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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W44
管理番号 1371796 
審判番号 取消2018-300387 
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-06-08 
確定日 2021-02-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第5732068号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5732068号商標(以下「本件商標」という。)は、「Luce ルーチェ」の文字を横書きしてなり、平成26年8月27日に登録出願、第44類「美容,理容,美容・理容に関する助言及び情報の提供,頭皮及び頭髪の手入れ,エステティック美容,頭皮のマッサージ,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり」を指定役務として、同27年1月9日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成30年6月25日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成27年6月25日から同30年6月24日までを、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、第44類「頭皮のマッサージ,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり」(以下「取消請求役務」ということがある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書、審判事件弁駁書及び意見書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、取消請求役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)登録商標の使用に関して
本件商標は、セリフフォントの欧文字で表現した「Luce」と片仮名で表した「ルーチェ」の文字を一連に横書きしてなる文字商標にして、その称呼は「ルーチェルーチェ」であり、その余の称呼は生じない商標構成となっている。
被請求人が提出した証拠には「Luceルーチェ」は、全く開示されておらず、本件商標の使用事実は皆無である。
被請求人は、本件商標を構成する文字「Luce」と、被請求人が提出した乙第9号証に表示された「c」の上部に植物の図形が描かれている「Luce」の文字により構成される商標(以下「使用商標1」という。)及び、被請求人が提出した乙第10号証に表示された「c」の上部に植物の図形が描かれている「Luce」の背景に植物で構成された装飾模様が描かれている商標(以下「使用商標2」という。)を構成する文字「Luce」は同一であり、本件商標と使用商標1及び使用商標2は、社会通念上同一の商標である旨主張している。
商標の社会通念上の同一とは、商標見本に示された商標の本質に変化を加えない範囲において普通一般的に、かつ普遍的に行われている許容範囲内での表現形態の変更であり、商標法は「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」(商標法第38条第5項)のごとく具体例を示している。
つまり、商標の使用における歴史的背景や実情に鑑みて同一についての一定の許容性を認めているが、商標見本に示された商標の実体を変更した商標にまで同一性を認めるものではない。
本件商標は、その商標見本に示されているように「Luceルーチェ」と欧文字と片仮名がバランス良く組み合わされた一連一体に結合された商標にして、全体がまとまりよく表現され、「ルーチェルーチェ」とよどみなく発音される親しみやすい商標であり、「ルーチェルーチェ」以外の称呼が生ずる余地のない商標である。したがって、社会通念上同一と認められる商標は、少なくとも称呼において「ルーチェルーチェ」と表音されることが求められる。
さらに、社会通念上同一と認められる商標は、外観においても、文字態様の相違する「Luce」と「ルーチェ」の文字が連続して視認できる構成態様の使用であることも必要である。したがって、本件商標のごとく「Luce」と「ルーチェ」の文字が不可分一体となって構成されている商標の一部分である「Luce」部分のみの使用は、単に「ルーチェ」の称呼を表音するだけであり、また、外観的視認においても欧文字表記された「Luce」とカタカナ文字表記された「ルーチェ」とを連結させた文字態様を表現するといった特徴も有しておらず、「Luce」単体の使用が社会通念上の同一商標の使用となるはずはなく、被請求人の主張は単に被請求人の独善的意見を述べているにすぎない。
結論として、被請求人が立証した証拠のいずれにも本件商標の使用事実は存在していないのであるから、本件商標の使用については何ら立証されていない。
(2)使用の対象として示された役務に関して
被請求人は、指定役務「美容」の範躊において使用している商標について主張をしているが、ヘアーサロンLuce綱島店(以下「Luce 綱島」という。)において、その店舗の商標として「Luce」を使用していることが示されているにすぎず、取消請求役務中「頭皮のマッサージ」についての商標使用については何らの証拠開示もなされていない(乙9、乙10、乙12、乙13、乙16?乙21)。
「頭皮のマッサージ」に関して、一般的に使用されている商標の使用実態の一例を示せば、「悟空のきもち」なる商標を使用して施術事業展開を行っている株式会社ゴールデンフィールド社の案内サイト(https://goku-nokimochi.com/)(甲2)、「atama」なる商標を使用して施術事業展開を行っている株式会社ヘッドクリック社の案内サイト(http://www. atamahogushi.info/)(甲3)、「A・TA・MA FACTORY」なる商標を使用して施術事業展開を行っている株式会社ピースライフファクトリー社の案内サイト(https://atama-factory.com/)(甲4)が確認できる。これらに示されるように、頭皮への施術行為自体を指称する商標として独自に創案した標章が実際に使用されている事実が存在している。
被請求人は、「ヘッド・スパ」の文言が頭皮の洗浄、マッサージなどを施し、髪そのものと頭皮を活性化させるものの総称であること示し(乙14、乙15)、Luce 綱島で該ヘッド・スパのサービスを提供し、「頭皮のマッサージ」に商標を使用している旨主張しているが、現在は慣用商標となっているその総称である「ヘッド・スパ」の名の下に「頭皮のマッサージ」を行っていることを主張しているにすぎない。
ここで、被請求人が立証しようとしている「ヘッド・スパ」の内容は、カットやセットを主軸とした美容院(美容サロン)で附帯的に行われているシャンプー、ネイルケアー、フェイスマッサージや頭皮マッサージなどのサービスであり、「頭皮のマッサージ」は「ヘッド・スパ」と称される施術の一種であり、被請求人が「ヘッド・スパ」の名のもとに行っている役務は単に「美容」の範躊に属するものである。被請求人が立証しようとしている「頭皮のマッサージ」なる役務は、「ヘッド・スパ」なる商標をもって使用していることが理解できるにすぎない。
被請求人は、「頭皮のマッサージ」に付する商標として本件商標を使用している事実を何ら開示してない。
(3)乙各号証に対する検討
ア 乙第1号証、乙第4号証ないし乙第6号証、乙第8号証により、「Luce」の語は、イタリア語で「光」を意味する語である。この点については、請求人は争わない。
イ 乙第1号証ないし乙第8号証により、様々な分野で「Luce」の文言が使用されているが、この点についても請求人は争わない。
ウ 乙第9号証、乙第10号証、乙第22号証、乙第23号証により、「Luce 綱島」がデザイン的に表現された「Luce」の商標を役務「美容」に関して使用していることが認められるが、本件商標は全く開示されていない。
エ 乙第11号証は、審決公報であるが本件と事案が相違し、何ら意味をなさない。
オ 乙第14号証及び乙第15号証により、「ヘッドスパ」の語は理髪店や美容院で行われる頭皮ケアを中心とした技術体系、頭皮の洗浄やマッサージを通じて全身の活性化とリラクゼーションを追及する施術であるということができ、「ヘッドスパ」の語は頭部ケアの総称で、頭皮の汚れ取り、環境改善、スチーム、頭皮のマッサージなどの施術を指称する慣用商標である。
カ 乙第12号証及び乙第13号証並びに乙第16号証ないし乙第21号証により、美容院である「Luce 綱島」がサービスの一環として、「ヘッドスパ」なる慣用商標を使用して、頭部のケアーサービスを行っている事実は理解できる。ただし、「頭皮のマッサージ」についての被請求人が使用する商標は「ヘッド・スパ」であり、本件商標が「頭皮のマッサージ」に使用されている事実は全く開示されていない。
3 意見書(令和2年10月14日付け)
(1)役務についての立証に関して
「頭皮のマッサージ」は、医業類似行為に相当する役務である「マッサージ」に属し、あん摩マッサージ指圧師による施術の範疇に属する役務である。あん摩マッサージ指圧師とは、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格した者のことであり、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年法律217号)に基づく国家資格である。
このような医業類似行為に相当する役務に関し、厚生労働省はその取扱いに関して、平成3年6月28日付け医事第58号(各都道府県衛生担当部(局)長あて厚生省健康政策局医事課長通知)の「医業類似行為に対する取扱いについて」と題する通達を行っている(甲5)。
被請求人の立証に係る役務を精査すると、いずれも「Luce 綱島」での提供サービスの一環である美容の範疇に属する頭皮及び頭髪の手入れであって、医業類似行為に属する準医業を対象とした役務での使用には当たらない。
よって、被請求人が立証しようとしている役務は、美容(美容院業務)や頭皮及び頭髪の手入れ、エステティック美容の範疇に属した美容院での附帯サービスの一環としての役務であって、医療類似行為に属する役務「頭皮のマッサージ」とは全く相違する役務である。
(2)使用商標の立証に関して
ア 本件商標は、明朝体で表現した欧文字「Luce」と、同じ明朝体で表現した片仮名「ルーチェ」とがバランスよく一連一体に横書きされた商標構成になっているところ、「Luce」がイタリア語であって、「光」を意味する語であったとしても、当該「Luce」に接する世人がその発音並びに意味合いを理解しているとは考えられない。「Luce」がイタリア語であると認識しない世人においては、「ルーセ」あるいは「ルーゼ」なる称呼を想起することになる。したがって、その場合の本件商標から生じる称呼は、「ルーセルーチェ」あるいは「ルーゼルーチェ」ということになる。また、フランスの著名な画家マクシミリアン・リュス(MaximilienLuce)を知る者は、「Luce」を「リュス」と発音し、本件商標からは「リュスルーチェ」なる称呼を普通に発音することになる。つまり、本件商標は、「ルーチェルーチェ」、「ルーセルーチェ」、「ルーゼルーチェ」あるいは「リュスルーチェ」などの称呼も生じ、常に「Luce」と「ルーチェ」とが一連一体に認識される商標構成になっている。
イ 被請求人が使用立証している商標(以下、被請求人が使用する商標をまとめて「使用商標」ということがある。)は、いずれも「ルーチェツナシマ」、「LuceTSUNASHIMA」、「ルーチェ綱島」と表現されており、各文字全体がまとまりよく配されており、それぞれが外観においても一体性を有している(乙26?乙31)。したがって、これらの商標からは「ルーチェツナシマ」の称呼が生じるにすぎない。
ウ 本件商標と被請求人の使用商標とを対比すれば、両者は、称呼はもとより外観においても全く相違し、被請求人による本件商標の使用事実は全く存在しない。
エ 被請求人は、美容、ネイルサロン、エステティックサロンの経営を事業目的としており(乙24)、被請求人の事業目的と、甲2号証ないし甲4号証における頭皮のマッサージサービスの業態とを対比すると、被請求人が主張するヘッドスパの提供という役務は、美容室における役務の一態様であるから、直ちに医業類似行為の範疇にある「頭皮のマッサージ」と解釈されるべきではなく、被請求人の業態を考慮して、美容・理容行為の範疇にある「頭皮及び頭髪の手入れ」と解釈されるのが妥当である。
(3)結論
以上のとおり、被請求人は、本件商標を、取消請求役務について、要証期間内に日本国内において使用した事実を全く立証していないから、本件商標の登録は、取消請求役務について取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書及び回答書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第36号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、要証期間に、日本国内において本件商標と社会通念上同一の商標を、取消請求役務中「頭皮のマッサージ」に使用している。
(1)使用の事実について
被請求人は、同人が運営する「Luce 綱島」において、2015年11月のオープン当初から現在に至るまで、「ヘッドスパ」のメニューを提供しており、当該役務の広告等に本件商標と社会通念上同一の商標を使用している。使用の事実を示す証拠として、同人が運営するウェブサイトの写し及び株式会社リクルート(以下「リクルート」という。)が運営するインターネット上における美容院等の検索・予約サイトである「ホットペッパービューティ」(以下「HPB」という。)において、「Luce 綱島」が掲載されているページの写し等を提出する。
(2)商標の同一性について
ア 本件商標について
本件商標は、「Luce」と「ルーチェ」の文字が横並びに表記した構成からなり、片仮名「ルーチェ」は「Luce」の読みを表記したものである。「Luce」は、イタリア語で「光」を意味し、「ルーチェ」と読む単語である(甲1)。様々な商品(役務)の分野において、「Luce」は、「ルーチェ」と読む語として使用されている(乙2?乙8)から、本件商標に接した需要者は、「ルーチェ」の文字が「Luce」の読みを特定する表記として無理なく認識できる。
「Luce」の文字から生じる観念については、イタリア語が多くの日本人に馴染みのある言語ではないから、「Luce」からは一定の観念が生じないと考えられる。ただし、「Luce」がイタリア語で「光」を意味することを説明しているウェブページもあることから、「Luce」の文字から何らかの観念が生じるとすれば、イタリア語の「光」の意味合いが生じると考えられる(乙4?乙6)。
以上により、本件商標から生じる称呼は、「ルーチェ」であり、観念は生じないか、生じるとすればイタリア語の「光」の意味合いが生じる。
イ 使用商標について
HPBにおいて、「Luce 綱島」が掲載されているトップページの写し(乙9)の上部には、「c」の上部に植物の図形が描かれている「Luce」の文字により構成される商標(使用商標1)が確認できる。同様に、HPBにおいて、「Luce 綱島」が掲載されているトップページの写し(乙10)の上部には、「c」の上部に植物の図形が描かれている「Luce」の背景に植物で構成された装飾模様が描かれている商標(使用商標2)が確認できる。
ウ 本件商標と使用商標の同一性について
使用商標は、いずれも本件商標を構成する文字「Luce」と同じ文字列により構成されている。使用商標1は、本件商標と比較し、書体、「c」の上部に植物の図形が描かれている点、及び片仮名「ルーチェ」が表記されていない点が異なる。また、使用商標2は、本件商標と比較し、書体、「c」の上部に植物の図形が描かれている点、背景に装飾模様が描かれている点及び片仮名「ルーチェ」が表記されていない点が異なる。
しかしながら、本件商標を構成する文字「Luce」と使用商標を構成する文字「Luce」は、同一であり、共に「ルーチェ」と称呼するといえる。また、上述したとおり、「Luce」の文字からは特定の観念が生じないか、イタリア語の「光」の観念が生じると考えられることから、本件商標と使用商標から想起される観念に相違は生じないとえるから、本件商標と使用商標は、外観上の差異があるが、称呼を同一とし観念の相違は生じないといえるから、社会通念上同一の商標であるといえる。
エ 過去の審決例に基づく商標の同一性について
イタリア語の単語及びその読みを特定した片仮名からなる商標の登録商標と使用に係る商標の同一性について、不使用取消審判(取消2015-300085)において、「社会通念上同一の商標といえる。」と説示されている(乙11)。本件商標は、同様にイタリア語の単語とその読みを特定する片仮名により構成されており、本件商標と使用商標は、同様に、社会通念上同一の商標と認められるべきものである。
(3)使用に係る役務について
ア HPBにおいて、「Luce 綱島」のクーポン及びメニューが掲載されているページの写し(乙12)の第1頁の中央部には、クーポンの内容として「デザインカット[炭酸泉シャンプー+プチスパ付]¥4900⇒¥3400」と表示されている。また、第2頁の下部には、クーポンの内容として「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」と表示されている。「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」の予約画面のページの写し(乙13)の上部には、「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース ¥5,000」と表示されている。いずれのクーポンにも、メニューとして「ヘッドスパ」と表示されている。
イ 「ヘッドスパ」のメニューは、「頭皮の洗浄やマッサージ」を施す役務であり、当該役務は「頭皮のマッサージ」に該当するといえ、被請求人が「Luce 綱島」において「頭皮のマッサージ」を提供していることが分かる(乙14、乙15)。
(4)商標の使用時期について
ア HPBにおいて、「Luce 綱島」を利用した顧客からの口コミが掲載されている頁には、それぞれの口コミに対する「Luce 綱島」からの返信コメントが記載されている(乙16?乙21)。
イ 「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」を利用した顧客からの口コミの投稿日は、2018年6月15日及び2018年2月20日である(乙16、乙17)。「デザインカット[炭酸泉シャンプー+プチスパ付]」を利用した顧客からの口コミの投稿日は、2018年5月29日、2017年5月7日、2016年8月6日及び2016年8月9日である(乙16、乙18、乙19)。上述した口コミが掲載されている欄の「施術メニュー」には「ヘッドスパ」と記載されている。また、具体的な口コミのコメントとして、「ヘッドスパが気持ちよくてスッキリでした。」、「ヘッドスパも気持ち良かったです。」(乙16)、「・・・炭酸泉シャンプーとマッサージに癒されました。」(乙19)等と記載されている。
ウ 「Luce 綱島」を利用した顧客からの口コミに対する「Luce 綱島」からの返信コメントには、次のとおり、「ヘッドスパ」のメニューのコメントが記載されている。2017年5月26日投稿の口コミに対し、「暑くなってきているのでヘッドスパもおすすめです!!」と記載されている(乙18)。2018年5月28日投稿の口コミに対し、「シャンプー台で行うヘッドスパなど、色々なメニューもありますので是非お試しください。」と記載されている(乙20)。2018年2月19日投稿の口コミに対し、「気分転換したいときはヘッドスパやシャンプーだけでもお気軽にご来店ください!」と記載されている(乙21)。
エ 2016年ないし2018年に投稿された口コミの内容や、口コミに対する「Luce 綱島」からの返信コメントの記載及び現在も被請求人が「ヘッドスパ」のメニューを提供していることから、被請求人が、2016年から現在に至るまで「Luce 綱島」において、「ヘッドスパ」のメニューを提供していることが分かる。また、それぞれの口コミに対し「Luce 綱島」からの返信コメントが記載されていることから、被請求人が要証期間に、使用商標を、「頭皮のマッサージ」の広告等で使用していたことが推認される。
(5)商標を使用している主体について
乙第22号証は、被請求人が運営するウェブサイトにおいて、会社概要を表示したウェブページの写しである。乙第22号証の中央部には、会社名として「株式会社Bella notte」、住所として「東京都世田谷区奥沢6-31-12」と表示されている。当該名称は被請求人の名称と同一であり、当該住所は被請求人の住所と実質的に同一であり、当該ウェブサイトの運営者が被請求人であることが分かる。乙第23号証は、被請求人が運営するウェブサイトにおいて、「Luce 綱島」を紹介しているウェブページの写しである。乙第23号証上部の「メニューを見る」をクリックすると、乙第12号証に示すウェブページが表示される。乙第22号証ないし乙第23号証により、「Luce 綱島」を運営している者が被請求人であることが分かる。
2 審尋に対する回答(令和元年8月2日付け)
(1)「Luce 綱島」の運営者について
乙第24号証は、被請求人の法人登記に関する履歴事項全部証明書の写しであり、乙第25号証は、「Luce TSUNASHIMA」に関する美容所適合確認書の写しである。乙第24号証には、被請求人が、美容院等の経営を目的とする法人であることが記載されている。なお、被請求人の登記簿上の住所は、建物名を含まない「東京都世田谷区奥沢6-31-12」である。
乙第25号証には、「横浜市港北区綱島西1-4-13パークサイドレジデンス2階-C」を所在地とし、「Luce TSUNASHIMA」の名称からなる美容所の開設に関し、横浜市保健所長が美容師法第13条に適合していることを確認したことが記載された美容所適合確認書である。この確認書には、宛名として被請求人の住所及び名称が記載されており、当該美容室の運営者が被請求人であることが分かる。また、発行日として「平成26年11月19日」の日付が記載されている。
乙第9号証等に係る美容室の名称は「Luce 綱島」であり、その住所は「神奈川県横浜市港北区綱島西1-4-13 2F-2C」である。「Luce 綱島」と「Luce TSUNASHIMA」は、漢字及び欧文字という表示形式上の相違があるのみであり、実質的に同一の名称である。また、住所も実質的に同一であることは明らかである。
したがって、「Luce TSUNASHIMA」は、「Luce 綱島」と同一であり、その運営者が被請求人である。
(2)インターネット上における商標の使用
ア 乙第26号証及び乙第27号証について
乙第26号証及び乙第27号証は、「Wayback Machine」(以下「ウェイバックマシン」という。)にアーカイブ(保存)されている「Luce 綱島」の広告ページの写しである。ウェイバックマシンは、アメリカ合衆国の非営利団体インターネットアーカイブが運営するウェブサイトであり、日付を特定して様々なウェブページをアーカイブしている。上記広告ページは、HPB内に掲載されたウェブページである。
乙第26号証の1及び乙第26号証の2は、いずれも「Luce 綱島」の広告トップページである。乙第26号証の1が2016年8月21日に、乙第26号証の2が2016年10月29日にそれぞれアーカイヴされたものであることが、ページ右上の記載「AUG\21\2016」及び「OCT\29\2016」から分かる。
乙第27号証の1及び乙第27号証の2は、いずれも「Luce 綱島」のクーポン掲載ページである。乙第27号証の1が2016年8月24日に、乙第27号証の2が2016年10月25日にそれぞれアーカイブされたものであることが、ページ右上の記載「AUG\24\2016」及び「OCT\25\2016」から分かる。
乙第26号証の1及び乙第26号証の2は、互いに同一の内容であるから、少なくとも2016年8月21日ないし同年10月29日の期間中に表示されていた広告トップページの内容であるといえる。また、乙第27号証の1及び乙第27号証の2も互いに同一の内容であるから、少なくとも2016年8月24日ないし同年10月25日の期間中に表示されていたクーポン掲載ページの内容であるといえる。
そうすると、乙第26号証及び乙第27号証は、少なくとも、上記期間が重複する2016年8月24日ないし同年10月25日の期間中は、共に掲載されていたといえる。
イ 使用商標について
広告トップページ(乙26)には、レンガ風の壁と二人の女性を撮影した写真が掲載されており、当該写真には、上段に「Luce」、下段に「TSUNASHIMA」を横書きしてなる商標(以下「使用商標3」という。)が表示されている。「Luce」は、筆圧が大きく変化する装飾化された筆記体風の書体で構成され、「c」の上部に植物の図形が描かれているのに対し、「TSUNASHIMA」は明朝体風の書体で構成されている。また、文字の大きさは、「TSUNASHIMA」が「Luce」の1/10程度であり、両者は、書体及び大きさが顕著に異なっている。したがって、使用商標3の要部は「Luce」であると認識され、「ルーチェ」の称呼が生じる。クーポン掲載ページ(乙27)の上部左側には、リース風の背景画像に重ねて上段に「Luce」、下段に判読不能な文字(おそらく「TSUNASHIMA」と推測される。)を横書きしてなる商標(以下「使用商標4」という。)が表示されている。使用商標4の要部は「Luce」であると認識され、「ルーチェ」の称呼が生じる。そうすると、使用商標3及び使用商標4は、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標である。
ウ 使用役務について
上記クーポン掲載ページは、縦長のウェブページであり、乙第27号証の各頁は、印刷時に便宜上分割されたものである。第3頁の中央よりもやや下側のクーポンには、「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース¥5,000」と表示されている。また、クーポン上部にも「ヘッドスパ」と表示されている。
カタカナ新語辞典(乙15)によれば、「ヘッドスパ」とは、「頭皮の洗浄やマッサージを通じて全身の活性化とリラクゼーションを追求する施術」であり、ウィキペディア(乙14)によれば、「ヘッドスパとは、日本の造語。頭皮の洗浄、マッサージなどを施し、髪そのものと頭皮を活性化させる行為。」である。
そうすると、上記クーポンは、「頭皮の洗浄及びマッサージ」という役務の提供を受けるためのクーポンであると理解されるべきものであり、したがって、当該役務は、取消請求役務中「頭皮のマッサージ」に含まれるものである。
エ 使用時期について
乙第27号証の1によれば、要証期間内である2016年(平成28年)8月24日の「Luce 綱島」のクーポン掲載ページには「頭皮のマッサージ」に関する広告が掲載されると共に、使用商標4が表示されていたことが分かる。
また、乙第27号証の2によれば、要証期間内である2016年(平成28年)10月25日の「Luce 綱島」のクーポン掲載ページには「頭皮のマッサージ」に関する広告が掲載されるとともに、使用商標4が表示されていたことが分かる。
さらに、乙第26号証及び乙第27号証によれば、少なくとも2016年(平成28年)8月24日ないし同年10月25日の期間中、「Luce 綱島」のクーポン掲載ページには「頭皮のマッサージ」に関する広告が掲載され、トップページには使用商標3が表示されていた。
オ 小括
乙第26号証及び乙第27号証に示された「Luce 綱島」の広告ページは、「頭皮のマッサージ」に関する広告であり、当該広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当することから、被請求人は、要証期間内において、本件審判請求に係る指定役務に含まれる役務について、本件商標を使用していた。
(3)店舗における商標の使用
ア 乙第28号証ないし乙第36号証の説明
乙第28号証は、「Luce 綱島」を地図上に示しかグーグルマップの画面の写しである。グーグルマップは、アメリカ合衆国のグーグル社が運営するウェブサイトであり、住所や店舗名等により検索された場所を地図上に表示することができる。
グーグルマップにおいて「ルーチェ 綱島」を検索すれば、画面左側に住所「〒223-0053 神奈川県横浜市港北区綱島西1丁目4-13 2F2C」が表示され、画面右側の地図上の該当位置にポイントマークが表示される。ポイントマークは、東急東横線綱島駅の西口から綱島公園へ向かう公園坂通りの左側(西側)に表示され、その近傍には「ルーチェ ツナシマ(Luce TSUNASHIMA)」と表示される。つまり、被請求人が運営する「Luce 綱島」の位置が地図上に表示される。
乙第29号証ないし乙第31号証は、「Luce 綱島」の店舗外観を示したストリートビュー画面の写しである。グーグルマップは、地図上で指定した位置から見た景色を表示するストリートビュー機能を有する。さらに、撮影年月が特定された過去の景色を表示するタイムマシン機能も有する。乙第29号証ないし乙第31号証は、乙第28号証の表示状態において当該美容室付近の位置を地図上で指定し、ストリートビュー機能及びタイムマシン機能を利用して表示したものであり、公園坂通りから見た店舗外観が示されている。
乙第29号証は、左上の小ウィンドウ内に「現在表示中の画像撮影日:5月2016」と記載されており、要証期間内の2016年(平成28年)5月に撮影された画像であることが分かる。店舗入口の手前右の壁には、大きなエントランスサイン「Luce」が表示されていることが分かる。また、店舗前の専用ポールに下げ看板が取り付けられ、「Luce」が表示されていることが分かる。
乙第30号証は、左上の小ウィンドウ内に「現在表示中の画像撮影日:6月2017」と記載されており、要証期間内の2017年(平成29年)6月に撮影された画像であることが分かる。乙29号証と同一のエントランスサイン及び下げ看板が設けられていることが分かる。
乙第31号証の1及び2は、いずれも左上の小ウィンドウ内に「現在表示中の画像撮影日:5月2015」と記載されており、要証期間前の2015年(平成27年)5月に撮影された画像であることが分かる。乙第31号証の1には、正面方向から見た店舗外観、乙第31号証の2には、南側(綱島駅側)から見た店舗外観がそれぞれ示されている。
乙第31号証の3ないし6は、いずれも左上の小ウィンドウ内に「現在表示中の画像撮影日:8月2018」と記載されており、要証期間後の2018年(平成30年)8月に撮影された画像であることが分かる。乙第31号証の3には、正面方向から見た店舗外観、乙第31号証の4には、南側(綱島駅側)から見た店舗外観がそれぞれ示されている。また、乙第31号証の5及び6には、乙第31号証の3及び4の一部をそれぞれ拡大表示した画像が示されている。乙第31号証の1及び2は、要証期間前の店舗外観であり、乙第31号証の3及び4は、要証期間後の店舗外観であるから、要証期間において店舗外観に変化がなかったことが分かる。そして、乙第31号証の1及び3には、エントランスサインが明瞭に示されており、乙第31号証の5及び6には、下げ看板の両面が明瞭に示されているから、要証期間内において、エントランスサインには「Luce\TSUNASHIMA」が表示され、下げ看板の両面には「Luce」が表示されていたことが分かる。
乙第32号証の1ないし5は、「Luce 綱島」において2018年(平成30年)2月に使用を開始したメニュー表の写しである。これらのメニュー表は、メニューブックに取り付けられ、顧客が閲覧できるように店舗内に設置されている。
乙第33号証は、メニュー表(乙32の1?5)の作成に係る請求書の写しである。発行者は、「株式会社Mallow」(神奈川県川崎市宮前区菅生2-24-5)、宛名は、「(株)Be11a notte」であり、発行日は、平成30年2月15日である。商品名欄には「Luce 綱島様分 メニューブック表作成 (平成30年2月5日納品分)」と記載されている。
乙第34号証は、Y氏の陳述書の写しである。作成者のY氏は、株式会社Mallow代表取締役であり、当該陳述書では、株式会社Mallowが被請求人から依頼を受け、平成30年2月5日に納品した料金表が、乙第32号証の1ないし5であり、当該料金表の作成に関する請求書が乙第33号証であることを明らかにしている。
乙第35号証は、M氏の陳述書の写しである。作成者のM氏は、2015年8月から現在まで「Luce 綱島」に勤務し、現在は店長を務めており、当該陳述書では、「Luce 綱島」において、遅くとも2016年(平成28年)の春から現在に至るまでヘッドスパを提供しており、当該ヘッドスパが、頭皮をマッサージする施術であることを明らかにしている。また、乙第32号証のメニュー表は、2018年2月から使用していることを明らかにしている。
乙第36号証は、HPBのサロンレポート1)、2)及び8)の写しである(片かっこ付き数字は、丸付き数字を表す。以下同じ。)サロンレポートは、HPBにおける広告掲載結果のレポートであり、リクルートによって提供され、広告主のみが閲覧できる。具体的には、サロン管理システム「サロンボード(SALON BOARD)」(http://salonboard. com/)に広告主がログインすれば表示される管理画面において閲覧及び出力することができる。サロンレポートは、最長で1年遡った時点のものを表示させることができる。
乙第36号証の1ないし3は、いずれも左上には「貴店名 Luce 綱島」と記載されており、「Luce 綱島」のサロンレポートであることが分かる。また、いずれも右上に「データ最終更新日 2019/07/12」、中央上に「ご掲載月号 1807月号」と記載されており、2018年7月号の広告掲載結果を2019年7月12日に表示させたものであることが分かる。なお、HPBにおける「月号」とは、前月25日から当月24日までの期間を指す。
乙第36号証の1(サロンレポート1)には、2017年7月ないし2018年7月の広告掲載結果の概要が一覧表示されていることから、「1807月号」が2018年7月号を意味していることが分かる。
乙第36号証の2(サロンレポート2)には、2018年2月号ないし同年7月号にそれぞれ掲載されたクーポン情報が表示されている。いずれの月号でも「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」のクーポンが掲載されていたことが分かる。
乙第36号証の3(サロンレポート8)には、2018年5月号ないし同年7月号についてクーポン別ネット予約数が掲載されている。クーポン「炭酸ヘッドスパ&トリートメント」の5月号の予約数として3が表示されている。
イ 使用商標について
乙第29号証、乙第30号証、乙第31号証の1、乙第31号証の3には、「Luce 綱島」の店舗入口の右手外壁に設けられたエントランスサインが表示されている。このエントランスサインは、公園坂通りからよく見えるように大きく目立つように表示された商標(以下「使用商標5」という。)である。
使用商標5は、上段に「Luce」、下段に「TSUNASHIMA」を横書きして構成される。「Luce」は、筆圧が大きく変化する装飾化された筆記体風の書体で構成され、「c」の上部に植物の図形が描かれているのに対し、「TSUNASHIMA」は明朝体風の書体で構成されている。また、文字の大きさは、「TSUNASHIMA」が「Luce」の1/10程度であり、両者は、書体及び大きさが顕著に異なっている。つまり、使用商標5は、使用商標3とほぼ同一であり、使用商標5も本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。
乙第29号証、乙第30号証、乙第31号証の1ないし6には、店舗前の下げ看板が表示されている。この下げ看板は、「Luce 綱島」の店舗前に設置された専用ポールに取り付けられており、その両面に同一の商標(以下「使用商標6」という。)が付されている。使用商標6は、「Luce」の文字が筆記体風の書体で表示され、「c」の上部に植物の図形が描かれている。つまり、使用商標6は、使用商標3の要部「Luce」と同一であるから、使用商標6も本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。
ウ 使用役務及び使用時期について
(ア)乙第32号証の5には、メニューの1つとして、「Head SPA」「高濃度炭酸泉ヘッドスパ30分(肩マッサージ込)」「¥3,000」が記載されている。
乙第33号証は、上記メニュー表の作成に係る請求書であり、乙第34号証は、上記メニュー表の作成に係るY氏の陳述書である。この請求書は、株式会社Mallowが発行したものであり、Y氏は、株式会社Mallowの代表者である。上記請求書には、「Luce 綱島様分 メニューブック表作成(平成30年2月5日納品分)」と記載されている。また、Y氏の陳述書には、「当社は、平成30年1月に株式会社Bella notte様よりLuce 綱島のメニューブックに入れて使用する料金表の作成依頼を受け、平成30年2月5日に納品しました。」、「審判(取消2018-300387)における乙第32号証の1?5が、この料金表であり、乙第33号証が、この料金表の作成に関し当社が発行した請求書であることに相違ありません。」と記載されているから、上記メニュー表は、株式会社Mallowによって作成され、平成30年2月5日に被請求人に納品された「Luce 綱島」用のメニュー表であることが分かる。
乙第35号証は、M氏の陳述書である。M氏は、「Luce 綱島」の従業者であり、M氏の陳述書には、「審判(取消2018-300387)における乙第32号証の1?5は当店で2018年2月から使用しているメニュー表に相違ありません。」と記載されている。したがって、上記メニュー表は、2018年(平成30年)2月から「Luce 綱島」で使用されおり、当該美容室では、役務「ヘッドスパ」が提供されていたことが分かる。
また、M氏の陳述書(乙35)には、「当店のヘッドスパは、高濃度炭酸泉を用いて頭皮をマッサージし、頭皮の血行を効果的に促進する『高濃度炭酸泉ヘッドマッサージ』であり、併せて肩マッサージも行っています。」と記載されている。このため、メニュー表に記載された「ヘッドスパ」は、「頭皮のマッサージ」であることが分かる。
以上により、「Luce 綱島」では、要証期間内である平成30年2月から現在まで「頭皮のマッサージ」を提供していることが分かる。
(イ)M氏の陳述書(乙35)には、「当店では、遅くとも2016年の春にはヘッドスパのサービス提供を開始しており、その後、現在に至るまで当該サービスの提供を継続しています。」と記載されている。M氏のいう「ヘッドスパ」が「頭皮のマッサージ」であることは上述したとおりである。そうすると、「Luce 綱島」では、平成28年の春から現在に至るまで「頭皮のマッサージ」の提供が継続されており、要証期間内において「頭皮のマッサージ」が提供されていたことが分かる。
(ウ)乙第36号証は、HPBのサロンレポートであり、「Luce 綱島」の2018年7月号分が記載されている。乙第36号証の2には、2ないし7月号に掲載されたクーポン情報が表示されており、その中に「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」も含まれている。このため、1月25日?7月24日の期間中、ヘッドスパのクーポンがクーポン掲載ページに掲載されていたことが分かる。したがって、「Luce 綱島」では、要証期間内である平成30年1月25日ないし同年6月24日において、「頭皮のマッサージ」が提供されていたことが分かる。
乙第36号証の3には、5ないし7月号のクーポン別ネット予約数が表示されており、クーポン「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」の5月号の予約数として3が表示されている。つまり、4月25日?5月24日の期間に、クーポン「炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース」の利用予約を行った顧客が3名いたことが分かる。したがって、「Luce 綱島」では、要証期間内である平成30年4月25日ないし同年5月24日において、「頭皮のマッサージ」が提供されていたことが分かる。
エ 小括
(ア)乙第32号証ないし乙第35号証によれば、被請求人は、「Luce 綱島」において、平成30年2月から、「頭皮のマッサージ」を提供している。また、被請求人は、「Luce 綱島」において、遅くとも平成28年の春から「頭皮のマッサージ」を提供している(乙35)。さらに、被請求人は、「Luce 綱島」において、平成28年1月25日?7月24日に「頭皮のマッサージ」を提供していた(乙36)。
(イ)「Luce 綱島」の店舗入口の右手外壁には、要証期間の全期間にわたって、使用商標5がエントランスサインとして表示されていた。このため、使用商標5を外壁に表示する行為は、「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」であり、商標法第2条第3項第8号に定める商標の「使用」に該当する。また、「Luce 綱島」の店舗前の専用ポールには、要証期間の全期間にわたって、使用商標6が下げ看板として表示されていた。このため、使用商標6を店舗前の下げ看板に表示する行為は、「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」であり、商標法第2条第3項第8号に定める商標の「使用」に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に、日本国内において、当該請求に係る指定役務に含まれる役務について、本件商標と社会通念上同一である使用商標を使用している。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)役務の提供について
ア 履歴事項全部証明書
東京法務局渋谷出張所登記官の記名及び押印のある令和元年7月2日付け「履歴事項全部証明書」の写しには、商号として「株式会社Bella notte」、本店の住所として「東京都世田谷区奥沢6-31-12」、会社設立の年月日として「平成26年1月6日」、目的として「1.美容院、ネイルサロン及びエステティックサロンの経営」、役員に関する事項として代表取締役の氏名の記載がある(乙24)。
イ 美容所適合確認書
横浜市保健所長の記名及び押印のある平成26年11月19日付け「美容所適合確認書」の写しには、「東京都世田谷区奥沢6-31-12」、「株式会社Bella notte」及び「代表取締役の氏名」の記載の下、「次の美容所の開設については、検査の結果、その構造及び設備が美容師法第13条に規定する講ずべき措置の内容に適合していることを確認します。」として、「名 称 Luce TSUNASHIMA」、「所 在 地 横浜市港北区綱島西1-4-13 パークサイドレジデンス2階-c」の記載がある(乙25)。
ウ 被請求人のウェブサイト
被請求人のウェブページの写し(印刷日:2018/07/18)には、「会社概要」のタイトルの下、「会社名 株式会社Bella notte」及び「住所 東京都世田谷区奥沢6-31-12」の記載があり、その下部に「Shop List」としてややデザインされた書体で表された「Luce」の表示がある(乙22)。
また、被請求人のウェブページの写し(印刷日:2018/07/20)には、「Luce綱島/ルーチェ ツナシマ」の記載の下、「ヘアサロンルーチェ綱島は駅近の好立地にある美容室。東横線綱島エリアを中心に人気殺到の大人可愛い上質サロン。・・・是非、綱島の新感覚美容室へお越しください。」の記載と共に美容室の店内の写真の画像が表示されている(乙23)。
エ メニュー表
「メニュー表」の写しとされる書面には、「Luce menu」のタイトルの下、「デザインカット【炭酸泉シャンプー+プチスパ付】/¥3,400(税込)」/<<カット+プチスパ+炭酸泉シャンプーで頭皮や髪の悩みにも◎>>」、「カット+高濃度炭酸泉ヘッドスパ/¥5,200(税込)/<<カット+ヘッドスパ+肩マッサージ/シャンプー・ブロー・スタイリング込>>」、「高濃度炭酸泉ヘッドスパ+3ステップトリートメント/¥5,000(税込)/<<ヘッドスパ+肩マッサージ+3ステップnanoスチームTr/シャンプー・ブロー・スタイリング込>>」の記載がある(乙32の1)。
また、「Luce menu/Men’s menu」のタイトルの下、「メンズカット+高濃度炭酸泉ヘッドスパ/¥5,500(税込)」/カット+ヘッドスパ+肩マッサージ/シャンプー・ブロー・スタイリング込/<<AGAにも効果のあるスパジェルで頭皮をマッサージし、頭皮を健やかに保ちます。>>」の記載がある(乙32の4)。
さらに、「メニュー表」とされる3列及び51段からなる一覧表には、「Shampoo/1シャンプー/¥500」、「Cut/カット/¥2,200」、「Perm/ノーマルパーマ(カット込)/¥5,900」等の記載と共に、下から4段目に「Head SPA」/高濃度炭酸泉ヘッドスパ30分(肩マッサージ込)/¥3,000」の記載がある(乙32の5)。
オ 請求書
「請求書」の写しとされる書面には、「請求書」のタイトルの下、右上に「発行年月日/平成30年2月15日」及び「お支払い期限/平成30年3月20日」の記載、左上に「(株) Bella notte 様 御中」の記載、その下に「下記の通り、請求いたします。」及び「合計/¥21,600」の記載、さらにその右側には、「株式会社 Mallow」及びその住所等の記載がある。そして書面に記載された表には「商品名」として「Luce 綱島様分 メニューブック表作成 (平成30年2月5日納品分)」並びに「金額税込み/¥20,000」、「消費税/¥1,600」及び「合計金額/¥21,600」の記載があり、書面の下部には「【振込先】 横浜銀行(0138) 溝口支店(825)」及び口座番号の記載がある(乙33)。
カ 陳述書
(ア)株式会社Mallowの代表取締役 Y氏の陳述書の写しとされる書面には、「陳述書」のタイトルの下、「株式会社Mallowは、平成30年1月に被請求人からLuce綱島のメニューブックに入れて使用する料金表の作成依頼を受け、同年2月5日に納品した。本件審判における乙第32号証の1ないし5がこの料金表であり、乙第33号証がこの料金表の作成に関し同社が発行した請求書であることに相違ない」旨の記載並びに日付として「平成31年7月30日」の記載及び「株式会社Mallow」の代表取締役 Y氏の記名及び押印がある(乙34)。
(イ)「美容室 Luce綱島」の店長M氏の陳述書の写しとされる書面には、「陳述書」のタイトルの下、「私は、2015年8月から現在までルーチェ綱島に勤務しており、2018年からは店長を務めている。当店では、遅くとも2016年の春にはヘッドスパのサービス提供を開始しており、現在も当該サービスの提供を継続している。当店のヘッドスパは、高濃度炭酸泉を用いて頭皮をマッサージし、頭皮の血行を効果的に促進する『高濃度炭酸泉ヘッドマッサージ』である。本件審判における乙第32号証の1ないし5は当店で2018年2月から使用しているメニュー表に相違ない」旨の記載並びに日付として「2019年7月30日」の記載及び「美容室 Luce綱島 店長」M氏の記名及び押印がある(乙35)。
キ 「ホットペッパービューティーサイト」における記事
(ア)「Luce 綱島/ルーチェ ツナシマ」に関する記事
ホットペッパービューティーのウェブサイト(https://beauty.hotpepper.jp)(以下「HPBサイト」という。)に係るウェブページの写し(印刷日:2018/07/24)には、「Hot Pepper Beauty 国内最大級のヘアサロン・リラク&ビューティーサロン検索・予約サイト」の項に「Luce 綱島/ルーチェ ツナシマ」及び「神奈川県横浜市港北区綱島西1-4-13 2F-2C/綱島駅西口 徒歩2分」の記載の下、「【Luce綱島】東横線エリアトップクラスの大人気サロン」として、「東横線綱島エリアを中心に人気殺到の大人可愛い上質サロン。・・・是非、綱島の新感覚美容室へお越しください。」の記載がある(乙9)。
また、HPBサイトに係る別のウェブページの写し(印刷日:2018/07/25)にも同様の記載がある(乙10)。
(イ)「ルーチェ綱島(Luce)の口コミ」記事
HPBサイトに係るウェブページの写し(印刷日:2018/07/25)には、「Luce 綱島/ルーチェ ツナシマ」の記載の下、「ルーチェ 綱島(Luce)の口コミ/この口コミは、ネット予約で実際に来店されたHotPepperBeauty会員の方の投稿です。」の記載があり(乙16の第1頁)、同サイトには、次のとおりの記載がある。
a 「[投稿日] 2016/8/6」の記載の下、「・・・炭酸泉シャンプーとマッサージに癒されました。」及び「予約時のクーポン・メニュー/デザインカット【炭酸泉シャンプー+プチスパ付】 ¥4900⇒¥3400/[施術メニュー]・・・、ヘッドスパ、・・・」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「いつもご来店、また大変嬉しい口コミありがとうございます。」の記載がある(乙19の第1頁)。
b 「[投稿日] 2016/8/9」の記載の下、「ヘッドスパが気持ちよかったです。」及び「予約時のクーポン・メニュー/デザインカット【炭酸泉シャンプー+プチスパ付】 ¥4900⇒¥3400/[施術メニュー]・・・、ヘッドスパ、・・・」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「ご来店口コミありがとうございます」の記載がある(乙19の第2頁)。
c 「[投稿日] 2017/5/7」の記載の下、「炭酸泉のヘッドスパも大変気に入りましたので、これからはこちらでお世話になろうと思っています。」及び「予約時のクーポン・メニュー/デザインカット【炭酸泉シャンプー+プチスパ付】 ¥4900⇒¥3400/[施術メニュー]・・・、ヘッドスパ、・・・」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「先日はご来店ありがとうございました。」の記載がある(乙18の第1頁)。
d 「[投稿日] 2017/5/26」の記載の下、「頭皮が敏感で、いつもカラーをした後は、かゆみがでたり、髪がパサついたりしてしましますが・・・」及び「予約時のクーポン・メニュー/Organicハーブカラー+デザインカット ¥5400/[施術メニュー]カット、カラー」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「暑くなってきているのでヘッドスパもすすめです!!」の記載がある(乙18の第2頁)。
e 「[投稿日] 2018/2/19」の記載の下、「・・・ちょっとした気分転換にイメチェンしようと思い行ったのですが、・・・」及び「予約時のクーポン・メニュー/エアリーコスメパーマorデジタルパーマ+デザインカット¥6800/[施術メニュー]カット、パーマ」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」として「気分転換したいときはヘッドスパやシャンプーだけでもお気軽にご来店ください!」の記載がある(乙21)。
f 「[投稿日] 2018/2/20」の記載の下、「丁寧でとても良かったです。」及び「予約時のクーポン・メニュー/☆平日12時?17時限定☆炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース/[施術メニュー]・・・、ヘッドスパ、・・・」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「口コミありがとうございます」の記載がある(乙17)。
g 「[投稿日] 2018/5/28」の記載の下、「・・・シャンプー台がリラックスできました。」及び「予約時のクーポン・メニュー/【☆透明感、ツヤ☆】イルミナカラー+デザインカット¥7400/[施術メニュー]カット、カラー」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「シャンプー台で行うヘッドスパなど、色々なメニューもありますので是非お試しください。」の記載がある(乙20)。
h 「[投稿日] 2018/5/29」の記載の下、「初めて利用させていただきました。・・・ヘッドスパも気持ちよかったです。」及び「予約時のクーポン・メニュー/デザインカット【炭酸泉シャンプー+プチスパ付】 ¥4900⇒¥3400/[施術メニュー]・・・、ヘッドスパ、・・・」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「・・・先日はご来店ありがとうございました!」の記載がある(乙16の第2頁)。
i 「[投稿日] 2018/6/15」の記載の下、「ヘッドスパが気持ちよくてスッキリでした。」及び「予約時のクーポン・メニュー/☆平日12時?17時限定☆炭酸ヘッドスパ&トリートメントコース/[施術メニュー]・・・、ヘッドスパ、・・・」の記載があり、「Luce 綱島からの返信コメント」には「ヘッドスパお褒めいただきありがとうございます。」の記載がある(乙16の第1頁)。
ク 「ヘッドスパ」について
(ア)「ウィキペディア」の「ヘッドスパ」の項目には、「ヘッドスパとは、日本の造語。頭皮の洗浄、マッサージなどを施し、髪そのものと頭皮を活性化させる行為。」の記載があり、「主な内容」として「・・・、『頭皮のクレンジング』『マッサージ』『髪の修復』が主な要素となっている。頭皮のツボの指圧やオイルの塗布、人の手によるマッサージなど、これらは単なる洗浄に加えリラクゼーション効果もあるため、美容院やヘアサロンだけでなくエステサロンやヘッドスパ専門店などでも導入されるようになった。」との記載がある(乙14)。
(イ)「カタカナ新語辞典 改訂第4版」((株)学研プラス)には、「ヘッド・スパ」の項目に「[head spa 和]・・・頭皮の洗浄やマッサージを通じて全身の活性化とリラクセーションを追求する施術.」との記載がある(乙15)。
(2)使用商標について
ア 店舗外観
(ア)「ルーチェ ツナシマ(Luce TSUNASHIMA)-Googleマップ」とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中の検索欄に「ルーチェ 綱島」の記載があり、その下部に店舗外観の写真の画像の表示及び「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の記載があり、住所として「神奈川県横浜市港北区綱島西1丁目4-13 2F2C」の記載がある。そして、その右側の地図上には「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報の表示があり、当該位置情報の付近には「東急東横線/綱島駅」、「公園坂」の記載がある(乙28)。
(イ)「公園坂‐Googleマップ」(2015年5月の店舗外観を正面から見たストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・5月 2015」及び「現在表示中の画像撮影日:5月 2015」の記載があり、その右側に、店舗外観を正面から撮影した写真の画像がある。そして、当該画像には、店舗前の入り口横の外壁の上部に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字(「c」の文字の上部に小さく装飾が施されている。)及び当該文字の下段に小さく「TSUNASHIMA」の欧文字を横書きした標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙31の1)。
(ウ)「公園坂‐Googleマップ」(2015年5月の店舗外観を南側から見たストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・5月 2015」及び「現在表示中の画像撮影日:5月 2015」の記載があり、その右側に、店舗外観を斜め前から撮影した写真の画像がある。そして、当該画像には、店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字(「c」の文字の上部に小さく装飾が施されている。)からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙31の2)。
(エ)「公園坂‐Googleマップ」(2016年5月の店舗外観のストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・5月 2016」及び「現在表示中の画像撮影日:5月 2016」の記載があり、その右側に、店舗外観を斜め前から撮影した写真の画像がある。そして、当該画像には、店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、上記(ウ)と同様に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されており、また、入り口横の外壁の上部には、「L」の一部が画像中には写っていないものの、上記(イ)と同様の構成態様からなる「Luce」の欧文字及び「TSUNASHIMA」の欧文字からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙29)。
(オ)「公園坂‐Googleマップ」(2017年6月の店舗外観のストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・6月 2017」及び「現在表示中の画像撮影日:6月 2017」の記載があり、その右側に、店舗外観を斜め前から撮影した写真の画像がある。そして、当該画像には、店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、上記(ウ)と同様に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されており、また、入り口横の外壁の上部には、「L」の一部が画像中には写っていないものの、上記(イ)と同様の構成態様からなる「Luce」の欧文字及び「TSUNASHIMA」の欧文字からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙30)。
(カ)「公園坂‐Googleマップ」(2018年8月の店舗外観を正面から見たストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・8月 2018」及び「現在表示中の画像撮影日:8月 2018」の記載があり、その右側に、店舗外観をほぼ正面から撮影した写真の画像がある。そして、当該画像には、店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、上記(ウ)と同様に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されており、また、入り口横の外壁の上部には、「L」の一部が画像中には写っていないものの、上記(イ)と同様の構成態様からなる「Luce」の欧文字及び「TSUNASHIMA」の欧文字からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙31の3)。
(キ)「公園坂‐Googleマップ」(2018年8月の店舗外観を南側から見たストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・8月 2018」及び「現在表示中の画像撮影日:8月 2018」の記載があり、その右側に、店舗外観を斜め前から撮影した写真の画像がある。そして、当該画像には、店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、上記(ウ)と同様に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙31の4)。
(ク)「公園坂‐Googleマップ」(2018年8月の下げ看板の北面を拡大表示させたストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市、神奈川県/ストリートビュー・8月 2018」及び「現在表示中の画像撮影日:8月 2018」の記載があり、その右側に、店舗前に掲げられた看板の写真の画像がある。そして、当該画像には、楕円形の看板中に、上記(ウ)と同様に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙31の5)。
(ケ)「公園坂‐Googleマップ」(2018年8月の下げ看板の南側を拡大表示させたストリートビュー)とされる書面には、Googleマップの検索画面の画像中に、「公園坂‐Googleマップ」の記載の下、「公園版/横浜市 神奈川県/ストリートビュー・8月 2018」及び「現在表示中の画像撮影日:8月 2018」の記載があり、その右側に、店舗外観を斜め前から撮影した写真を拡大した画像がある。そして、当該画像には、店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、上記(ウ)と同様に、筆記体風に表された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されている。さらに、当該店舗画像の下部には、上記(ア)と同様の地図上の位置に「ルーチェ ツナシマ/(Luce TSUNASHIMA)」の位置情報が表示されている(乙31の6)。
イ 「Luce」及び「ルーチェ」の語について
(ア)「みんなで作る/ネーミング辞典」のウェブページ(印刷日:2018/07/26)において、「光(ひかり)のイタリア語/ルーチェ/luce」の記載がある(乙1)。
(イ)「oKamura」のウェブページ(印刷日:2018/07/24)において、「Luce」の項目に「アクティブなワークシーンに、最適な座り心地を。」の記載の下、「ロボットテクノロジーのノウハウとオカムラの技術により誕生したマルチパーパスシーティングLuce[ルーチェ]。」の記載と共に商品「椅子」の画像がある(乙2)。
(ウ)「BELLE MAISON」のウェブページ(印刷日:2018/07/24)において、「通販のベルメゾンネットTOP>ギフトTOP>カタログギフトTOP>Luce 高価格カタログギフト」の記載の下、「高額なお祝いのお返し、大切な方への贈り物に・・・」の記載と共に、「MUSUBI Luce(むすびルーチェ)は、信頼のブランドや伝統ある老舗の品物を取り揃えた高級カタログギフトです。」の記載及び表紙に筆記体風の書体で「Luce」の欧文字が記載された商品カタログとおぼしき冊子の画像がある(乙3)。
(エ)「Tombow」のウェブページ(印刷日:2018/07/24)の第1頁において、「ホーム > 商品情報 > LUCE/ルーチェ」の記載の下、「多機能ペン/LUCE」、「上質感と機能性を追求したパーソナル多機能ペン『LUCE』。」等の記載と共にペンの画像がある。また、第2頁には、「ラインナップ」として「LUCE 多機能ペン ルーチェ」の記載及び「”ルーチェ”とはイタリア語で『光』の意味。」の記載がある(乙4)。
(オ)「WINE & CAFE RESTAURANT/LA Luce」のウェブページ(印刷日:2018/07/24)において、「陽だまりダイニング。」のタイトルの下、「『ラ・ルーチェ』は地中海が香るレストラン&カフェ。」及び「”Luce”はイタリア語で『光』。」の記載がある(乙5)。
(カ)「GINZA/DIAMOND SHIRAISHI」のウェブページ(印刷日:2018/07/24)において、「結婚指輪(マリッジリング)のタイトルの下、「Luce/ルーチェ/イタリア語で光を意味するLUCE(ルーチェ)」の記載と共に指輪の画像がある(乙6)。
(キ)「TENJIN/LUCE」のウェブページ(印刷日:2018/07/24)において、「access」の項に「天神ルーチェ」の記載と共に地図上に所在地の表示があり、「concept」の項に「ルーチェ(LUCE)とはイタリア語で『光』のこと。天神エリアの新たな方向性を示し導く存在として、また、行き交う人達を誘う光の標として、西通りの入口に灯火輝く商業施設 ”天神ルーチェ” を創造します。」の記載がある(乙7、乙8)。
2 判断
上記1によれば、以下のとおり判断することができる。
(1)使用者について
被請求人(商標権者)の名称及び住所は、上記1(1)アないしウに係る「履歴事項全部証明書」、「美容所適合確認書」及びウェブページに記載された株式会社の名称及び住所と一致することから、被請求人(商標権者)は、「横浜市港北区綱島西1-4-13 パークサイドレジデンス2階-c」所在の美容室「Luce 綱島」の経営者であり、同店舗での商標の使用者は、本件商標権者(被請求人)であるといえる。
(2)使用役務について
ア 「ルーチェ 綱島」の「メニュー表」の写しとされる書面には、上記1(1)エのとおり、「高濃度炭酸泉ヘッドスパ」、「ヘッドスパ」、「Head SPA」の項目及び金額の記載があり、株式会社Mallowの代表取締役の陳述書によれば、これらの書面は、2018年(平成30年)1月に被請求人からLuce綱島のメニューブックに入れて使用する料金表の作成依頼を受け、同年2月5日に納品されたものであり、この料金表の作成に関し同社が発行したとされる請求書の記載内容もこの陳述の内容と矛盾するものではない。
また、2018年から「Luce 綱島」の店長を務めるM氏による陳述書(乙35)によれば、同店では、遅くとも2016年の春にはヘッドスパのサービス提供を開始し、2019年7月30日現在も当該サービスの提供していること、上記「メニュー表」とされる書面は同店で2018年2月から使用しているものであることがうかがえる。
さらに、ヘアサロン・リラク&ビューティーサロン検索・予約サイトであるHPBサイトにおいて、上記1(1)キのとおり、被請求人の店舗は、「Luce 綱島/ルーチェ ツナシマ」及び「神奈川県横浜市港北区綱島西1-4-13 2F-2C/綱島駅西口」として紹介され、「ルーチェ綱島(Luce)の口コミ」の記事において、同店舗において提供された「ヘッドスパ」に関する投稿が、2016年8月から2018年6月にかけて、9件確認できる。
以上を総合すれば、遅くとも2018年(平成30年)2月には、神奈川県横浜市に所在の「Luce 綱島」において、顧客に対して「ヘッドスパ」なる役務を提供していたことを認めることができる。
イ 上記アのとおり、被請求人は、「Luce 綱島」において「ヘッドスパ」なる役務を提供していることが認められるところ、「ヘッドスパ」は、上記1(1)クのとおり、「頭皮の洗浄、マッサージなどを施し、髪そのものと頭皮を活性化させる行為。」あるいは「頭皮の洗浄やマッサージを通じて全身の活性化とリラクセーションを追求する施術」とされ、顧客に対して「頭皮のツボの指圧、・・・人の手によるマッサージなど」を提供することを主な内容とするものであることからすれば、当該役務は、取消請求役務中「頭皮のマッサージ」に該当するものといえる。
(3)使用商標について
「Luce 綱島」が所在する住所における店舗が撮影されたGoogleストリートビューに掲載された写真の画像には、上記1(2)アのとおり、店舗前の入り口横の外壁の上部及び店舗前のポールに掲げられた楕円形の看板中に、筆記体風に表され、「c」の文字の上部に装飾が施された「Luce」の欧文字からなる標章が表示されており、これらの標章のうち、前者は使用商標5に、後者は使用商標6に該当するものである。
(4)社会通念上同一の商標について
本件商標は、欧文字「Luce」及び片仮名「ルーチェ」をややスペースを空けて横書きしてなるところ、我が国において「Luce」及び「ルーチェ」の文字は、上記1(2)イのとおり、「光」の意味を有するイタリア語の「Luce」を語源とした外来語として様々な分野の商品名等において、広く採択されている語であることからすれば、本件商標中の「Luce」と「ルーチェ」の文字部分は、「光」の観念において同一であるいうことができ、「ルーチェ」の片仮名は、欧文字「Luce」の読みを表したものとみるのが自然である。そうすると、本件商標は「ルーチェ」の称呼を生じ、「光」の観念を生じるものというのが相当である。
一方、使用商標5及び使用商標6は、いずれも「c」の文字の上部に若干の装飾が施されているものの、そのデザインの程度は高いものとはいえず、外観上「Luce」の欧文字を筆記体風に表したものであることを容易に認識させるものである。そして、その構成文字は、上記のとおり、「ルーチェ」の称呼を生じ、「光」の観念を生じるものである。
してみれば、使用商標5及び使用商標6は、筆記体風に表された「Luce」の欧文字のみからなるものであるとしても、本件商標の欧文字部分と同一であり、該欧文字部分のみを使用したことによって、本件商標の称呼及び観念が変わるというものではなく、使用商標5及び使用商標6は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。
(5)使用時期について
「Luce 綱島」が所在する住所における店舗が撮影されたGoogleストリートビューに掲載された写真の画像には、上記(2)アのとおり、写真の撮影日として、「2015年5月」、「2016年5月」、「2017年6月」及び「2018年8月」との記載があることから、2015年5から2018年5月にかけて「Luce 綱島」の店舗において使用商標5及び使用商標6が表示されていたことが認められる。
また、遅くとも2018年(平成30年)2月には、「Luce 綱島」において、顧客に対して「ヘッドスパ」の役務を提供していたことを認めることができる。
してみれば、「Luce 綱島」において、少なくとも、要証期間内である、2018年(平成30年)2月から同年5月にかけて「ヘッドスパ」について使用商標5及び使用商標6が使用されていたといえる。
(6)小括
上記(1)ないし(5)によれば、本件商標の商標権者は、要証期間内に取消請求役務中、「頭皮のマッサージ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、「神奈川県横浜市港北区綱島西1丁目4-13 2F2C」所在の被請求人の店舗「Luce 綱島」の外壁及び看板に使用していたということができる。そして、上記使用行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当する商標の使用ということができる。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、被請求人が立証しようとしている役務は、美容(美容院業務)や頭皮及び頭髪の手入れ、エステティック美容の範疇に属した美容院での附帯サービスの一環としての役務であって、医療類似行為に属する役務「頭皮のマッサージ」とは全く相違する役務である旨主張している。
しかしながら、被請求人が提供する「ヘッドスパ」は、「高濃度炭酸泉を用いて頭皮をマッサージし、頭皮の血行を効果的に促進する」ものであり(乙35)、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくする役務である「美容」とは提供の手段、目的、内容等が異なるものであることからすれば、「美容」とは異なる役務であって、「頭皮のマッサージ」に該当するものというのが相当である。また、指定役務「頭皮のマッサージ」があん摩マッサージ指圧師により提供される医療類似行為に限定されるべき証左を見いだすことはできない。
(2)請求人は、本件商標は「ルーチェルーチェ」、「ルーセルーチェ」、「ルーゼルーチェ」あるいは「リュスルーチェ」の称呼も生じ、常に「Luce」と「ルーチェ」とが一連一体に認識される商標構成である旨主張している。
しかしながら、「Luce」及び「ルーチェ」の文字は、前述のとおり、「光」の意味を有するイタリア語の「Luce」を語源とした外来語であり、また、我が国においては片仮名が欧文字の読みを特定するために用いられることも多いことからすれば、本件商標が横書きされるものであったとしても、その構成中の「ルーチェ」の片仮名は欧文字「Luce」の読みを表したものであって、これより「ルーチェ」の称呼が生じるとみるべきであり、これらの文字が常に一体のものとして認識され、「ルーチェルーチェ」等、構成文字の全てを発音した称呼のみが生じるものというのは不自然であるといわざるを得ない。
(3)請求人は、使用商標は、いずれも「ルーチェツナシマ」、「LuceTSUNASHIMA」、「ルーチェ綱島」と表現されており、各文字全体がまとまり良く配されており、それぞれが外観においても一体性を有しているから、これらの商標からは「ルーチェツナシマ」の称呼が生じるにすぎない旨主張している。
しかしながら、使用商標5における「TSUNASHIMA」の文字は、「Luce」の文字部分の下段に小さく表示されており、「Luce」の文字部分が看者の注意をひくものであることに加え、店舗の所在地の地名である「綱島」のローマ字表記であって、役務の提供の場所を表したものと認識される識別力の弱い文字であって、「Luce」の文字部分が独立して出所記別標識としての機能を果たし得るものであることからすれば、使用商標5は、「Luce」の欧文字に相応して「ルーチェ」の称呼を生じるものというのが相当である。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定役務に含まれる「頭皮のマッサージ」について本件商標の使用をしていることを証明したといえる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2020-12-03 
結審通知日 2020-12-08 
審決日 2020-12-23 
出願番号 商願2014-71794(T2014-71794) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 小田 昌子
鈴木 雅也
登録日 2015-01-09 
登録番号 商標登録第5732068号(T5732068) 
商標の称呼 ルーチェルーチェ、ルーチェ、ルーセ、ルース 
代理人 大槻 聡 
代理人 特許業務法人アズテックIP 
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