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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W162124
管理番号 1376024 
審判番号 取消2020-300249 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-04-07 
確定日 2021-07-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第5822627号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5822627号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成27年7月16日に登録出願、別掲2のとおりの商品を指定商品として、同28年1月29日に設定登録がされて、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年4月28日であり、その請求の登録前3年以内の平成29年4月28日から令和2年4月27日までの期間を以下「要証期間」という場合がある。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第16類「紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,台所用水切り袋」、第21類「デンタルフロス,化粧用具,清掃用具及び洗濯用具,浴槽・浴室用清掃用具,トイレ用清掃用具,清掃用スポンジ,台所用スポンジ,メラミン樹脂製の清掃用研磨スポンジ,メラミン樹脂製の洗浄用スポンジ,メラミン樹脂製の食器・鍋等汚れ落としスポンジ,ポリウレタン製の清掃用研磨スポンジ,清掃用クロス,超極細繊維を用いた清掃用クロス・ミトン型清掃クロス,雑巾,除菌剤含有アルコール液を含浸させた清掃用シート(薬剤に属するものを除く。),スポンジタワシ,たわし,台所用ブラシ,浴室用清掃ブラシ,食器・調理具洗浄用ブラシ,排水口用清掃ブラシ,溝用清掃ブラシ,ガスレンジ用清掃ブラシ,グリル用清掃ブラシ,注ぎ口用洗浄ブラシ,まな板用洗浄ブラシ,ざる用洗浄ブラシ,弁当箱用洗浄ブラシ,フードポットの中栓用洗浄ブラシ,水筒用洗浄ブラシ,飲料保存容器用洗浄ブラシ,ボトル用洗浄ブラシ,シンク・蛇口用清掃ブラシ,トイレ用清掃ブラシ,窓用清掃ブラシ,ドアレール用清掃ブラシ,柄付き清掃スポンジ,窓用柄付き清掃スポンジ,フローリング用清掃用具,窓ガラス清掃用スキージー,手動式カーペットクリーナー,手動式カーペットクリーナー用使い捨て粘着紙シート,床清掃用使い捨て紙シート,ごみ箱」及び第24類「ふきん,超極細繊維からなるふきん,台ふきん」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが「請求に係る指定商品」について本件商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して、要旨次のとおり弁駁した。
(1)株式会社レックについて
被請求人提出の「独占的通常使用権に関する証明書」(乙1)における日付は2020年7月13日であり、要証期間外の日付である。
当該証明書においては、「登録日(2016年1月29日)に独占的通常使用権を設定し、現在も継続している」旨記述されているものの、これは本件審判が請求された後に作成された書面であって、当該証明書をもってしては、要証期間内における両社の関係が客観的に証明されているとはいえない。
その他、両社の関係を立証するような証拠は何ら提出されていないことから、要証期間において、株式会社レックが本件商標権者の独占的通常使用権者と認めるのは困難であり、その実質的な証明はなされていないものである。
したがって、乙第1号証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって本件商標が使用されていたと認めることはできない。
(2)本件商標の使用について
ア HPにおける使用について
被請求人は、レック株式会社のHPの写し(乙2)によって、本件商標を使用している旨主張し、商標法第2条第3項第8号の広告等に標章を付する行為として、商標の使用に該当する旨主張立証をしているものと推察する。
指定商品についての登録商標の使用があったというためには、商標的な使用が必要であるが、乙第2号証における本件商標の表示は、自他商品識別標識としての機能を果たすような態様ではなく、商標的使用に当たらない。
まず、「ブランド一覧」における「激落ちくん」の項目においては、その項目の左上若しくは下方に「激落ちくん」の文字を表し、5種類の商品の写真と中央に「激落ちくん」の商品キャラクターと思しき図柄を表している。また、「商品一覧」の「激落ちくん」のページにおいては、上方左部分に商品キャラクターと思しき図柄を大きく表し、その横に9種類の商品写真を並べてページの見出しとし、その下に各商品を紹介している。
他方、本件商標は、「ブランド一覧」の綱目内や「商品一覧」のページの上方において、本件商標と本件商標に近似する口元が異なる表情の図柄(別件取消2020-300250に係る登録第5822628号の商標。以下「本件近似図形」という。)の二つを横並びに配置し、それぞれの上部に「シリーズ色々」と「汚れ激落ち」との吹き出しのような文字を付した態様で表示されている。
このような構成をみると、自他商品識別標識としての機能を果たしている標章は、商品名たる「激落ちくん」の文字であり、また、商品キャラクターと思しき図柄についてもイメージキャラクターとして、自他商品識別標識機能や出所表示機能を果たし得ると理解できるものの、本件商標及び本件近似図形は、「シリーズ色々」と「汚れ激落ち」との文字が商品の宣伝文句・キャッチフレーズと理解できることからもわかるように、単に宣伝文句やキャッチフレーズを伝えるために意匠的に表示されているにすぎない。
したがって、かかる本件商標の表示は、自他商品識別標識としての機能を果たす態様ではなく、商標的な使用ということはできないことから、乙第2号証における本件商標の表示をもってしては、登録商標を使用していたと到底認めることはできない。
また、仮に、乙第2号証における本件商標の表示が商標的な使用と認められるとしても、本件商標と本件近似図形及び「シリーズ色々」と「汚れ激落ち」の文字は、それ全体でまとまりある標章であって、その一部分である本件商標については、社会通念上同一の商標(商標法38条4項)が使用されているともいうことができない。
イ 2020年3月5日からの使用について
被請求人は、レック株式会社が本件商標を2020年3月5日より使用している旨主張しているところ(乙3?乙7の2)、請求人としては、2020年3月5日に使用を開始したことについて反論をおこなうことは難しく、また、2020年3月5日が本件審判請求前3月内の使用ではあるが、いわゆる駆け込み使用(商標法50条3項)であることの証明は困難と考える。
しかしながら、2020年3月5日に本件商標が使用されたことは、本件商標の正当な使用には当たらない。
登録商標の使用については、「単に不使用取消しを免れるためだけの名目的な使用の行為があっても、使用とは認められない」(甲3)とされている。
本件審判の請求は、請求人が、本件商標権者及びレック株式会社(以下「本件商標権者等」という。)から、請求人の使用する標章に対して、商標権侵害及び不正競争行為に該当することを理由に、警告書を受けたことによるものであり(甲4)、いずれにも該当しないと考えた請求人は、請求人の使用する標章について商標登録出願(商願2020-033078)を行ったところ、本件商標権者による本件商標の使用が認められなかったことから、本件審判を請求したものである。なお、本件商標権者等は、請求人の登録出願に対して、刊行物提出書を提出しており、また、請求人の標章の使用に対しては、東京地方裁判所に訴訟を提起している。
しかるに、本件商標権者が本件商標の使用を開始した2020年3月5日は、請求人に対して警告書を送付した2020年3月6日の前日であって、その時点において、本件商標権者が本件審判を請求されることを知らなかったとしても、同人は不使用による取消審判を請求され得ることを想定して、駆け足で使用を開始したものと考えざるを得ない。
特に、ウェブサイトにおける表示は、紙を媒体とするカタログ等に比べても、その変更が非常に容易でコスト的にも廉価であるところ、乙第2号証以外の使用については、被請求人よりまったく示されていない。また、本件商標が登録されたのは2016年1月29日にもかかわらず、今になってこのタイミングで使用を開始したのは甚だ不自然である。
以上の状況に鑑みると、レック株式会社において2020年3月5日に本件商標の使用を開始したというのは、請求人により不使用の取消審判が請求されるおそれがあることを踏まえたうえで、使用の証拠を作出するためだけに、ごく容易に変更ができるウェブサイトにおいて本件商標を表示したにすぎないものであって、名目的に本件商標の使用がなされているにすぎず、登録商標の正当な使用とは到底いえない。
(3)まとめ
以上より、被請求人において提出した乙各号証については、レック株式会社が独占的通常使用権者であることの根拠が示されておらず、また、本件商標が商標的な使用としての態様で使用されていると認められないものであり、あるいは、社会通念上同一の商標が使用されているともいえず、さらには、本件商標の使用は名目的な使用にすぎないと考えられるものである。
したがって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人によって本件商標の指定商品中「請求に係る指定商品」について使用されていることが立証されていないことから、本件商標は、商標法第50条第1項により、その登録の取消を免れないものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む)及び証拠申出書を提出した。
1 答弁の理由
(1)独占的通常使用権の設定
本件商標権者はレック株式会社の知的財産権を管理する会社である。本件商標権についてもレック株式会社に独占的通常使用権が設定されている(乙1)。
(2)レック株式会社による本件商標の使用の状況
ア レック株式会社はそのHPにおいて本件商標を、2020年3月5日から使用しており、現在のHPには、本件商標が3箇所使用されている(乙2)。
イ 使用の経緯等
(ア)レック株式会社のHPのディレクトリ構成(レック株式会社作成)には、「img」というフォルダの下の「home」というフォルダに、「gekiochi-brand.jpg」・「topimg_geki_1x.jpg」というファイルが入っている。なお、以下、乙第4号証に記載の説明は、乙第2号証のHPのトップページの画像についてのもののみであるが、他の2箇所についても同様の経緯で本件商標の使用がなされている。
(イ)2020年3月5日(乙4の1)
乙第4号証の1は、「topimg_geki_1x.jpg」というファイルで、本件商標を使用した画像をレック株式会社のHPに掲載したことを示す。
変更前画像から変更後画像(本件商標を使用したもの)に変更したことにより、index.htmlソース記述において、「topimg_geki_1x.jpg」が記載されている。
また、レック株式会社が契約している株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが提供しているレンタルサーバーCPIのログ(以下「CPIログ」という。)(2020年3月分)(サムライト株式会社のC氏が抽出。以下同じ。)において、2020年3月5日に、「img」「home」のフォルダのファイル「topimg_geki_1x.jpg」がアップされた記録が残っている(乙5の1、乙7の2)。
(ウ)2020年4月17日(乙4の2)
乙第4号証の2は、その後、2020年4月17日に、「topimg_geki_1x.jpg」というファイルの画像を同名で上書きしたことを示す。
「メラミンスポンジ市場シェアNo,1」の記載が昔のデータに基づくものであることから、画像を上書きしたものである。
変更前画像から変更後画像(いずれも本件商標を使用したもの)に変更したことにより、index.htmlソース記述において、「topimg_geki_1x.jpg」が記載されており、また、CPIログ(2020年4月分)においても、同日に、上記ファイルが上書きされた記録が残っている(乙5の2、乙7の2)。
(エ)2020年4月27日(乙4の3)
乙第4号証の3は、その後、2020年4月27日に、「topimg_geki_1x.jpg」いうファイルの画像を、レイアウト変更に伴い、「gekiochi-brand.jpg」という別名で保存したものである。
変更前画像から変更後画像(いずれも本件商標を使用したもの)に変更したことにより、index.htmlソース記述において、「gekiochi-brand.jpg」が記載されており、また、CPIログ(2020年4月分)においても、同日、上記ファイルが記載されている(乙5の2、乙7の2)。
(オ)2020年3月4日から2020年3月5日までのレック株式会社内及びレック株式会社とサムライト株式会社とのやりとり(乙6、乙7)
a 2020年3月4日のレック株式会社内のやりとり(乙6の1)
レック株式会社内において、本件商標を使用したHPの画像を表示するために、2020年3月4日に、A氏とB氏との間でメールのやりとりがなされ、当該メールには本件商標を使用した画像が3種類添付されていた。
b 2020年3月5日のレック株式会社とサムライト株式会社のやりとり(乙6の2、乙7)
レック株式会社のA氏はサムライト株式会社のC氏に対し、レック株式会社のHPに、本件商標を使用した画像を表示するように依頼し、当該画像が表示された(証拠申出書)。
(力)したがって、本件商標は、本件商標権者から独占的通常使用権を設定された通常使用権者であるレック株式会社によって使用されている。
使用されている商品は、清浄用メラミンスポンジである(乙2、乙4、乙6)。
乙第2号証のHPでは数多の商品が表示され、そのトップに本件商標が使用されているから、これらに記載の商品全てにおいて本件商標が2020年3月5日から使用されていることになる。
具体的には、少なくとも、第21類「メラミン樹脂製の清掃用研磨スポンジ,メラミン樹脂製の洗浄用スポンジ,メラミン樹脂製の食器・鍋等汚れ落としスポンジ」等、及び第24類「ふきん,超極細繊維からなるふきん」等に使用されている。

第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。
ア 乙第1号証には、「独占的通常使用権設定に関する証明書」のタイトルの下、本件商標権者とレック株式会社(以下「レック社」という。)との間で、本件商標及び商標登録第5822628号について、それらの登録日(2016年1月29日)に独占的通常使用権を設定し、現在も継続していることを証明する旨、記載されている。
イ 乙第7号証の2は、サムライト株式会社(以下「サムライト社」という。)のC氏による2020年7月29日付け証明書であって、そこには、同氏がレック社とサムライト社で契約しているホームページの作成業務を担当していること、レック社のA氏の依頼により同社のホームページに本件商標が表示された画像3種類を2020年3月5日に表示し、公にしたこと、レック社が契約している株式会社ウェブコミュニケーションズが提供しているレンタルサーバーCPIのログを抽出したことなどのほかに、そこに添付された書面の内容も併せて証明する旨記載されている。そして、当該証明書の別紙として別掲3のとおりの、太い眉に隣接した黒目の大きな丸い目、両目の下に頬のような小さなピンクの円形及び口角を少し上げた口元のような曲線から構成される顔の表情を表したような図形から構成される商標(以下「使用商標」という。)並びに「汚れ激落ち」、「メラミンスポンジ市場シェアNo,1」及び「水だけですっきり!!激落ち」の文字やスポンジの形状が印刷された5ないし9種類の商品の包装箱(袋)の画像が表示され、「[05/Mar/2020:10:24:40+0900]“・・・・img/home/toping_geki_1x.jpg“・・」と表示されたCPIログなどの書面が添付されている。
ウ 乙第4号証の1は、レックHP改修履歴とするものであって、そこには、乙第7号証の2に添付された使用商標及び商品等の画像及びCPIログと同じものが表示されている。
エ 乙第5号証の1は、C氏が抽出されたとする、レッグ社が契約しているレンタルサーバのCPIログであって、乙第7号証の2に添付された、CPIログと同じものが表示されている。
(2)上記(1)からすれば、以下の事実が認められる。
ア 本件商標権者は、レック社に対して本件商標の設定登録日から独占的な通常使用権を設定しており、それは現在も継続している。
イ レッグ社は2020年3月5日付けで自社のホームページを更新し,その更新後のホームページには、使用商標の画像、「汚れ激落ち」、「メラミンスポンジ市場シェアNo,1」の文字並びに包装箱(袋)に「水だけですっきり!!激落ち」の文字及びスポンジの形状などが印刷された商品(以下「使用商品」という。)の画像が表示されている。
2 判断
(1)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり、太い眉に隣接した黒目の大きな丸い目、両目の下に頬のような小さなピンクの円形及び口角を少し上げた口元のような曲線から構成される顔の表情を表したような図形からなるものである。一方、使用商標も、別掲3のとおり、本件商標と同一の構成からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品の包装には「水だけですっきり!!激落ち」の文字及びスポンジの形状が印刷されており、当該商品が掲載されているホームページには、当該商品について「メラミンスポンジ市場シェアNo,1」と称する文字が表示されていることからすると、使用商品は、汚れを落とすためのメラミンスポンジ、すなわち「清浄用のメラミン製のスポンジ」であると認められるものであり、本件審判判の請求に係る指定商品中「メラミン樹脂製の清掃用研磨スポンジ,メラミン樹脂製の洗浄用スポンジ,メラミン樹脂製の食器・鍋等汚れ落としスポンジ」の範ちゅうに含まれる商品である。
(3)使用者について
本件商標権者が、レック社と交わした独占的通常使用権の設定は、平成28年1月29日から要証期間を含む現在まで有効に存続している。
そうすると、レック社は本件商標権の通常使用権者と認められる。
(4)使用時期及び商標の使用について
レック社が使用商品と共に使用商標を表示した自社のホームページを公開したのは令和2年3月5日であり、この日付は要証期間内である。
そうすると、レック社は、要証期間内に同社のホームページにおいて使用商標を表示した使用商品の広告をしたものと認められる。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品の範ちゅうに含まれる商品の広告を内容とする情報に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的方法により提供したと認められ、この行為は商標法第2条第3項第8号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、本件商標(合議体注:「使用商標」の誤記と判断。以下同じ。)と本件近似図形及び「シリーズ色々」等の文字は、それ全体でまとまりある標章であって、その一部分である本件商標については、社会通念上同一の商標が使用されているとはいえない旨主張する。
しかしながら、使用商標は、本件近似図形及び各文字と、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、不可分的に結合しているものではないから、必ずしもそれら全体でまとまりのある商標とはいえず、また、使用商標は、自他商品を識別する機能を果たし得ないとする事情は見当たらない。
してみれば、使用商標は、独立して出所識別標識としての機能を果たすものであって、上記2(1)のとおり、本件商標と社会通念上同一の商標であるというべきである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲
1 本件商標(色彩は原本参照)



2 本件商標に係る指定商品
第3類 家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,歯磨き,シート状歯磨き,せっけん類,メイク落し用せっけん,頭皮の手入れ用せっけん,角質除去用せっけん,足用スクラブせっけん,掃除用洗剤,カーペット用洗浄剤,家具・置物・壁・床等のクリーナー,キッチンシンク等の台所用クリーナー,レンジ・ガス台・換気扇等の台所用クリーナー,蛇口・洗面器・湯船等の浴室用クリーナー,コゲ落とし用クリーナー,ヤケ落とし用クリーナー,さび落とし用クリーナー,ガラス用洗浄剤,トイレ用洗浄剤,化粧品,頭皮の手入れ用化粧品,ヘアローション,ジェル状化粧品,パック化粧品,化粧用パックシート,スクラブ剤を配合してなる洗顔料,メイク落し用化粧品,メイク落し用クリーム,マスカラ落し,マニュキュア落し,シート状化粧落し(使い捨てシートにクレンジングオイルを浸み込ませたもの),シート状マスカラ落し(使い捨てシートにクレンジングオイルを浸み込ませたもの),シート状マニュキュア落し(使い捨てシートにネイルエナメルリムーバーを浸み込ませたもの),足裏用パック用化粧品,角質除去用化粧品,角質除去用クリーム,角質除去用ジェル,身体用消臭剤,薫料,芳香剤,消臭芳香剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布
第16類 家庭用食品包装フイルム,プラスチック製食品保存袋,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,台所用水切り袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,乳幼児のおしり拭き用ウェットティッシュ,ウェットティッシュペーパー,化粧落し用ウェットティッシュペーパー,マスカラ落し用ウェットティッシュペーパー,マニュキュア落し用ウェットティッシュペーパー,除菌効果を有するウェットティッシュ,除菌効果を有する便座用ウェットティッシュ,紙製便座シート,紙類,文房具類,印刷物
第21類 デンタルフロス,化粧用具,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用刷毛,船舶ブラシ,清掃用具及び洗濯用具,浴槽・浴室用清掃用具,トイレ用清掃用具,清掃用スポンジ,台所用スポンジ,メラミン樹脂製の清掃用研磨スポンジ,メラミン樹脂製の洗浄用スポンジ,メラミン樹脂製の食器・鍋等汚れ落としスポンジ,ポリウレタン製の清掃用研磨スポンジ,清掃用クロス,超極細繊維を用いた清掃用クロス・ミトン型清掃クロス,雑巾,除菌剤含有アルコール液を含浸させた清掃用シート(薬剤に属するものを除く。),スポンジタワシ,たわし,台所用ブラシ,浴室用清掃ブラシ,食器・調理具洗浄用ブラシ,排水口用清掃ブラシ,溝用清掃ブラシ,ガスレンジ用清掃ブラシ,グリル用清掃ブラシ,注ぎ口用洗浄ブラシ,まな板用洗浄ブラシ,ざる用洗浄ブラシ,弁当箱用洗浄ブラシ,フードポットの中栓用洗浄ブラシ,水筒用洗浄ブラシ,飲料保存容器用洗浄ブラシ,ボトル用洗浄ブラシ,シンク・蛇口用清掃ブラシ,トイレ用清掃ブラシ,窓用清掃ブラシ,ドアレール用清掃ブラシ,柄付き清掃スポンジ,窓用柄付き清掃スポンジ,フローリング用清掃用具,窓ガラス清掃用スキージー,手動式カーペットクリーナー,手動式カーペットクリーナー用使い捨て粘着紙シート,床清掃用使い捨て紙シート,ごみ箱,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。)
第24類 フェルト及び不織布,消臭剤を含浸させた不織布,布製身の回り品,ボディタオル,織物製テーブルナプキン,ふきん,超極細繊維からなるふきん,台ふきん,織物製トイレットシートカバー,不織布製便座シート(布製品に属するものに限る。),織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳

3 使用商標(色彩は乙号証参照)





審理終結日 2020-11-18 
結審通知日 2020-11-24 
審決日 2020-12-07 
出願番号 商願2015-67517(T2015-67517) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W162124)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤星 直昭 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 岩崎 安子
大森 友子
登録日 2016-01-29 
登録番号 商標登録第5822627号(T5822627) 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 野末 寿一 
代理人 坂野 史子 

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