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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W16353943
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W16353943
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W16353943
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W16353943
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W16353943
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W16353943
管理番号 1375164 
審判番号 不服2020-15541 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-10 
確定日 2021-06-29 
事件の表示 商願2020-39691拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第35類、第39類及び第43類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成31年2月15日に登録出願された商願2019-25542に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和2年4月8日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
1 本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品及び指定役務中、例えば「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画」等を取り扱う分野においては、地域興しや観光の一環として、酒蔵等を巡り、その訪問の印として押されるスタンプ等を表すものとして、「御酒印」の文字が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、例えば「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等に使用したときは、これに接する取引者、需要者に、酒蔵等の訪問の印として押されるスタンプに関する商品又は役務であることを理解させるにすぎず、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。
また、本願商標は、これを前記文字に照応する商品又は役務、すなわち、酒蔵等の訪問の印として押されるスタンプに関する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商標法第4条第1項第16号に該当する。
2 本願商標は、登録第847294号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、引用商標は、「御守印」の文字を縦書きしてなり、昭和40年12月18日に登録出願、第25類「印章,印章入れ」を指定商品として、同45年3月3日に設定登録され、その後、平成23年1月5日に指定商品を第16類「印章,印章入れ」とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、直ちに特定の意味合いを認識させるとはいい難い。
そして、原審説示のように、たとえ「御酒印」の文字が、酒蔵等の訪問の印として押されるスタンプ等を表するものとして使用されている例が、一部においてあるとしても、本願商標の指定商品及び指定役務中、「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等との関係においては、商品の品質及び役務の質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
また、当審において職権をもって調査するも、本願商標の指定商品及び指定役務中、「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等を取り扱う業界において、「御酒印」の文字が、商品の具体的な品質及び役務の具体的な質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質及び役務の質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等との関係において、商品の品質及び役務の質等を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
2 本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、等間隔に、まとまりよく表されており、視覚上一体的に看取されるものであるから、本願商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。
そして、本願商標は、その構成文字に相応して、「ゴシュイン」及び「ミキイン」の称呼を生じ、当該構成文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「御守印」の文字を縦書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、等間隔に、まとまりよく表されており、視覚上一体的に看取されるものであるから、引用商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。
そして、引用商標は、その構成文字に相応して、「ゴシュイン」の称呼を生じ、当該構成文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標とを比較すると、これらは、「御」及び「印」の文字が共通するものの、2文字目の「酒」又は「守」の文字に差異を有するところ、前者の「酒」の文字は、「アルコール分を含み、飲むと酔う飲料の総称」(広辞苑 第7版)の意味を有する語で、後者の「守」は「まもること」(前掲書)の意味を有する語であり、それぞれ意味合いが異なり、両者は、共に平易な漢字であって「酒」と「守」との間に旁(つくり)や偏(へん)の共通性もなく、本願商標と引用商標とは、3文字という少ない文字数の構成であることからすると、その差異は大きいものであって、別異の語であるとの印象を与えるものであるから、両者は、視覚的な印象が相違し、両者の外観は、判然と区別し得るものである。
イ 称呼においては、両者は、「ゴシュイン」の称呼を共通にする場合があるとしても、それ以外に本願商標から生じる「ミキイン」の称呼と引用商標から生じる「ゴシュイン」の称呼とは、構成音の明らかな違いにより容易に聴別できるものである。
ウ 観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。
エ そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであって、称呼において「ゴシュイン」の称呼を共通にする場合があるとしても、それ以外の称呼は容易に聴別できるものであり、外観においては、その印象が相違し、判然と区別し得るものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第16類「ノートブック,印章,印章入れ,その他の文房具類」と、引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務中、第16類「ノートブック,印章,印章入れ,その他の文房具類」が、引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、本願商標と引用商標は非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同法第4条第1項第11号のいずれにも該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

別掲 本願の指定商品及び指定役務
第16類「ノートブック,印章,印章入れ,その他の文房具類」
第35類「宿泊施設・酒類製造業の経営の診断又は経営に関する助言,宿泊施設・酒類製造業の経営に関する情報の提供,宿泊施設・酒類製造業の業務提携・合併・買収に関する相談・仲介・助言・指導・情報の提供」
第39類「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,航空券その他の乗車船券の発行の代行・媒介又は取次ぎ,観光ツアーの企画及び実施,他人の携行品の一時預かり,駐車場の提供の媒介又は取次ぎ,自動車の貸与の媒介又は取次ぎ,自転車の貸与の媒介又は取次ぎ,スーツケースの貸与の媒介又は取次ぎ」
第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,宿泊施設に関する情報の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供」


審決日 2021-06-10 
出願番号 商願2020-39691(T2020-39691) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W16353943)
T 1 8・ 261- WY (W16353943)
T 1 8・ 263- WY (W16353943)
T 1 8・ 264- WY (W16353943)
T 1 8・ 272- WY (W16353943)
T 1 8・ 13- WY (W16353943)
最終処分 成立  
前審関与審査官 片桐 大樹守屋 友宏 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 小田 昌子
山根 まり子
商標の称呼 ゴシュイン、ミキイン、ミキジルシ、オサケジルシ、ゴシュ、ミキ、オサケ、シュイン、サケジルシ 
代理人 八田国際特許業務法人 

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