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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W28
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W28
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W28
管理番号 1375998 
審判番号 不服2020-4105 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-06 
確定日 2021-06-21 
事件の表示 商願2018-71481拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「和紙てまり」の文字を標準文字で表してなり、第20類「室内装飾品としての手鞠」及び第28類「手鞠」を指定商品として、平成30年5月16日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における令和元年8月19日受付けの手続補正書並びに当審における令和2年3月9日受付けの手続補正書及び同年11月4日受付けの手続補正書により、最終的に、第28類「芯材の表面を和紙によるちぎり絵と糸かがりによる幾何学模様で装飾した手鞠」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、本願商標は、その構成全体から「和紙製の手鞠」の意味合いを想起させるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「和紙製の手鞠の置物,和紙製の手鞠」であると認識、理解するにとどまり、本願商標は、商品の原材料又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当である旨、本願商標を「和紙製の手鞠」以外の商品「手鞠」に使用するときは、その商品が「和紙製の手鞠」であるかのように、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である旨、及び、本願商標が使用された結果、請求人の商品の出所を表示する標識として、本願の指定商品の需要者の間で全国的に認識されているものと判断することはできない旨を説示した上で、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第3条第2項に該当しない旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審においてした審尋
当審は、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和2年9月9日付け審尋で、別掲1及び2のとおり、その結果を通知するともに、本願商標を、その指定商品中、「和紙を主たる原材料の一つとする手鞠」に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、本願商標が「和紙を主たる原材料の一つとするてまり」であるという商品の品質又は原材料を表したものを認識、把握するにとどまるというのが相当であり、また、本願商標を、「和紙を主たる原材料の一つとする手鞠」以外の「手鞠」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である旨の暫定的見解を通知した(なお、請求人は、審判請求書で、本願商標の使用による識別性について主張していなかった。)ところ、これに対し、請求人は、前記第1のとおり指定商品を補正するとともに、回答書において、要旨、以下のように主張した。
1 別掲1で提示されたところの、本願の指定商品を取り扱う分野において、主たる原材料の一つを意味する「○○」の文字と「てまり」を意味する文字「□□」が結合した「○○□□」の文字が使用されている例については、主たる原材料とは異なるものを意味する「△△」の文字と結合した「△△□□」の文字として使用されている実情もある。また、別掲1の「和紙手まり」の使用例は本願の指定商品を取り扱う分野に属さないものであるから、本願の指定商品の分野(第28類)において、「○○□□」の文字としての「和紙てまり」が使用されている実情はない。
別掲2で提示されたところの、「和紙」の漢字と商品名を表す「○○」の文字が結合した「和紙○○」の文字が「和紙を主たる原材料の一つとして含む○○」の意味合いで使用されている例については、それとは異なる意味合いで使用されている実情もある。
そうすると、本願商標は、直ちに商品の品質等を直接的ないし具体的に表示するものとはいえず、本願商標が、本願の指定商品を取り扱う分野において商品の品質を表示するものとして取引上普通に使用されている事実もないので、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
2 前記第1のとおり本願の指定商品を補正したから、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
3 請求人が提出した証拠資料によれば、本願商標は、現時点において、請求人の商品の出所を表示する標識として、本願の指定商品の需要者の間で全国的にも認識されていると判断可能であるし、少なくとも現時点において、「てまり」の取扱業者及び愛好者の間では、一定程度認知されているとうかがい知ることは可能である。

第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、前記第1のとおり、「和紙てまり」の文字を標準文字で表してなり、指定商品を第28類「芯材の表面を和紙によるちぎり絵と糸かがりによる幾何学模様で装飾した手鞠」とするものである。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性
本願の指定商品について、前記第1のとおり補正された結果、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものとなった。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(3)商標法第3条第1項第3号該当性
ア 本願商標は、前記(1)のとおり、「和紙てまり」の文字を標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示するものである。
イ 本願商標の構成中、「和紙」の漢字は、「日本特有の紙。」(広辞苑第七版(株式会社岩波書店発行))を意味する語であり、「てまり」の平仮名は、「玩具の一種。まるめた綿を芯にし、表面を色糸でかがったもの。また、表面を絵・彩色などで飾ったゴム製・ビニール製のもの。手でついて遊ぶ。古くは正月の遊び。」(同掲書)を意味する語である。
そして、別掲1のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野において、「和紙手まり」(なお、別掲1(1)記載の商品「和紙手まり」は、「おもちゃ>工芸品・民芸品>民芸品」の項に掲載されていることや、前記のとおり、「てまり」の文字が「玩具の一種」という意味を有することから、当該商品は、「お正月飾り」といった宣伝文句とともに掲載されているとしても、取引者、需要者は、これを「おもちゃ」の一としても認識するといえる。)、「絹てまり」、「ちりめん手毬」及び「い草てまり」のように、主たる原材料の一つを意味する「○○」の文字と「てまり」を意味する文字「□□」が結合した「○○□□」の文字が使用されている実情があり、さらに、別掲2のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野のみならず、一般に、「和紙」の漢字と商品名を表す「○○」の文字が結合した「和紙○○」の文字が、「和紙を主たる原材料の一つとして含む○○」の意味合いで広く使用されている実情がある。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、本願商標が「和紙を主たる原材料の一つとするてまり」であるという商品の品質又は原材料を表したものと認識、把握するにとどまるというのが相当である。
ウ 以上によれば、本願商標は、商品の品質又は原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第2項該当性について
請求人は、令和2年11月4日受付けの回答書において、本願商標は商標法第3条第2項の適用により登録されるべきである旨主張していると解されるので、以下検討する。
(1)ある標章が商標法第3条第2項所定の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるもの」に該当するか否かは、出願に係る商標と外観において同一とみられる標章が指定商品とされる商品(以下「本件商品」という。)に使用されたことを前提として、その使用開始時期、使用期間、使用地域、使用態様、当該商品の販売数量又は売上高等、当該商品又はこれに類似した商品に関する当該標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮して判断されるべきである。
(2)事実認定
前記(1)の観点から、本願商標が使用により自他商品識別力を獲得するに至っているかどうかを判断する。
請求人は、原審及び当審を通じて、証拠資料1ないし証拠資料55(以下、「甲1」ないし「甲55」という。)を提出しているところ、後掲各証拠及び請求人の主張の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
ア 請求人について
請求人は、2019年8月16日時点で、「松江和紙てまりの会」の代表を務める者であり、島根県松江市内にある観光施設「出雲かんべの里」(以下「本件施設」という。)において、「和紙てまり」の5人の作家のうちの1人としても活動している(甲24)。
請求人は、1980年に、人間国宝の故A氏の民芸和紙をちぎり絵風にデザインした和紙てまりを完成させたとされるT氏(故人)の義理の娘にあたる(甲4及び請求人の主張の全趣旨)。
イ 使用開始時期及び使用期間
前記アのとおり、T氏は、1980年に「和紙てまり」を完成させたとされることから、本願商標は、T氏によって、そのころより使用開始されたことがうかがわれる。
ウ 本件商品の使用地域、使用標章の使用の態様
(ア)本件商品は、実店舗では、島根県で4箇所(甲10、甲25、甲27、甲30及び甲50)、広島県で1箇所(甲28及び甲30)、東京都で2箇所(甲53及び甲55)、愛知県で1箇所(甲29)及び福岡県で1箇所(甲34)において販売されていたことが推認される。
本件施設において、本件商品は、「和紙てまり」の文字を掲載した壁掛けが付された壁の前に設置された棚の上に配されており、その棚には、「松江和紙てまり」と大きく表示された垂れ幕が付されている(甲25の使用事例3及び請求人の主張の全趣旨)が、甲25からは、その撮影時期を把握することはできない。また、甲25の使用事例1は、非売品に係るものであり、同使用事例2は、本件商品をみてとれないから、本件商品についての使用であることを確認することはできない。
福岡県の民芸店において、本件商品は、1985年以前のある時点(時期不詳)に、「和紙てまり」と記載されたボール箱に包装されて展示されていたことがうかがえる(甲34)。
しかしながら、以上の甲25及び甲34を除き、請求人が提出した証拠によるも、本件商品を実店舗で需要者に対して販売した際に用いた標章の使用態様は、不明である。
(イ)本件商品は、インターネットタウン株式会社の店舗「和みいちばん」(甲26、甲30及び甲54)でも販売されていたといい得るところ、当該販売は、ウェブサイトによる通信販売であると推認できる。しかしながら、ウェブサイトの掲載内容など、本件商品の販売の際に使用した標章を示す証拠は提出されていない。
エ 本件商品の販売数量
本件商品は、請求人ないし請求人が所属していると思われる団体から、小売店に対し、2020年に99個(甲53ないし甲55)、2019年に55個(甲26、甲28及び甲30)、2018年に53個(甲27及び甲30)、2017年に24個(甲29)が、それぞれ納品されたことがうかがえる。
オ 広告宣伝の方法等
(ア)本件施設におけるもの
本件商品は、本件施設において、以下のとおり広告宣伝されたところ、請求人が表示されている証拠は甲24(後記a)のみである。
a 2019年8月16日(印刷日)における本件施設のウェブサイトには、前記アのとおり、請求人が、「松江和紙てまりの会」の代表を務める者であり、島根県松江市内の同施設において「和紙てまり」の作家として活動していることが掲載されている(甲24)。
ただし、「和紙てまり」の作家は、請求人のみではなく、他に4人存在する(甲24)。
b 本件施設は、1994年から、本件商品の制作公開や体験学習の機会を提供しており、その旨は、2014年4月1日及び2019年7月1日発行の旅行ガイドにも掲載されていることから、2019年頃までは、当該機会の提供を継続していたと推認し得る(甲6、甲7、甲9、甲36及び甲41)。
c 本件施設は、同施設内において、2008年11月6日から10日までの間、「和紙てまり」、「藤細工」、「織物作品」及び「陶芸品」の作品展を開催した(甲33)。
d 本件施設の和紙てまり工房は、広島県内において、2019年1月19日及び20日に開催された島根ふるさとフェアの「しまね伝統工芸実演・販売コーナー」に参加し、製作実演を行うとともに製作体験の機会を提供した(甲15)。ただし、使用標章は「松江和紙手まり」である。
e 本件施設は、「和紙手まり」についての講習を開催した(甲45)。ただし、その開催時期は不明であり、また、使用標章は「和紙手まり」である。
(イ)イベントへの参加
本件商品は、前記(ア)で認定したもののほか、以下の地域で開催されたイベントに出展されたことがうかがえるものの、当該証拠には、請求人に係る表示はない。他方で、甲8、甲12、甲13及び甲17ないし甲20には、T氏が表示されている。
a 島根県
・2006年8月25日ころから同月27日:松江市の県物産観光館「松江の伝統工芸品展」(甲32)
・2012年4月30日:松江歴史館「和紙てまり教室・販売」(甲44)
b 広島県
・2001年5月13日ころから同月15日:広島市南区の福屋広島駅前店「日本全国匠の技おんな職人展」(甲8)
c 東京都及び神奈川県
・1987年4月2日から7日:横浜高島屋「第4回日本の伝統展」(甲16)
ただし、使用標章は「出雲和紙手鞠」である。
・1988年10月27日から11月1日:玉川高島屋「伝統の技展」(甲18)
ただし、使用標章は「和紙手まり」である。
なお、1999年12月20日付け京都新聞(甲7)には、T氏が東京都内のデパートなどで開かれる展示会に出かける旨の記載があるが、どのような展示会なのかが不明であり、また、展示会における使用標章も不明である。
d 大阪府及び京都府
・2007年5月23日から25日:阪急百貨店大阪・うめだ本店「第九回日本の職人展」(甲20)
・京都高島屋「日本の伝統展」(甲17)
ただし、その開催時期は不明である。
e 福岡県
・1997年10月15日から20日:小倉そごう「日本の伝統工芸展」(甲19、請求人の主張の全趣旨)
f 海外
・2009年11月2日から30日:NPO法人日本てまり文化振興協会がクロアチアで開催した「日本のてまり展」(甲12)
ただし、使用標章は「Kanbe-no-sato Japan Papir Temari」である。
・2011年10月17日から20日:NPO法人日本てまり文化振興協会が台湾で開催した「日本のてまり展」(甲13)
ただし、使用標章は「かんべの里和紙てまり」である。
カ 他者による紹介
本件商品は、他者により以下のとおり紹介されたところ、請求人に係る表示がある証拠は、甲11(後記(オ))のみである。他方で、甲1ないし甲10、甲21ないし甲23、甲34、甲35、甲43、甲46、甲49及び甲50にはT氏が表示されており、その他の証拠中、甲33、甲36ないし甲41、甲45、甲48、甲51及び甲52には本件施設に係る表示がある。
(ア)新聞社によるもの
a 山陰中央新報:1984年11月1日(甲1)、1987年12月24日(甲3)、1988年1月31日(甲4)、2001年5月13日(甲8)、2003年5月11日(甲9)、2009年9月14日(甲10)
ただし、甲1の使用標章は「和紙手まり」である。
b 中国新聞:1985年2月5日(甲2)
c 京都新聞:1999年12月20日(甲7)
ただし、甲7の使用標章は「和紙手まり」である。
d 朝日新聞:1995年1月16日(甲5)、2004年3月3日(甲31)、2006年8月25日(甲32)、2008年11月7日(甲33)
甲5、甲31及び甲33は、島根版であり、甲32は、大阪島根版であると認められる。
(イ)地方公共団体の広報誌
「広報まつえ」(島根県松江市広報誌):平成7年8月号(甲6)
(ウ)テレビ番組
甲11によれば、2017年頃のテレビ番組において、請求人の商品「てまり」についての紹介があったことがうかがわれる。しかしながら、その放送日、放送局及び放送された地域は不明であり、また、請求人の商品が当該番組においてどのように紹介されたのかは確認できない。
(エ)旅行ガイド
a JTBパブリッシング:「楽楽(審決注:「白」の左右両側にある点々が、それぞれ平仮名の「ら」及び「く」と表わされている。) 松江・出雲・石見銀山・境港」(2014年4月1日発行)(甲36)、「ココミル 松江 出雲 石見銀山 境港」(2016年12月1日改訂五版)(甲38)
b 昭文社:「たびまる 山陰 城崎・鳥取・松江」(2015年8月発行)(甲37)、「まっぷる 松江・出雲 石見銀山」(2019年5月15日発行)(甲40)、「まっぷる 山陰 鳥取・松江・萩」(2019年7月1日発行)(甲41)
c TAC出版:「おとな旅 プレミアム 出雲・松江 石見銀山・境港・鳥取」(2019年4月1日発行)(甲39)
(オ)その他の書籍
a 新井智一著「ふる里の手毬」(1988年7月25日(新井智一発行))(甲34)
b 畑野栄三著「全国郷土玩具ガイド」(1992年12月20日(婦女界出版社発行))(甲35)
(カ)ウェブサイト
a 地方公共団体によるもの
・「島根県」のウェブサイトにおける「しまねの伝統工芸」の項の「松江和紙手まり(まつえわしてまり)」の見出しの記事(甲21)
ただし、使用標章は、見出しにおいては「松江和紙手まり」、本文中においては「松江和紙てまり」である。
・「島根県」のウェブサイトにおける「広聴・広報」の「シマネスク」の「2010年」の項の「伝統工芸松江和紙てまり」の見出しの記事(甲22)
ただし、使用標章は、見出しにおいては前記のとおり「伝統工芸松江和紙てまり」、本文中においては「和紙てまり」及び「松江和紙てまり」である。
b 観光案内に係るもの
・「島根県観光連盟」のウェブサイトにおける「島根の工芸」の見出しの下の記事(甲23)
ただし、使用標章は「松江和紙てまり」である。
・「あっぱれ松江観光情報」の2012年4月30日のツイート(甲44)
・「神々のふるさと山陰」のウェブサイトにおける「出雲かんべの里(民話・工芸体験・自然観察・レンタサイクル)」の見出しの下の記事(甲48)
・「あいたび」のウェブサイトにおける「出雲にしかない『和紙てまりづくり』を体験しよう!」との記事(甲42)
・「NAVITIME」のウェブサイトにおける「出雲かんべの里」の見出しの下の記事(甲51)
・「ことりっぷ」のウェブサイトにおける「出雲かんべの里」の見出しの下の記事(甲52)
c ブログ
・本件商品は、5つのブログ(甲43、甲46、甲47、甲49及び甲50)において紹介されている。
(キ)その他
・「日本てまりの会」の会報第69号(2017年3月15日発行)(甲11)
「・・・松江(島根)に飛びました。2日間の滞在で藍染手まりと和紙手まりについて絹川れいこさんはじめ素敵な女性たちから学びました。」との記載があるが、使用標章は「和紙手まり」である。
キ 受賞歴等
本件商品に関連して、以下の受賞歴等があるが、請求人が提出した証拠からは、これらの受賞等に係る商品が「和紙てまり」と称された上で受賞等されたことを確認できないし、また、いずれも受賞等した者はT氏であり、請求人に係る表示はない。
・1984年島根県ふるさと物産新作展 最優秀知事賞(甲1及び甲24)
・1987年全国推奨観光土産品審査会日商会頭賞(甲3、甲4及び甲24)
・1995年島根県卓抜技能賞(甲24)
・1995年島根県ふるさと伝統工芸品(甲24)
また、島根県のウェブサイトにおいて、「トップ > しごと・産業 > 商工業 > 産業振興 > しまねの伝統工芸 > 工芸品一覧 > 松江和紙手まり 【しまねブランド推進課】」の項に、「松江和紙手まり(まつえわしてまり)」の見出しの下、T氏の名前と「平成7年12月12日指定」と記載されているから、当該ウェブサイトにおいては、1995年島根県ふるさと伝統工芸品として「松江和紙手まり」が紹介されていると推認できる(甲21)。
・1997年島根県各種功労者表彰(甲24)
・2002年全国伝統的工芸品産業功労者(甲24)
(3)判断
ア 前記(2)で認定した事実のとおり、本願商標は、T氏により、1980年に使用開始されたことがうかがえるものである。
そして、本件商品の販売地域は、実店舗では島根県(4箇所)、広島県(1箇所)、東京都(2箇所)、愛知県(1箇所)及び福岡県(1箇所)であり、ウェブサイトによる通信販売(1業者)も行われていること、本件商品の販売数量は多くても年間100個程度であること、本件商品は、島根県松江市内の観光施設である「出雲かんべの里」(本件施設)のほか、関東地方(2箇所)、関西地方(2箇所)、広島県(1箇所)、島根県(2箇所)及び福岡県(1箇所)におけるイベントにおいて広告宣伝されたこと、本件商品は、海外における展示会(2箇所)に出展されたこと、本件商品は、新聞社(4社12記事)、地方公共団体の広報誌(1紙1記事)、旅行ガイド(6冊)、その他の書籍(2冊)、ウェブサイト(地方公共団体によるもの2記事、観光案内に係るもの7記事、ブログ5記事)及び「日本てまりの会」の会報(1記事)により紹介されたこと、本件商品に関連して6つの受賞歴等があること、請求人が、本件施設のウェブサイトにおいて「和紙てまり」の作家であることが紹介されるとともに、「日本てまりの会」の会報第69号においても紹介されていることが、認められる。
イ しかしながら、我が国において使用された使用標章は、「和紙てまり」のほか、「和紙手まり」(甲1、甲7、甲11、甲18、甲26、甲45及び甲54)、「松江和紙てまり」(甲23及び甲25)、「伝統工芸和紙てまり」(甲22)、「松江和紙手まり」(甲14、甲15及び甲21)及び「出雲和紙手鞠」(甲16)なども存在するところ、これらの使用標章は、一部の文字種が異なったり、他の文字が付加されていたりすることから、本願商標と同一ということはできない。そうすると、本願商標と同一の使用標章が一貫して使用されていないといえる。
また、本願商標と同一の使用標章が使用されている場合についてみても、それが請求人の出所表示として使用されているといい得る証拠は、前記アのとおり、本件施設のウェブサイトにおいて、請求人が「和紙てまり」の作家であることが紹介されるもののわずか1件にとどまり、むしろ、請求人が提出した証拠には、本願商標とT氏とのつながりを示す証拠(甲2ないし甲6、甲17、甲19、甲20、甲34、甲35、甲43、甲46、甲49及び甲50)や本願商標と本件施設とのつながりを示す証拠(甲33、甲36、甲38ないし甲41、甲48、甲51及び甲52)が多く、さらにいえば、特定の出所が表されていないため、本願商標が何人の出所を示すものか明らかでない証拠(甲31、甲32、甲44及び甲47)すら存在する。
加えて、本件商品が需要者に販売される際に、どのような使用標章がどのような態様で付されているのかは、甲25及び甲34に係るもの以外は把握することができない。そして、甲25は、「和紙てまり」の標章を表した壁掛けがあるとしても、「松江和紙てまり」という本願商標と同一ではない使用標章がひときわ目立つ使用態様であるし、そもそも甲34は、35年以上前の時点での使用態様にすぎない。
さらに、本件商品の販売数量は、年間で多くても100個程度であって、さほど多いものとはいえない上、本件商品の販売地域は、実店舗については、全国各地には所在せず、その数も多いとはいえない。また、ウェブサイトによる通信販売についても、1業者が提供しているにとどまり、その具体的な提供態様やアクセス数も不明である。そして、本件商品の広告宣伝は、島根県内では複数なされているとしても、他の地域におけるものは、数が多いとはいえない上に、イベントへの参加実績は最新のものが2012年(甲44)と、約9年前のものである。
また、本件商品についての他者による紹介をみても、新聞社による記事は、地方紙又は全国紙の地方版に掲載されたものがほとんどであり、しかも、最新のもの(甲10)は2009年と、10年以上前のものである。広報誌は、島根県松江市内で平成7年(1995年)に発行された1誌にとどまる。旅行ガイドによる紹介は、山陰地方を対象とした旅行ガイドであるところ、これらの書籍の販売数は不明である。その他の書籍、旅行サイト及びブログは発行部数ないしアクセス数が不明である。なお、前記(2)カ(ウ)のとおり、2017年ころのテレビ番組において、請求人の商品「てまり」について紹介されたことがうかがわれるが、その具体的内容は不明である。
本件商品に関連した受賞等も複数存在するが、当該受賞等に係る商品が「和紙てまり」と称された上で受賞等されたことを確認できず、むしろ、本件商品は、島根県のふるさと伝統工芸品を紹介する島根県のウェブサイト(甲21)では、「松江和紙手まり」として紹介されており、これは本願商標と同一でない。受賞等の内容をみても、請求人が対象となったものではない上、島根県におけるものが多く(4件)、全国的なものもある(2件)が、最新のもの(甲24)であっても、2002年と、20年近く前のものである。
ウ このように、本願商標は、1980年に使用開始されたことがうかがわれるとしても、本願商標と同一の使用標章が一貫して使用されているとはいえないこと、本願商標と同一の使用標章が請求人の出所表示として使用された例は乏しいこと、本件商品が需要者に販売される際の使用標章の使用態様がほとんど明らかになっていないこと、本件商品の販売数量は多いとはいえないこと、本件商品の販売経路は、限定的であること、本件商品の広告宣伝や他者による紹介が全国的に相当な規模をもって行われたとはいえないこと、受賞歴等についても、「和紙てまり」と称された上での受賞等なのかが確認できないことに加え、請求人が対象となっていない上、全国的なものは2件と少なく、しかも、最新のもので20年近く前である。
これらを総合勘案すれば、本願商標は、使用をされた結果需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識できるものとはいえないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものではない。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、別掲1で提示されたところの、本願の指定商品を取り扱う分野において、主たる原材料の一つを意味する「○○」の文字と「てまり」を意味する文字「□□」が結合した「○○□□」の文字が使用されている例については、主たる原材料とは異なるものを意味する「△△」の文字と結合した「△△□□」の文字として使用されている実情もある旨、「和紙手まり」の使用例は本願の指定商品を取り扱う分野に属さないものであるから、本願の指定商品の分野(第28類)において、「○○□□」の文字としての「和紙てまり」が使用されている実情はない旨、及び、別掲2で提示されたところの、「和紙」の漢字と商品名を表す「○○」の文字が結合した「和紙○○」の文字が「和紙を主たる原材料の一つとして含む○○」の意味合いで使用されている例については、それとは異なる意味合いで使用されている実情もある旨を主張し、以上によれば、本願商標は、直ちに商品の品質等を直接的ないし具体的に表示するものとはいえず、また、本願商標が、本願の指定商品を取り扱う分野において商品の品質を表示するものとして取引上普通に使用されている事実もない旨主張する。
しかしながら、請求人が提示する「南蛮手毬」、「姫てまり」及び「花てまり」の例は、「てまり」を意味する文字以外の文字「南蛮」、「姫」及び「花」の文字が、そもそも原材料を意味するとは認識され難いものであるし、いずれにせよ、別掲2のとおり、「和紙」の文字が原材料を意味するものとして使用されている例が多数あることから、請求人が提示する例が存在することは、前記1(3)イの判断を左右するものではない。また、別掲1(1)の商品「和紙手まり」が、本願の指定商品を取り扱う分野にも属することは、前記1(3)イにおいて、その商品が「おもちゃ」に属するものとして掲載されていることや「てまり」の文字が「玩具の一種」という意味を有することをもって説示したとおりである。
さらに、「和紙」の漢字と商品名を表す「○○」の文字が結合した「和紙○○」の文字について、「和紙を主たる原材料の一つとして含む○○」の意味合いで使用されているとはいえない例があるとしても、別掲2で示したとおり、そのような意味合いで使用されている例が多数存在することに変わりはないから、請求人が提示する例が存在することは、前記1(3)イの判断を左右するものではない。
(2)請求人は、辞典類の記載における「てまり」の説明には「和紙」を暗示させる記載がないことから、「和紙てまり」の文字からは、「和紙」と「てまり」の関係は判断できない旨主張する。
しかしながら、前記1(3)において、別掲1及び別掲2で提示された例を踏まえ説示したとおりであり、この説示は、前記1(3)イで説示した「てまり」の字義が「和紙」の使用を排除しないことにも沿うものである。
(3)請求人は、過去の登録例に基づき本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張するが、これらの登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、前記1(3)の認定判断が左右されるものではない。
(4)請求人は、本願商標は、少なくとも現時点において、「てまり」の取扱業者及び愛好者の間では、一定程度認知されているとうかがい知ることは可能である旨主張するが、本願の指定商品は、玩具の一種であることから、その需要者は、「てまり」の取扱業者及び愛好者に限定されない、一般の消費者であるというべきである。
(5)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、かつ、同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 本願の指定商品を取り扱う分野において、主たる原材料の一つを意味する「○○」の文字と「てまり」を意味する文字「□□」が結合した「○○□□」の文字が使用されている例(下線は当審が付した。また、「\」は改行を表す。以下同じ。)
(1)「Amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて、「おもちゃ>工芸品・民芸品>民芸品」の項に、「正月飾り和紙手まり2個組めでたやNew Year decoration, Temari ブランド: ノーブランド品」の見出しの下、「商品の説明 和紙のお正月飾りシリーズ。細かい部分までしっかりと作られており、和紙とは思えない出来栄え。単独で飾るのも良いですが、他のものと組み合わせて飾ることで、自分だけのお正月飾りを組む事が出来る、自由度の高いお正月飾りです。こちらは和紙で作った可愛らしいまり。お正月遊びのおもちゃをイメージしています。中に鈴が入っているところが、また粋ですよね。他の飾りの足元に転がしておくだけで、飾りの印象がとても変わりますよ。」との記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/dp/B01N7APNH5)
(2)「Amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて、「おもちゃ>工芸品・民芸品>民芸品」の項に、「絹てまり『もみじ』黒土台 手まり 手毬 手鞠」の見出しの下、「出品者のコメント: 最近作られる多くのてまりが、スチロールボールの土台になってしまいました。 私のてまりは昔ながらに土台の芯に籾殻を使い 毛糸や、ミシン糸で形を整えて 糸を巻いたりステッチをしたりして作品を作っています。 サイズ、直径 約10cm。 模様の糸は絹糸を使用しています。 籾殻は電子レンジで加熱殺菌していますので 内部からの虫の発生はありません。 ですが、天然素材のため虫食いの可能性もあります。 防虫剤の使用をお勧めします。」との記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/(商品名から検索可能))
(3)「楽天市場」の「ちりめん細工館」のウェブサイトにおいて、「和柄のちりめん生地や正絹がオシャレ♪\【ちりめん手毬ver3】手毬 てまり 毬 可愛い ちりめん シルク インテリア ディスプレイ 和柄 和小物」の見出しの下、「商品説明\<本体に和柄ちりめん生地や正絹をあしらったおしゃれな手毬です。\プレゼントにも最適です!。\簡易透明ケース入り(2017/03/08現在))」との記載がある。
(https://item.rakuten.co.jp/chirimenzaikukan/btk-001-3/)
(4)「熊本県伝統工芸館ホームページ」のウェブサイトにおいて、「い草てまり(いぐさてまり)」の見出しの下、「いぐさを芯にして、表面の装飾にもいぐさを編み込んだ熊本ならではのてまり。\一針ごとに気持ちを込めて。い草や草木染めの木綿糸で模様が縫い込まれたてまりたち。カラフルな色彩を引き締めるように入った涼しげなグリーンの編み目は、なんとイ草そのもので出来ている。芯にもイ草が入っているため、フワリと癒しの香りが漂う。」との記載がある。
(http://kumamoto-kougeikan.jp/archives/kyoudogangu/igusatemari/)

別掲2 一般に、「和紙」の漢字と商品名を表す「○○」の文字が結合した「和紙○○」の文字が、「和紙を主たる原材料の一つとして含む○○」の意味合いで使用されている例
(1)別掲1の(1)と同じ。
(2)「和紙の専門店『紙舘 島勇』」のウェブサイトにおいて、「和紙の探し方」の見出しの下、「和紙人形の素材」の項に、「和紙人形の素材として、着物、髪の毛、そして肌を表現するための和紙を集めてみました。」との記載がある。
(https://shimayu.co.jp/findwashi)
(3)「NHKカルチャー」のウェブサイトにおいて、「和紙人形」の見出しの下、「美しい和紙を使って人形を作ります\美しく染められた和紙で歌舞伎、日本舞踊などを題材に人形を作ります。」との記載がある。
(https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_425394.html)
(4)「Creema」のウェブサイトにおいて、「海外のプレゼントに喜ばれる立体友禅和紙人形 雅 京都初踊り…新作 和紙人形」の見出しの下、「作品紹介文\立体友禅和紙人形 雅 京都初踊り…新作数量限定ハンドメイド2019\海外のプレゼントに良く使われています。\外国の方はなんて美しい和紙で作られているとは思えないと目を見張るそうです。\お買い求め頂いた方からの嬉しいコメントです。」との記載がある。
(https://www.creema.jp/item/5789757/detail)
(5)「船場経済新聞」のウェブサイトにおいて、「大阪・北浜で和紙人形展 約350体展示、オリジナル和紙小物も」の見出しの下、「企画展『和紙人形の世界II』が9月25日、大阪・北浜の『辰野ひらのまちギャラリー』(大阪市中央区平野町1)で始まる。」及び「主催の・・・さんは『展示する3人の創作家は60代?80代で、作品はどれも3人のアイデアを元に作られたオリジナルのもの。作品は和紙の豊かな風合いが感じられて、ストーリー性があるのが魅力。これをきっかけに、和紙人形の豊かな世界観を感じてもらえたら』と話す。」との記載がある。
(https://semba.keizai.biz/headline/1249/)
(6)2019年10月5日 東京読売新聞 朝刊 28頁
「和紙人形 岩槻で個展=埼玉」の見出しの下、「八潮市の和紙人形作家・・・の個展が4日、さいたま市岩槻区の料亭『ほてい家』で始まった。\和紙人形は着物や髪、体など全てを紙で作り、ひな人形とは違った味わいがある。・・・さんは1995年から制作に取り組み、個展では約180体を展示する。」との記載がある。
(7)「北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ」のウェブサイトにおいて、「和紙こいのぼり作り最盛期 富山・八尾地域」の見出しの下、「富山市八尾地域特産の和紙を素材にしたこいのぼり作りが、桂樹舎(同市八尾町鏡町)で最盛期を迎えている。端午の節句に向け、職人が一つ一つ丁寧に仕上げている。」との記載がある。
(https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000023429)
(8)「YAHOO! JAPAN ショッピング」の「家具 キノクニヤ」のウェブサイトにおいて「八尾和紙の伝統工芸品 和紙ならではの風合いと鮮やかな色 在庫切れ 【2020年入荷しました!】八尾和紙 で作った 生き活き鯉のぼり 【小3つセット】 桂樹舎 こいのぼり 室内 手作り おしゃれ」の見出しの下、「商品情報…富山県の八尾市で古くから続く伝統工芸の手漉き和紙。\その和紙を使って造られた、『生き活き鯉のぼり』です。\室内で飾れるサイズですが、力強く存在感抜群。珍しい和紙こいのぼりでお子様の成長を願います。」との記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/hidato/washi-mini3set.html)
(9)2015年5月6日 中部読売新聞 朝刊 27頁
「迫力 和紙こいのぼり 高山=岐阜」の見出しの下、「端午の節句を1か月遅れの6月5日に祝う風習がある高山市で、武者人形などを市内約50か所に飾る『飛騨高山端午の節句』が今月から始まった。\飛騨の古い民家を移築している観光施設『飛騨の里』(上岡本町)では、園内にある国指定重要文化財の『旧家』に、五月人形やこいのぼりを展示。中でも『旧西岡家』の屋内には、全長9・5メートル、胴回り3・5メートルの和紙でできた巨大なこいのぼりが飾られている。\和紙のこいのぼりは、1930年(昭和5年)頃、飛騨市河合町(旧河合村)でつくられた伝統工芸品で、山中和紙でできており、7年前に市民から寄贈された。」との記載がある。
(10)2013年5月4日 大阪読売新聞 朝刊 25頁
「大竹の和紙こいのぼり 守る伝統 “孤軍奮闘”=広島」の見出しの下、「自宅の工房で和紙をカッターナイフでコイの形に裁断。染料がにじまないように乾かしながら目玉やうろこを描き、マゴイには金太郎がつかまる図柄を施す。」及び「写真=味わいのある色合いが人気を集める和紙製のこいのぼり(大竹市で)」との記載がある。
(11)「COCOmag」のウェブサイトにおいて、「伝統技術を可愛くアレンジした[和える]の湧き水で漉いた和紙ボール」の見出しの下、「この『湧き水で漉いた和紙ボール』は、藤の木の枝で編んだ球体の骨組みで和紙を漉きながら形を整えて作られた、天然素材のボール。日本の名水百選にも選ばれた愛媛県西予市の湧き水を使い、和紙職人が10回近くも繰り替えし和紙を漉いて作られているんです。」との記載がある。
(https://cocomag.net/38022/)
(12)「Clock World本店」のウェブサイトにおいて、「掛け時計」の見出しの下、商品の写真とともに、「和紙時計\『ひぃふぅみぃ』」との記載があり、さらに、「山間の地、岐阜県美濃の特産品、美濃和紙を文字盤に使用し、和の雰囲気にあふれる日本製和紙の掛け時計です。手すき和紙ならではやわらかな風合いは、まさにMADE IN JAPAN。」及び「和紙で作った掛け時計。和室にあった時計がなかなか見つからないという方に大変おススメです。」との記載がある。
(http://www.clock-world.jp/fs/clock/sy-91020000)
(13)「自然のショップ yomogi」のウェブサイトにおいて、「yomogiの和紙かばん」の見出しの下、「奈良時代に漉かれた三椏・雁皮・楮などを原料とした和紙は、正倉院御物として1300年を経ても風化することなく良好な状態で保存されています。\その正倉院御物と同じ三椏・雁皮・楮などで漉いた最高級の手漉き和紙に柿渋や弁柄を塗り重ね、練達の鞄職人が丁寧に縫い上げた逸品です。」との記載がある。
(http://www3.ttn.ne.jp/~yamazaki-w/yomogi/kaban.html)
(14)「denmira.jp」のウェブサイトにおいて、「和食に続いて、日本の伝統技術『手漉和紙』がついに無形文化遺産へ登録される見通しとなりました。繊細な美しさと丈夫さが世界的にも評価されている和紙は、ハガキや名刺だけでなく、さまざまなジャンルで製品化されています。なかでも今回ご紹介したいのは、手漉き和紙カバン『しゅ・わ・りん』です。」及び「はんなり美しい和紙カバン\希少な手漉き職人による和紙を用いて、新進気鋭のクリエーター・・・がデザインした手漉き和紙の手提げカバンです。ひとつずつ手作業で彩色し、高度な技術で縫製されています。」との記載がある。
(https://denmira.jp/?p=4169)
(15)「四国新聞社」のウェブサイトにおいて、「和紙のウエディングドレス、かりん会館で展示 2007/08/25 09:42」の見出しの下、「香川県仲多度郡まんのう町神野のかりん会館で、和紙でできたウエディングドレスを展示している。試着や会館近くの満濃池を背景にするなど屋外での記念撮影も可能。会館では『ウエディングドレスにあこがれる子どもたちや年配の人も眺めるだけでなく、気軽に試着してほしい』としている。\和紙ドレスを製作したのは、日本折り紙協会員で、文化教室などで講師を務める・・・。土佐和紙などを使い、純白と色鮮やかなカクテルドレスの2着のほか、ベールやブーケを展示している。」との記載がある。
(http://www.shikoku-np.co.jp/sports/local/print.aspx?id=20070825000080)
(16)「mi」のウェブサイトにおいて、「和紙アクセサリー専門店『mi』をご覧頂きありがとうございます」及び「当店では、福井の伝統工芸『越前和紙』を使ったアクセサリーを販売しており、和紙ピアスや和紙イヤリングなど多数商品を取り揃えております。」との記載がある。
(https://mi-washi.com/)
(17)「カネコ畳工房」のウェブサイトにおいて、「和紙畳」の見出しの下、「和紙(紙)をこよりにして作っています」との記載がある。
(https://www.kaneko-tatami.com/html/tatami2.html?)
(18)「生活110番」のウェブサイトにおいて、「畳の進化系!和紙畳の良さ、使い方を一挙ご紹介!和モダンなお部屋へ」の見出しの下、「『和紙畳』とはどんな畳?」の項に、「和紙畳とは天然の和紙を原料に使い、畳のように仕上げたもののことをいいます。和紙をコヨリのように巻いて細かくし、い草のような形にしたものを編み込んだ畳です。」との記載がある。
(https://www.seikatsu110.jp/repair/rp_tatami/39014/)
(19)「ami amie公式オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、「蒸れを軽減、さらっとした肌ざわり\夏用和紙マスク」との記載があり、さらに、「素材\本体:(分類外繊維)和紙55%ポリエステル40%ナイロン4%ポリウレタン1%\ゴム紐部分:ナイロン92% ポリウレタン8%」との記載がある。
(https://ami-amie.jp/?pid=151174904)
(20)「ロハスクラブ」のウェブサイトにおいて、「011 和紙ジーンズ」の見出しの下、「概要:\ファッションデザイナー・・・の生み出す、和紙を使った服。\和紙を糸にして、デニムを作るという日本ならではのジーンズ。開発により繊維産地再生を目的としている。」との記載がある。
(http://www.lohasclub.jp/lda/2017/shownoms-f.cgi?cid=2258)
(21)「藤巻百貨店」のウェブサイトにおいて、「和紙Tシャツ」の見出しの下、「職人技が光る“和紙100%”のTシャツとは?\その贅沢で最高の着心地を堪能してほしい『和紙Tシャツ』」及び「■「IKIJI」だから成し得た“原材料は和紙100%”\そもそも和紙を洋服の素材にするためには、「和紙糸」を作るところから始まる。まずは特殊な機械を使って和紙を1mm?1.5mmの短冊状にカットし、3回撚り返す製法で糸状にしていく。その後、水洗いにかけ1週間ほど自然乾燥させると『和紙糸』が完成する。和紙から『和紙糸』を作るには実に1ヵ月ほどの時間が必要だ。そこから編み機にかけ生地にしていくのだが、糸状になっているとはいえ、そもそもが和紙なので、非常に固く、そして切れやすいため、生地として編み立てるには非常に高度な技術が必要だ。さらに難関は、首周りなどのリブ部分。当然ながら和紙糸そのものにストレッチ性がない。共布で作ると伸びてしまいだらしなくなってしまう。そこで和紙糸に伸縮性のある糸を加えて編み立てることでストレッチ性を追加。和紙糸でリブ部分をも作り上げたのだ。」との記載がある。
(https://fujimaki-select.com/item/005_0016.html)

審理終結日 2021-03-26 
結審通知日 2021-04-02 
審決日 2021-04-26 
出願番号 商願2018-71481(T2018-71481) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (W28)
T 1 8・ 13- Z (W28)
T 1 8・ 272- Z (W28)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 直樹加藤 桜子山本 敦子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 山村 浩
庄司 美和
商標の称呼 ワシテマリ、ワシ 

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