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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W3637 |
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管理番号 | 1368239 |
審判番号 | 取消2019-300391 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2019-05-27 |
確定日 | 2020-10-19 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5800865号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5800865号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5800865号商標(以下「本件商標」という。)は,「逆瀬川住研」の文字を標準文字で表してなり,平成27年5月22日に登録出願,第36類「建物・土地の売買又は貸借の代理又は媒介,建物・土地の管理」及び第37類「建築一式工事及び土木一式工事の請負」を指定役務として,同年10月23日に設定登録されたものである。 そして,本件審判の請求の登録は,令和元年6月11日である。 以下,本件審判の請求の登録前3年以内の期間(平成28年6月11日ないし令和元年6月10日)を「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定役務について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)乙第1号証について 被請求人が書証として提出している月刊「住まいる通信」2017年1月号(乙1)には,被請求人の本社正面の写真が掲載されている。 しかしながら,当該写真に表示されている看板に記載されている文字が全て視認できるものではない。 すなわち,当該写真における看板正面側(写真内の右側)において,最上段に記載の文字群からは「注文」「リフォーム」の文字が視認でき,2段目の文字群は「ープ」の文字がかろうじて視認でき,3段目の文字群からは「逆」「川」「ハウジング」「株式会社」の文字が視認できるばかりで,当該写真から「逆瀬川住研グループ」の文字が明確に視認できるものではない。 すなわち,上記写真から,看板内でフォントの大きい文字で表記されている被請求人の会社名である「逆瀬川ハウジング株式会社」のうちの文字「瀬」ばかりか,最上段に表記された被請求人の役務の記載も視認できるものではない。ましてや,看板内でフォントの小さい文字で表記されている2段目の文字群が「逆瀬川住研グループ」であると認識することは不可能である。 したがって,乙第1号証に掲載されている上記写真から「逆瀬川住研クループ」なる表記が確認できるものとはいい難く,当該写真の掲載により,「逆瀬川住研グループ」の商標的使用に該当するものではない。 なお,被請求人は,月刊「住まいる通信」を2014年4月1日から発刊されている事実があるが,2014年4月1日発刊の(2014年)4月号(甲2)に掲載の写真も,乙第1号証における写真と同一の写真であり,「逆瀬川住研グループ」の文字が明確に視認できるものではない。 すなわち,被請求人発刊の月刊「住まいる通信」により,「逆瀬川住研グループ」の商標的使用がなされたものではないといえる。 したがって,被請求人の提出する証拠によっては,登録商標の商標的使用が証明されていないことは明らかである。 (2)被請求人の看板について 請求人が被請求人に対して,被請求人の看板に表記された「逆瀬川住研グループ」なる表記を削除するよう依頼したところ,少なくとも平成27年10月以降に,被請求人は上記看板における「逆瀬川住研グループ」なる表記を削除している事実がある(甲3)。本事実については,令和元年8月1日付けの被請求人答弁書に,「被請求人は,・・・看板の色に近いカッテングテープを使って,看板のうち逆瀬川住研グループにのみ貼り付け目隠しした・・・」と記載されているように,被請求人自ら認めている事実である。 すなわち,乙第1号証に掲載されている上記写真の内容を確認するために,被請求人の看板の表記を見たとしても,平成27年10月以降は「逆瀬川住研グループ」なる表記が削除された状態であるため,確認することができない。 したがって,唯一表記されていた被請求人の看板からも「逆瀬川住研グループ」なる表記を,平成27年10月から確認することができる術がないため,本件商標の不使用は,本件審判の請求時に至るまで3年以上を経過していることは明らかである。 (3)「逆瀬川住研グループ」について 被請求人が被請求人の看板に表記して使用する使用商標は「逆瀬川住研グループ」の文字よりなるところ,その構成文字は同書,同大でまとまりよく書されていること,その構成文字全体から生じる「サカセガワジュウケングループ」の称呼も格別冗長でないこと,そして,その構成文字全体として「逆瀬川住研なる集団」の観念を生じることから,当該使用商標は,その構成全体として一体不可分の商標と認められる。 したがって,本件商標と上記使用商標とは,外観,称呼及び観念が異なり,社会通念上同一の商標とは認めることはできない。 (4)むすび 以上より,被請求人は,要証期間内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定役務について,本件商標を使用していたことを明らかにしておらず,また,被請求人は,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証を提出した。 1 「逆瀬川住研グループ」「逆瀬川ハウジング株式会社」の表示の看板は,被請求人が発行している月刊「住まいる通信」によると,2014年4月1日発行の(2014年)4月号から2017年1月1日発行の(2017年)1月号まで,同じ看板写真の掲載が続いているが,2017年2月1日発行の(2017年)2月号から,平仮名表記の逆瀬川はうじんぐ株式会社の看板写真に差し替わっている。 当該月刊誌には,「逆瀬川住研グループ 逆瀬川ハウジング」と記された看板がかかった本社正面の写真を掲載し続けていた。本社正面の写真は,「住まいる通信」が被請求人により発行されていることを見ただけでわかるようにするため,表題部に掲載したものであり,当該写真は「住まいる通信」の表題部として必要不可欠なものである。 「住まいる通信」は,被請求人のホームページに掲載されており,また,A3サイズにプリントされた文書を顧客に50部程度,郵送しているものである。 「住まいる通信」に逆瀬川住研グループの看板表示がある本社写真の最後の掲載は,2017年1月号(2017年1月1日発行)であり(乙1),それまでは,「逆瀬川住研グループ」と表示された看板写真が掲載され続けていたのである。 「逆瀬川住研グループ」が記載された看板の写真が,「逆瀬川はうじんぐ」の記載の看板写真に替わったのは,2017年2月号(2017年2月1日)からであるので,逆瀬川住研グループの表示を止めたのは,2019年7月末の時点から数えても,2年半足らず前であるから,3年間未使用には該当しない。 したがって,請求人の不使用取消請求は成り立たない。 2 なお,以前は被請求人の看板に逆瀬川ハウジング株式会社の表示の左上に小さな文字で,「逆瀬川住研グループ」の記載があった。この被請求人の看板の記載について請求人から強い削除要求があり,被請求人は,無用な争いを避けるため,とりあえず看板の色に近いカッテングテープを使って,看板のうち「逆瀬川住研グループ」の記載部分にのみ貼り付け目隠しをしたものである。カッテングテープで一時的に貼り付け目隠ししたもので,簡単に取り剥がしできる状態であった。そのような状態がしばらく続いたが,同看板を全面的にやりかえたものが平仮名表記の逆瀬川はうじんぐ株式会社の看板であり,この新看板によりひとまず,逆瀬川住研グループの表記を止めたものである。 新しい逆瀬川はうじんぐ株式会社の看板が建てられたのは,2017年(平成29年)1月下旬頃のことである。 以上のとおり,商標の表示をしなくなって,2年少ししか経っていないのであるから,請求人の未使用取消請求は,成り立たないのである。 第4 審尋及び被請求人の回答 1 審尋 審判長は、令和2年6月3日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解及び請求人提出の令和元年8月27日付け審判事件弁駁書に対する回答を求めた。 2 被請求人の回答 被請求人は,上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。 第5 当審の判断 1 事実認定 証拠及び被請求人の主張によれば,以下のとおりである。 (1)乙第1号証は,被請求人が2017年(平成29年)1月1日に発行した表題を「住まいる通信」とする書面であり,表題の直下には,建物の玄関付近の写真が掲載され,その建物の看板には,「注文建築・建替・リフォーム」,「逆瀬川ハウジング株式会社」の文字及び電話番号等が表示されている。 また,上記看板の「逆瀬川ハウジング株式会社」の文字の左上に何らかの文字が表示されている。 (2)被請求人は,「住まいる通信」(乙1)は,A3サイズにプリントされた文書を顧客に50部程度,郵送している旨述べるが,当該文書の頒布日,頒布方法,頒布地域等,頒布の事実を裏付ける証拠の提出はない。 2 判断 (1)「住まいる通信」(乙1)に掲載された看板について 被請求人は,看板の「逆瀬川ハウジング株式会社」の文字の左上に小さな文字で「逆瀬川住研グループ」の記載があった旨主張するが,その文字は小さく不鮮明で判読することができない。 その他,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用している事実を確認することができない。 (2)「住まいる通信」(乙1)の頒布日,頒布方法,頒布地域等,頒布の事実を裏付ける具体的な証拠の提出はないから,当該文書が頒布されたとは認めることができない。 (3)小括 上記のとおり,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間内に,本件商標権者が,本件審判の請求に係る指定役務について,本件商標を使用したことを認めるに足る事実を見いだせない。 3 まとめ 以上のとおりであるから,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者が本件審判の請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。 また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定役務について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-08-21 |
結審通知日 | 2020-08-26 |
審決日 | 2020-09-09 |
出願番号 | 商願2015-53168(T2015-53168) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(W3637)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 齋藤 貴博 |
特許庁審判長 |
榎本 政実 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 小松 里美 |
登録日 | 2015-10-23 |
登録番号 | 商標登録第5800865号(T5800865) |
商標の称呼 | サカセガワジューケン、サカセガワ |
代理人 | 小杉 茂雄 |
代理人 | 特許業務法人 いしい特許事務所 |