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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09 |
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管理番号 | 1370964 |
審判番号 | 取消2019-300586 |
総通号数 | 255 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-03-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2019-07-26 |
確定日 | 2021-01-04 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4654898号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4654898号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「浮袋,水泳用浮き板」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4654898号商標(以下「本件商標」という。)は、「SINARY」の欧文字と「シナリ」の片仮名を上下二段に横書きした構成よりなり、平成12年12月22日に登録出願、第9類「浮袋,水泳用浮き板」を含む第3類、第5類、第9類、第14類、第16類、第18類、第21類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年3月20日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年8月15日である。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「浮袋,水泳用浮き板」(以下「請求に係る商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していないものであるから、商標法第50条の規定により、その登録は取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 被請求人が、本件商標を請求に係る商品について、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に日本国内において使用していないことは、商標法第50条第2項ただし書に規定する正当な理由に該当するものではない。 商標法第50条第2項ただし書に規定する正当な理由とは、例えば、その商標の使用をする予定の商品の生産の準備中に天災地位等によって工場等が損壊した結果その使用ができなかったような場合、時限立法によって一定期間(3年以上)その商標の使用が禁止された場合等を指すのであって、被請求人が主張する、商品の生産の企画があるものの、他の業務が多忙であることから、企画が実行に移されていなかったような場合は、商標法第50条第2項ただし書に規定する正当な理由にはあたらない。 よって、被請求人は、本件商標を、請求に係る商品について、要証期間に日本国内において使用していなかったことについて正当な理由を有するものではない。 また、被請求人が、本件商標を請求に係る商品について、要証期間に日本国内において使用していないことは明らかである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。 本件商標登録当時、本件商標を付した浮袋、水泳用浮き板を制作し、これを販売するという企画(以下「本件企画」という。)が被請求人内部において立ち上がっていた。 本件企画は継続的に検討が進められてきたが、被請求人の主たる業務である化粧品関連事業の企画・開発が多忙を極めていたことから、本件企画は企画段階に留まってきたものである。 しかし、本件企画の中止が決定されたことは一度としてなく、機会を見計らって本件企画の制作化を実現し、販売を開始する意向を有している。 よって、被請求人の本件商標の不使用には正当な理由があるから、商標法第50条第2項ただし書が適用される。 第4 当審の判断 1 商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」の有無について 商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」とは、地震、水害等の不可抗力、放火、破壊等の第三者の故意又は過失による事由、法令による禁止等の公権力の発動に係る事由等商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰することができない事由が発生したために使用をすることができなかった場合をいうと解すべきである。(東京高等裁判所 平成7年(行ケ)第124号判決、知的財産高等裁判所 平成20年(行ケ)第10160号判決、知的財産高等裁判所 平成22年(行ケ)第10012号判決 参照) これに対し、被請求人が主張する事由は、自己の業務が多忙であるが故に、請求に係る商品について本件商標を付して販売するという企画を実現し得なかったというものであり、専ら被請求人の事情によるものであって、その責めに帰すことができない事由とは認めることができない。 そうすると、被請求人の主張する上記事由は、商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」には当たらないというべきであって、その他、本件商標に関し、上記「正当な理由」があることは何ら認められない。 2 本件商標の使用の有無について 被請求人は、前記第3のとおり、要証期間に請求に係る商品のいずれについても本件商標の使用をしていないことを自認しており、本件商標の使用をしていることに関して何ら主張、立証していない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る商品のいずれかについての本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したとはいえず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-11-02 |
結審通知日 | 2020-11-05 |
審決日 | 2020-11-25 |
出願番号 | 商願2000-138155(T2000-138155) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Z09)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
中束 としえ |
特許庁審判官 |
板谷 玲子 山田 啓之 |
登録日 | 2003-03-20 |
登録番号 | 商標登録第4654898号(T4654898) |
商標の称呼 | シナリ、シナリー |
代理人 | 山口 栄一 |
代理人 | 中村 知公 |
代理人 | 近藤 美智子 |
代理人 | 大井 法子 |
代理人 | 前田 大輔 |
代理人 | 朝倉 美知 |
代理人 | 伊藤 孝太郎 |