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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W24
管理番号 1376877 
審判番号 取消2019-300739 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-09-27 
確定日 2021-07-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第5805014号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5805014号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5805014号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2014年10月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成27年1月20日に登録出願、第24類「ゴルフ用タオル,タオル」を指定商品として、同年11月6日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年10月11日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年10月11日から令和元年10月10日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張
1 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
2 本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていないものである。
3 請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標は、請求に係る指定商品中の「タオル」について、商標権者及び通常使用権者により継続して使用されている。
2 被請求人について
被請求人は、著名な資産家で熱心な慈善家でもあるA氏によって、2014年9月に創業された。
被請求人製造のゴルフクラブは、2016年6月に日本総販売代理店が設置され我が国にも進出したが、初心者から上級者までの広い範囲のゴルファーたちの熱烈なる支持により、短期間で被請求人のゴルフクラブ、「PXG」の文字商標(以下「PXGマーク」という。)及び「PXG」の文字を図案化した商標(以下「PXGロゴ」という。)は周知著名となり、日本のゴルフ愛好家にも広く浸透している。
被請求人は、2019年3月16日に大阪府にドライビングレンジ(PXG OSAKA DRIVING RANGE)を開設し(乙3の2)、また、同月26日に東京において、「PXG TOKYO FITTING STUDIO」での事業を開始しており、ゴルフクラブのフィッティングのサービスを主たる事業としながら、ゴルフに関連するキャディバッグやダッフルバッグ、キャップ、バイザーその他の商品の販売も行っている(乙3の1)。
3 本件審判請求について
請求人は、産業用ギヤユニット(インダストリアル・ギヤ)やモータ、ギヤモータの分野の工業製品の製造及び販売を主たる業務としている。
これに対して、被請求人は、ゴルフクラブ等のゴルフに関連する商品の製造販売、ゴルフクラブのフィッティング、ゴルフ大会の主催等のサービスの提供を主たる業務とするものであり、両者において利害の抵触する様子は見て取れない。
請求人(同一人と容易に認識できるものを含む。)は、本件商標と全く無関係な商標又は商品について67件登録・出願をしており(乙4)、本件審判を請求する利益を見いだすことはできず、また、請求人は本件を含め被請求人に対し、PXGマーク及びPXGロゴに係る登録商標の取消しの審判の請求を26件という大量の件数について行っている。挙証責任を被請求人が負うことからも、答弁等の対応に被請求人は過大な精神的、経済的な負担を負っている。
これらを考慮すると、本件審判請求は、商標法第50条の趣旨に反し、精神的、経済的に被請求人を害することを目的としているものといわざるを得ず、このような審判請求は権利の濫用であって却下されるべきものである。
4 使用事実の説明
被請求人の日本総代理店で通常使用権者である株式会社PXG JAPAN(以下「PXGジャパン社」という。)は、被請求人のゴルフクラブ等の販売促進のために商品カタログ(乙1の1)を発行しており、ゴルフクラブ、キャップ、バイザー等にPXGマークやPXGロゴが多数使用されている。当該商品カタログの印刷の請求書(乙1の2)の発行日は2019年4月24日であり、要証期間内に配布されていたことは明らかである。
被請求人の日本総代理店で本件商標の通常使用権者であるPXGジャパン社は、2019年3月19日に現在の名称に変更され、被請求人の創業者であるA氏も同日付で取締役となっており、被請求人とPXGジャパン社が極めて密接な関係にあることが理解される(乙1の3)。
PXGジャパン社のホームページ(乙2)では、PXGマークが使用され、PXGロゴの付されたゴルフクラブ、キャップ、バイザー等が広く宣伝・広告されている。
PXG TOKYO FITTING STUDIOのホームページ(乙3の1)及びPXG大阪ドライビングレンジのホームページ(乙3の2)では、前者において、PXGマーク、PXGロゴを付した、キャディバッグ、ダッフルバッグ、キャップ、バイザーその他の商品が、また、後者において、キャップ(帽子)やバイザー、その他のゴルフ関係の各種の商品の販売がされている。
本件商標に関しては、請求書や納品書等の取引書類の存否について確認したが、答弁書提出時(2020年2月28日)において、これらを見いだすことはできず、本件商標の使用日を特定することはできなかったが、少なくとも要証期間内には使用しており、必要であればさらに調査することは可能である。
タオルの前面(乙5の1)には、PXGロゴが2か所付され、明らかに商標としての使用がされており、自他商品識別等の機能も充分に発揮されている。
タグ(乙5の3)には、PXGロゴが顕著に表示され、また、PXGマークは「PXG X TOWEL」のように使用されており、PXGマーク単独での使用と同様に理解される。
商標が表示されたタグが商品に付された場合、タグでの使用が商品に直接付す行為と同様に解されることから、商標法第2条第3項第1号に定める使用となる。
以上のとおり、「タオル」についてのPXGロゴ及びPXGマークの使用が商標として自他商品識別や出所表示の諸機能を発揮していることは明らかである。

第4 審尋
当審より被請求人に対し、令和2年8月21日付けで、要旨以下のとおりの審尋を行い回答を求めた。
被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品中の「タオル」(以下「使用商品」という。)に使用している旨主張するが、使用商品の写真(乙5)を提出するのみで、要証期間に本件商標を使用商品に使用した事実を立証する証拠を提出していないから、使用の事実を立証する書面の提出をされたい。

第5 審尋に対する被請求人からの回答
前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。

第6 当審の判断
1 請求人による本件審判請求行為について
(1)被請求人は、請求人の主たる業務と被請求人の業務とは、利害の抵触する様子は見て取れないこと、請求人(同一人と容易に認識できるものを含む。)は、本件商標と全く無関係な商標又は商品について67件登録・出願をしており、本件審判を請求する利益を見いだすことはできないこと、及び請求人は本件を含め被請求人に対し26件という大量の件数について行っており、被請求人は過大な精神的、経済的な負担を負っていることからすれば、本件審判請求は、商標法第50条の趣旨に反し、精神的、経済的に被請求人を害することを目的としているものといわざるを得ないから、このような審判請求は権利の濫用であって却下されるべきものである旨主張している。
(2)商標法第50条第1項について
商標法第50条第1項は、「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」と規定している。
上記規定は、平成8年法律第68号による改正前の商標法において、登録商標の不使用による取消審判の請求人適格について明示の規定がなかったことから、その反対解釈として、利害関係人に限って同審判を請求することができると解される余地が存在していたのを、「何人」にも認めることとし、その旨を法文上明示したものと解される。
したがって、登録商標の不使用による取消審判の請求が、専ら被請求人を害することを目的としていると認められる場合などの特段の事情がない限り、当該請求が権利の濫用となることはないと解するのが相当である(平成20年6月26日判決言渡 平成20年(行ケ)第10025号 知的財産高等裁判所 参照)。
(3)本件審判の請求について
商標法第50条において規定される商標登録の取消しの審判(以下「取消審判」という。)は、前記(2)のとおり、何人も請求することができるのであるから、取消審判の請求が権利の濫用となるのは、専ら被請求人を害することを目的としていると認められる場合などの特段の事情がある場合に限られるというべきであるところ、本件審判の請求が権利の濫用となるような具体的な事情は何ら見いだせない。
(4)小括
したがって、本件審判の請求を却下することはできない。
2 本件商標の使用について
(1)PXGジャパン社の商品カタログ(乙1の1)、PXGジャパン社のホームページ(乙2)、PXG TOKYO FITTING STUDIOのホームページ(乙3の1)及びPXG大阪ドライビングレンジのホームページ(乙3の2)には、ゴルフクラブ、キャディバッグ等のゴルフ関係の商品が掲載されていることは認められるものの、本件審判の請求に係る商品「ゴルフ用タオル,タオル」は見いだせない。
(2)被請求人は、本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品中の「タオル」について、商標権者及び通常使用権者により継続して使用されている旨主張しているところ、使用商品には、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標1」という。)が、また、その商品タグ(乙5の3)には、別掲3のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標2」といい、「使用商標1」と併せていうときは「使用商標」という。)が表示されており、さらに、当該タグには、商標権者の名称を表したものと理解される「PARSONS XTREME GOLF」の文字の記載がある。
そして、使用商標1は、色彩を本件商標と同一にするものとすれば本件商標と同一の商標であると認められるから、商標法第50条に規定する「登録商標」に当たるというべきであり(同法第70条第1項)、また、使用商標2は本件商標と同一の商標である。
したがって、商標権者は、本件商標をその指定商品中の「タオル」に使用しているということができる。
しかしながら、被請求人は、要証期間内に使用商品に使用商標を使用しているのが要証期間内であるという事実を立証する書面を提出しておらず、前記第4及び第5のとおり、要証期間内の使用の事実を立証する書面の提出を求める当審からの審尋に対して、何ら回答していない。
(3)小括
したがって、要証期間内に、商標権者又は通常使用権者によって、本件商標が使用商品に使用されたものと認めることができず、また、その他、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が要証期間内に請求に係る指定商品に使用された事実は見いだせない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできず、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(使用商標1)


別掲3(使用商標2)




審理終結日 2021-02-01 
結審通知日 2021-02-03 
審決日 2021-03-08 
出願番号 商願2015-4033(T2015-4033) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (W24)
最終処分 成立 
前審関与審査官 深田 彩紀子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 中束 としえ
馬場 秀敏
登録日 2015-11-06 
登録番号 商標登録第5805014号(T5805014) 
商標の称呼 ピイエックスジイ 
代理人 藤倉 大作 
代理人 中村 稔 
代理人 網野 誠彦 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 松尾 和子 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 石戸 孝 
代理人 網野 友康 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
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