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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y20
管理番号 1373928 
審判番号 取消2020-300253 
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-04-10 
確定日 2021-04-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第1588989号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1588989号商標(以下「本件商標」という。)は、「トリニティ」の片仮名をゴシック体で表してなり、昭和55年7月28日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年5月26日に設定登録がされ、平成16年10月20日に指定商品の書換登録、その後、同25年5月7日に区分を減縮する存続期間の更新登録がなされた結果、第20類「家具,金属製・紙製・織物製・その他の屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具」を指定商品として、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年5月11日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年5月11日から令和2年5月10日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張
1 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第20類「家具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次の2のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
2 本件商標は、その指定商品中、第20類「家具」(以下「本件商品」という。)について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
3 請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「乙第○号証」を「乙○」のように省略して記載する。
1 本件商標に係る商標権者である被請求人は、要証期間内に、日本国内において、本件商品について、本件商標を使用している。
2 本件商標の使用
(1)被請求人は、「トリニティ」の片仮名を横書きしてなる商標(以下「使用商標」という。)を、商品カタログ「smartoffice(スマートオフィス)」内に掲載された「書庫」の商品名として使用している(乙1)。
(2)使用商標は、本件商標と、同一の称呼(「トリニティ」)、観念(「三位一体」)が生ずるものであるから(乙2)、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。また、「書庫」は、「文庫」の用途及び機能を有する商品であるから、本件商品の範疇に属する商品である。
3 要証期間内における取引の事実
(1)商品カタログ「smartoffice(スマートオフィス)」は、2020年版が2019年(令和元年)12月中旬頃発行されたものであるため(乙3)、要証期間内に発行されたものである。
(2)当該「書庫」は、被請求人が商品製造会社に製造委託し製造させている被請求人のプライベートブランドの商品であり、被請求人が商品製造会社に発注をし、仕入れ、在庫を備えた上で顧客に販売されるものであるところ、被請求人は、要証期間内における当該「書庫」の取引を示す証拠として、2020年(令和2年)2月20日作成の発注書(乙4)、2020年(令和2年)3月2日作成の入荷明細書(乙5)及び2020年(令和2年)4月16日作成の納品書(乙6)を提出する。
なお、当該「書庫」は、被請求人が数年にわたり継続して販売している商品である(乙1、乙7)。
4 カタログ等の作成者について
商品カタログ「smartoffice(スマートオフィス)」に記載された「プラス株式会社ジョインテックスカンパニー」は、被請求人の社内の一部署名にすぎない社内カンパニーの名称であり(乙8?乙10)、乙4ないし乙6記載の「プラス株式会社 JTX」は、「プラス株式会社ジョインテックスカンパニー」のうちの「ジョインテックスカンパニー」の表示部分を「JTX」と略語で表示したものであるから、当該カタログ及び乙4ないし乙6の作成者は、いずれも被請求人である。
5 まとめ
以上によれば、本件商標に係る商標権者である被請求人は、要証期間内に日本国内において、本件商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を使用していた(商標法第2条第3項第8号)。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(1)本件商標に係る商標権者(以下、単に「商標権者」という。)は、オフィス家具等の製造及び販売等を事業内容とする会社である(乙8)。
(2)「smartoffice」という名称の商品カタログ(以下「使用カタログ」という。)の表紙又は裏表紙には、発行者として商標権者の名称、及び使用カタログの有効期間に、2020年版は「2020.1.1?12.31」(乙1)、2018年版は「2018.1.1?12.31」(乙7)と記載されている。また、使用カタログ内には、書類やファイルを収納する棚(以下「使用商品」という。)に、「書庫[Trinity(トリニティ)シリーズ]」として、本件商標が記載され、使用商品の写真、価格、説明、宣伝文句及び注文のための商品コードが掲載されている(乙1、乙7)。
(3)「smartoffice 2020年版カタログ発行のご案内」というチラシには、発行予定日として「2019年12月中旬」と記載されている(乙3)。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
使用商品は、前記1(2)のとおり、書類やファイルを収納する棚であるから、本件商品「家具」の範ちゅうに含まれる商品であるといえる。
(2)使用者、使用行為及び使用時期について
前記1(2)のとおり、使用カタログには、商標権者の名称及び本件商標が記載されている。
また、使用カタログには、使用商品の写真、価格、説明、宣伝文句及び注文のための商品コードが掲載されているから、当該カタログは、使用商品に関する広告であるといえる。
そして、前記1(3)のとおり、2020年版使用カタログは、令和元年12月中旬に発行予定とされ、前記1(2)のとおり、2018年版使用カタログの有効期間が平成30年1月1日ないし同年12月31日、及び2020年版使用カタログの有効期間が令和2年1月1日ないし同年12月31日であることからすると、少なくとも当該期間には、使用カタログが、商標権者により頒布されたものと推認することができ、当該期間の一部、すなわち平成30年1月1日ないし同年12月31日及び令和2年1月1日ないし同年5月10日は、要証期間内である。
(3)小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内である平成30年1月1日ないし同年12月31日、及び令和2年1月1日ないし同年5月10日までの間に、本件商品である、第20類「家具」の範ちゅうに含まれる使用商品に関する広告に、本件商標を付して頒布したと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品・・・に関する広告・・・に標章を付して・・・頒布・・・する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者が、本件商品中に含まれる使用商品について、本件商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲


審理終結日 2020-11-11 
結審通知日 2020-11-17 
審決日 2020-11-30 
出願番号 商願昭55-62078 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y20)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 黒磯 裕子
山田 啓之
登録日 1983-05-26 
登録番号 商標登録第1588989号(T1588989) 
商標の称呼 トリニティ 
代理人 藤森 裕司 
代理人 柳野 隆生 
代理人 飯島 紳行 

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