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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2018890034 審決 商標
無効2020890016 審決 商標
無効2018890072 審決 商標

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審決分類 審判 一部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W30
審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W30
審判 一部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W30
審判 一部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W30
審判 一部無効 商品と役務の類否 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W30
審判 一部無効 商品(役務)の類否 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W30
管理番号 1368289 
審判番号 無効2020-890017 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2020-02-18 
確定日 2020-10-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第6118549号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第6118549号の指定商品中,第30類「スープ付き中華そばの麺,スープ付き即席中華そばの麺,具及びスープ付き中華そばの麺,具及びスープ付き即席中華そばの麺,中華そばの麺,即席中華そばの麺,めん類,ぎょうざの皮,穀物の加工品,穀物調整品,みそ,食塩,調味料,とうがらし粉,こしょう粉,こしょう,刻んだにんにく(香辛料),香辛料,調理済みラーメン,レトルト処理された調理済みラーメン,調理済み麺類,ぎょうざ,チャーハン,しゅうまい,すし,弁当,たこ焼き,ラビオリ,お好み焼,おにぎり,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,茶,茶飲料,コーヒー,コーヒー飲料,ココア,ココア飲料,チョコレート飲料」についての登録を無効とする。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第6118549号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成30年5月8日に登録出願,第30類「スープ付き中華そばの麺,スープ付き即席中華そばの麺,具及びスープ付き中華そばの麺,具及びスープ付き即席中華そばの麺,中華そばの麺,即席中華そばの麺,めん類,ぎょうざの皮,穀物の加工品,穀物調整品,中華そば用スープ,中華そば用スープのもと,中華そばめん用濃縮たれ,みそ,しょうゆ,食塩,そばつゆ,調味料,とうがらし粉,こしょう粉,こしょう,刻んだにんにく(香辛料),香辛料,調理済みラーメン,レトルト処理された調理済みラーメン,調理済み麺類,ぎょうざ,チャーハン,しゅうまい,すし,弁当,たこ焼き,ラビオリ,お好み焼,おにぎり,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,食用小麦粉,中華そば用の食用粉類,食用粉類,食用穀粉,茶,茶飲料,コーヒー,コーヒー飲料,ココア,ココア飲料,チョコレート飲料」を指定商品として,同年12月26日に登録査定,同31年2月1日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が,本件商標の登録の無効の理由において,引用する登録商標は,以下の26件の商標であり(以下これらをまとめて「引用商標」という。),いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第1149884号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,昭和33年5月16日に登録出願,第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同50年9月1日に設定登録され,その後,指定商品については,平成19年7月18日に第30類「みそ,ごま塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アーモンドペースト,酒かす,みりんかす,甘酒,みつ豆,ゆであずき」のほか,第29類,第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
2 登録第1535559号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,昭和48年5月14日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同57年8月27日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年6月2日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がされたものである。
3 登録第1558517号商標(以下「引用商標3」という。)は,「TAKARA」の欧文字を横書きしてなり,昭和45年9月2日に登録出願,第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同57年12月24日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年7月14日に第1類「人工甘味料」,第5類「乳糖,乳児用粉乳」,第29類「食用油脂,乳製品」,第30類「調味料(しょうゆ・食酢・ウースターソース・ケチャップソース・マヨネーズソース・ドレッシング・酢の素・ホワイトソースを除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」,第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がされ,同24年10月30日に指定商品を第29類,第30類及び第32類についてのみ商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
4 登録第1558518号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,昭和45年9月2日に登録出願,第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同57年12月24日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年7月14日に第1類「人工甘味料」,第5類「乳糖,乳児用粉乳」,第29類「食用油脂,乳製品」,第30類「調味料(しょうゆ・食酢・ウースターソース・ケチャップソース・マヨネーズソース・ドレッシング・酢の素・ホワイトソースを除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」,第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がされ,同24年10月30日に指定商品を第29類,第30類及び第32類についてのみ商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
5 登録第1648395号商標(以下「引用商標5」という。)は,「宝」の漢字を書してなり,昭和56年5月28日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同59年1月26日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年10月20日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がされたものである。
6 登録第1648396号商標(以下「引用商標6」という。)は,「タカラ」の片仮名を横書きしてなり,昭和56年5月28日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同59年1月26日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年10月20日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がされたものである。
7 登録第1648397号商標(以下「引用商標7」という。)は,「TAKARA」の欧文字を横書きしてなり,昭和56年5月28日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同59年1月26日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年10月20日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がされたものである。
8 登録第2066598号商標(以下「引用商標8」という。)は,「タカラ」の片仮名及び「宝」の漢字を上下2段に横書きしてなり,昭和56年1月20日に登録出願,第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年7月22日に設定登録され,その後,指定商品については,平成22年2月3日に第1類「人工甘味料」,第5類「乳糖,乳児用粉乳」,第29類「食用油脂,乳製品」,第30類「調味料(但ししょうゆ・食酢・ウースターソース・ケチャップソース・マヨネーズソース・ドレッシング・酢の素・ホワイトソースを除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」,第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がされたものである。
9 登録第2164234号商標(以下「引用商標9」という。)は,別掲4のとおりの構成からなり,昭和59年6月20日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成元年8月31日に設定登録され,その後,指定商品については,同22年10月13日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がされたものである。
10 登録第2312832号商標(以下「引用商標10」という。)は,「宝」の漢字を書してなり,昭和58年3月3日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成3年6月28日に設定登録され,その後,指定商品については,同16年5月26日に別掲5のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
11 登録第2312833号商標(以下「引用商標11」という。)は,ややデザイン化した「タカラ」の片仮名を横書きしてなり,昭和58年3月3日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成3年6月28日に設定登録され,その後,指定商品については,同16年5月26日に別掲5のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
12 登録第2312834号商標(以下「引用商標12」という。)は,「TAKARA」の欧文字を横書きしてなり,昭和58年3月3日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成3年6月28日に設定登録され,その後,指定商品については,同16年5月26日に別掲5のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
13 登録第2430759号商標(以下「引用商標13」という。)は,「TAKARA」の欧文字を横書きしてなり,昭和50年2月17日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成4年6月30日に設定登録され,その後,指定商品については,同18年9月20日に別掲6のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
14 登録第2430761号商標(以下「引用商標14」という。)は,「宝」の漢字を書してなり,昭和50年2月17日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成4年6月30日に設定登録され,その後,指定商品については,同18年9月6日に別掲6のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
15 登録第2491034号商標(以下「引用商標15」という。)は,「タカラ」の片仮名を横書きしてなり,昭和57年4月22日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成4年12月25日に設定登録され,その後,指定商品については,同17年2月2日に別掲7のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
16 登録第2566324号商標(以下「引用商標16」という。)は,別掲8のとおりの構成からなり,昭和60年7月12日に登録出願,第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成5年8月31日に設定登録され,その後,指定商品については,同15年10月8日に第30類「菓子」とする書換登録がされたものである。
17 登録第4066233号商標(以下「引用商標17」という。)は,「TaKaRa」の欧文字を横書きしてなり,平成5年6月29日に登録出願,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),穀物の加工品,(但し、強化米を除く。)サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として,平成9年10月9日に設定登録されたものである。
18 登録第4278682号商標(以下「引用商標18」という。)は,別掲4のとおりの構成からなり,昭和59年6月20日に登録出願,第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成11年6月4日に設定登録され,その後,指定商品については,同22年9月22日に第1類「人工甘味料」,第5類「乳糖,乳児用粉乳」,第29類「食用油脂,乳製品」,第30類「調味料(但し,しょうゆ,食酢,ウースターソース,ケチャップ,マヨネーズ,ドレッシング,酢の素,ホワイトソースを除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」,第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がされたものである。
19 登録第4643150号商標(以下「引用商標19」という。)は,「タカラ」の片仮名及び「宝」の漢字を上下2段に横書きしてなり,平成12年10月18日に登録出願,第30類「イノシン酸・グルタミン酸ソーダを混合して成る粉末状のだし用うま味調味料,その他の化学調味料」を指定商品として,同15年2月7日に設定登録されたものである。
20 登録第5229915号商標(以下「引用商標20」という。)は,「TaKaRa」の文字を標準文字で表してなり,平成19年7月2日に登録出願,別掲9のとおりの役務を指定役務として,同21年5月15日に設定登録されたものである。
21 登録第5229916号商標(以下「引用商標21」という。)は,「宝」の文字を標準文字で表してなり,平成19年7月2日に登録出願,別掲9のとおりの役務を指定役務として,同21年5月15日に設定登録されたものである。
22 登録第5229917号商標(以下「引用商標22」という。)は,「タカラ」の文字を標準文字で表してなり,平成19年7月2日に登録出願,別掲9のとおりの役務を指定役務として,同21年5月15日に設定登録されたものである。
23 登録第5790570号商標(以下「引用商標23」という。)は,「宝」の漢字を書してなり,平成27年5月14日に登録出願,第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」を指定商品として,同27年9月4日に設定登録されたものである。
24 登録第5896399号商標(以下「引用商標24」という。)は,別掲10のとおりの構成からなり,平成27年12月17日に登録出願,第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,氷,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類」を指定商品として,同28年11月11日に設定登録されたものである。
25 登録第5938244号商標(以下「引用商標25」という。)は,別掲10のとおりの構成からなり,平成27年12月17日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のほか,第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同29年4月7日に設定登録されたものである。
26 登録第6084711号商標(以下「引用商標26」という。)は「宝」の文字を標準文字で表してなり,平成29年11月6日に登録出願,第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,氷,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料(「ウースターソース・グレービーソース・ケチャップソース・しょうゆ・食酢・酢の素・そばつゆ・ドレッシング・ホワイトソース・マヨネーズソース・焼肉のたれ」を除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,ふ,ふやき菓子,みそ汁・すまし汁の具として用いられるふ,みそ汁・すまし汁の具を挟み込んだふやき菓子」を指定商品として,同30年9月28日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第42号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求人商標の周知・著名性について
(1)請求人は,大正14年(1925年)9月に「寳酒造株式会社」として設立され,以来,我が国屈指の酒類及び調味料・飲料・食料品,並びにバイオ関連製品の総合メーカーとして成長を遂げ,平成14年(2002年)4月1日付で,持株会社「宝ホールディングス株式会社」へと移行したものであって,子会社として新たに設立し国内の酒類・調味料事業を担う「宝酒造株式会社」や,海外で日本食材卸事業や酒類事業を展開する「宝酒造インターナショナル株式会社」,バイオ事業を担う「タカラバイオ株式会社」などを傘下に置き,宝グループ全体の経営を統括するものである(甲29?33)。
(2)これらの宝グループの製品にはいずれも,「寶(宝/タカラ)」印と称呼観念される「寶(宝)」,「タカラ」,「TaKaRa」の文字からなる商標,あるいはこれらを要部とする商標(以下これらをまとめて「請求人商標」という。)が,ハウスマーク及びその業務に係る商品の商標として永年にわたって使用されており,これらの商標は,本件商標の登録出願前には既に,取引者・需要者において広く認識されるに至っていたものである。
(3)「寶(宝)」商標は,設立以前の前身の個人経営・合名会社の時代から現在に至るまで焼酎及びみりんについて使用されているものであって,早くに著名性を獲得していることは,東京高裁昭和36年(行ナ)第65判決(甲36)並びにその上告審である最高裁昭和38年(オ)第914判決(甲37)によって法律的判断が確立しているところであり,さらにその後の東京高裁昭和55年(行ケ)第234号判決(合議体注:「第243号判決」の誤記と認める。)(甲38)並びにその上告審である最高裁昭和56年(行ツ)第141号判決(甲39)においても確認されているところである。
(4)片仮名の「タカラ」商標も,前記「寶(宝)」商標と並んで,みりん,焼酎,料理用清酒,チューハイ等のソフトアルコール飲料等について永年使用され,著名な商標となっている。
そして,同商標は,第30類の指定商品について,防護標章登録を受けている(甲35の3,甲35の4)。
(5)英文字「TaKaRa」商標は,チューハイ等のソフトアルコール飲料や,タカラバイオ株式会社の業務に係る大多数の商品について,また,八稜鏡輪郭内に「寶」の文字を表した図形とともに,宝ホールディングス株式会社や宝酒造インターナショナル株式会社,タカラバイオ株式会社等のハウスマークとして使用され,日本国内外に広く知られている。
(6)八稜鏡輪郭内に「寶」の文字を表した構成よりなる商標は,宝ホールディングス株式会社及び宝グループ各社のハウスマークとして,また,みりんや焼酎・チューハイ等の商品について,大々的に使用されている。
(7)以上のとおり,請求人商標は,請求人及びその子会社の宝グループ会社のハウスマークとして,また,その業務に係る商品の商標として,殊に,酒類やみりん・料理用清酒等の酒類調味料,加工食品の分野において,本件商標の登録出願前には既に,全国的に周知・著名なものとなっていたものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標は,勢いのある毛筆体で表された「寳龍創房」の文字と,その下に,その読みを表したとみられる「HORYU」と「SOBO」の英文字を配し,これらの右に,外側が太く内側が細い線よりなる二重の円輪郭,いわゆる母子円輪郭内に,肉太の毛筆体の「寳」の文字を表した図形を配した構成よりなるところ,この「寳」の文字を含む図形部分は,他の文字部分とは,図形と文字である点において著しく相違し,また書体も異なるから,視覚上,他の文字部分から分離・独立して看取されることは明らかである。
してみれば,本件商標は,その構成中,「寳」の文字を含む図形部分のみを抽出し,分離観察して類否判断することも妥当である。
そして,当該「寳」の文字を含む図形部分については,中央に顕著に表された「寳」の文字が圧倒的に強く支配的な印象を与えるものといえ,かつ,これらの要素を常に一体不可分のものと認識しなければならない特段の事情も見出せない。
そうとすれば,「寳」の文字を含む図形部分については,円輪郭の部分を捨象し,強く印象付けられる「寳」の文字部分を抽出して「寳」印と捉えて,該文字より生ずる称呼・観念をもって取引される場合も決して少なくないといえる。
この「寳」の文字は,「宝」の異体字であって,「宝」と同義・同音の同じ文字として広く通用している文字である(甲42)。
したがって,本件商標は,「寳」の文字に相応して,「タカラ(宝)」の称呼及び観念を生じる(甲36?甲40)。
(2)引用商標は,それぞれ前記したとおりの構成からなるから,「宝」「タカラ」「TAKARA」「TaKaRa」「寶」の構成文字に相応して,「タカラ(宝)」の称呼及び観念を生じること明らかである。
(3)してみれば,本件商標は,引用商標と「タカラ(宝)」の称呼及び観念を共通にし,「寳」と「宝」の同じ文字の異体字表記として構成文字も共通にする,出所混同のおそれのある類似の商標であり,かつ,指定商品についても,本件商標の指定商品中,第30類「スープ付き中華そばの麺,スープ付き即席中華そばの麺,具及びスープ付き中華そばの麺,具及びスープ付き即席中華そばの麺,中華そばの麺,即席中華そばの麺,めん類,ぎょうざの皮,穀物の加工品,穀物調整品,みそ,食塩,調味料,とうがらし粉,こしょう粉,こしょう,刻んだにんにく(香辛料),香辛料,調理済みラーメン,レトルト処理された調理済みラーメン,調理済み麺類,ぎょうざ,チャーハン,しゅうまい,すし,弁当,たこ焼き,ラビオリ,お好み焼,おにぎり,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,茶,茶飲料,コーヒー,コーヒー飲料,ココア,ココア飲料,チョコレート飲料」(以下「無効請求商品」という。)は,引用商標の指定商品及び指定役務と抵触する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)「寶(宝/タカラ)」印と称呼観念される請求人商標は,請求人及び請求人グループ会社のハウスマークとして,また,その業務に係る商品の商標として,殊に,酒類や,みりん・料理用清酒等の酒類調味料・加工食品の分野において,本件商標の登録出願前には既に,全国的に周知・著名なものとなっていたものである。
(2)請求人の旧商号は,「寳酒造株式会社」であって,異体字による表記「宝酒造株式会社」とともに長く使用されており(甲29),「寳」の文字は,請求人の商号の一部として親しまれてきた事実がある。
(3)本件の指定商品中,無効請求商品は,酒類や酒類調味料と,食品分野の商品である点において共通し,同一店舗,同一取引業者において取り扱われることが多く,需要者も共通にする。
また,企業の経営多角化により同一事業者によって多岐にわたる商品が製造・販売されることも多く,実際に,請求人のグループ会社の業務範囲も,調味料の他,これまでに清涼飲料やキノコ,健康食品等の食品分野に広く及んで業務を行ってきた実績がある。
してみれば,本件商標の指定商品中,無効請求商品は,酒類や酒類調味料と,販売部門・生産部門や用途,需要者・取引者の範囲が一致し,互いに密接な関連性を有するものといえる。
(4)そうとすれば,本件商標がその無効請求商品について使用された場合,これに接する取引者・需要者は,顕著に表された「寳」の文字部分に着目し,周知・著名な請求人及び請求人グループ会社の業務に係る商品であるかのごとく誤認して取引に当たる蓋然性が極めて高く,商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 被請求人の答弁
被請求人は,請求人の主張に対し何ら答弁していない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,別掲1に示すとおり,筆書き風の書体で表された「寳龍創房」の文字と,その下に,「HORYU」及び「SOBO」の文字を小さく2段に横書きし,当該「寳龍創房」の文字の右横に,外側を太くした黒塗り二重円輪郭内に内接するように太字で表された「寳」の文字(「寳」は「宝」の異体字。以下同じ。:甲42)をそれぞれ配した構成からなるものである(以下「二重円輪郭内に内接するように太字で表された『寳』の文字部分」を「太字『寳』部分」という。)。
また,本件商標は,その構成中,左側の下段に表された「HORYU」及び「SOBO」の欧文字は,同じく左側上段の「寳龍創房」の漢字の欧文字表記と認識されるものであるが,これらの欧文字及び漢字からなる文字部分と,本件商標中,右側に表された太字「寳」部分とは,書体も異なり,かつ,その構成に共通性もないものであることから,外観上分離して把握されるものであって,これらを分離して観察することが,取引上,不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。
そして,太字「寳」部分を囲む二重円輪郭は,単なる輪郭であることを超えて,「寳」の文字を特徴づけ,「寳」の文字以外の観念を与えるような特殊な意味合いを有するものと認めることができないから,本件商標の構成中,太字「寳」部分は,独立して本件商標の要部として自他商品の識別機能を果たし得るものである。
してみると,本件商標は,その構成中の太字「寳」部分から,当該文字に相応して,「タカラ」の称呼及び「宝(貴重な品物。大切な財物。)」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店)の観念(以下「『宝』の観念」という。)が生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は,前記第2のとおり,「TAKARA」,「宝」,「タカラ」,「TaKaRa」又はややデザイン化された「宝」の異体字「寶」の文字(甲42)のみからなるもの,又はそれらの文字をその構成中に含むものである。
してみると,引用商標は,いずれもその構成文字に相応して,「タカラ」の称呼を生じ,「宝」の観念を生じるというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観について
本件商標と引用商標を比較するに,外観については,全体の構成は異なるものであるが,本件商標の太字「寳」部分と引用商標を比較すると,両者は,円輪郭の有無,漢字と欧文字又は片仮名等の差異を有するものの,「寳」と「寶」又は「宝」とは,同じ「宝」の漢字又はその異体字であること,また,商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることも考慮すると,これらの差異は,本件商標と引用商標が全く別異のものであることを認識させるほどの外観上の顕著な差異として,強い印象を与えるものではないというべきであり,外観の差異は,商標の類否全体に大きな影響を与えるものではない。
イ 称呼について
本件商標及び引用商標からは,ともに「タカラ」の称呼を生じるものであるから,両者は称呼において共通する。
ウ 観念について
本件商標及び引用商標からは,ともに「宝」の観念を生じるものであるから,両者は観念において共通する。
エ 判断
以上のとおり,本件商標と引用商標は,「タカラ」の称呼及び「宝」の観念を共通にするものであり,外観において差異を有するとしても,その差異は,本件商標及び引用商標に接する者に対し,称呼及び観念を共通にすることによる類似性を凌駕する程の外観上の差異として認識されるとはいえないものであるから,両者の外観,称呼,観念等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
(4)無効請求商品と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
無効請求商品は,「スープ付き中華そばの麺,スープ付き即席中華そばの麺,具及びスープ付き中華そばの麺,具及びスープ付き即席中華そばの麺,中華そばの麺,即席中華そばの麺,めん類,ぎょうざの皮,穀物の加工品,穀物調整品,みそ,食塩,調味料,とうがらし粉,こしょう粉,こしょう,刻んだにんにく(香辛料),香辛料,調理済みラーメン,レトルト処理された調理済みラーメン,調理済み麺類,ぎょうざ,チャーハン,しゅうまい,すし,弁当,たこ焼き,ラビオリ,お好み焼,おにぎり,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,茶,茶飲料,コーヒー,コーヒー飲料,ココア,ココア飲料,チョコレート飲料」であるところ,これには,以下のアないしセの引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。また,以下のソ及びタの引用商標の指定役務は,無効請求商品に含まれる同一又は類似の商品を取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供であり,これらは一般的に同一業者によって提供又は販売され,需要者の範囲も一致することから,互いに類似するものである。
ア 引用商標1の指定商品中,第30類「みそ,ごま塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,甘酒,みつ豆,ゆであずき」
イ 引用商標2,引用商標5ないし引用商標7及び引用商標9の指定商品中,「茶,コーヒー,ココア」
ウ 引用商標3及び引用商標4の指定商品中,第30類「調味料(しょうゆ・食酢・ウースターソース・ケチャップソース・マヨネーズソース・ドレッシング・酢の素・ホワイトソースを除く。).香辛料」
エ 引用商標8の指定商品中,第1類「人工甘味料」,第5類「乳糖」及び第30類「調味料(但ししょうゆ・食酢・ウースターソース・ケチャップソース・マヨネーズソース・ドレッシング・酢の素・ホワイトソースを除く。),香辛料」
オ 引用商標18の指定商品中,第1類「人工甘味料」,第5類「乳糖」及び第30類「調味料(但し、しょうゆ,食酢,ウースターソース,ケチャップ,マヨネーズ,ドレッシング,酢の素,ホワイトソースを除く。),香辛料」
カ 引用商標10ないし12の指定商品中,第30類「穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,おせち詰め合わせ料理,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」
キ 引用商標13及び引用商標14の指定商品中,第29類「魚介類又は魚介類の加工品を主材とした惣菜,肉又は肉の加工品を主材とした惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜,果実又は果実の加工品を主材とした惣菜,魚・野菜を主材とするおせち料理の詰め合わせ」及び第30類「ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」
ク 引用商標15の指定商品中,第30類「穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」
ケ 引用商標16の指定商品「菓子」
コ 引用商標17の指定商品中,「コーヒー及びココア,茶,みそ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,穀物の加工品,(但し、強化米を除く。)サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン」
サ 引用商標19の指定商品,第30類「イノシン酸・グルタミン酸ソーダを混合して成る粉末状のだし用うま味調味料,その他の化学調味料」
シ 引用商標23の指定商品「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」
ス 引用商標24の指定商品中,「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」
セ 引用商標26の指定商品中,「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料(「ウースターソース・グレービーソース・ケチャップソース・しょうゆ・食酢・酢の素・そばつゆ・ドレッシング・ホワイトソース・マヨネーズソース・焼肉のたれ」を除く。),香辛料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,ふ,ふやき菓子,みそ汁・すまし汁の具として用いられるふ,みそ汁・すまし汁の具を挟み込んだふやき菓子」
ソ 引用商標20ないし引用商標22の指定役務中,第35類「飲食料品(「ウースターソース・グレービーソース・ケチャップソース・オイスターソース・中華調味用ソース・焼きそば用ソース・お好み焼きソース・その他の調味用ソース・だし入りしょうゆ・しょうゆ・食酢・酢の素・そばつゆ・うどんつゆ・だしつゆ・煮魚用つゆ・その他の調味用つゆ・中華風ドレッシング・だしわりドレッシング・ドレッシング・ホワイトソース・マヨネーズソース・焼肉のたれ・焼鳥のたれ・蒲焼のたれ・しゃぶしゃぶのたれ・その他の調味用たれ・だしの素・つゆの素・漬物用調味液・おでん用調味料・プロテイン・植物性油脂・しょ糖脂肪酸・デキストリンよりなる炊飯用調味液・五目おこわ調味液・辛子明太子漬込み調味液・イクラ漬込み調味液・カレー風味調味液・サザエ調味液・塩にうまみと酸味を配合した各種調味液のベース用調味液・工業用粉類・豆・米・脱穀済みのえん麦・脱穀済みの大麦・食用粉類・あわ・きび・ごま・そば・とうもろこし・ひえ・麦・籾米・もろこし」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
タ 引用商標25の指定役務中,「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
(5)小括
そうすると,本件商標と引用商標とは類似する商標であり,無効請求商品と引用商標の指定商品及び指定役務とは,同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,その指定商品中,無効請求商品について,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
商標法第4条第1項第15号は,「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第10号から前号までに掲げるものを除く。)」と規定されている。
したがって,本件商標は,上記1のとおり,商標法第4条第1項第11号に該当するものである以上,同項第15号に該当するとはいえない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,「結論掲記の指定商品」について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効とすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2,4)


別掲4(引用商標9,18)


別掲5(引用商標10?12の指定商品)
第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,おせち詰め合わせ料理,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,みりんかす,穀物を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,茶を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,コーヒーを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品」のほか,第29類,第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

別掲6(引用商標13,14の指定商品)
第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,海藻類を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,野菜を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,果実を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,キノコを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,植物を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,魚介類を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,豆を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,食肉を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,卵を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,ビタミンを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,カルシウムを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,アミノ酸を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,魚介類又は魚介類の加工品を主材とした惣菜,肉又は肉の加工品を主材とした惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とした惣菜,果実又は果実の加工品を主材とした惣菜,魚・野菜を主材とするおせち料理の詰め合わせ」,第30類「オリゴ糖を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,穀物を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,茶を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,コーヒーを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,カカオを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,コーヒー豆,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,みりんかす」のほか,第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

別掲7(引用商標15の指定商品)
第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,みりんかす,穀物を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,茶を原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品,コーヒーを原材料とする液状・ペースト状・ゼリー状・飴状・粉末状・粒状・顆粒状・カプセル状・錠剤状・固形状・ウエハース状又はビスケット状の加工食品」のほか,第29類,第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

別掲8(引用商標16)


別掲9(引用商標20?22の指定役務)
第35類「飲食料品(「ウースターソース・グレービーソース・ケチャップソース・オイスターソース・中華調味用ソース・焼きそば用ソース・お好み焼きソース・その他の調味用ソース・だし入りしょうゆ・しょうゆ・食酢・酢の素・そばつゆ・うどんつゆ・だしつゆ・煮魚用つゆ・その他の調味用つゆ・中華風ドレッシング・だしわりドレッシング・ドレッシング・ホワイトソース・マヨネーズソース・焼肉のたれ・焼鳥のたれ・蒲焼のたれ・しゃぶしゃぶのたれ・その他の調味用たれ・だしの素・つゆの素・漬物用調味液・おでん用調味料・プロテイン・植物性油脂・しょ糖脂肪酸・デキストリンよりなる炊飯用調味液・五目おこわ調味液・辛子明太子漬込み調味液・イクラ漬込み調味液・カレー風味調味液・サザエ調味液・塩にうまみと酸味を配合した各種調味液のベース用調味液・工業用粉類・豆・米・脱穀済みのえん麦・脱穀済みの大麦・食用粉類・あわ・きび・ごま・そば・とうもろこし・ひえ・麦・籾米・もろこし」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」

別掲10(引用商標24,25)


審理終結日 2020-08-25 
結審通知日 2020-08-27 
審決日 2020-09-15 
出願番号 商願2018-59337(T2018-59337) 
審決分類 T 1 12・ 263- Z (W30)
T 1 12・ 261- Z (W30)
T 1 12・ 262- Z (W30)
T 1 12・ 264- Z (W30)
T 1 12・ 271- Z (W30)
T 1 12・ 265- Z (W30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松浦 裕紀子 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 平澤 芳行
須田 亮一
登録日 2019-02-01 
登録番号 商標登録第6118549号(T6118549) 
商標の称呼 ホーリューソーボー、ホーリュー、ソーボー、タカラ、ホー 
代理人 太田 清子 
代理人 川野 陽輔 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 
代理人 江部 陽子 
代理人 佐川 慎悟 
代理人 大窪 智行 

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