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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z41
管理番号 1377972 
審判番号 取消2020-300864 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-11-27 
確定日 2021-09-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第4589708号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4589708号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「iAC」の欧文字を装飾化した態様で表してなり、平成13年5月30日に登録出願され、第41類「愛玩動物の美容及び看護の教授,専門学校における教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,愛玩動物の美容及び看護に関するセミナーの企画・運営又は開催,愛玩動物の調教,その他の動物の調教,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,音楽の演奏,歌の上演,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の興行の企画又は運営,教育・文化・娯楽・スポーツ用のレコード原盤の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用のビデオグラムの制作,カラオケ施設の提供,映画の上映の情報の提供」の役務を指定役務として、平成14年7月26日に設定登録され、同24年4月10日に更新登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年12月14日であり、その請求の登録前3年以内の平成29年12月14日から令和2年12月13日までの期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の商標登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出している。
1 被請求人は、1997年4月に「国際動物専門学校」を開校し、現在まで愛玩動物の美容、看護、訓練、飼育等の多くの技術者を育成してきたのであり、2019年に配布されたパンフレット(学校案内)(乙2)によれば、指定役務である第41類「愛玩動物の美容及び看護の教授、専門学校における教授等」を業として行っていることは明らかである。
2 同パンフレットの「キャンパスマップ」に説明された「2号館」において、玄関脇に設置された標札(乙5)や同館の屋上に設置されている看板(乙6)において本件商標と社会通念上同一の商標が「国際動物専門学校」の文字とともに使用されている。当該標札や看板等は、「2号館」の使用開始時から現在まで設置されており、少なくとも2020年2月から現在まで使用されている(乙6)。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、学校法人であり、1997年4月に、専門学校である「国際動物専門学校」(以下「本件専門学校」という。)を開校し、その後、同校を運営している(乙2、乙3)。
(2)本件専門学校では、動物看護師に関する資格を取得しようとする者に向けた「動物看護・理学療法学科」及び「動物看護・栄養学科」やトリマーに関する資格を取得しようとする者に向けた「美容・デザイン学科」等の複数の学科が開設され、これらの資格を取得しようとする者に対し、そのための知識の教授(以下「使用役務」という。)を行っている。
(3)本件商標権者は、2020年度入学志願者に向けたオープンキャンパス等の案内を掲載したパンフレット(乙2。以下「乙2パンフレット」という。)において、これらの学科を紹介した。このパンフレットの表紙には、本件専門学校の名称である「国際動物専門学校」の文字がタイトルとして表示され、さらに、本件専門学校を運営する主体である本件商標権者の名称である「学校法人シモゾノ学園」の文字も表示されている。
(4)本件専門学校の校舎は、「本館」、「1号館」、「2号館」及び「3号館」からなり(乙2)、そのうち「2号館」(東京都世田谷区新町2丁目1番5号)の玄関脇には、別掲2の標札が設置されている。そして、この標札には、「iAC」の欧文字を装飾化した態様の商標(以下「使用商標1」という。)と「学校法人」「国際動物専門学校」「シモゾノ学園」の文字とが表示されている(乙5の1?乙5の3)。
(5)さらに、「2号館」の屋上には、別掲3の看板が設置されており、この看板には、「iAC」の欧文字を装飾化した態様の商標(以下「使用商標2」という。)が「学校法人」「国際動物専門学校」の文字とともに表示されている(乙4の1?乙4の2、乙6の1?乙6の2)。
また、この看板を道路から2020年2月に撮影した写真(乙6の1?乙6の2)及び同年12月に撮影した写真(乙4の1?乙4の2)がグーグルマップのストリートビューに掲載されており、このことから、この看板は、遅くとも2020年2月から同年12月まで設置されていたものと推認される(乙4の1?乙4の2、乙6の1?乙6の2)。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
使用商標1及び使用商標2は、いずれも、本件商標と着色の違いはあるとしても、本件商標と同様の態様で「iAC」の欧文字を装飾化したものであるから、本件商標と社会通念上同一のものである。
(2)使用者について
上記1の(1)及び(2)によれば、本件商標権者は、動物看護師に関する資格を取得しようとする者に向けた「動物看護・理学療法学科」及び「動物看護・栄養学科」やトリマーに関する資格を取得しようとする者に向けた「美容・デザイン学科」等の複数の学科を開設した本件専門学校を運営するにあたって、これらの学科を紹介するパンフレット(乙2)において、運営主体としての本件商標権者を示す「学校法人シモゾノ学園」の文字とともに同校を示す「国際動物専門学校」の文字を用いている。
このことから、「国際動物専門学校」の文字は、本件専門学校の校舎等のみならず、使用役務を含む同校において本件商標権者が提供する役務をも総称的に示すものとして用いられていることが明らかである。
そして、使用商標1を表示した標札及び使用商標2を表示した看板には、同校において本件商標権者が提供する役務を示す「国際動物専門学校」の文字とともに使用商標1及び使用商標2が表示されているから、使用商標1及び使用商標2の使用者は、本件商標権者であるといえる。
(3)使用役務について
上記1(2)の使用役務は、本件商標の指定役務のうち、「愛玩動物の美容及び看護の教授,専門学校における教授」に含まれるといえる。
(4)使用時期について
上記1(5)によれば、本件商標権者は、遅くとも2020年2月から同年12月まで、「国際動物専門学校」の文字とともに使用商標2を表示する看板を2号館の屋上に設置していたものと推認されるところ、2020年2月は要証期間内である。
よって、使用商標2の使用時期は、要証期間内である。
(5)使用行為について
(4)のとおり、本件商標権者は、要証期間内に、使用商標2を表示する看板を2号館の屋上に設置していたものと推認されるところ、この看板は、使用役務を含む本件専門学校において本件商標権者が提供する役務を示す「国際動物専門学校」の文字とともに使用商標2を表示するものであるから、使用役務についての広告に該当する。
してみると、本件商標権者は、要証期間内に、使用役務に関する広告に使用商標2を付して展示する行為、つまり、商標法第2条第3項第8号の使用行為を行ったものといえる。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件商標の指定役務である第41類の「愛玩動物の美容及び看護の教授」及び「専門学校における教授」について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲1:本件商標)


(別掲2:使用商標1(標札))(色彩は原本参照)


(別掲3:使用商標2(看板))(色彩は原本参照)


審理終結日 2021-07-08 
結審通知日 2021-07-12 
審決日 2021-07-29 
出願番号 商願2001-48696(T2001-48696) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 岩崎 安子
相崎 裕恒
登録日 2002-07-26 
登録番号 商標登録第4589708号(T4589708) 
商標の称呼 アイエイシイ、イアック、アイアック 
代理人 一色国際特許業務法人 
代理人 櫻木 信義 

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