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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
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管理番号 | 1376983 |
異議申立番号 | 異議2020-900297 |
総通号数 | 261 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-09-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-11-12 |
確定日 | 2021-08-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6284335号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6284335号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6284335号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和元年6月14日に登録出願、第30類「ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りのホイップクリーム用安定剤,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りの茶,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りの菓子,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りのみそ,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りのアイスクリームのもと,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りのチョコレートスプレッド,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りの食用粉類,ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつ入りの食用グルテン」を指定商品として、同2年7月29日に登録査定され、同年8月26日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録第5380195号商標(以下「引用商標」という。)は、「MGO」の文字を標準文字で表してなり、平成22年2月16日登録出願、第30類「はちみつ」を指定商品として、同23年1月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。 1 本件商標の登録を取消とすべき理由 本件商標は、「O」、「cosana」、「MGO」、「MANUKA」、「HONEY」、「PRODUCT OF」及び「NEW ZEALAND」の文字及び図形からなるものである。 しかしながら、申立人の有する引用商標は、その先願に係るものであって、本件商標とは互いに類似しており、その指定商品も同一又は類似するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであり、取消すべきものである。 (1)本件商標と引用商標の指定商品について 本件商標の指定商品は、上記第1に記載したとおりの商品であり、一方、引用商標の指定商品は、第30類「はちみつ」である。 本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれることが明らかであるので、本件商標と引用商標は、同一又は類似する商品を指定商品とするものである。 (2)本件商標と引用商標との類否について 本件商標は、左上から、デザイン化された「O」の文字の下に黒色の標準的な書体の欧文字で「cosana」の文字が左横書きしてなるものと、その右に、黄色の長方形の中に黒色の標準的な書体の欧文字で「MGO」の文字が左横書きしてなるものと、中央には、紺色の標準的な書体の欧文字で「MANUKA」及び「HONEY」の文字が二段に左横書きしてなるものと、その下に、先述の「MANUKA」及び「HONEY」の文字よりも小さく、黒色の標準的な書体の欧文字で「PRODUCT OF」及び「NEW ZEALAND」の文字が二段に左横書きしてなるものと、右下に、花の図形とを組み合わせてなるものある。 一方、引用商標は、「MGO」の文字を標準文字で表してなるものである。 本件商標と引用商標の称呼を検討すると、本件商標からは、その構成文字に相応した「コサナ」、「エムジイオオ」、「マヌカハニー」及び「プロダクトオブニュージーランド」の称呼が生ずるといえる。 本件商標は、「MGO」の部分とその他の部分の背景色が黄色と白色で異なるため、それぞれの部分は分離して看取されるものである。 また、本件商標の構成中、「MGO」の文字は、背景色が黄色になっており、看者の目をひく部分であるので、本件商標に接する取引者及び需要者は、本件商標のうち、「MGO」の文字部分をもって取引に当たることがあるものといえる。 そうすると、本件商標は、その構成中の「MGO」の文字部分に相応して、「エムジイオオ」の称呼を生じるものであるといえる。 したがって、本件商標は、引用商標の称呼と同一の称呼を生じるものである。 以上を踏まえて、本件商標と引用商標との類否について検討すると、両商標は、外観において差異があり、観念を比較できないとしても、その要部である「MGO」の文字を共通とし、それにより生ずる称呼を同じくする類似の商標であるといえる。 したがって、本件商標と引用商標とは、互いに類似する商標である。 (3)「MGO」の文字の識別性について 「MGO」の文字は、引用商標の権利者が創作した造語であり、辞書にも載録されていない語であるので、特定の観念を生じないものである。 本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)は、本件商標の審査における拒絶理由通知書に対する意見書において、「本件商標における『MGO』の部分は、商品『はちみつ』等との関係において、当該商品の品質・成分等を表示するものであり、特別の出所を表示する識別力のあるものとはいえないものであることから、『その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合』には該当しない。」旨主張しているが、マヌカはちみつの成分の1つであるメチルグリオキサールの略語は「MG」であり、「MGO」ではない。 引用商標の商標権者(以下「引用商標権者)という。)は、メチルグリオキサールのアルファベット表記である「METHYLGLYOXA」から「M」、「G」及び「O」の文字を取って「MGO」という造語を創作し、自社の商標として採択した。 したがって、引用商標権者のウェブサイトでは、メチルグリオキサールという成分を紹介する際に、自社の商標である「MGO」の文字を使用しているが、それをもって、「MGO」の文字はメチルグリオキサールという成分を表す普通名称であるということはできないと考える。 また、本件商標権者は、当該意見書において、「この『MGO』は、ニュージーランド産のマヌカの花から採れたはちみつに多く含有される抗菌活性を持つ物質『METHYLGLYOXAL/Methylglyoxal(メチルグリオキサール)』の略称である。」旨主張しているが、本件商標権者は、引用商標権者の製品に表記された「MGO」の文字をメチルグリオキサールの普通名称であると誤認し使用しているものであると考える。 引用商標権者は、メチルグリオキサールの含有量を全製品に表記しており、メチルグリオキサール含有量分析試験書の製品同梱を始めた元祖企業であるので、本件商標権者は引用商標である「MGO」を成分の普通名称であると誤認したと考える。 また、現在でも、メチルグリオキサールの含有量は、「MG」の文字と数字の組み合わせで表示されるのが一般的であり、「MGO」の文字を使用しているのは、数社にとどまる。大多数の企業及び養蜂場は、メチルグリオキサールの略語は「MG」であると正しく理解しており、メチルグリオキサールの含有量を表示するのに「MG」の文字を使用している(甲3?甲21)。 さらに、「MGO」の文字がマヌカハニーの抗菌作用の指標として使用されているものであり、指定役務「医薬品、化粧品又は食品の試験、検査又は研究」について識別性を有さないと判断されたとしても、それが指定商品「はちみつ」との関係において「MGO」の文字は識別性を有さないということにはならないと考える。 また、ニュージーランドでは、「MGO」の文字は、はちみつについて識別力がないものとして扱われているとしても、その事実をもって直ちに日本においても「MGO」の文字は、指定商品「はちみつ」との関係において識別性を有さないということはできないと考える。 以上より、「MGO」の文字は、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、マヌカはちみつに含まれる成分量を示すものとして、広く一般に使用されているものではなく、指定商品との関係において充分に自他商品識別性を有する文字であるので、本件商標の要部となり得る部分であり、「MGO」の文字のみを抽出し、他人の商標と比較して商標としての類否を判断することは妥当であると思料する。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、他人の引用商標に類似する商標であって、その引用商標に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるので、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標は、別掲のとおり、略正方形の内部に、左上に黄色の縦長楕円図形と「cosana」の文字、右上に黄色の長方形を背景に「MGO」の文字を配し、その下に、横線を挟んで「MANUKA」及び「HONEY」の文字、その下に「PRODUCT OF」及び「NEW ZEALAND」の文字をいずれも二段書きで配し、さらに、左下には3輪の白い花の図形を描いてなるものである。 そして、本件商標を構成する各文字部分及び図形部分は、略正方形の内部にいずれもバランス良く配置されていることから、本件商標は全体としてまとまりのよい印象を与えるものである。 また、本件商標の上記構成においては、殊更、右上部に配された「MGO」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえないものであり、さらに、他に「MGO」の文字部分のみに着目し、当該文字部分に相応した称呼のみをもって取引に資するというべき事情も見いだせない。 そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、外観上まとまりよく一体的に表されてなる本件商標を構成全体として一つの商標として認識し、把握するというのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成全体をもって一体のものとして引用商標との類否を判断すべきであって、「MGO」の文字部分のみを抽出して分離観察を行うことは許されないというべきである。 イ 他方、引用商標は、前記第2のとおり、「MGO」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、「エムジーオー」の称呼を生じるものであり、また、該文字は、辞書に載録されている語ではないから、一種の造語として理解されるものであって、特定の観念を生じないものである。 ウ 以上のとおり、本件商標は、その構成全体をもって一体のものとして引用商標との類否を判断すべきものであって、本件商標より「MGO」の文字部分のみを抽出し、本件商標から「エムジーオー」の称呼を生じるものとして、引用商標と比較して類否を判断することが妥当であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。 その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由も見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきである。 (2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本件商標の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 (3)小括 上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、たとえ、その指定商品が同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということができない。 2 むすび したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、他に同法第43条の2各号に該当するという事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標(色彩は、原本を参照。) |
異議決定日 | 2021-07-28 |
出願番号 | 商願2019-84422(T2019-84422) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W30)
T 1 651・ 263- Y (W30) T 1 651・ 262- Y (W30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘、上山 達也、加藤 優紀、馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
小松 里美 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 小俣 克巳 |
登録日 | 2020-08-26 |
登録番号 | 商標登録第6284335号(T6284335) |
権利者 | 株式会社コサナ |
商標の称呼 | コサナ、マヌカハニープロダクトオブニュージーランド、マヌカハニー、エムジイオオ、オオ、ゼロ |
代理人 | 津国 肇 |
代理人 | 特許業務法人コスモス国際特許商標事務所 |
代理人 | 山村 大介 |
代理人 | 特許業務法人 津国 |
代理人 | 岡村 百佳 |