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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W43 審判 全部申立て 登録を維持 W43 審判 全部申立て 登録を維持 W43 |
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管理番号 | 1371029 |
異議申立番号 | 異議2020-900061 |
総通号数 | 255 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-03-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-03-02 |
確定日 | 2021-01-29 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6219244号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6219244号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6219244号商標(以下「本件商標」という。)は、「味自慢相撲鶏」の文字を標準文字で表してなり、令和元年11月14日に登録出願,第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同2年1月8日に登録査定,同月23日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件登録異議の申立ての理由において引用する登録第5679708号商標(以下「引用商標」という。)は、「相撲鶏」の文字を標準文字で表してなり、平成25年12月17日に登録出願、第43類「日本料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同26年6月20日に設定登録されたものであり、現在有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 申立理由の要点 本件商標は、漢字よりなるものであるから「スモートリ」の称呼が生ずる。これに対し、引用商標は「相撲鶏」の文字より「スモートリ」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「スモートリ」の称呼を共通にする類似のものである。また、本件商標と引用商標は、その指定役務も同一又は類似のものである。 2 本件商標と引用商標との対比 本件商標は、「味自慢相撲鶏」の漢字を書してなるものであり、「味自慢」と「相撲鶏」とは、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものと認められない。 「味自慢」は、Googleの検索結果には、「味自慢@沖縄の居酒屋チェーン」、「[味自慢福岡店]出前メニュー一覧」、「[味自慢福岡店/寿司の宅配・デリバリー]、「博多味自慢・福岡の在宅寿司」、「味自慢美浜店」、「『ミライザカ』の新コース[彩り味自慢コース]をご賞味ください」、「味自慢(@a_zzman/Twitter」と記載され(甲3の1、甲3の2)、Bingの検索結果には、「令和元年度千葉なし味自慢コンテスト」、「味が自慢の鍋居酒屋 笑楽村」、「味自慢 東新宿/韓国料理」、「味自慢の画像」、「農家の味自慢」、「三重の味自慢」と記載され(甲4の1?甲4の3)、さらに甲第4号証の「味自慢の画像」をクリックした出力画像に、「味自慢ラーメン」、「味自慢お好み焼」、「だし醤油味自慢」、「味自慢たこ焼き」、「味自慢フライドポテト」、「味自慢ギョーザ」、「味自慢大福」、「味自慢年越しそば」などと掲載されている(甲5の1?甲5の3)。 以上の記載又は掲載によれば、飲食店の業界では、例えば「味自慢○○○」というように、「味自慢」を接頭語のようにして「○○○」の部分を変えて一般的に使用されており、飲食業界においては「味自慢」は出所識別力を有さないことが明らかである。 また、「味自慢」を接頭語のようにして「○○○」の部分を変えて一般的に使用されていることからすれば、「味自慢」と「相撲鶏」とは、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものと認めらないことは明らかであり、「味自慢」は出所識別標識としての称呼、観念が生じないことが明らかである。 よって、「味自慢」と「相撲鶏」とは分離観察すべきであり、本件商標の類否判断に当たっては、「味自慢」と「相撲鶏」に分離され、「味自慢」は飲食店の同業者が一般的に広く使用しているので出所識別標識としての称呼、観念が生じない。 3 まとめ 本件商標の構成中の「相撲鶏」を、引用商標の「相撲鶏」と類否判断すると、外観は「相撲鶏」であるから同一漢字3文字で横書きに構成され同一であり、称呼は「スモートリ」、「スモードリ」及び「スモーニワトリ」のうちのいずれかで同一であり(甲1の2、甲2)、観念も3文字の同一漢字からなる構成で同一であるので、両商標は同一又は類似である。 そして、本件商標と引用商標の指定役務は、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、「味自慢相撲鶏」の漢字を標準文字で表してなるものであり、当該文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりのよい一体的な印象を与えるものである。 また、その構成文字全体より生ずる「アジジマンスモウトリ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、構成文字全体として一般の辞書等には掲載されていないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「アジジマンスモウトリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、「相撲鶏」の漢字を標準文字で表してなり、該構成文字に相応して「スモウトリ」の称呼を生じ、また、構成文字全体として一般の辞書等には掲載されていないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。 そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「スモウトリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであるから、全体の構成文字が相違し、両者の外観は明確に区別できるものである。 次に、本件商標から生じる「アジジマンスモウトリ」の称呼と、引用商標から生じる「スモウトリ」の称呼を比較すると、語頭における「アジジマン」の音の有無という差異を有し、両者をそれぞれ一連に称呼したときは、明瞭に聴別し得るものであるから、両者は、称呼上、相紛れるおそれはない。 さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相違するものであり、これらを総合して判断すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。 (4)小括 本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、その指定役務の類否について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (5)申立人の主張について 申立人は、本件商標は、「味自慢」と「相撲鶏」とは、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものと認められない旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、本件商標は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりのよい一体的な印象を与えるものであり、いずれかの文字部分のみが強く支配的な印象を与えるものではなく、また、いずれかの文字部分が出所表示識別標識としての称呼、観念を生じないということもできないものであって、本件商標と引用商標の類否の検討においては、本件商標の構成全体から生じる称呼及び観念等をもって類否を検討すべきであるから、申立人のかかる主張を採用することはできない。 また、申立人は、飲食店の業界では、「味自慢○○○」のように、「味自慢」を接頭語のようにして「○○○」の部分を変えて一般的に使用されているから、「味自慢」の文字は、出所識別標識としての称呼、観念が生じない旨主張し、証拠として、Google及びBingのインターネット情報の検索結果や、味自慢の画像を提出している(甲3?甲5(枝番号を含む。))。 しかしながら、上記インターネット情報の検索結果における「味自慢」の文字は、その多くが接頭語としてではなく、店名又は店名の一部として使用されているものであって、「味自慢」の文字が役務の質等を表す接頭語として一般的に使用されている証左とはいえないこと、「味自慢」の画像が、どこで、どのように使用されているのか等取引の実情も不明であり、かつ、これらに関する具体的な証拠の提出もないことからすれば、上記証拠に基づいて指定役務の業界において、「味自慢」の文字が出所識別力を有さないと認定することはできない。 したがって、「飲食物の提供」に関連する役務の分野において、「味自慢」の文字が出所識別標識としての称呼、観念を生じないということはできないから、申立人のかかる主張も採用することはできない。 2 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当せず、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2020-12-23 |
出願番号 | 商願2019-144390(T2019-144390) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W43)
T 1 651・ 263- Y (W43) T 1 651・ 261- Y (W43) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎、宮崎 愛 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
青野 紀子 鈴木 雅也 |
登録日 | 2020-01-23 |
登録番号 | 商標登録第6219244号(T6219244) |
権利者 | 株式会社ハチハチ |
商標の称呼 | アジジマンスモートリ、アジジマンスモードリ、アジジマンスモーニワトリ、アジジマン、スモートリ、スモードリ、スモーニワトリ |
代理人 | 田村 善光 |