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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W41 |
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管理番号 | 1373999 |
審判番号 | 取消2019-300741 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2019-09-27 |
確定日 | 2021-04-26 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5833357号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5833357号商標(以下「本件商標」という。)は、「PXG」の欧文字を標準文字で表してなり、2014年9月23日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成27年1月20日に登録出願、第41類「ゴルフトーナメントに関する娯楽の提供,個々のユーザーにあわせたゴルフクラブのフィッティングに関する知識の教授及びこれに関する指導・助言,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,ウェブサイトを通じたゴルフの興行に関する情報の提供,ゴルフの興行に関するニュース及び情報の提供」を指定役務として、同28年3月11日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年10月11日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成28年10月11日から令和元年10月10日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。 なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標は、要証期間内に「ゴルフトーナメントに関する娯楽の提供,ゴルフの興行の企画・運営又は開催」について使用されているものである。 2 被請求人は、著名な資産家で熱心な慈善家でもあるA氏によって、2014年9月に創業された。 被請求人製造のゴルフクラブは、2016年6月に日本総販売代理店が設置され我が国にも進出したが、初心者から上級者までの広い範囲のゴルファーたちの熱烈なる支持により、短期間で被請求人のゴルフクラブ、「PXG」の文字商標(以下「PXGマーク」という。)及び「PXG」の文字を図案化した商標(以下「PXGロゴ」という。)は周知著名となり、日本のゴルフ愛好家にも広く浸透している。 被請求人は、2019年3月16日に大阪府にドライビングレンジ(PXG OSAKA DRIVING RANGE)を開設し(乙3の2)、また、同月26日に東京において「PXG TOKYO FITTING STUDIO」での事業を開始しており、ゴルフクラブのフィッティングのサービスを主たる事業としながら、ゴルフに関連するキャディーバッグやダッフルバッグ、キャップ、バイザーその他の商品の販売も行っている(乙3の1)。 3 本件審判請求について 請求人は、産業用ギヤユニット(インダストリアル・ギヤ)やモータ、ギヤモータの分野の工業製品の製造及び販売を主たる業務としている。 これに対して、被請求人は、ゴルフクラブ等のゴルフに関連する商品の製造販売、ゴルフクラブのフィッティング、ゴルフ大会の主催等のサービスの提供を主たる業務とするものであり、両者において利害の抵触する様子は見て取れない。 請求人は、本件を含め被請求人に対しPXGマーク及びPXGロゴに係る登録商標の取消しの審判の請求を26件という大量の件数につき行っている。挙証責任を被請求人が負うことからも、答弁等の対応に被請求人は過大な精神的、経済的な負担を負っている。 本件審判請求は、商標法第50条の趣旨に反し、精神的、経済的に被請求人を害することを目的としているものといわざるを得ず、このような審判請求は権利の濫用であって却下されるべきものである。 4 被請求人による使用の事実 被請求人の日本総代理店で通常使用権者である株式会社PXG JAPAN(以下「PXGジャパン社」という。)は、被請求人のゴルフクラブ等の販売促進のために商品カタログ(乙1の1)を発行しており、ゴルフクラブ、キャップ、バイザー等にPXGマークやPXGロゴが多数使用されている。当該商品カタログの印刷の請求書(乙1の2)の発行日は2019年4月24日であり、要証期間内に発行されており、要証期間内に配布されていたことは明らかである。 被請求人の日本総代理店で本件商標の通常使用権者であるPXGジャパン社は、2019年3月19日に現在の名称に変更され、被請求人の創業者であるA氏も同日付けで取締役となっており、被請求人とPXGジャパン社が極めて密接な関係にあることが理解される(乙1の3)。 乙第5号証ないし乙第7号証は、本件商標の通常使用権者であるPXGジャパン社が企画し開催した全4戦のゴルフ大会である「PXG JAPAN CUP 2019」の開催案内である。「PXG JAPAN CUP 2019」はPXGマークを冠とする大会であり、第1戦は2019年5月27日に茨城県稲敷郡にあるイーグルポイントゴルフクラブにおいて、第2戦は2019年8月2日に千葉県成田市にある成田ゴルフ倶楽部において、第3戦は2019年10月15日に千葉県佐倉市にある麻倉ゴルフ倶楽部において、最終戦の第4戦は2020年1月27日に千葉県千葉市にある東京クラシッククラブにおいて開催されている。 乙第5号証ないし乙第7号証により、初戦から最終戦まで継続して大会が開かれたことが示され、当該開催案内にはPXGマークやPXGロゴが明示されており、「ゴルフ大会の企画・運営・開催」への使用がなされている。 大会は総合運営を「オフィス麦野」に、事務局運営を「一般社団法人Faust Adventurers’Guild」にそれぞれ委託し運営された。各戦において「トヨタ(レクサス)」や「フランク・ミュラーウォッチランド」、「LLADRO(リヤドロ)」、「花キューピット」等の協賛により華やかな大会が運営された。乙第5号証の1の上段部分には第2戦の案内が表示され、PXGロゴやPXGマークが使用されている。第2戦の案内の中段以下には第1戦のプレイバック写真が掲載されており、PXGマーク及びPXGロゴが顕著に使用されている。乙第6号証の1には第2戦のプレイバック写真が、乙第7号証の1には第3戦のプレイバック写真がそれぞれ掲載されており、PXGマークやPXGロゴが顕著に使用されている。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。 (1)PXGジャパン社は、本件商標に係る商標権者(以下、単に「商標権者」という。)の日本総代理店である。 (2)商標権者の創業者であるA氏は、PXGジャパン社の取締役である(乙1の3)。 (3)乙第5号証は、PXGジャパン社が企画し開催した「PXG JAPAN CUP 2019」の第2戦の開催案内のウェブページ(トップページ)とされるものである。 ア 乙第5号証の1の上部の帯状の部分の左側に、「PXGロゴ」が表示され、その右には、「PXG JAPAN CUP 2019」の文字が表示されている。そして、その下には、「〈ROUND 2〉」、「NARITA GOLF CLUB -CHIBA-」及び「2019.08.02 -FRI-」の文字が三段に記載され、さらに、その下には、「〈ROUND 1 PLAY BACK〉」の見出しの下、15枚の写真が表示されている。 イ 乙第5号証の2の上部の帯状の部分の左側に、「PXGロゴ」が表示され、その右には、「PXG JAPAN CUP 2019」の文字が表示されている。そして、帯状の部分の下には、「〈ROUND 2〉」、「NARITA GOLF CLUB -CHIBA-」及び「2019.08.02 -FRI-」の文字が三段に記載され、さらに、その下には、案内文が記載されており、その中には、「先日、『PXG JAPAN』設立を機に、日本のPXGユーザーの皆さまと、PXGに興味、期待をされている新たなお客様に向けたお披露目を兼ねて、『PXGジャパンカップ2019』を開幕いたしました。本大会は、限られた方々だけの特別なゴルフイベントとして、2019年度中に、計4回開催するツアー形式で実施して参ります。(2019年5月?2020年1月予定)。」の記載がある。 ウ 乙第5号証の3には、「JAPAN CUP 2019 ROUND2 開催!」の見出しの下、「『JAPAN CUP 2019』ROUND2が8/2金曜日に成田ゴルフ倶楽部で開催されます。(中略)皆さまの参戦をお待ちしております!」の記載があり、「【PXG JAPAN CUP 2019 ROUND2開催概要】」として、「開催日:2019年8月2日(金) 7:30集合 8:00スタート ※予定」、「場所:成田ゴルフ倶楽部」、「主催:PXG JAPAN」及び「運営:『PXG JAPAN CUP』運営事務局」の記載がある。 エ 上記アないしウの記載内容を総合してみれば、乙第5号証は、2019年8月2日、成田ゴルフ倶楽部において開催された「PXG JAPAN CUP 2019」の第2戦の開催案内とみることができる。 (4)乙第8号証は、被請求人が「PXG JAPAN CUP 2019」の第2戦の事務局運営費に関する請求書と主張するものであり、「請求書」のタイトルの下、宛先の欄には「株式会社 PXG JAPAN 御中」の記載があり、「起票日」として「2019年8月31日」の記載、請求元の欄には「一般社団法人Faust Adventurers’Guild」の記名押印がある。そして、請求金額は、マスキングされているものの、「件名」として「『PXG JAPAN CUP 2019 第2戦 成田ゴルフ倶楽部』運営費」の記載がある。 そうすると、乙第8号証は、PXGジャパン社が、「PXG JAPAN CUP 2019」の事務局運営を委託していた一般社団法人Faust Adventurers’Guildから、2019年8月2日、成田ゴルフ倶楽部において開催された「PXG JAPAN CUP 2019」の第2戦に係る運営費を同月31日付けで請求された請求書とみることができ、その請求日は、第2戦の開催後、約1か月後であって、請求書における金額にマスキングがされているとしても、かかる請求の経緯について、不自然な点は見いだせない。 2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)「PXG JAPAN CUP 2019」第2戦の開催について 被請求人の提出した乙第8号証及び乙第5号証並びに被請求人の主張からすれば、2019年8月2日、成田ゴルフ倶楽部において「PXG JAPAN CUP 2019」第2戦が開催されたものと認められる。 (2)使用者について 前記1(1)のとおり、PXGジャパン社は、商標権者の日本総代理店であり、また、前記1(2)のとおり、商標権者の創業者であるA氏が、PXGジャパン社の取締役であることからすれば、商標権者とPXGジャパン社とは、密接な関係にあったということができるから、PXGジャパン社は、本件商標の使用について、商標権者から黙示の許諾を得ていたものとみて差し支えない。 そして、「PXG JAPAN CUP 2019」は、PXGジャパン社が主催するものであるとみることができる(乙5の3)。 (3)使用商標について 乙第5号証の1及び乙第5号証の2の「PXG JAPAN CUP 2019」第2戦の開催案内の最上段に表示された「PXG JAPAN CUP 2019」の構成中の「JAPAN CUP」の文字は、「日本におけるゴルフの大会」程の意味合いを容易に認識させるものであり、また、「2019」の数字は、開催年を表したものとして容易に認識されることからすれば、「ゴルフの興行の企画・運営又は開催」との関係からして、いずれも自他役務識別標識としての機能を有しないものである。 そうすると、乙第5号証の1及び乙第5号証の2の「PXG JAPAN CUP 2019」第2戦の開催案内において、自他役務識別標識として使用されている商標は、「PXG」の欧文字よりなる商標(以下「使用商標」という。)というべきである。 本件商標は、「PXG」の欧文字を標準文字で表したものであるところ、使用商標と本件商標とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。 してみれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。 (4)使用時期について 上記(1)のとおり、成田ゴルフ倶楽部において「PXG JAPAN CUP 2019」第2戦が開催されたのは、2019年8月2日であり、これに係る開催案内(乙5)は、少なくとも、2019年8月2日以前に、提示されていたことが推認し得るものであるから、上記ゴルフ大会の開催案内について、本件商標が使用された時期は、要証期間内であるということができる。 (5)使用役務 本件商標の通常使用権者であるPXGジャパン社が、「PXG JAPAN CUP 2019」第2戦を主催したことは前述のとおりであり、これは、指定役務中の「ゴルフの興行の企画・運営又は開催」に該当する。 (6)小括 上記(1)ないし(5)によれば、本件商標の通常使用権者であるPXGジャパン社は、要証期間内にその請求に係る指定役務に含まれる「ゴルフの興行の企画・運営又は開催」に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供したものと認めることができ、これは商標法第2条第3項第8号に該当する商標の使用ということができる。 3 権利の濫用との主張について 被請求人は、本件審判の請求は、商標法第50条の趣旨に反し、精神的、経済的に被請求人を害することを目的としているものといわざるを得ず、権利の濫用であって却下されるべきである旨主張している。 しかしながら、商標法第50条において規定される商標登録の取消しの審判は、何人も請求することができるものであり、本件審判の請求が権利の濫用となるような事情は何ら見いだせない。 したがって、本件審判の請求を却下することはできない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者がその請求に係る指定役務に含まれる「ゴルフの興行の企画・運営又は開催」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したといえる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-11-25 |
結審通知日 | 2020-11-30 |
審決日 | 2020-12-17 |
出願番号 | 商願2015-4026(T2015-4026) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(W41)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 吉田 聡一 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
冨澤 美加 鈴木 雅也 |
登録日 | 2016-03-11 |
登録番号 | 商標登録第5833357号(T5833357) |
商標の称呼 | ピイエックスジイ |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 網野 友康 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 網野 誠彦 |
代理人 | 石戸 孝 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | ▲吉▼田 和彦 |
代理人 | 松尾 和子 |