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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W35 審判 査定不服 観念類似 登録しない W35 審判 査定不服 外観類似 登録しない W35 |
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管理番号 | 1377890 |
審判番号 | 不服2020-13997 |
総通号数 | 262 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-10-06 |
確定日 | 2021-08-10 |
事件の表示 | 商願2019-15435拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類、第37類及び第41類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成31年1月23日に登録出願、その後、指定役務については、原審における令和2年2月10日受付の手続補正書により、第35類「セールスプロモーション広告の企画及び代理,広告イベントの企画及び運営」に補正され、第37類「全指定役務」及び第41類「全指定役務」は削除されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5897558号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成28年6月23日に登録出願、第35類「広告業,広告に関する情報の提供,商品の見本市又は展示会の企画・運営又は開催,広告用ビデオの制作,インターネットにおけるホームページによる広告用スペースの提供」を含む第9類、第35類及び第36類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、赤色で、「×」をモチーフとした図形(以下「本件図形 」という。)とその左下に「Knot」(構成文字は全て同じ大きさで書されている。また、末尾の「t」はややデザイン化されている。以下同じ。)の欧文字を配してなるところ、本件図形と「Knot」の文字とは、上下に離れて配置され、その大きさも異なるため、これらは、視覚上分離して看取されるものといえる。 そして、本件図形は、「×」をモチーフとした図形であって、格別特徴のないものであるから、これからは特定の称呼及び観念を生じない。 一方、本願商標の構成中の「Knot」の文字は、「結び目」を意味する平易な英語であるから、これよりは「結び目」の観念を生じる。 また、本件図形と「Knot」の文字とが、一体として、特定の意味合いを有する等の観念上の結びつきを有するものとは認められないことから、本件図形と「Knot」の文字が常に一体不可分のものとしてのみ看取されるものと判断しなければならない特段の事情は見いだせないものである。 さらに、本願商標の構成中の「Knot」の文字が、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情はない。 そうすると、本願商標は、本件図形と「Knot」の文字との間に観念上の結びつきを有するものではなく、また、本件図形からは、特定の称呼及び観念を生じないから、その構成中の「Knot」の文字が「結び目」を意味する語として強く支配的な印象を与えるものと認識すると判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、その構成中の本件図形及び「Knot」の文字は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとは認められず、その構成中の「Knot」の文字のみを分離抽出し、これを本願商標の自他役務の識別標識を表示する要部として認識し、この部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきであり、「Knot」の文字に相応して「ノット」の称呼を生じ、「結び目」の観念を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、青色で、「knot」(「o」の文字のみ濃い青色で書してなる。以下同じ。)の文字及び「Your home Information」の文字を二段に横書きしてなるところ、上段の「knot」の文字と下段の「Your home Information」の文字とは、離れて配置されており、また、引用商標の構成中の「knot」の文字は、「Your home Information」の文字と比較して、大きく顕著に表されているため、これらは、視覚上分離して看取されるものといえる。 また、引用商標の構成中の「knot」の文字と「Your home Information」の文字とが、一体として、特定の意味合いを有する等の観念上の結びつきを有すると判断するべき事情は認められないし、両文字が、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情はない。 さらに、「knot」の文字と「Your home Information」の文字とを一連に称呼したときに生じる「ノットユアホームインフォメーション」の称呼は、冗長であるといえる。 そうすると、引用商標は、「knot」の文字及び「Your home Information」の文字がそれぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当であり、また、「knot」の文字は、引用商標の上段に目を引きやすいように、大きく顕著に表されていることからすると、引用商標に接する需要者は、その構成中の「knot」の文字を強く支配的な印象を与えるものと認識すると判断するのが相当である。 したがって、引用商標は、その構成中の「knot」の文字のみを分離抽出し、これを引用商標の自他役務の識別標識を表示する要部として認識し、この部分のみを本願商標と比較することが許されるというべきであり、「knot」の文字に相応して「ノット」の称呼を生じ、「結び目」の観念を生じるものである。 ウ 本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標を比較すると、両者は、全体の外観を異にするとしても、本願商標の構成中の「Knot」の文字と引用商標の構成中の「knot」の文字は、つづりを共通にすることからすると、外観上、類似するものである。 次に称呼においては、本願商標の構成中の「Knot」の文字から「ノット」の称呼を生じ、引用商標の構成中の「knot」の文字から「ノット」の称呼を生じるものであるから、両者は、「ノット」の称呼を共通にするものである。 そして、観念においては、両者は、その構成中の「Knot」及び「knot」の文字から、いずれも「結び目」の観念を生じるため、観念を同じくするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、構成全体としては、その外観が異なるものであるとしても、本願商標の要部である「Knot」の文字と引用商標の要部である「knot」の文字は、外観上類似するものであって、「ノット」の称呼及び「結び目」の観念を共通にするものであることから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。 エ 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について 本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務である。 オ 小括 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標と引用商標とは、外観、称呼、観念において、著しく相違する旨主張する。 しかしながら、前記(1)ウのとおり、本願商標と引用商標とは、全体の外観が異なるとしても、本願商標の要部である「Knot」との文字と引用商標の要部である「knot」の文字とが、外観上類似するものであって、「ノット」の称呼及び「結び目」の観念を共通にするものであることから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。 イ 請求人は、本件商標の本件図形から「クロス」の称呼が生じるから本件商標の称呼は「クロスノット」である旨、また、自動車及びゲームソフトについての事例を挙げ、昨今の商標の傾向を鑑みると商品・役務の分野を問わず、交差する2本の線を「クロス」と称呼することが広く浸透しており、また、商標を構成する他の要素と一体不可分の要素であると広く認識されている旨主張する。 しかしながら、本願商標の構成中の図形は、交差する2本の線から構成されているとしても、この図形を「クロス」と称すると判断しなければならない特別な事情を有するものとは認められない。 また、請求人の挙げる事例は、自動車及びゲームソフトについての事例を挙げるにとどまり、本願商標及びその指定役務との関連性が認められないことからすると、本願商標と引用商標の類否判断に当たり考慮すべき一般的、恒常的な実情とはいえないものである。 したがって、本願商標の構成中の本件図形から「クロス」の称呼が生じ、本件商標を「クロスノット」と称呼するべきものとは認められないと判断するのが相当である。 ウ 請求人は、過去の判決を挙げ、本願商標と引用商標から「Knot」及び「knot」の文字を抜き出して類否判断を結論付けるのは妥当性に欠ける旨主張する。 しかしながら、請求人の提示する判決例は、本願商標と引用商標の類否とは事案を異にするものであって、商標の類似は、商標の構成や各事案の実情に応じて個別に判断すべきものである。 エ 以上のとおり、請求人の上記アないしウの主張はいずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩については原本参照) 別掲2 引用商標(色彩については原本参照) |
審理終結日 | 2021-06-02 |
結審通知日 | 2021-06-03 |
審決日 | 2021-06-24 |
出願番号 | 商願2019-15435(T2019-15435) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(W35)
T 1 8・ 261- Z (W35) T 1 8・ 263- Z (W35) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 真鍋 恵美、高橋 佐季、池田 光治 |
特許庁審判長 |
小松 里美 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 青野 紀子 |
商標の称呼 | ノット、ケイエヌオオテイ |
代理人 | 石原 幸典 |
代理人 | 石原 昌典 |