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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2018890005 審決 商標
無効2018890085 審決 商標
不服202017242 審決 商標
無効2019890040 審決 商標
無効2019890038 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W093841
管理番号 1375008 
審判番号 無効2020-890039 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2020-05-12 
確定日 2021-05-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5764615号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5764615号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5764615号商標(以下「本件商標」という。)は、「SONICODE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年12月12日に登録出願、第9類、第38類及び第41類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同27年4月6日に登録査定され、同年5月15日に設定登録されたものである。
なお、本件商標の商標権については、令和2年5月15日に分割(後期分)登録料不納により消滅(同3年2月10日登録の抹消)しているものである。

第2 引用商標等
1 請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するとして引用する商標は、「SONY」の欧文字からなる商標及び「ソニー」の片仮名からなる商標(以下、両商標をあわせて「請求人商標」という。)であり、請求人が「電気・電子製品」及び「通信・放送及び娯楽関連役務」について使用し請求人の業務に係る商品及び役務の出所を表示するものとして著名であると主張するものである。
2 請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第491710号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品 第7類、第9類ないし第12類及び第17類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和30年3月1日
設定登録日 昭和31年11月20日
書換登録日 平成19年11月14日
最新更新登録日 平成28年11月1日
(2)登録第969493号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 SONI
指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和42年4月4日
設定登録日 昭和47年6月28日
書換登録日 平成14年11月6日
最新更新登録日 平成24年6月19日
(3)登録第500036号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
指定商品 第7類、第9類ないし第12類及び第17類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和31年9月12日
設定登録日 昭和32年4月15日
書換登録日 平成20年9月3日
最新更新登録日 平成29年3月28日
(4)登録第500037号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成 sony
指定商品 第7類、第9類ないし第12類及び第17類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和31年9月12日
設定登録日 昭和32年4月15日
書換登録日 平成20年9月3日
最新更新登録日 平成29年3月28日
(5)登録第500038号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成 ソニー
指定商品 第7類、第9類ないし第12類及び第17類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和31年9月12日
設定登録日 昭和32年4月15日
書換登録日 平成20年9月3日
最新更新登録日 平成29年3月28日
(6)登録第618689号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成 SONY
指定商品 第7類ないし第11類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和35年4月27日
設定登録日 昭和38年6月26日
書換登録日 平成16年11月4日
最新更新登録日 平成25年4月9日
(7)登録第667592号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成 ソニー
指定商品 第7類ないし第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和38年8月22日
設定登録日 昭和40年2月15日
書換登録日 平成18年4月19日
最新更新登録日 平成27年1月27日
(8)登録第1791229号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成 ソニー
指定商品 第7類ないし第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和54年3月9日
設定登録日 昭和60年7月29日
書換登録日 平成18年9月20日
最新更新登録日 平成27年6月30日
(9)登録第1791230号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
指定商品 第7類ないし第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和54年3月9日
設定登録日 昭和60年7月29日
書換登録日 平成18年9月20日
最新更新登録日 平成27年6月30日
(10)登録第2681252号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成 SONY
指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成2年8月8日
設定登録日 平成6年6月29日
書換登録日 平成16年12月1日
最新更新登録日 平成26年6月3日
(11)登録第3126329号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成 SONY
指定役務 第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成4年9月30日(特例商標)
設定登録日 平成8年3月29日
最新更新登録日 平成28年3月1日
(12)登録第3359302号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の構成 SONY
指定役務 第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成4年9月30日
設定登録日 平成9年11月14日
最新更新登録日 平成29年10月24日
(13)登録第4868121号商標(以下「引用商標13」という。)
商標の構成 ソニー(標準文字)
指定商品及び指定役務 第1類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成16年9月15日
設定登録日 平成17年6月3日
更新登録日 平成27年5月26日
(14)登録第4988737号商標(以下「引用商標14」という。)
商標の構成 SONY(標準文字)
指定商品及び指定役務 第1類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成16年12月7日
設定登録日 平成18年9月22日
更新登録日 平成28年7月5日
(15)登録第5172032号商標(以下「引用商標15」という。)
商標の構成 SONY
指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成17年12月27日
設定登録日 平成20年10月10日
更新登録日 平成30年9月25日
(16)登録第6051707号商標(以下「引用商標16」という。)
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品及び指定役務 第9類、第38類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成29年9月26日
設定登録日 平成30年6月15日
なお、引用商標6については、第1類ないし第6類、第8類ないし第28類、第30類ないし第32類及び第34類、第35類ないし第42類、引用商標10については、第1類ないし第31類及び第33類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として防護標章登録されている。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第168号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第11号及び同第10号に該当するものであるから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。
2 具体的な理由
(1)本件無効審判の請求に及ぶことの意義及び利害関係について
ア 「SONI(ソニ)」と「SONY(ソニー)」
(ア)本件商標は、主として「ソニコード」と呼称される「SONICODE」の欧文字からなるものであるが(「ソニーコード」の称呼も生じ得る。)、「SONICODE(ソニコード)」は、全体としては、特定の意味を持つ既存の言葉ではない。
しかし、「SONICODE(ソニコード)」中の「CODE(コード)」は、「符号、暗号、信号など」を意味する誰もが聞き親しんでいる外来語であり、また、「ドレスコード」や「バーコード」、「QRコード」のように、他の語と結んで複合語を作る語として知られているものであるから、「SONICODE(ソニコード)」は、「SONI(ソニ)」(「ソニー」の称呼を生ずることもあり得る。)の語と、既存の英単語「CODE(コード)」を結合した構成と容易に認識されるものである。
そして、「SONI(ソニ)」の語は、ラテン語であるが、我が国の需要者にとっては(「SONY(ソニー)」を連想し得る以外には)全く馴染みのない語であり、需要者のほとんどは造語の一種として捉えるというべきである。
したがって、我が国の需要者は、「SONICODE」を目にした際、あるいは、「ソニコード」という音に接した場合には、これを「SONI(ソニ)」という造語と、「CODE(コード)」という英単語が結合したものであると自然と認識するというべきである。
なお、音としての「コード」は、「cord(電線 ケーブル)」を意味する日本語となっているから、「ソニコード」という称呼が本件商標の指定商品・役務との関係で使用される時には、「ソニーのケーブル」という観念をも生ずるものであることは、後述する。
(イ)前記のとおり、「SONI(ソニ)」は、需要者にとって造語としてしか認識できないものであるが、実は「音」を意味するラテン語「SONUS」の複数形で、請求人の創業者が、「SONY」というブランドを考案した際に、その元とした語である(甲11?甲15)。
請求人は、1946年に創業し、その当時は「東京通信工業株式会社」という名称であったが(甲2、甲5)、1950年に開発した日本初の国産テープレコーダー「G型」用の録音テープに、「Soni-Tape(ソニテープ)」という商標を付して販売した(甲4?甲7)。
この「Soni-Tape(ソニテープ)」は、前記「G型」とともに、請求人が初めて選択した商標として、請求人の75年の歴史の中でも最も重要な商標の一つに位置付けられており、現在、請求人本社にある社史展示スペースにも、当時の製品が展示されている(甲8)。
その後、請求人は、「ソニ」というキャッチーで親しみやすい音にブランドとしての適性があると考え、この「ソニ」という音にこだわり、海外でも「ソニ(一)」と呼称してもらえる「SONY」を、会社全体のブランドとして採用するに至ったのである(甲11?甲15)。そして、1958年には、請求人は、社名も「ソニー株式会社」に変更した(甲2、甲5)。
(ウ)請求人商標がラテン語「SONUS」の複数形「Soni(ソニ)」に由来していることは、多くの書籍・資料においても説明されおり(甲11?甲15)、「Soni(ソニ)」の語は、請求人にとって「SONY(ソニー)」ブランドの原点ともいうべき縁深い語であると同時に、その音「Soni(ソニ)」は、「SONY(ソニー)」ブランドの本質そのものといえる。
「SONY」を採用した後も、請求人は、その製品の広告において「SONY」の呼称を「ソニ」と表記していたし(甲9、甲10)、また、現在も「SONI」又は「ソニ」の文字からなる、又は、それらの文字を含む商標の登録を保有している(甲136、甲137)。
請求人商標が世界的に著名となった現在においては、「ソニ」という2音を聞くだけで、多くの人々が請求人商標を連想する程に、「ソニ」の2音と請求人との間には非常に強い連想性が存在するといっても過言ではない。
このことは、特許庁における審査においても、「soni+既存の英単語」からなる出願商標が「SONY」との混同を理由に拒絶されていること(甲16、甲17)、諸外国においても「soni」の語を内包する商標が、多数、異議申立又は無効審判により、拒絶ないし取消しとなっていること(甲18?甲31)などを見ても明らかといえる。
イ 請求人商標と電気・電子製品、通信・放送及び娯楽関連事業
本件商標の指定商品及び指定役務は、いずれもソニーグループが提供する商品・役務又はそれらと深く密接に関連するものばかりである。
請求人は、電気・電子製品の事業で創業し、それら製品並びに音楽・映画等の娯楽関連事業あるいは通信関連事業によって著しい成長を遂げ(甲2、甲5)、現在の世界的企業グループにまで発展したといっても過言ではない。
特に、本件商標の指定商品のうち「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」などは、請求人の事業の中核にあるものであり、かかる商品について、請求人のアイデンティティーともいえる「ソニ」の2音を語頭に有する本件商標が使用されることは、市場において混同を許すおそれがあることはもとより、「SONY(ソニー)」という唯一無二のブランドの独自性を希釈化し、その指標力を弱化させることにつながるおそれが極めて大である。
請求人は、そのような事態を極めて懸念・憂慮しており、ゆえに本件商標の登録を到底看過することはできない。
ウ 審判請求の利害関係
以上のとおり、本件商標の使用及び登録は、ソニーグループの業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれが大であり、また、半世紀以上にわたり継続して使用している請求人商標の独自性ないし指標力を稀釈化してしまうおそれがあり、請求人商標に化体した信用を害するものである。
したがって、請求人が本件無効審判を請求することについて、利害関係があることは明白である。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性
ア 他人の表示の周知著名性
(ア)請求人及び請求人商標の著名性について
請求人商標は、請求人の略称であり、また、ソニーグループの製造・販売・提供に係る商品及び役務についての代表的出所表示(ハウスマーク)として半世紀以上にわたり世界中で使用されている著名商標である。
請求人商標が著名であることは、例えば、商標審査基準において「需要者の間に広く認識された商標を構成中に含む場合」の類似する例として「指定商品『テープレコーダ』について『SONYLINE』又は『WALKMAN LINE』と『SONYWALKMAN』」という例が挙げられていること(甲32)、「SONY」が多区分にわたり防護標章登録を受けていること(甲33)などからも、特許庁において顕著な事実であると確信するが、請求人商標が著名であることを端的に示す。
a 請求人は、1946年にラジオの修理等を行う会社としてスタートを切り(甲2、甲5)、日本初の国産テープレコーダーの製造・販売を皮切りに、様々な消費者向け電気・電子製品の製造・販売を行うようになり、さらには、半導体製造事業などの工業分野、音楽事業、映画事業、金融事業などのサービス分野にも進出して、多角事業経営の巨大企業グループヘと成長した(甲34?甲37、甲128)。
本件商標が出願された2013年度及び2014年度当時のソニーグループの事業状況は、従業員数が連結で140,900名及び131,700名(甲38、甲40)、年間売上高が7兆7,672億円及び8兆2,159億円(甲38?甲40)という規模であり、日本国内における売上高は2013年が2兆1,990億円(甲42)である。
また、2019年時のグループ連結での売上高は8兆5,000億円、連結従業員数は114,400名に達している(甲41)。
b 請求人商標を使用した商品・役務の日本における広告宣伝費は、2013年に4,765億円に達しており(甲43)、日本企業の中でトップとなる年もあり、常に上位に位置している(甲44、甲45)。それら広告の一部として、「SONY」のテレビ広告の映像写真並びに雑誌・新聞への出稿広告の写しを提出する(甲46、甲47)。
なお、2007年から2014年まで、請求人は、FIFAの公式スポンサーであったため、請求人商標は、ワールドカップのロゴと共に使用され、競技場における広告も、試合の間、テレビで放映されるなどした(甲48、甲49)。
c 請求人商標に係る新聞雑誌の記事は掲載実績の枚挙に暇はないが、その一部を提出する(甲50)。
d インターブランド社のブランドランキングによれば、日本のグローバルブランドの部で、請求人商標は、2010年に3位、2012年に4位、2013年に4位、2015年に4位とされている(甲51)。
以上の事実を概観するだけでも、請求人商標が、その取扱いに係る様々な商品及び役務との関係で、著名商標であることは自明である。
(イ)電気・電子製品、通信・娯楽関連役務との関係での実績・著名性
請求人及びソニーグループは、1950年に日本初の国産テープレコーダーの販売を開始して以降、電気・電子製品の製造・販売(甲2、甲5、甲34、甲52?甲82、甲114?甲117、甲120?甲122、甲128)、通信・放送関連役務の提供(甲123?甲126、甲152、甲154)及び音楽・映画・電子書籍等の娯楽関連役務の提供(甲2、甲5、甲41、甲83?甲106、甲133、甲134、甲152、甲153、甲155?甲164)などを大々的に展開しており、請求人商標の著名性は、これら全ての商品及び役務の分野の需要者・取引者の間にわたっている。
本件商標の指定商品及び指定役務は、請求人及びソニーグループの中核をなす商品、あるいは、同グループの事業と密接な関連性を持つものである。
イ 当該商標と他人の表示との類似性
(ア)本号の適用場面における「類似性の程度」については、周知著名な商標から連想されて、その出所と経済的又は組織的に何らかの関係があると誤認される程度のものであれば足りると解すべきである(甲107)。
そして、例えば、トヨタ自動車の販売ディーラー店は「トヨペット」、パナソニックの住宅関連子会社は「パナホーム」など、母体の親会社の著名な名称・ブランド名の特徴的かつ特異な一部や、その語頭部分だけを使ったブランド名・店舗名・会社名を採択することは珍しいことではない。いずれも「トヨ」、「パナ」という部分から、需要者及び取引者が、特定の企業グループを連想するということは経験則的に明らかであって、本号における混同とは、あらゆる連想可能性という観点から、混同のおそれを検討しなければならない。
この点、例えば、東京高裁判決(昭和50年(行ケ)第74号、「ALINAMIN(アリナミン)」対「ALINAPON(アリナポン)」)では、商標法第4条第1項第11号(狭義の混同)適用の場面でさえ、著名商標「ALINAMIN」の語頭部分「ALINA」の共通性のみをもって、出所混同を認定している(甲108)。
以上のとおり、「広義の混同を生ずるおそれがある商標」には、前記した「トヨタ自動車」と「トヨペット」のような関係も当然含まれると解すべきであり、本件商標と請求人商標との間には、これらの例をはるかに超えるような関係性を連想させる類似性が認められる。
すなわち、本件商標の「SONICODE(ソニコード)」は、「ソニ」の2音を語頭に有する構成であり、前記のとおり、当該2音は、請求人の「ソニー」の音に通じ、特に電気・電子製品並びに通信・放送及び娯楽関連役務との関係では、「SONY」及び「ソニー」を強く連想させる類似性を持つものであることは疑いない。
(イ)次に、商標の周知著名性が与える類否判断への影響という観点から、氷山事件最高裁判決(昭和37年(行ナ)第201号)及びシンガー事件最高裁判決(昭和33(オ)第766号)における判事事項に照らし、以下、考察する。
本件商標「SONICODE」は、「ソニコード」という称呼が自然に生ずるものである。取引者間や需要者との取引流通上、口頭だけでやりとりしなければならない場面は、現代においても少なくはないし、聴き手が「ソニコード」という音のうち「ソニ」を著名な「ソニー」と聴き誤るおそれも当然考慮されなければならない。とりわけ、経験則上、記憶や印象だけにたよって商標を称呼上特定する場合も当然起こり得ることであるから、そのような場面において、世界的に著名な商標として使用されてきた「SONY(ソニー)」を強く連想させる「ソニ」を語頭にして聞けば、少なくとも本件商標の指定商品・役務の分野の需要者及び取引者が、請求人商標を想起し、時としてこれを誤認混同してしまうことは明白である。
さらに、請求人において、各種AIスピーカーに対し、(「ソニ」と「コード」の間に長音を入れないで)「ソニコード」と呼びかける実験を行ったところ、Google社の「Goole Assist」、Apple社の「Siri」、Microsoft社の「Cortana」いずれも、「ソニコード」の音を「ソニーコード」と認識して表示する、という結果を得た。
上記各社のAI技術が認識し誤るほどに、「ソニー」と「ソニ」という音は、聞き手にしてみれば、わずかな違いでしかない。まして、請求人商標が著名であるという状況下において、「ソニ」という2音を聞けば、多くの人々が「SONY(ソニー)」を連想する程に「ソニ」の2音と請求人商標との間には非常に強い連想性が存在しているから、一般の需要者が「ソニコード」という音を聞けば、長音の有無を凌駕して、「ソニー(SONY)」を連想する可能性が極めて高いものである。
なお、上記した「シンガー事件」最高裁判決のほかにも、高裁判決において、「取引の実情」に商標の周知著名性が含まれるという解釈は一貫しており、当該実情が出所混同のおそれを増幅させると解されている(甲109?甲113)。
また、学説においても、網野誠著「商標法あれこれ」、小谷悦司著「判例商標法」、小野昌延著「商標法概説」で、「取引の実情」に先行商標の周知著名性を含めること、そして、それにより類似の範囲が拡張されると判断されるべきことは、周知著名商標の保護に繋がり、商標法の目的に適うこととされている。
(ウ)「CODE」の識別性の弱さについて
本件商標の文字部分の中で、唯一既存の英単語は「CODE」のみであり、我が国において「CODE(コード)」は、「符号、暗号、信号、規定、規則」などを意味するものとして、誰もが聞き親しんだ外来語として定着している。例えば、「バーコード」、「二次元コード」、「QRコード」、「(プログラムの)ソースコード」のように、電気・電子・通信の分野において、一般的に広く使用されている。また、規則、基準というような意味でも、商品・役務の分野をこえて、例えば、「JISコード」、「ISOコード」、「日本輸出入者標準コード」などのように、公的にも一般的な名詞として使用されている(甲165?甲167)。これら各用語にみられるように、「CODE(コード)」は、一般的に、他の語と結んで、複合語をつくることが多い語であり、本来的に識別性の弱い語なのである。
しかして、「CODE(コード)」の語がいかに一般的であって、いかに識別力が弱いかということは、特許庁において、「CODE」の語を有する出願商標「R-CODE」、「E-CODE」、「T-CODE」などが識別性欠如を理由として拒絶査定を受けたこと(甲168)から見ても明らかである。
したがって、本件商標の構成中「CODE」は、その指定商品及び指定役務の多くとの関係で、非常に識別性の弱いものである。
ところで、「SONY(ソニー)+既存の語」という構成の名称は、一般の需要者にとってなじみ深いという実情が存在する。例えば、子会社・関連会社名をみても、「ソニーモバイルコミュニケーションズ」、「ソニーマーケティング」、「ソニーグローバルソリューションズ」、「ソニーセミコンダクタ」、「ソニー・ピクチャーズエンタテインメント」などのように、「SONY(ソニー)+既存の語」という社名は多数存在する。また、請求人は、東京銀座において、かつて(2017年まで)ソニービルというショールームを含む商業施設を設けており(甲5、甲127)、銀座の著名な名所・ランドマークとして、今も人々の記憶に強く印象付けられているものである。現在、その跡地は、「Ginza Sony Park」と名を改めて、憩いスペースとなっているが(甲127、甲128)、やはりこれも「SONY(ソニー)+既存の語」の構成である。
また、請求人が、2007年まで「SONY PLAZA(ソニープラザ)」という雑貨商品事業を行っていたことも記憶に新しいが(甲129)、やはりこれも「SONY(ソニー)+既存の語」という構成がとられていた。
かかる取引実情に照らすと、本件商標「SONI+CODE」の文字又は「ソニ+コード」という音は、あたかも請求人の営業に係る商品・サービスであるかのように誤認されるおそれもあり、また、「CODE(コード)」が他の語と結んで、複合語をつくることが多い語であることや指定商品・指定役務との関係で識別性が弱いことを踏まえると、両商標の類似性はいよいよ高いといわざるをえない。
ウ 他人の表示の独創性
請求人商標が造語であることは明らかであり、また、一般的にも「SONY(ソニー)」が造語商標の例として非常に頻繁に紹介されていることは経験則からも明らかである。
一方、本件商標の語頭にある「SONI」も、我が国の需要者にとってみれば造語としてしか認識できないものであるところ、本件のように、独創的な語頭部分の共通性を重視して、広義の混同のおそれを認定した判決がある(甲131、甲132)。
これらは、薬品についての取引の実情を考慮したものではあるが、より著名な商標の一部である前記「トヨ」、「パナ」や「ソニ」を冒頭に付した商標についても、同様に考えることができる。
エ 当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性並びに商品等の取引者及び需要者の共通性
本件商標の指定商品及び指定役務は、いずれも、電気・電子製品あるいは通信・放送及び娯楽関連事業であって、請求人又は請求人の関連会社によって、製造・販売・提供されているものと同一又は同視し得るものである。
したがって、それらが、請求人及びその企業グループの業務と取引者及び需要者層・流通経路等について高い共通性を有していることは明らかである。
オ その他取引の実情
(ア)請求人が、これまで「ソニービル」、「ソニーパーク」、「ソニープラザ」などの「SONY+既存の語」という構成の名称を使用し、それらが著名な商業施設として認識されてきたことは前記したとおりである。
また、請求人には、「SONY」及び「ソニー」を語頭にする社名のグループ子会社が、日本国内外に数多く存在している(甲38)。
これらのことは、「ソニー」を強く連想させる「SONI(ソニ)」の2音を語頭にする本件商標が、請求人の基幹事業といえる、あるいは、請求人事業と極めて密接な、本件商標の指定商品及び指定役務について使用された場合において、同商品及び役務が請求人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係るものと誤認される可能性を、増幅させる実情であるというべきである。
(イ)ところで、AIスピーカーのGoogle Assistが「ソニコード」を「ソニーコード」と誤認識してしまうことは前述したが、当該実験において、Google Assistは、そのままGoogle検索を実施し、その検索結果として、ソニーグループの商品に関連する「登録コード」(code)の案内や請求人の電気・電子製品用のコード(cord ケーブル)の情報を表示してしまう、という結果も得られた。
このような結果からも、本件商標の使用により実際に混同が惹き起こされるおそれは否定できない。今後さらに進化する取引実情として、こうしたAIによる音声認識であるとか、AIを使用した商取引の可能性というものも決して看過することはできない。オンラインショップで有名なAmazonは既に、専用のAIスピーカーを使い、音声で商品の注文をすることができることを大々的に広告しているし(甲135)、商標の称呼の果たす役割は、従前よりさらに重要となってくることは疑いない。
AmazonのAIスピーカーに「ソニコード」と呼びかけたところ、同AIスピーカーが「Sonyコード」、「ソニーコード」と認識し、請求人の電気・電子製品用のコード(cord ケーブル)の検索結果を表示した。
以上のような実情にもかんがみ、本件商標の「SONICODE」と請求人商標「SONY(ソニー)」との称呼上の類似性・連想性は、請求人商標の著名性を踏まえれば、慎重かつ厳格に判断する必要があるというべきである。
フリーライド及びダイリューション
本号は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(フリーライド)及び当該表示の稀釈化(ダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものである。
しかして、前述してきたとおり、ソニーグループのハウスマーク「SONY」及び「ソニー」は世界中で長年著名なものである。万が一、本件商標が登録を維持され、請求人の業務そのものである電気・電子製品並びに通信・放送及び娯楽関連役務について使用される事態が生じれば、著名商標「SONY」及び「ソニー」の有する自他識別機能は稀釈化の危機にさらされることとなる。一度稀釈化された信用や識別力を回復することは極めて困難であり、その結果、請求人を含むソニーグループの営業・広告努力の成果、つまり、著名商標「SONY」及び「ソニー」が獲得した顧客吸引力は著しく弱められてしまうことは明らかである。
そして、日本特許庁において、これが認められれば、中国をはじめとする各国において、同様の商標が無数に出願され、登録されることが危惧され、日本を代表する企業のブランド力を著しく減殺することになる。
そのような事態は、前記最高裁の認定・判断の趣旨に反する、つまり、本号の規定の趣旨を完全に没却するものであり、ひいては「商標の使用をする者の業務上の信用の維持」そして「需要者の利益を保護する」という商標法の目的に明らかに反するものである。
キ 小括
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務について、請求人商標との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、前記のとおり、電気・電子製品並びに通信・放送及び娯楽関連役務の需要者の間で広く知られている請求人商標と類似するものである。
そして、請求人は上記第2の2のとおりの引用商標を保有しているところ、本件商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第10号該当性
本件商標は、前記のとおり、電気・電子製品及び通信・放送及び娯楽関連役務の需要者の間で広く知られている請求人商標と類似するものであり、本件商標の指定商品及び指定役務は、いずれも、請求人の製造・販売・提供に係る電気・電子製品並びに通信・放送及び娯楽関連役務に含まれる、あるいは、類似するものである。
請求人商標の著名性に照らせば、本件商標は、その指定商品及び指定役務すべてについて、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(5)本件商標に対する異議申立の決定に関して
請求人は、本件商標に対して異議申立(異議2015-900260号)を行ったが、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同第11号に該当しない旨の決定がなされた。
しかし、本件無効審判において主張・立証してきたとおり、請求人商標は、その高い著名性に照らし、類似の範囲が拡張・増幅していることが明らかであり、需要者は「SONI(ソニ)」の2音を聞けば直ちに著名な請求人商標を強く連想するものである。しかも、本件商標の指定商品及び指定役務は、そのほとんどが請求人グループの基幹商品・役務といってよいにもかかわらず、異議決定は、そのような事情を全く考慮せずに判断しているといわざるを得ない。また、同決定では、「『CODE』の文字が、『暗号、信号』等の意味を有する語であるとしても、かかる本件商標の構成において、該文字部分が指定商品及び指定役務の品質等を表示したものとして直ちに認識されることなく」と述べているが、本件商標には「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」、「電気通信」など、明らかに「信号、ソースコード」を利用している商品・役務が多数含まれているところ、なぜ、それら商品・役務との関係において「CODE」の文字が品質等表示として認識されることはないと断ずることができるのか、何ら具体的な理由や証拠は示されていない。
したがって、当該異議申立の決定は、「SONY(ソニー)」の著名性(とりわけ「ソニ」の2音から受ける連想性)、請求人の業務に係る商品及び役務と本件商標の指定商品・役務との関係性、「CODE」の識別性の弱さなどを十分に考慮したものとはいえない。
しかして、繰り返し述べてきたとおり、「ソニ」の音を語頭とする「SONICODE(ソニコード)」を聞けば、少なくとも本件商標の指定商品及び指定役務の分野の需要者及び取引者が、請求人商標を想起し、時としてこれを誤認混同してしまうことは明白である。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、請求人の主張に対し何ら答弁していない。

第5 当審の判断
請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、当事者間に争いがなく、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。
以下、本案に入って審理する。
1 請求人商標等の周知著名性について
請求人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、請求人は、昭和30年頃からトランジスタラジオについて、請求人の創業者が考案した造語である請求人商標の使用を開始し、その後、電気通信機械器具、電子応用機械器具などについて継続して使用していること(甲2、甲5、甲9、甲12、甲13、甲120ほか)、請求人及びそのグループ会社(以下、まとめて「請求人ら」という。)は、請求人商標を家庭用テレビゲーム機の分野の商品についても使用していること(甲2、甲122)、請求人らの年間売上高は、2013年度(平成25年度)が7兆7,672億円、2014年度(平成26年度)が8兆2,159億円(甲38?甲40)、2018年度(平成30年度)が8兆6,657億円であること(甲41)(なお、国内売上高は、平成25年度が2兆1,991億円、平成26年度が2兆2,338億円であることがうかがえる(甲42)。)、及び請求人商標はインターブランド社の日本のグローバルブランドの部において、2013年に4位、2015年に4位であること(甲51)などが認められることから、請求人商標は、いずれも本件商標の登録出願前から、登録査定日はもとより現在においても継続して、請求人らの業務に係る商品(電気通信機械器具、電子応用機械器具、家庭用テレビゲーム機)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められる。
しかしながら、商標「SONI」及び「ソニ」は、1950年頃にテープレコーダーのテープ及びトランジスタラジオに使用されたことは認め得るものの(甲13?甲15)、少なくとも1958年(昭和33年)の社名変更後の使用は確認できないことから、請求人らの業務に係る商品及び役務を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日において、請求人らの業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)請求人商標の周知著名性
請求人商標は、上記1のとおり、請求人らの業務に係る商品(電気通信機械器具、電子応用機械器具、家庭用テレビゲーム機)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものである。
(2)請求人商標の独創性
請求人商標は、請求人の創業者による造語であり、その独創性は高いものといえる。
(3)請求人商標がハウスマークか否か
請求人商標は、請求人のハウスマークである。
(4)本件商標と請求人商標の類似性の程度
本件商標と請求人商標を比較すると、全体の構成において異なるものの、本件商標と請求人商標中の「SONY」とは、語頭の「SON」の文字を共通にし、本件商標と請求人商標の語頭の欧文字又は片仮名から生じる「ソニ」の称呼が共通であることに加え、本件商標を構成する語頭の「SONI」の文字及びこれを称呼した「ソニ」の音は、電気通信機械器具、電子応用機械器具、家庭用テレビゲーム機の分野において周知著名な請求人商標の「SONY」又は「ソニー」を連想させるものといえる。
また、請求人のグループ会社には、例えば、「ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社」、「ソニー・インタラクティブエンタテイメント」、「ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社」、「ソニー・ミュージックエンタテインメント」、「ソニーピクチャーズエンタテインメント」、「ソニー生命保険」、「ソニー銀行」のように、その名称に「ソニー」の文字を冠した会社が数多く存在する(甲2等)ことを考慮すれば、請求人は、「ソニー」の文字と他の既成語を組み合わせた名称を多数使用しているものであり、本件商標が、請求人商標を連想させる「SONI」と既成語である「CODE」を組み合わせた構成であることから、両商標は一定の類似性を有するものというのが相当である。
(5)企業における多角経営の可能性
請求人らは、1950年にテープレコーダーの販売を開始して以降、電気・電子製品の製造・販売、通信・放送関連役務の提供及び音楽・映画・電子書籍等の娯楽関連役務の提供などを行っており、請求人は、電気・電子製品の製造・販売のみならず、幅広い商品及び役務において多角的な経営を行っている。
(6)本件商標の指定商品・指定役務と請求人商標に係る商品の関連性、需要者の範囲
請求人商標は、電気通信機械器具、電子応用機械器具、家庭用テレビゲーム機の分野において周知著名性を有するものであり、本件商標に係る指定商品及び指定役務中、「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」とは、商品の生産部門、販売部門、用途等が一致し、関連性が高く、取引者、需要者の範囲も一致するものといえる。
(7)小括
上記(1)ないし(6)のとおり、請求人商標は、独創性の高い請求人のハウスマークであって、請求人らの業務に係る商品を表示するものとして周知著名であること、本件商標と請求人商標は一定の類似性を有すること、請求人商標が使用される商品と本件商標の指定商品の関連性が高く、両者の取引者、需要者の範囲が一致すること、さらに、請求人は電気・電子製品の他にも、通信・放送関連役務及び音楽・映画・電子書籍等の娯楽関連役務など幅広い商品及び役務において多角経営を行っていることを総合して判断すれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用した場合、取引者、需要者をして請求人又は請求人商標を連想又は想起し、その商品及び役務が他人(請求人ら)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「SONICODE」の欧文字を標準文字で表してなり、当該文字に相応して「ソニコード」の称呼を生じ、当該語は、辞書等に掲載されているものではなく、特定の意味合いを有するものとして認識されているような事情も見いだせないことから、特定の観念を生じないものというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標1は、別掲2のとおり、「Sony」の欧文字と「ソニ」の片仮名を二段に表してなるところ、その構成文字に相応して「ソニー」及び「ソニ」の称呼を生じ、その構成中の「Sony」の文字は、上記1のとおり、周知著名な請求人商標と同じつづりからなるものであるから、「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものというのが相当である。
引用商標2は、上記第2の2(2)のとおり、「SONI」の欧文字よりなるところ、当該文字に相応して「ソニ」の称呼を生じ、当該語は、辞書等に掲載されているものではなく、特定の意味合いを有するものとして認識されているような事情も見いだせないことから、特定の観念を生じないものというのが相当である。
引用商標3及び引用商標9は、別掲3のとおりの構成からなるところ、その構成中の「Sony」の欧文字に相応して「ソニー」の称呼を生じ、当該欧文字は、上記1のとおり、周知著名な請求人商標と同じつづりからなるものであるから、「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものというのが相当である。
引用商標4は、上記第2の2(4)のとおり、「sony」の欧文字よりなるところ、当該文字に相応して「ソニー」の称呼を生じ、当該欧文字は、上記1のとおり、周知著名な請求人商標と同じつづりからなるものであるから、「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものというのが相当である。
引用商標5、引用商標7、引用商標8及び引用商標13は、上記第2の2(5)、同(7)、同(8)及び同(13)のとおり、「ソニー」の片仮名よりなるところ、当該文字に相応して「ソニー」の称呼を生じ、当該片仮名は、上記1のとおり、周知著名な請求人商標と同じ構成文字からなるものであるから、「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものと判断するのが相当である。
引用商標6、引用商標10ないし引用商標12、引用商標14及び引用商標15は、上記第2の2(6)、同(10)ないし同(12)、同(14)及び同(15)のとおり、「SONY」の欧文字よりなるところ、当該文字に相応して「ソニー」の称呼を生じ、当該欧文字は、上記1のとおり、周知著名な請求人商標と同じつづりからなるものであるから、「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものというのが相当である。
引用商標16は、別掲4のとおりの構成からなるところ、その構成中の「SONY」の文字に相応して「ソニー」の称呼を生じ、当該欧文字は、上記1のとおり、周知著名な請求人商標と同じつづりからなるものであるから、「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、文字数や構成文字等において両者の構成態様は明らかに異なるから、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ソニコード」の称呼と引用商標から生じる「ソニ」及び「ソニー」の称呼を比較すると、両者は語尾における「コード」の音の有無という差異を有し、この差異が5音と2音又は3音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じず、引用商標は「(ブランドとしての)ソニー」の観念を生じるものか、又は特定の観念を生じないものであるから、両者は相紛れるおそれがないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(4)小括
本件商標と引用商標は、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第10号該当性について
請求人商標は、上記1のとおり、請求人らの業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められるものであり、請求人商標が使用される商品と本件商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標と請求人商標は、上記3(3)と同様に、その構成態様において明らかに相違するものであって、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当しないとしても、同第15号に該当するものであり、その登録は、同項の規定に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1(本件商標の指定商品及び指定役務)
第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」
第38類「電気通信(「放送」を除く。),放送,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,電子掲示板通信,電子メール通信,総合デジタル通信,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」
第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,携帯端末用のオンラインによる画像ファイルの提供,その他のオンラインによる画像ファイルの提供,映画の上映・制作又は配給,携帯端末用のオンラインによる音楽ファイルの提供,その他のオンラインによる音楽ファイルの提供,音楽の演奏,娯楽施設の提供」

別掲2(引用商標1)

別掲3(引用商標3、引用商標9)

別掲4(引用商標16)



審理終結日 2021-01-06 
結審通知日 2021-01-08 
審決日 2021-03-24 
出願番号 商願2014-105218(T2014-105218) 
審決分類 T 1 11・ 261- Z (W093841)
T 1 11・ 251- Z (W093841)
T 1 11・ 262- Z (W093841)
T 1 11・ 252- Z (W093841)
T 1 11・ 253- Z (W093841)
T 1 11・ 263- Z (W093841)
T 1 11・ 271- Z (W093841)
最終処分 成立  
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 鈴木 雅也
小田 昌子
登録日 2015-05-15 
登録番号 商標登録第5764615号(T5764615) 
商標の称呼 ソニコード 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 篠森 恵 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 藤倉 大作 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 富岡 英次 
代理人 佐竹 勝一 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 苫米地 正啓 
代理人 松尾 和子 
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