下二段に表示されている。また、中央部には、大きく「AMBUSH」の文字が表示されるとともに、「12」「lb(6kg)」「¥1,400」「150m」「UNITIKA」の数字、記号及び文字の表示があり、さらに、バーコードが付され、商品コード「4961704810554」の表示がある。また、包装箱の下部には「超耐摩耗ナイロンライン」の表示がある。
(イ)乙3の2(包装裏面の写真)には、包装の上部左側に「Silver」及び「Thread(マルR)」の文字が上下二段に表示され、その下に大きく「AMBUSH」の文字が表示され、また、上部右側には、一部切り込みのある楕円状の輪郭内に「UNITIKA」の文字が表示され、その下に、「シルバースレッド(マルR)」及び「アンブッシュ」の文字が上下二段に表示されており、さらに、「バス専用ナイロンライン」の表示がある。
そして、包装の下部には、「釣糸を切断する場合は、ハサミなどを使用してください。」、「使用済みの釣糸は、釣り場へ捨てず、持ち帰って処分してください。」、「釣り以外の目的に使用しないでください。」等の注意書きの記載があり、最下部には、「UNITIKA LTD.」の文字が表示されている。
また、注意書きの上には、乙1の2葉目に掲載されている価格表と思われる表と同じ内容の表が掲載されている。
なお、乙3の1及び乙3の2の写真の撮影日は、「2020年12月11日」及び「2020年12月14日」と記載されている。
エ 乙4の1ないし乙4の3は、いずれも「売上伝票(控)」と題する書面である。
(ア)乙4の1は、「売上伝票(控)」の表題の下に「2020年04月03日」の日付が表示され、宛先と思われる箇所に「松浦テグス(株) 御中」の表示があり、発行者と思われる箇所に「神戸漁具株式会社」の表示があり、さらに、その所在地の住所として「兵庫県神戸市西区見津が丘2-4-10」の記載及び電話番号として「078-995-7202」の記載がある。
そして、内訳を記載したと思われる表には、「No.」として「27」、「商品コード」として「4961704810554」、「品名」として「シルバースレッド アンブッシュ 150m 12LB」の記載がある。
(イ)乙4の2は、「売上伝票(控)」の表題の下に「2020年06月03日」の日付が表示され、宛先と思われる箇所に「浜田商会様特別単価分 御中」の表示があり、発行者と思われる箇所に「神戸漁具株式会社」の表示があり、さらに、その所在地の住所として「兵庫県神戸市西区見津が丘2-4-10」の記載及び電話番号として「078-995-7202」の記載がある。
そして、内訳を記載したと思われる表には、「No.」として「1」、「商品コード」として「4961704810554」、「品名」として「シルバースレッド アンブッシュ 150m 12LB」の記載がある。
(ウ)乙4の3は、「売上伝票(控)」の表題の下に「2020年07月07日」の日付が表示され、宛先と思われる箇所に「株式会社 魚矢 御中」の表示があり、発行者と思われる箇所に「神戸漁具株式会社」の表示があり、さらに、その所在地の住所として「兵庫県神戸市西区見津が丘2-4-10」の記載及び電話番号として「078-995-7202」の記載がある。
そして、内訳を記載したと思われる表には、「No.」として「3」、「商品コード」として「4961704810554」、「品名」として「シルバースレッド アンブッシュ 150m 12LB」の記載がある。
(2)被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおり、認めることができる。
ア カタログ(乙1)について
(ア)乙1は、被請求人が、自身が発行した2019年版の釣り糸のカタログ「UNITIKA FISHING LINE CATALOG 2019」(表紙、商品の掲載ページ、裏表紙の抜粋)と主張するものであるところ、上記(1)アのとおり、表紙と思われる乙1の1葉目には、「UNITIKA FISHING LINE CATALOG」及び「2019」との記載があり、「FISHING LINE」の文字は、「釣り糸」を意味する英語である(ジーニアス英和辞典第5版 株式会社大修館書店)。
また、カタログ等のタイトルに、発行年を西暦で表した数字を付すことが一般に行われている実情を考慮すると、上述の「2019」は発行年を意味するものとみることができる。
さらに、下部には、被請求人の略称をローマ字表記したものと思われる「UNITIKA」の文字が表示されている。
(イ)商品の掲載ページと思われる2葉目においては、上記(1)アのように、商品の説明、価格等が掲載されている。
(ウ)裏表紙と思われる3葉目には、被請求人名を表したものと思われる「UNITIKA LTD.」、「ユニチカ株式会社」の文字の記載とともに、「総発売元/日紅商事株式会社」の記載がある。
(エ)1葉目に記載された「FISHING LINE」の文字が「釣り糸」を意味する英語であることに加え、上記(ア)ないし(ウ)を総合的にみると、乙1は、被請求人が発行した、2019年版の「釣り糸」に関するカタログ(以下「本件カタログ」という。)の抜粋とみることができる。
そして、上記の「総発売元/日紅商事株式会社」の記載からすれば、本件カタログに掲載されている被請求人の商品の販売は、「総発売元」とされる日紅商事株式会社が行っていたことがうかがえる。
イ 販売総代理店について
上記(1)イによれば、被請求人の「フィッシングライン製品」(釣り糸)の販売総代理店は、2020年4月1日以降、本件カタログに総発売元として記載されている「日紅商事株式会社」から「神戸漁具株式会社」(兵庫県神戸市西区見津が丘2-4-10所在)に変更となったことがうかがえる。
ウ 使用商品について
(ア)乙3の1の写真の画像は、その構成態様から、乙1の2葉目の左上方に掲載された商品写真の画像と同じデザインの商品の拡大写真とみることができる。なお、乙1に掲載された写真における商品と乙3の1の写真における商品とは、「20 lb(10kg)」「¥1,500」と、「12 lb(6kg)」「¥1,400」という記載の差異はあるものの、乙1の2葉目及び乙3の2に掲載された価格表と思われる表には、「TEST lb[kg]」欄が「12[6]」とされる商品の150mの価格は「¥1,400」、「TEST lb[kg]」欄が「20[10]」とされる商品の150mの価格は「¥1,500」である旨の記載があり、かかる記載と上記写真における商品に表示されている「TEST lb[kg]」及び価格は一致している。
そうすると、乙1に掲載された写真における商品と乙3の写真における商品は、同じシリーズの商品の号数違いのものとみて差し支えないものである。
(イ)そして、乙1に掲載された写真における商品と乙3の写真における商品には、いずれも「AMBUSH」の文字が表示されている。
エ 使用商品の販売について
(ア)乙4は、いずれも「売上伝票」の控えとみることができるものであり、乙4の1ないし乙4の3の各売上伝票からは、それぞれ、2020年4月3日、同年6月3日及び同年7月7日に、「神戸漁具株式会社」が、「商品コード」が「4961704810554」とされる「シルバースレッド アンブッシュ 150m 12LB」という品名の商品を「松浦テグス株式会社」「浜田商会」「株式会社魚矢」に販売したことがうかがえるものである。
そして、当該商品コードは、乙3の1の写真における商品に付されたコードと一致し、当該商品名も乙3の2に表示された「シルバースレッド アンブッシュ」と一致するものである。
また、当該売上伝票の発行者と思われる「神戸漁具株式会社」の社名、及び「兵庫県神戸市西区見津が丘2-4-10」の住所は、乙2における2020年4月1日以降の被請求人の釣り糸の総販売代理店の情報と一致する。
(イ)本件カタログは、2019年度版のものとみることができ(乙1)、2020年12月11日及び14日に撮影された乙3の1及び乙3の2の写真における商品の写真や価格表の記載と併せてみるに、売上伝票(乙4)において、令和2年(2020年)4月3日、同年6月3日及び同年7月7日付けで販売されたといい得る、商品コード「4961704810554」、品名「シルバースレッド アンブッシュ 150m 12LB」と記載された商品は、乙3の1及び乙3の2の写真における商品と同じ態様で取引されたものと推認できるものである。
(ウ)そうすると、被請求人の釣り糸の販売総代理店である「神戸漁具株式会社」が、少なくとも、令和2年(2020年)4月3日、同年6月3日及び同年7月7日に、日本国内の企業に対して、乙3で示された商品と同じ商品を販売したとみることができる。
2 判断
(1)使用者について
商標権者(被請求人)である「ユニチカ株式会社」の商品「釣り糸」について、販売総代理店として2020年4月1日以降、「神戸漁具株式会社」が取引を行う旨の記載があること(乙2)、同社発行の売上伝票(乙4)並びに乙3の商品写真に表示された商品コード及び商品名が一致する(乙3)ことを併せてみれば、「神戸漁具株式会社」は、本件商標の通常使用権者といって差し支えないものであり、被請求人の商品「釣り糸」の販売総代理店として、実際にこれらの商品を販売していたとみることができる。
(2)使用商標について
本件商標は、「AMBUSH」の文字を横書きしてなるところ、本件カタログ(乙1)及び乙3の商品写真に表示されている使用商標は、ややデザイン化された「AMBUSH」の文字よりなるものである。
そうすると、両者は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるといえるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。
(3)使用時期について
上記1(2)エ(イ)のとおり、本件カタログは、2019年度版のものとみることができ(乙1)、2020年12月11日及び14日に撮影された乙3の1及び乙3の2の写真における商品の写真や価格表の記載と併せてみるに、売上伝票(乙4)において、令和2年(2020年)4月3日、同年6月3日及び同年7月7日付けで販売されたといい得る、商品コード「4961704810554」、品名「シルバースレッド アンブッシュ 150m 12LB」と記載された商品は、乙3の1及び乙3の2の写真における商品と同じ態様で取引されたものと推認できるものである。
そして、令和2年(2020年)4月3日、同年6月3日及び同年7月7日は、いずれも要証期間内である。
(4)使用商品について
使用商標が付された商品(乙1、乙3)は、本件カタログや乙3の2における記載内容及び被請求人の主張を併せてみれば、「釣り糸」であることを疑うべき合理的な理由は見いだせない。
そして、「釣り糸」は、本件審判の請求に係る指定商品中の「釣り具」の範ちゅうに属する商品といえる。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に本件審判の請求に係る指定商品中の「釣り具」に含まれる「釣り糸」について、本件商標と社会通念上同一の商標を付したものを譲渡したものと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品中の「釣り具」に含まれる「釣り糸」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものといえる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2021-06-23 
結審通知日 2021-06-25 
審決日 2021-07-26 
出願番号 商願2013-2018(T2013-2018) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (W28)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 馬場 秀敏
庄司 美和
登録日 2013-06-14 
登録番号 商標登録第5591100号(T5591100) 
商標の称呼 アンブッシュ 
代理人 特許業務法人森本国際特許事務所 
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